ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

パグマウ・トカゲの天命

★トカゲ話のつづき

 

リバT『今回は、トカゲの天命、つまり職業クラスの話をします』

 

ダイアンナ「確か錬金術師(アルケミスト)をアレンジした職種の、錬塩術師(アルカリスト)だったよね」

 

リバT『海賊サプリに用意されているトカゲの天命は、全部で5種類ありますね。そのうち、アルカリストはトカゲしかなれないもので、他は前に紹介した4職の名前違いになります』

 

アスト「聖戦士クルセイダー、犬銃士ガンドッグ、鉄砲玉トーピード、海魔道士ミスティックだったか」

 

リバT『ええ。前の2つはイヌの天命、後ろ2つはネコの天命ですので、海賊サプリを導入することでイヌ、ネコはそれぞれ基本6種に加えて、合計8種の天命を持てるわけですね』

 

ダイアンナ「イヌのミスティックや、ネコのクルセイダーは無理だと」

 

リバT『ガイドが特別に認めてくれれば別ですが、世界観的には稀なケースと言えるでしょうね。ネコ文化で育ったイヌが、武道を身につけて求道者ワンダラーになるのは、例えば現実世界で犬が木登りするようなものでしょうか。あるいは、猫を飼い慣らして盲導猫とか警察猫にするようなもの?』

 

ダイアンナ「警察猫について調べてみると、こういう記事を見つけたよ」

 

アスト「なるほど。ネコは嗅覚よりも聴覚が発達しているのか」

 

リバT『イヌとネコの違いについては、こういう記事も面白いですね。まあ、本筋には関係ないので話を進めます。ルールどおりに考えるなら、イヌとネコはそれぞれ8種に対して、トカゲとトリは5種類の天命が海賊サプリで用意されました。トカゲの場合は、修道兵ダルヴィーシュ、射撃手シューター、銃使いガンスリンガー、潮魔導師メイガスがイヌ、もしくはネコの追加職に対応。そしてトカゲ固有の錬塩術師アルカリストですね』

 

アスト「アルカリスト以外は、前に説明しているから割愛なのか?」

 

リバT『いいえ。どうせなら、トカゲ仕様でのロールプレイ方針などを考えてみたいと思います』

 

★修道兵ダルヴィーシュ


リバT『イヌのクルセイダーは重武装のできる信仰戦士職で、守護者ガーディアンか牧師シェパードのどちらかに準じた役割、成長コースを持っています』

アスト「ガーディアンとして成長コースを選んだ場合は、あまり美味しくないと言っていたな」

リバT『その場合、回復呪文が使えませんので、ただの戦士と大差ないですから。やはり、聖戦士と名乗るからには、信仰呪文が使えて何ぼでしょう。一方、トカゲがダルヴィーシュを選択する場合、ガーディアンルートを選ぶことにも重要な意味が生まれます』

ダイアンナ「呪文が使えない聖戦士に意味がある、と?」

リバT『トカゲで重装鎧が装備できる天命はこれだけですからね。つまりイヌにとっては基本戦士職のガーディアンに加えて、新たに信仰戦士の特性を持ったクルセイダーが追加された形ですが、トカゲにとっては他に戦士職がないので、純戦士としてダルヴィーシュを選ぶ意味もあるのです』

アスト「ところで、ダルヴィーシュというのはオレのD&D知識では、砂漠の聖職者といった感じなんだが、元はイスラム神秘主義の修道僧という意味らしいな。その意味で、語源が十字軍のクルセイダーとは対立するようにも思えるんだが」

リバT『トカゲの信仰は、イスラムとは関係ありませんが、中東風なエキゾチック交易文化のイメージはあるのでしょうね。ヒト族信仰のクルセイダーと比べると、ダルヴィーシュを演じる上で大切なのは、崇拝する太陽や自然に対する敬意を示すことぐらいでしょうか。パグマイアのトカゲ族は、ゴブリンスレイヤーの蜥蜴人などの祖竜信仰と比べても、あまり宗教的な種族ではなく、教義論争よりも肌感覚、本能で太陽を信仰しているようです。ポカポカして暖かく、気持ちがいいから太陽は善、それを祀って何が悪い? って感じで、別に布教に熱心というわけでもなく、攻撃的でもない。理屈よりも感覚重視なのがトカゲの信仰と考えていいのでは?』

