ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

基礎呪文の話2

♦改めて魔法の復習

 

 

ダイアンナ「今回こそ、基礎呪文の話をするぞ」

 

リバT『前回は愛から幻想の話に進んで、帰って来れなくなりましたからね』

 

ダイアンナ「そもそも愛も、幻術も、あたしの専門領域なんだけどね。パグマイアのアーティザン呪文にはあまり反映されていないんだよ」

 

リバT『一応、2レベル呪文に分身を作るミラー・イメージがあるのですが。ただ透明化のインビジビリティーや、幻影の中でも応用力の高いファンタズマル・フォースは割愛されています』

 

ダイアンナ「パグマイアは、D&Dの簡易ルールでもあるから、どの呪文が採用されて、どの呪文が削られたかを語るだけでも記事ネタになるんだよな。で、結局、いくつ削られたんだ?」

 

リバT『ウィザードの1レベル呪文は、5版では30種類もあって、そのうち12種類がベーシックルールで示されています。この12という数はクラシックD&Dのマジックユーザーと同じだけで、やはりベーシックルールがかつてのクラシックD&Dに相当するゲームだという根拠の一つになりますね』

 

ダイアンナ「パグマイアのアーティザン1レベル呪文は10種類だから、5版の3分の1かあ。まあ、呪文の数が多いと、その中から2つ選べと言われても目移りするからなあ。10個から2つ選ぶ方が、30個から2つ選ぶよりも初心者には分かりやすいということだな」

 

リバT『なお、アドバンストD&Dの第2版ですと、1レベル呪文は45種類』

 

ダイアンナ「それを語っているだけで、記事が4つか5つは書けそうだよなあ。あたしには、とても無理だ」

 

リバT『グランドマスターがここにいれば、嬉々として語ってくれるかもしれませんがね』

 

ダイアンナ「そういう記事を喜んで読むのは、それこそマニアってものだろう」

 

リバT『まあ、世の中にはマニアぶって知ったか発言をしてみたはいいものの、土台がないので底の浅さをあっさり見破られる御仁もいるのですけどね。相手の発言内容から、相手の知識レベルを推し量れるのはマニアの基礎レベルですから』

 

ダイアンナ「マニアや面接官が評価するのは、相手の今の知識ではなく、熱意や将来の伸び代なんだろうけど、知識人ぶって何かを上から目線で批評するのがマニアだと勘違いしている人間は困ったものだ」

 

リバT『マニアが上から目線になるのは、自分が追いかけているジャンルや学問への日頃の研鑽に自信があるからですね。そして、マニアとマニアもどきを見抜く簡単な方法があります』

 

ダイアンナ「何だ、それは?」

 

リバT『マニアは、自分が知らない知識に遭遇すると目を輝かせるんですよ。あるいは、「そうかあ。この世界はまだまだ奥が深いなあ」とか「俺の知らない知識がまだまだあったなんて。不覚」とか、とにかく知識に対する探究心が自然と言葉に出てしまうんです』

 

ダイアンナ「マニアもどきは?」

 

リバT『付け焼き刃の知識のメッキがはがれると感情的に悔しさが先立つので、不愉快になって黙り込むか、話をそらすかして、そこで生来の探究心がないことが分かってしまうんです。知らないものに触れて、そこで知りたいと思う気持ち。これこそ、真のマニアと、似非マニアの差ですね』

 

ダイアンナ「マニアが知識自慢をするのは?」

 

リバT『そりゃ、自分の趣味を語りたい。自分の趣味愛を示したい。それを受け入れてくれる同好の士を見つけたい。そんなところでしょうか。そういう人間が二人いると、互いの知識を示して鞘当てが始まります。そのリアクションをもって、相手の力量を察すると、その趣味における敬意が決まります』

 

ダイアンナ「自分と同じくらい、趣味にのめり込んでいると分かると?」

 

リバT『同族嫌悪を感じるか、同志に出会えたと喜ぶかは、当人の性格次第ですが、たいていは「相手がこういうネタを振ってきたから、自分はこう返そう」とか激しいやり取りに発展して、双方、それを楽しみますね。テニスでラリーが続く感じ』

 

ダイアンナ「そこで負けると?」

 

リバT『勝ち負けはどうでもいいんです。自分のネタ振りに付いて来た相手を称えたり、相手のネタの豊富さに脱帽したりして、相手と後腐れを残さない。逆に、話題が続かない相手はつまらない、本気を出して語るに値しない、ということで、話のレベルを引き下げますが、それで相手してもらえたと喜ぶようでは、まだまだですね。おまけに話題のレベルを下げてもらったことに気づかず、相手と対等の話ができていると思い込むのは、鈍感もいいところです』

