ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

基礎呪文の話

♦今回は魔法の復習

 

 

ダイアンナ「今日はリバTと魔法の話をしたいと思う」

 

リバT『さすがは我がクイーン。研究熱心ですね。グランドマスターもお喜びになると思います』

 

ダイアンナ「やはり、魔法快盗を名乗るからには、魔法の研究もしておかないと、と思ってな。ところで、昔のD&Dでは、その日に使う魔法の呪文をあらかじめ選んでおかないといけないと聞いたんだが、パグマイアでは知ってる呪文を自由に使いこなしているよな」

 

リバT『ええ、システムが違っていますね。パグマイアでは、アーティザンもシェパードも、呪文スロットの数だけの呪文を1日に好きなように使えます。どの呪文を使うかは、その場の判断で自由に選んで構いません』

 

ダイアンナ「つまり、『敵の攻撃に対して、シールドの呪文で防ぎたいけど、今日はシールドを覚えて来てないから無理だった』とか、『せっかくシールドの魔法を準備していたのに、敵に狙われることがなかったから無意味だった』とか、そんなことはなくなった、と」

 

リバT『本家のD&D5版では、その日に使う呪文を選択しておかないといけませんし、呪文レベルごとの使用回数も決まっています。その点では昔と同じですね。呪文使いの中でも、ソーサラーとバードだけは一日の呪文を選択することなく自由に使えますが、彼らは逆に伝統的魔法使いのウィザードに比べて、習得できる呪文の数が少なめですね』

 

ダイアンナ「つまり、たくさんの種類の呪文を書物に記録しているけど、その日の呪文は選んでおかないといけないのがウィザード。一方、覚えている呪文は少なめだけど、事前準備なしでも自由に使いこなせるのがソーサラーということか」

 

リバT『だけど、パグマイアではややこしい呪文準備のルールがありません。さらに、レベルごとの使用回数も固定されていません』

 

ダイアンナ「どういうことだ?」

 

リバT『クイーンのキャラであるルビーさんは、現在の呪文スロットが8ということで、1レベル呪文が8回使えるわけですが、もしも2レベル呪文を習得していれば、呪文スロットを2消費して使うこともできます』

 

ダイアンナ「つまり、1レベル呪文8回の代わりに、2レベル呪文を4回使うこともできるわけか」

 

リバT『あるいは、2レベル呪文2回と、1レベル呪文4回というように合計スロットが8になるように振り分けることも可能』

 

ダイアンナ「要するに、呪文スロットはMPみたいなもので、1レベル呪文は1MPで、2レベル呪文は2MPで使えるということだな」

 

リバT『分かりやすく言うなら、そういうことですね』

 

ダイアンナ「ただし、今はまだ2レベル呪文を覚えていないので、1レベル呪文8回と考えて問題ないわけだが」

 

リバT『2レベル呪文を覚えるには、アーティザンなら《焦点魔法》の芸を、シェパードなら《ヒトへの祈り》の芸を強化する必要があります』

 

ダイアンナ「レベルが上がれば自動的に高レベルの呪文を使えるのではなく、芸を強化するという選択をしないといけないのだな」

 

リバT『その代わり、毎回、芸を強化する選択をすれば、D&Dよりも早いペースで習得呪文のレベルアップを図ることもできますね』

 

ダイアンナ「ゲームバランスが崩れることを危惧したダディーは、偶数レベルでの呪文習得芸の強化を禁止したわけだ」

 

リバT『本来5レベルで習得するはずのファイヤーボールを、3レベルで習得されたら、確かにD&Dシナリオのバランスは保てなくなりそうですね。仕方ない判断かと考えます』

 

ダイアンナ「ルビーは魔法快盗だから、呪文一辺倒ではなく、偶数レベルで快盗の技を、奇数レベルで魔法の呪文を成長させようという方針で問題ない」

 

♦パグマイアの基礎攻撃呪文


ダイアンナ「さて、今回は特に基礎呪文について確認していきたいと思ったんだ」

リバT『基礎呪文ですか。使用回数に縛りのないフリーな術ですね』

ダイアンナ「無料サービスという奴だな。タダで使えるなら、利用しないと損のような気がする。リバTは普通に使いこなしていたみたいだが、あたしはエレメンタル・レイを撃った程度」