アスト「まあ、イヌ族のヒト信仰というのも、実態が謎だったりするからな。一神教なのか多神教なのかもはっきりしないし、イヌの習俗・文化がそのまま宗教に置き換えられている感じだな」

ダイアンナ「人間の持つ信仰観よりも、イヌやネコ、トカゲのような亜人の信仰観の方が素朴な感じだね」

リバT『パグマイアは西洋中世モチーフだから、キリスト教イメージが参考になりますし、ネコの方は東洋風で、トカゲは中東風。ただし、西洋と中東の宗教対立みたいな歴史背景は存在しない、と』

アスト「トカゲはあくまで温和な交易商人の種族であって、帝国を築くような野心も持っていないみたいだな」

リバT『というか、他の王国を統べるような帝国が目下、存在していませんからね。マウ連合君主国がもしも完全に強権で統一されたらマウ帝国になったりするかもしれませんが、現在はそういうこともなく、かつてのイヌネコ戦争の原因も港の使用権を巡る小競り合いが広がった程度。イヌもネコもトカゲもトリも、自分の文化や宗教で他種族を支配しようとか教化しようとする感覚を持ち合わせていないようです』

アスト「あまり難しいことは考えず、トカゲは太陽の恵みを享受したいとか、信仰呪文も太陽が与えてくれた奇跡のパワーって感覚でいいってことだな」

ダイアンナ「あたしとしては理解しにくい信仰だけどね。性根としては太陽は嫌いなので」

リバT『仮にもウルトラ戦士の片割れとしてはあり得ない発言ですね』

アスト「魔界の王バーン様も太陽には敬意を示しているんだけどな。とにかく、ダルヴィーシュは太陽好きの神官戦士で、純粋な戦士も、聖職者もいる天命ってことだな」

リバT『能力的には、耐久力に秀でたカメか、魅力に秀でたヤモリ向きに思えますね。打たれ強さを重視するならカメでしょうが』


★射撃手シューターと銃使いガンスリンガー


アスト「銃を使いたいなら、トカゲは2種類の選択肢がある、と。イヌならガンドッグ、ネコならトーピードと決まってるんだが、トカゲならどっちを選べばいいか、判断基準が欲しいところだな」

リバT『シューターは派手な銃撃戦が好きなキャラで、防具は中装鎧まで装備できる。ガンスリンガーは静かな暗殺が得意なキャラで、防具は軽装鎧までしか装備できない。だから軽戦士としてバトルを中心に考えたいならシューター、盗賊として探索・隠密活動をメインに考えたいならガンスリンガーになるでしょうか』

ダイアンナ「ガンスリンガーは〈武道〉を習得できる。シューターはできない。ラブコ武流に相応しいのは、ガンスリンガーだと思うがな」

アスト「ああ、そうか。ヘビのガンスリンガーを選択すれば、ラブコ武流になるのか」

リバT『それと、シューターの成長ルートは、盗賊系のラッターの他に、野外活動の得意なハンターがありまして、後者を選べば、動物を仲間にできる《獣使い》や野外活動用の特技《自然の探索者》を習得できます。海賊サプリで考えるなら、水地を得意な地形に選べば非常に有効でしょう。一方でガンスリンガーの方は盗賊系のフットパッドの他に、戦士系のチャンピオンの成長ルートが選べて、《武道》と組み合わせることで攻撃力を高めることも可能』

アスト「つまり、野外活動と防衛的戦闘が得意なのがシューターで、打たれ弱いけど攻撃重視なのがガンスリンガーか」

リバT『本来の武闘家ワンダラーは、《武道》と《護身術》の組み合わせで攻防の能力を共に向上できるのですが、ガンスリンガーは《武道》を習得できるのに《護身術》が習得できないので、DC(ディフェンス・クラス)をあまり上げられない。よって打たれ弱いから、隠れ潜んでの奇襲攻撃とか、やられる前にやれの前のめりの精神か、飛び道具専門という形になりますね』

アスト「大体分かった。DCを補強できるカメでガンスリンガーを作ればミュータント・ニンジャ・タートルを実現できそうなこともな」

リバT『カメのガンスリンガーが有効なのかは疑問の余地もありますが、飛び道具使いのカメだとカメバズーカという例もございますし、ユニークなキャラかもしれませんね』

ダイアンナ「もっとも、普通にキャラ作りするなら、射撃系キャラはDEXの高いヤモリ、接近戦キャラならSTRの高いヘビで作るのが定石だと思うんだけどね」


★潮魔導師メイガス


リバT『トカゲのメイガスは、ネコのミスティック(海魔道士)同様に、《魂の声》というミニスター(説法師)呪文を使えますが、成長ルートはトラッカー(邪霊狩り)もしくはワンダラー(求道者)という、少々ややこしい複合職です』