 

ダイアンナ「今日のテーマは、マニア論か?」

 

リバT『……前置き終了いたします』

 

♦マニアックな魔法の話


ダイアンナ「結局、魔法使いって魔法や知識に対して、マニアックなこだわりを見せられるかがロールプレイのコツだよなあ」

リバT『ええ。いちいちルールブックを開いて、呪文の数を数えるとか、意味もなく照らし合わせるとか、そういう自己アピールですね』

ダイアンナ「そしてD&Dのウィザードは、何よりも呪文書がポイントになるな。呪文書に覚えた呪文を書き留めて、毎日パラパラめくって呪文を覚えるのが古典的な魔法使い」

リバT『ですから昔は、リードマジック(魔法解読)が必須呪文だったのですよ。ダンジョンマスターが魔法使いキャラに最初に与える呪文に指定されているぐらいに』

ダイアンナ「昔ということは、今は?」

リバT『リードマジックという呪文の存在自体が消えましたね。3版では残っていたのですが、4版で抹消されたようです。そんな呪文の助けがなくても、魔法使いたるもの普通に呪文を読むことができるはず、ということでしょうね』

ダイアンナ「すると、リードマジックにこだわりのあるファンの嘆きが凄かったろうな。『俺のリードマジックたんを返せ』とか『リードマジック復活希望署名』とか」

リバT『そんな話は聞いたこともありませんが、もしかするとパスファインダーに転向したファンの中には、リードマジックの熱烈なマニアがいたのかもしれません』

ダイアンナ「だけど、パグマイアにはリードマジックはないよなあ」

リバT『そもそも、アーティザンは呪文書を使わないではありませんか』

ダイアンナ「そうだった。あたしのキャラは、女帝カードの力で呪文を使う」

リバT『アーティザンは、自分に同調した焦点具の働きで、魔法の力を呼び起こすのでしたね。特殊な道具主体なので、魔工師と呼ばれるわけで』

ダイアンナ「本を読みふける引きこもりになりがちなD&D魔法使いに対して、パグマイアのアーティザンはフィールドワークを主体にする考古学者といった印象だと」


♦魔法の匂いを嗅ぎ分ける


リバT『マニアにとって重要なのは、自分にとって大切なものや知識を嗅ぎ分ける力です』

ダイアンナ「マニアの話じゃなくて、魔法使いの話だろう?」

リバT『どっちも似たようなものですわ。魔法使いは魔法の物品を発見する呪文を持ちます。それこそ、ディテクト・マジック。同時に優れたマニアック・センサーを持っている者は、自分の興味ある情報への嗅覚、発見能力が研ぎ澄まされるようになりますし、そういうセンスの高さは仲間うちでも情報通として感謝と評価を受けることになります。面白い情報への嗅覚が優れた人間は、趣味の場においては重宝される。これは一つの武器になりますね』

ダイアンナ「魔法の話なのか、マニアの話なのか分からなくなってきたが一つ分かったことがある。情報の大切さだ」

リバT『そうです。情報は速さと正確さの両方が大切ですが、早とちりをしてしまった場合、訂正しつつ、自省してみせることで、信頼性と評価を維持することも可能。と言うのも、マニアにとっては、「間違った情報を流してしまったこと自体が痛恨事」なので、そのことを周りに恥じるというより自分の迂闊さそのものが痛たまれなくなる。間違いは早めに訂正して、過ちを正さずにはいられない。それこそ、マニアの心意気であり、間違いを放置して平気などというのは有り得ない。
『逆に言えば、「間違いに対して無頓着」という姿勢ではマニアたり得ないわけですね。間違いを指摘された際に、恥をかかされたと思うか、正してくれてありがとうと思うかは人それぞれですが、集団の一員になる気があるなら、「仲間うちで知識を共有し合える関係」を尊重すべきで、集団内に自浄作用があることを喜べる人間でありたいものです』

ダイアンナ「結局、マニア論か。だけどTRPGに引き戻すなら、『感知判定はパーティーの誰かが成功すればいいのだけど、自分は失敗したのに仲間の誰かが成功した。悔しい』などと感じるのは変だ、ということだな」

リバT『一蓮托生という気持ちがあれば、自分が気づかなかったことを誰かが先に気づいて教えてくれたことに、感謝こそすれ、悔しがる必要はあまりないのですけどね』

ダイアンナ「それでも、自分のこだわりのある分野で、負けたくないと張り合う気持ちも分からないでもない」

リバT『まあ、判定はダイス目の運不運もありますし、情報の早さはタイミングもありますので、個人の能力もさることながら、うっかり勘違いは普通に発生し得るわけですね。だから賢明な趣味人は、情報の出所を確かめて、裏づけをとったりするわけです。それと、間違いが発生した場合の誠意ある対応というのは、一時の恥を越えて、その人の信頼を高めることもあります』

