ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ここでも、今さらながらの令和あけおめ

★春過ぎて、夏来たるらし、白NOVAの〜

 

晶華「ハイラスおじさん、遊びに来たよ。NOVAちゃんも一緒だよ〜」

 

NOVA「おお、ハイラス。平成以来だな。令和でも元気にやってるか」

 

ハイラス「元気も何も、私は目下、リュウソウジャーを見て激怒しているでござる!」

 

NOVA「は? 何で、激怒する必要があるんだ?」

 

ハイラス「曲がりなりにもドルイドンを名乗る組織。もっと、自然や調和を大切にする集団かと思いきや、人類を根絶させての地球侵略など愚の骨頂。もっと人と自然に優しい、パーフェクトでハーモニーな侵略活動を求めるものでござる」

 

NOVA「まあ、俺もリュウソウジャーには当初の期待がずいぶん外れたなあ、と思っているんだがよ。もっと、こうファンタジーで、いかにもRPGって感じの壮大な王道物語を想像していたんだが、結構、俗っぽくて軽いというか、方向性は昔、カクレンジャーを見たときの気分だな、と思ってる」

 

晶華「カクレンジャーって、元祖忍者戦隊よね。NOVAちゃんは、カクレンジャーが嫌いなの?」

 

NOVA「いや、嫌いというか、忍者という単語から想像したイメージとは違ってな。まあ、当時はパワーレンジャーアメリカで流行していたこともあって、ポップな忍者というかアメコミ風の演出が多用されて、伝統的な忍者とは違った方向の作品になっていたんだよ。要は、シリアス風味を期待したら軽すぎた。当時は、西洋ファンタジージュウレンジャー、中華風のダイレンジャーと来て、和のテイストのカクレンジャーの流れだったから、キタコレと思ってみたら、無敵将軍のデザインと紙芝居風な講釈師ナレーション以外には、ほぼ和のテイストはなし。おまけに敵の妖怪も伝統的なデザインの再解釈で、おまけに幹部の貴公子ジュニアなんて、パンクロックのファッションだぜ。このセンスには正直、付いていけないと当時は感じた」

 

晶華「そんな風にカクレンジャーをDisって大丈夫?」

 

NOVA「あくまで20年以上も前の感想だ。今は、伝統にあぐらをかかない東映の姿勢を評価しているさ。ただ、俺は気質的に伝統重視な保守派だからな。新機軸に対しては、すぐに感情的には受け入れられないことも多いんだ。カクレンジャーよりは、その後のハリケンジャーニンニンジャーの方が、割と伝統的な和のテイストを組み込んでいると感じたな。もっとも、戦隊で和と言えば、侍戦隊シンケンジャーが至高だと考える次第」

 

晶華「だけど、そんなカクレンジャーを見続けた理由は何?」

 

NOVA「ケイン・コスギのジライヤが好きだったのと、無敵将軍の火炎将軍剣のビジュアルの格好よさだな。シリーズ通して見たり、後から振り返ると、花のくノ一組とか、矢尾一樹声のニンジャマンとか、当初は頼りない印象だったニンジャレッド・サスケの主人公としての成長とか、戦隊初の女リーダーとしてのニンジャホワイト鶴姫の歴史上の意義とか、いろいろ良かった点を語れることもあるし、リアルタイムの感想が視点の変化で再評価に至ることもある。あと、俺が求めた和のテイストや忍者要素は、30分前に放送していたGガンダムが適度に満たしてくれていたからな。Gガンダムで燃えた後に、カクレンジャーにつなげる流れが俺の94年の金曜夕方タイムだった」

 

ハイラス「カクレンジャーはこの際、置いておいて、目下の問題はリュウソウジャーでござる」

 

NOVA「分かったよ。じゃあ、今日はここまでのリュウソウジャー感想だな」

 

★恐竜戦隊の伝統とファンタジー要素

NOVA「では、リュウソウジャーに至る前に、戦隊における恐竜モチーフの歴史をおさらいしよう。晶華、元祖恐竜戦隊は何だ?」

晶華「そんなの常識よ。1978年の恐竜戦隊コセイドンに決まっているじゃない」

NOVA「それはスーパー戦隊じゃねえ! コセイドンについては、時間旅行ものとか、人間大砲で変身するコセイダーが宇宙刑事に先駆けてレーザー剣で戦うとか、中の人であるスーツアクターの二家本辰己さんがそれ以前にアイゼンボーやウルトラマンレオや、流星人間のゾーンファイターや、メカゴジラの逆襲の恐竜怪獣チタノザウルスを演っていたなど、興味深いトピックはあるが、キリが無いので割愛。まじめに行け!」