アスト「いまいち分からないんだが、ネコのミニスターやトラッカーの説明は、ここではまだきちんとされていないんだよな。ミニスターが信仰呪文の使い手で、トラッカーがレンジャーみたいな職種だというのは分かっているんだが、ネコの信仰がどういうものか、またトラッカーがイヌのハンターとどう違うのか、この機に聞いておきたい」

リバT『イヌはヒトの神さまに祈って信仰呪文を授かりますが、ネコにはヒト信仰がないので、ミニスターは自分の声を自然界の霊的エネルギーと調和させて、奇跡を起こします』

アスト「精霊魔法、あるいは吟遊詩人の呪歌みたいなものか?」

リバT『ええ。ですから、ミニスター呪文は、音や心、それに自然にまつわるものが中心で、HP(正しくはスタミナ)回復呪文もイヌの場合は定番の「キュア・ウーンズ」でD8回復なのが、ネコの場合は「ヒーリング・ワード」でD4回復ですね』

アスト「イヌの方が回復量が多いのか」

リバT『そうですね。ただ、キュア・ウーンズは接触呪文で、使用に1アクションを使用しますが、ヒーリング・ワードは射程60フィートで距離があってもよく、さらに1ボーナス・アクションで使用可』

ダイアンナ「ボーナス・アクションは、通常のアクションの他に追加で行える行動だね。つまり、ヒーリング・ワードの呪文を使いながら、他の行動を行える、と」

アスト「ヒーリング・ワードの方が手軽に扱えるってことか」

リバT『ええ。イヌにも、レベル2呪文でヒーリング・ワードが用意されていますし、回復量は少なくても、こちらの方が格上扱いです。と言うのも、ヒーリング・ワードは呪文による回復効果だけでなく、目標のスタミナダイスを使用する効果も促しますので』

アスト「今のD&Dやパグマウでは、1時間の小休憩でヒットダイスを使ってHPの自力回復ができるんだったな」

リバT『はい。だけど、戦闘中の回復は何らかの特技や呪文を使わないと行えません。ですから、戦士系には呪文を使えなくても、仲間を鼓舞することで自分のスタミナダイスを使用させる特技があったりするんですね』

アスト「昔のD&DよりもHP回復手段や機会が多くなった、と言うことだな」

リバT『つまり、ヒーリング・ワードは癒しの言葉で「痛いの痛いの飛んで行け」した後、「さあ、少しは気が楽になったろう。これで足りなければ、自分でツバでも付けてれば治る」的な励ましを与える呪文です』

アスト「わずかな癒し効果と、自力回復能力を促す呪文か」

リバT『とにかく、ミニスター呪文は神の奇跡ではなくて、声で自然や心を操作するタイプの奇跡で、それこそ「根性」や「信頼」でHPが回復するスパロボの精神コマンドに通じるものがあるかも。それと、イヌのハンターとネコのトラッカーの違いですが、共通特技は《獣使い》《自然の探索者》、そして名前は違っても、ほぼ同じ内容なのがイヌの《戦闘即応》とネコの《常在戦場》ですね。イニシアチブが有利になったり、武器の持ち替えにアクションを消費せずに済みます。ネコの《常在戦場》が少し強くて、武器を持っていなくても、その場にある適当な品物を即席武器として戦うことができます』

ダイアンナ「ネコの方が機転が利くってことだね」

リバT『はっきり違うのは、イヌのハンターは《弓術》が得意で、ネコのトラッカーは《破邪の一撃》という光輝ダメージを与える特技を持つことです』

アスト「それってパラディンみたいだな」

リバT『ええ。イヌのハンターは自然に根差した狩人なのに対し、ネコのトラッカーはより魔狩人めいた職種になっているんですね。これは、ネコの方がより魔の気配に敏感だという世界観もあるのですが』