ダイアンナ「間違えても、しっかり責任をもって正そうとすることで、発信する言葉への責任感を明示するってことか」

リバT『そもそも、自分のしでかした過ちは正さないとって自然に考えられる、うちのグランドマスターみたいな人なら言わずもがな、のことなんですけどね。ただ、やはり「思い込みが強すぎて、やたらと間違えたことばかりを連発して、たびたび注意されているにも関わらず、一向に間違い癖が改まらない信頼性が失墜してしまった人」という事例を見ますと、もはや一時の過ちではなく、生き方の問題にまで関わってくるのかも、と考える次第』

ダイアンナ「リバT。そういう揶揄めいた悪口はやめよう。ダディーが該当人物と付き合う上で、少しでも不愉快さを減らそうと考えて、問題点を分析指摘して、当人に改善を促す意図ならば教育指導という名目も成り立つだろう。だがしかし、もはや愛想を尽かして、関係性を断ち切る方向に舵を切った以上は、ただの悪口雑言にしかならない。傍目に未練がましい真似を続けるのは、ダディーの品格にも関わる問題だ。不毛な言葉は慎んで、もっと他の読者が読んで楽しめる薀蓄話を展開すべきと思うが、どうだろうか?」

リバT『……そうですね、マイクイーン。軽率な発言を、読者の方に陳謝します。では改めまして、速やかに、正確な情報を得るためのディテクト系の呪文の話を続けましょう。ディテクト・マジックは、アドバンストD&Dにおいて、魔術師が習得すべき呪文として、リードマジックと共に推奨されていました。そして、パグマイアにおいては「スメル・マジック」という名でアーティザンの基礎呪文になっています』

ダイアンナ「スメル・マジック、すなわち魔法嗅覚だな」

リバT『D&Dにおけるディテクト系の呪文は、犬らしくスメル系の呪文という形に名称変更されております。この辺のネーミングセンスがパグマイアの面白いところですね』

ダイアンナ「基礎呪文だから、何度でも使えるんだよな。部屋に入るたびに、『魔法の気配がないか匂いを嗅ぎます』と宣言しておけば、何かお宝が見つかるかもしれなかったんだ」

リバT『そうですね。ポーション一本でもマジックアイテムなので、これからは機を見て忘れずに使うといいでしょう』

ダイアンナ「後学のために聞いておくが、他にディテクト系、あるいはスメル系の呪文はどんなのがあるんだ?」

リバT『私のフリーダが病毒嗅覚、すなわちスメル・ポイズン&ディジーズ、略してスメポディを習得したのはご存知でしょう?』

ダイアンナ「ああ。医療従事者が欲しがる呪文だな」

リバT『ゲームではどういう局面で使うか結構、悩む呪文だと思うんですけどね。感染症の患者を探すようなシナリオでもない限り、使いどころがないかと思われますが』

ダイアンナ「あるいは、毒キノコを探すようなシナリオとかか?」

リバT『ああ、なるほど。見つけたキノコが毒なのか、それとも食べられるのかをチェックすることはできますね。毒が分かるということは、毒ではないものも分かるということですから』

ダイアンナ「逆転の発想という奴だな。前もって呪文の有効な利用法を考えておくと、実際のゲームにおいて賢明なプレイを狙えそうだ」

リバT『昔は、TRPG雑誌なんかで「各種の呪文の有効な使い方とか、何がお勧めの呪文か、という魔法使い指南講座」が特集記事で載っていたと聞きます』

ダイアンナ「今でも、トレーディングカードゲームなんかで、『初心者向きのカードとか、上級者向きのコンボとか』がいろいろ載ってそうだけどな。で、他にスメル系は?」

リバT『パグマイアでは見当たりませんでした。D&Dだと邪悪感知(ディテクト・イーヴィル)やら、思考感知(ディテクト・ソーツ)、動植物感知(ディテクト・アニマルズ&プランツ)、亡者感知(ディテクト・アンデッド)、隠し扉感知(ディテクト・シークレットドア)、罠感知(ディテクト・スネアー&ピット)など、様々な感知呪文があるようですが』