リバT『熱や冷気、電撃のどれかを選んで、敵に撃ち放つ遠隔攻撃呪文ですね。命中判定が必要で、ダメージはD8だけど、上手く弱点を突けば倍にもできる』

ダイアンナ「相手の弱点は、どうすれば見抜ける?」

リバT『パグマイアでは特に記述はなかったと思いますが、プレイヤーがガイドに『自分のキャラはそのモンスターの弱点を知らないだろうか?』と質問すれば、何らかの知識判定をさせてくれると思いますね。特に、魔法使いキャラなら知識に詳しいはずだと主張できるでしょうし、技能の中でも〈自然知識〉なら通常の生物が、〈宗教知識〉なら悪魔やアンデッド系などが、〈魔法学知識〉ならば魔法生物や精霊などを知ることもできそう。さらに、書物で読んだことがあるかも、と主張すれば、《あくなき知識欲》の芸で知力判定を有利にすることができますので、積極的に活用してもいいでしょうね』

ダイアンナ「なるほど。とりあえずガイドに『自分のキャラが何か知らないか』と質問主張してみるのはあり、ということだな」

リバT『ただし、逐一どうでもいいことを質問してもプレイ時間が削がれて、ガイドを苛立たせるだけですので、ゲームにおいて重要な情報と判断した場合に限っておくことですね。積極的に質問するのはいいけど、「そんなことを聞いてどうするんだ?」と意図不明の質問を繰り返したり、とりあえず聞いたけど「自分がそのテーマについて興味がない」ことを露骨に示したり、あまりに質問回数が多かったりするような人物は、堪忍袋の緒が切れたりもしますので』

ダイアンナ「基本的に語りたがりのダディーに、質問について辟易させるとは余程のケースだな。まあ、『ゲームを進行させるのに必要な質問なら問題ない』だろう」

リバT『そうですね。「今、ワイドショーで教師の犯罪が問題になっているが、塾で教えている立場の人間として、どう思いますか?」なんて質問をメールで逐一されても、「お前、そんなことを聞いてどうするんだ? 他所の教師が犯罪を犯しても俺には関係ないだろう?」「いや、他に質問できる相手がいませんので」「それで聞いた後はどうするんだ? お前が教育問題に興味でも持っていて、ブログの記事ネタか何かの取材のつもりなのか?」「いや、別に。ただ気になっただけで」「何度も言ってるが、そんなつまらない質問で、こっちをわずらわせるな。お前に関わる時間がもったいない」といった形のやりとりが何度も』

ダイアンナ「趣味でもない時事問題をいちいちメールで質問してくるなんて、その人物はよほど話し相手に飢えていたんだな。しかも、仕事と趣味で普段から忙しいと公言している相手に対して、多少の縁ができただけで暇つぶしの話し相手になってもらおうとするなんて、社会人の時間を何だと思っているんだ?」

リバT『質問はコミュニケーションの基本とは言いますが、「つまらない質問で相手をわずらわせる」ことに関しては、自制できる人間でありたいものです』

ダイアンナ「互いの付き合いにおいて、意味のある質問をしろということだな。何でも軽々しく尋ねて、相手の日常生活を脅かすようなマネをしたり、距離感を見失った振る舞いが露骨だったりした、と」

リバT『基本的に有意義な質問とは、「相手の発信した情報について、より詳しいことを知りたい場合や意見交換したい場合に行う」もので、「質問した以上は、聞きっぱなしでなく、自分も等価の情報を提供できる見識を示すことを己に課すぐらいの覚悟」を持つぐらいが望ましい、とグランドマスターは件の人物に対してお考えです。そうしないと、際限なく取り止めのない(その都度、話題の異なる雑多な)質問を連発する稀有かつ面倒な方らしいので』

ダイアンナ「何にせよ、エレメンタル・レイを有効活用するには、モンスターのデータをある程度、把握しておくことが望ましいわけだな」

リバT『なお、パグマイアの基本ルールのモンスターリストで、熱を弱点に持つモンスターは植物系ですね。他に蛭舌吸血鬼(リーチタン)なるモンスターは、熱と光輝しか有効打を与えられない。他にも、いろいろな耐性持ちのモンスターがいるので、攻撃属性を変更できる呪文はうまく活用できると美味しいですね』