アスト「それで、ネコのミスティックが海風や波音に惹かれて自然に関する呪文を使える武闘家、もしくは魔狩人だということは納得した。でも、トカゲはどうなんだ」

リバT『海の中に含まれる塩分がメイガスの力の源っぽいですね。太陽の光と熱の他に、塩の中に命と魔力を感じるのがトカゲというもので、それを音波を通じて引き出すことのできるのが潮魔導師メイガスという理屈らしいです。潮魔導師は筋力と知力が必要な天命とのことで、その両方を得意とするヘビに向いているようです』


★錬塩術師アルカリスト


ダイアンナ「ようやく、本命に漕ぎ着けた感じだね。トカゲ専用職のアルカリストは、どんな職種なんだい?」

リバT『一言で言えば、秘術系魔法の専門家ですね。イヌのアーティザンと、ネコのマンサーの呪文が両方とも使えます。これまでの天命は、2つの成長コースのどちらかを選ぶ形でしたが、アルカリストは二つの職種の美味しいところ取りができます』

ダイアンナ「イヌ魔法とネコ魔法の両方から呪文を習得できるのは凄いねえ」

リバT『しかも、スタミナはD8で決めますので、イヌネコの魔法使いがD6なのに比べてタフです。とにかく、イヌネコの魔法使いの上位互換って感じですね。さらにオリジナル特技《錬塩の触媒》を持っていて、魔法の効果を持った秘薬(ポーション)や爆弾(ボム)を製作可能』

ダイアンナ「どんな効果があるんだい?」

リバT『全部で7種類です。効果は以下の通り』


・癒しの酒瓶(ヘルス・フラスク):3回分のスタミナダイス回復薬。飲んだら、スタミナダイスを回復して、即座にスタミナ回復に使用することが可能。

・癒し爆弾(ヘルス・ボム):投擲距離40フィート、10フィート半径の効果範囲(爆弾の共通仕様)の敵味方全員のスタミナが「術者のレベル×D4」だけ回復する。

・鰓の秘薬(ギルス・ポーション):1時間の水中呼吸可能な薬。

・煙幕爆弾(スモーク・ボム):効果範囲の全員は混乱かつ盲目状態になる。効果時間は2ラウンド。

・火炎爆弾(ファイア・ボム):効果範囲の全員に3D6の熱ダメージ。

・強酸爆弾(アシッド・ボム):効果範囲の全員に「術者のレベル×D4」の酸ダメージ。

・タール爆弾:効果範囲の全員に粘着効果で、移動力半減。


ダイアンナ「火炎爆弾って、最初から範囲攻撃が使えるのかい? ずいぶんと強いじゃないか」

リバT『1レベルで2回しか使えませんけどね。呪文と違って1日2回とかではなくて、街や野外で材料探しをして作り直さないといけないので、1冒険2回と言ったところでしょうか。レベルが上がれば、レベルの半分(端数切り上げ)+1回まで使用回数が増えますが、魔法の呪文よりは選択の自由や使用回数が増えずに、その分、強力な物がある、と言ったところでしょうか』

ダイアンナ「とにかく、呪文とは別に、薬や爆弾を作ることができるのがアルカリストだと」

リバT『レベルアップの際に、使える薬や爆弾の種類を増やすか、新しい呪文を習得するかで結構、迷いそうですね。選択肢が多いとは言え、習得できる数に限りはありますから。さすがに何でもできる万能キャラにはなれません』

ダイアンナ「1レベルで火炎爆弾を選ぶのは確定っぽいな。2レベルになるとアーティザンの《焦点魔法》、3レベルでマンサーの《呪術》を取得して、使える呪文の幅を広げる。そこから後は、欲しい呪文や秘薬、爆弾のレパートリーを増やすってところだな。さすがにアーティザン3レベルのファイアボール(6D6熱ダメージ)が使えるようになると、火炎爆弾も見劣りがするだろうし。呪文攻撃が十分なレベルに達したら、範囲回復のできる癒し爆弾にも需要ができて……うん、アルカリストは育成が楽しめそうなキャラだ」

アスト「ところでパグマイアには、鰓の秘薬みたいな水中呼吸の呪文はないのか?」

リバT『少し待って下さい。(ルールブックの呪文リストを調べて)シェパード3レベルに「ウォーター・ウォーク」の呪文があって、これが水上歩行だけでなく、水中呼吸も可能にします』

アスト「つまり、アルカリストの特技は3レベル呪文に相当するような効果みたいだな」


リバT『ともあれ、今回のトカゲ研鑽はここまでです。次はトリ族の研鑽に進む予定』

(当記事 完)