ダイアンナ「記事を書く上では、誤字感知とか虚偽情報感知のような呪文があると重宝するんだけどな」

リバT『勉強だと、計算ミス感知とか、スペルミス感知とかがあると有効ですね』

ダイアンナ「でも、虚偽情報感知の呪文があれば、正否を問うOX問題では無敵だよな」

リバT『それよりも、正解感知の呪文でしょ。選択問題では100%の正解が出せます』

ダイアンナ「知識系、情報系の呪文は、情報を重視する今の時代ではますます重要度が上がっているということだな」


♦魔法の手


リバT『アーティザンもう一つの基礎呪文がマジック・ポー。D&Dにおけるメイジ・ハンドです』

ダイアンナ「10m先の物を半透明の手で操作できる術だな。罠の掛かってそうな扉を遠くから開いたり、牢の中から牢番の腰にある鍵束をスリ取ったり、本棚の本を寝転がったまま取り出したり、いろいろと遊べそうだけど、前回のプレイでは失念していた」

リバT『魔法快盗としては、本当に使い道の豊富そうな呪文ですね』

ダイアンナ「ダイス目が悪いな、と思ったときに、テーブルを少し傾けて出目を変えるとか?」

リバT『イカサマみたいなものじゃないですか』

ダイアンナ「机からコロコロ転がり落ちた筆記具や消しゴムを拾うのにも便利」

リバT『確かに便利そうですが、冒険中には役立ちませんね』

ダイアンナ「攻撃にも使えないんだよね。動かせる重さはどれくらい?」

リバT『パグマイアには具体的な記述がありませんが、D&Dだと10ポンドまで、と書いてあります』

ダイアンナ「ポンドと言われても分からん。グラムでお願い」

リバT『4.5キログラムぐらいですね』

ダイアンナ「小柄なネコぐらいなら投げれそうだな」

リバT『投げないで下さい。優しく、そっと運ぶこと』

ダイアンナ「とにかく遠くのものを拾い上げたり、操作したりするぐらいの呪文と考えたらいいんだな」


♦エレメンタル・レイについて


ダイアンナ「最後に、攻撃用の基礎呪文エレメンタル・レイなんだが」

リバT『熱、冷気、電撃の3タイプの使い分けできるのが便利ですね』

ダイアンナ「元のD&Dにはあるのか?」

リバT『0レベルだと、火ダメージを与えるファイアーボルト(炎の矢)や、冷気ダメージを与えるレイ・オブ・フロスト(凍結光線)、そして電撃ダメージを与えるショッキング・グラスプ(電撃の手)などの攻撃呪文があって、電撃は接触が必要な代わりに金属鎧に有利だったり、火ダメージが少し大きかったり、冷気は相手の移動力を下げたり、個々の違いが設けられています』

ダイアンナ「つまり、細かく分かれた各種呪文を一つに統合して単純化したのが、パグマイアのエレメンタル・レイということか」

リバT『そう解釈することも可能ですね。何しろD&D5版では、ウィザードの0レベル呪文だけでも16種類もありますから』

ダイアンナ「パグマイアの3種類だけとは、ずいぶん違うなあ」

リバT『パグマイアでは厳選された3種類の基礎呪文を全て最初から習得していますが、D&Dでは16種類の中から3種類を選ぶ形ですね。その中には、攻撃呪文だけでも先に挙げた3つの他に、酸を噴き出すアシッド・スプラッシュ、死霊の手で相手をつかむチルタッチ、毒を放射するポイズン・スプレーがあって、よりどりみどり』

ダイアンナ「それらはどちらかと言うと、ダーク系に属する感じだな。ネコルールの方に採用されていそうだ」

リバT『確かに、猫の魔法使いマンサーは死霊使い的な感じですものね。パグマイアのルールブックに載ってあるモンスター扱いの「猫の外道死霊呪術師」は、通常攻撃が「魂消(たまげ)る手」でチルタッチみたいですし』


♦おまけのD&D話


ダイアンナ「それにしても、D&D5版では、0レベル呪文で16種類、1レベル呪文で30種類もあったら、初心者は何を選べばいいのか分からないだろう?」

リバT『一応、簡易作成法は用意されているんですよ。それによると、0レベルではメイジ・ハンド、ライト、レイ・オブ・フロストの3つが推奨されています』

ダイアンナ「ライトは光の呪文だな」

リバT『ええ。パグマイアでは、光系は総じてシェパード呪文になりましたので、アーティザンは使えません。D&Dでは魔術師系と僧侶系でかぶっている呪文もありますが、パグマイアでは区別されていますね。念のため補足すると、D&Dの推奨1レベル呪文は、スリープ、チャームパーソン、バーニングハンズ、フェザーフォール、マジックミサイル、そしてメイジアーマーの6種です。今のD&Dでは最初から9種類の呪文が呪文書に書かれた状態ですね。ただし、初期状態で1日に使えるのは、0レベル呪文が無限回で、1レベル呪文が2回だけですが』