ダイアンナ「そうだな。相手に応じた有効な対応はしっかり習得しないとな。敵と戦うにしても、人とコミュニケーションを交わす上でも。ところで、リバTのキャラ、フリーダの使うセイクリッド・フレイムは強力そうだな」

リバT『よく聞いてくれました。セイクリッド・フレイムは闇を照らす聖なる炎で、光輝ダメージを与える攻撃呪文でもありますし、普通の明かりとしても最大1分間持続します』

ダイアンナ「1分間だけ?」

リバT『1レベル呪文のライトなら、1時間持続しますけどね。基本的に、セイクリッド・フレイムは攻撃呪文と考えていいでしょう。特筆すべきは光輝ダメージ。パグマイアの基本ルールでは、光輝ダメージに耐性を持つモンスターは確認されませんでした。逆に、光輝を弱点とするモンスターはアンデッドや邪霊など結構いて、要するに神の力は相手構わず無敵ということですね』

ダイアンナ「というか、バットクイーンであるあたしにとっても、光輝ダメージは天敵じゃないか? リバTを敵に回すのは危険だと理解した」

リバT『フフフ、グランドマスターNOVAに敵対するなら、もう一度封印して差し上げますわ』

ダイアンナ「いや、もう、あたしがダディーに敵対するつもりはないよ。好きなんだし」

リバT『好きだからと言って、害にならないとは限りませんからね。好意を持っても、相手の都合を考えずに一方的に絡みついて来るのは、邪魔でしかありません』

ダイアンナ「だから勉強しているんだろう? ダディーの好きなTRPGを一緒に楽しむ。そのために頑張って努力する。上手く興味を示すことで、共に楽しめる関係になる。趣味ってそういうものだしね。ところで、光輝は無敵と言ったが、それに耐性を持つのはどんな奴なんだ?」

リバT『未確認ですが、神に仕える天使とかはそういう系統かと思われます。D&D基本のモンスターマニュアルには載ってないようですし、すぐに敵対するような存在でもないので、今は気にする必要がないでしょうが』

ダイアンナ「確かに、神に仕える天使なんかと戦うのは、王道の遊びではなさそうだな」

リバT『神さえも悪魔の一種である女神転生みたいなゲームならともかくですね』


♦パグマイアの信仰観と背景世界


ダイアンナ「それにしても、パグマイアの世界では、ヒトが神さまなんだよな」

リバT『まだ、詳細は明らかにされていないんですけどね。ヒトはいっぱいいるんだから、おそらくは多神教的な世界観だと思われますが、特に固有名詞も付けられていないので、ヒト信仰はまるで一神教みたいに扱われています。だから多神教世界のフォーゴトン・レルムとリンクさせるのは相性が悪いんですけどね』

ダイアンナ「どうしてだ?」

リバT『例えば、よくある大地母神や邪神などの信徒を、パグマイア的にどう解釈したらいいのか。基本的にヒトの神は一神教の主神みたいな「光と古代文明の叡智」を象徴しているので、至高神もしくは知識神っぽい印象なんですけど、自然崇拝の大地母神とは教義が異なって来そうですし、パグマイアのヒト信仰は基本ルールにおいては王都などの都市中心、つまり未開拓の田舎ではどのような信仰が見られるのか、今はまだはっきりしません。ましてや、邪神をどう扱うか、邪悪なヒトと解釈するのか、それとも神とは異なる邪霊教団みたいなものをイメージしたらいいのか、多神教一神教の世界観を噛み合わせるには苦労しそうです』

ダイアンナ「ファンタジーの世界では、神の解釈って背景世界の根幹設定だからな。神なるものを登場させておいて、その辺の扱いに無頓着では、ファンタジーの物語を語り、構築する資格はないのではないか」

リバT『無難なのは、多神教世界なんですけどね。ただ、それだと救世主という概念が語りにくくなります。救世主という存在は、特定宗派の限定された世界でのみ通用する概念ですから、複数宗教が乱立している世界観では、どの神の権威をもって救世主と認定するか、で意見が変わって来ます。まあ、日本では救世主よりも勇者という呼称の方がファンタジー世界では受け入れやすいと考えますが』