晶華「だったら、マニアじゃない一般的な特撮知識として、恐竜戦隊ジュウレンジャーと答えるわ。1992年。これって何の年?」

NOVA「ゴジラVSキングギドラで、前身のゴジラザウルスなんかが設定された年でもあるな。ジュラシックパークの映画は翌年の93年で、それ以前の原作小説を軸に恐竜ブームが爆発する直前って感じだ。次は?」

晶華「2003年の爆竜戦隊アバレンジャーね。その次は2013年の獣電戦隊キョウリュウジャー。ここでは、ドクターや弥生ちゃんが所属していた重要な戦隊でもある」

NOVA「うむ。ここまでは10年に1度の恐竜もの戦隊の流れがあったわけだが、今年の騎士竜戦隊リュウソウジャーは少し早い。当初は、恐竜ではなくて、ファンタジックなドラゴンだろうとも予想されていたが、結局は人気モチーフの恐竜が採用された。ともあれ、敵の名前がドルイドンということもあって、いかにもなファンタジー設定だなあ、と期待していたんだが……」

晶華「あまり、ファンタジーって感じじゃないのよね。何でだろう?」

NOVA「脚本家の山岡さんは現代もの、ハードボイルド方面の作品を手がけている人で、ファンタジーについては門外漢っぽいんだよな。だから、敵のマイナソーの能力を推理したり、トリックを仕掛けた脚本は書けるんだが、ファンタジーのお約束は分かっていない」

晶華「ファンタジーのお約束って例えば?」

NOVA「現代ものでファンタジーをやるなら、異文化交流に際しての価値観の違いとかはドラマ上での格好の題材だろう? コウたちが森を出て、あまり常識を持たずに日常でドタバタ騒ぎを展開しながら、折り合いを付けていく。そういう話をやる前に、事件が発生して、その解決にてんやわんやしながら、ここまで進めてきた。普通なら、非常識なコウたちの振る舞いに、一般人のういちゃんが翻弄されながら、彼らに世の中の常識を教える流れがあって、しかるべきなんだが」

ハイラス「なるほど、私がNOVA殿にあれこれ教わるまでは、この世界の常識が分かっていなかったようにか」

NOVA「そう。過去作で言うなら、ジュウレンジャーは当初、伝説の戦士なので日常生活が描かれていなかった。一般人レギュラーもいないので、交流があるとすれば、ゲストの子どもだけ。まあ、この時期までの戦隊は軍隊組織や博士の研究機関に所属する専業戦士が多く、チーム以外の私生活が描かれている例外は、高校生戦士のターボレンジャーや、民間人上がりのジェットマンぐらい。まあ、ダイレンジャーカーレンジャーメガレンジャーの頃から、戦士としての生活よりも日常パートが多く描かれるようになった感じだな。そして、序盤でリュウソウジャーとの共通要素が多く見られたのがギンガマン。故郷の森が石化して、知り合った親子のつてで牧場経営しながら宿敵との戦いに備えたりする。レギュラー子供との交流で現代文明を学習する異文化チームは、以降、ゴセイジャーに受け継がれる」

ハイラス「なるほど。ヒーローと子供との交流テーマは、古くは仮面ライダーアマゾンにも見られた伝統でござるな」

NOVA「ああ。90年代だと、アニメの勇者ロボもそういう傾向が強い。そして、この子供の立ち位置を、主人公の大人(レッド)に置き換えて、一人の現代人と、その他の未来人の混成チームにしたのがタイムレンジャーであり、その系譜はジュウオウジャーに受け継がれた」

晶華「ジオウもそういう形式ね」

NOVA「そうだな。逆に異世界人が現代人をスカウトしてチーム編成する話は昔も今もいろいろあるが、アバレンジャーキョウリュウジャーもその系譜だな。この場合は、異世界人が司令塔になって、日常生活を送っているメンバーに連絡を寄越したり、強引に召喚したりする。この辺は、異世界人がマスコットキャラを兼ねたりすると、デンジマンだったりプリキュアだったりする」