ダイアンナ「パグマイアも1レベル呪文が2回というのは変わらないぞ。ただし、ルビーの場合はCONボーナスで+2されているだけで」

リバT『D&Dでは、CONによって呪文の使用回数が増えることはありませんので、パグマイアの方が緩やかですね。それでも0レベル呪文があるおかげで、魔法使いが呪文を使い果たして何もできないような事態はなくなりました。クラシックの時代に比べると、はるかに遊びやすくなっていますね』

ダイアンナ「昔の不便な時代を懐かしく思い出しながら、『昔は大変な状況でも、わしらは頑張った。それに引き換え、今の若い者は恵まれた環境で甘やかされておる』と偉そうにのたまうのは年寄りの癖みたいなものだからな。今の若者の苦労を知ろうともしないで」

リバT『まあ、その時代その時代に合わせた生き方というものがありますからね。クラシックD&Dで懐古したければそうすればいいし、今のD&Dやソード・ワールドを楽しみたければそうすればいい。もちろん、パグマイアも含めて。昔に比べて、今がいいのは選択できるものが増えているということですね。それは同時に、研究できるもの、比較対照できるものも増えているということ。どう移り変わったかの話を通じて、守旧派と革新派のどちらも楽しめる記事を書けたらいいと思います』

ダイアンナ「ああ。温故知新はダディーの好きな言葉だからな。どっちがいいではなくて、どっちもいいという精神だろう。そして、時代を俯瞰して見るには、過去も現代も未来も偏見のない目で分析しないといけない。『昔は良かった。それに比べて今は……』ということを言い始めた時点でその人間の脳は老化が始まっていて、ろくにアップデートできていないに等しい。新しいものもどんどん追いかけて、昔の知恵と組み合わせて、より良い発展を考えていきたいな」

リバT『そうですね。過去を思い出すのは、今を生きるヒントとして使う知識の源泉であって、過去にしか生きられないというのでは、その人間の人生はもう終わっている、ということかもしれません。生きた化石呼ばわりされないためには、全ては不可能でも、自分の決めた分野で今の流れを追いかけていける人生であって欲しいものです。うちのグランドマスターには』

ダイアンナ「そのとおり。そしてあたしたち周りにいる者も、そういうダディーの生き方を、研究助手みたいにサポートする立ち位置を維持したいもの」

リバT『では、そういうことで、今回の呪文研究はこれぐらいにしておきましょう』

ダイアンナ「次はせっかくなので、クラシックD&Dの1レベル呪文も総括しておくか。確か、以前、ドルイド呪文の研究記事はあったけど、魔法使いや僧侶呪文は時間が掛かるから、という理由で手を付けていなかったろう? だけど、パグマイアや5版の話をここまで展開した以上は、ついでに1レベル呪文ぐらいは話せると思う」

リバT『ああ。では、アストさんも参加してもらうと良さそうですね。彼はクラシックD&Dにもこだわりがありそうですから』

ダイアンナ「うむ。今の時代、クラシックD&Dに詳しいというだけでも、それはそれで価値はあるからな。問題は『経験者なので詳しいと自称しながら、実はよく知らないで、間違ったことばかり言ってるのに、相手して欲しさにしゃしゃり出てくる輩』だから、そういう他人の研究活動の邪魔をするしか能のない人間は引っ込んでおれ、と言っておく」

リバT『最後に辛辣なことを言いましたね』

ダイアンナ「当然だ。懐古なら懐古でもいい。しかし、今の時代に付いて行けない己の不遇を事あるごとに嘆き、ぶつくさ言ってるだけのコメントには、用はない。あたしが求めるのは、キラキラしたお宝であって、骨董的価値のある貴重な意見ならまだしも、磨きもしないまま枯れ果て錆びついた腐臭を放つゴミを愛でる趣味はない。人に相手して欲しければ、哀れな乞食みたいな心根を振り捨てて来るといい。魅力的な人間とはいかにあるべきか、自分なりの哲学をもって振る舞うべきであろう」

リバT『さすがは、マイクイーン。では、私たちも魅力的な記事が書けるよう、しっかり精進して参りたいと思います』

ダイアンナ「ああ。人に偉そうに言うだけなら、バカでも言える。今の言葉は、自分自身の生き方に対する戒めでもあるわけで、あたしたちもキラキラしたお宝を目指したいもの。ここは、そのためのブログだということで」

(当記事 完)