晶華「へえ。デンジ犬アイシーは、プリキュアにおける妖精の走りになるわけか」

NOVA「チーム編成はともかく、異世界人であるメンバーが、現代社会でどう日常生活を送ったり、敵の作戦に対抗して情報収集したりするかが、戦闘前の日常パートの醍醐味なんだけど、リュウソウジャーの場合、情報源はういちゃんに頼りきり。その割に、ういちゃんの扱いがあまりよろしくないのが不満材料だな。戦闘で活躍できないのは当然として、日常生活面でもっと仕切り役になってもらいたいが、意外とレッドのコウが現代社会に順応していて、普通にトラブルを起こしていない。常識人のコウと、順応度の低そうな他のメンバーの構図になっていて、ういちゃんの出る幕がない感じだ。異文化であるリュウソウ族の描写やメンタリティーよりも事件の展開と解決に力を注いだ脚本ゆえだが、ファンタジー設定を持て余している気がする」

ハイラス「だったら、どうして脚本家の御仁は、ファンタジー設定を選んだのでござるか?」

NOVA「こういう設定にしたのは、脚本家よりもスポンサーのバンダイの玩具展開側なんだろうな。だけど、脚本家としては、ハードボイルドなバンバ兄さんと、熱血漢な王道ヒーローのコウの衝突をドラマの核に描きたいんじゃないだろうか。そして、コウとバンバの間を取り持つ仲裁キャラがトワで、アスナとメルトはコウの友人1と2に過ぎない。だから、アスナとメルトの主役回はサブライターに任せて、ういちゃんも単なる情報源とか一般人子供以上の役割は想定していない。コウとバンバの対立ドラマから生じる葛藤が縦糸で、敵役のドルイドンも現状は事件を起こす舞台装置以上の意義が見受けられない。こんな感じに分析したが、どうだろうか」

晶華「ハードボイルドな殺し屋バンバと、使命は共有するけど日常生活を大切に考えるコウと、橋渡しなトワと、お気楽極楽なアスナと、心配性なメルトって、ところか。現代ものなら普通にドラマが成立するわね」

NOVA「そう。ケバブ屋の長老といい、さっさとファンタジー設定は捨ててしまった感だ。ただ、ハードボイルドにしたいんだけど、子供番組として受け入れられるように下手なコミカル要素を入れたりして、ちぐはぐになっている。頑張って試行錯誤しているが、井上敏樹大先生ほどの思いきりの良さがないので、格好よさもお笑いも中途半端というか、琴線に響かない。まあ、1クールが過ぎて、ガイソーグとか6人目とか入ってくるなら、程よくかき混ぜられるかもしれないけどな」

ハイラス「NOVA殿は、リュウソウジャーにファンタジー路線は期待しない、と考えているのでござるな」

NOVA「ああ。期待しても得られないなら、別の何かを期待したらいい、と割り切るわけだ。ドルイドン族におけるドルイド要素については、マイナソー・ブリーダー以上の戦略が見えて来ないので保留するにして、こいつらバカだよなあ、とは思う」

ハイラス「確かに。育成目的なら、派手に行動しすぎだと考えるが、クレオンのあの性格からして、自分の言いたいこと、やりたいことを抑えて、こっそり振る舞うことができないのでござろう」

晶華「本人は、こっそり陰口を言っているつもりで、周りが見えていないものね。きっと、マイナソー育成にしてもこっそりやっているつもりで、全然隠せていないというのが実際なのかも」

NOVA「知恵者と思われたワイズルーからして目立ちたい根性の塊だし、性格的に嫌らしい奴だけど、相手の能力を分析して作戦を練るような頭の良さは持っていないようなので、劇場型犯罪めいた作戦なんだよな。だったら、ジニス様の配下として行動する方が、適材適所だったろうな」

ハイラス「きっと、今の先遣部隊は、ドルイドン族の中でも下っ端の使い捨てメンバーでござろう。真のドルイドンの大物は、もっとパーフェクトでハーモニーな、地球に優しい侵略活動を意図しているはず」

NOVA「そういうのが見たければ、ZECTに入れよ。次回のジオウで矢車さんに期待すればいい」

晶華「やさぐれてなければいいけどね」

NOVA「いや、地獄兄弟という名目で出るんだから当然、やさぐれているんだろうが、その中にあって、パーフェクトでハーモニーな令和時代の矢車さんが見たいなあ、と思うわけだよ。命令して、調和なんて、いかにもザビー時代の矢車さんが好きそうな言葉だし」

(当記事 完)