ダイアンナ「広い世界の一地域に限定すれば、その地方の主神という形で一神教世界観や救世主の物語を設定することも可能。その上で、別の地域では別の神が祀られていることにすれば、リアルなファンタジー世界になりそうだ。世界全体では多神教だけど、地域だけの視点では一神教みたいな宗教観。現状のパグマイアはそんな感じだろう?」

リバT『そのようですね。王都を中心にした地域のヒト信仰とは別に、田舎では自然崇拝型のヒト信仰が、そしてヒトの教義を邪悪に歪めて解釈した異端信仰とかもありそうです。一応、公式で語られているのは、「ネコにとってのヒトとは、自分たちを甘やかして可愛がってくれる存在で、ヒトの神は自分たちの素晴らしい召使い」というのと、「ネズミの一部が、ヒトの文明を発掘再現するために、マッドサイエンティストな教団を結成して暗躍している」って感じでしょうか』

ダイアンナ「動物たちにとって、ヒトが神さまだというのはキャッチーで面白い設定だと思うよ。某フレンズアニメに通じる気もするし、『人がいなくなった後の動物王国』というのは、それだけでSFだ。それを明るく描くか、暗く描くかは作品次第だけど、モフモフ可愛いワンコの冒険と考えれば、可愛いは正義だからな。あとはネコルールが早く発売されて、世界観がさらに広がるのも楽しみだし、犬猫混成パーティーってのも面白そうだ」

リバT『犬は、ここほれワンワン的にお宝集めをして、ご主人さまに褒めてもらうことを夢見ているのに対して、猫はもっと個人主義っぽいですからね。規律はしっかり守りましょうのローフルっぽいのが犬で、ルールよりも自由がいいのカオティックっぽいのが猫。犬の方がみんな仲良くの初心者向きパーティーで、猫の方はエゴイズムのぶつかり合うギクシャク陰謀劇パーティーっぽいですね』

ダイアンナ「あたしのルビーは、どちらかと言うと猫っぽい性格だね」

リバT『実は、犬にも王都に対して陰謀を企ててそうなハウンドトン一族というのがいまして……』

ダイアンナ「ハウンドトン一族? すると、ルビー・ブラッドハウンドも関係しているのか?」

リバT『王都の南側に、ハウンドトン自治国という地域があって、そこも鉱山経営で成り立っているとか。また、ハウンドトンは複数の分家があって、互いに競争しているところは猫のマウ連合君主国にも似た社会構造っぽいです。さらに、そのうちの一分家である「トランシルバニアン=ハウンド家」が没落して、その居城が「呪われた廃城」として知られているのが公式設定です』

ダイアンナ「それって、ルビーの設定にも絡められるんじゃないか? トランシルバニアってあれだろう?」

リバT『ええ、吸血鬼ドラキュラで名高い感じですね』

ダイアンナ「そうか。ハウンドトンかあ。自分のキャラの設定に絡められる公式設定を見つけると、うまくつなげたくなるなあ」

リバT『グランドマスターも同じような考えっぽいです。次のシナリオもハウンドトンの設定と絡められるんじゃないかなあ、とか』

ダイアンナ「確かに、ハウンドトンが鉱山経営に興味を持っているなら、ワンデルヴァーの鉱山にも関心を抱いてもおかしくはないか」


♦パグマイアの基礎信仰呪文


ダイアンナ「話題が広がった形なので、そろそろ元に戻そう。セイクリッド・フレイム以外の基礎呪文は、ブレスともう一つ、何だったかな?」

リバT『スペア・ザ・ダイイングですね。スタミナ0の相手に応急処置を施して、容体を安定化、スタミナ1にしてあげる呪文です。目標はさらにスタミナダイスでの自力回復も促されます』

ダイアンナ「バリーがスタミナ0になって倒れた時に、使えば良かったんじゃないか?」

リバT『あの時は、キュア・ウーンズで回復しましたから。キュア・ウーンズが使えるなら、その方がいいんですよ。それにスペア・ザ・ダイイングの呪文を使わなくても、〈治療〉の技能や判断力の能力値判定で10以上を出せば、同じ効果が出せますので、あまり意味のない呪文と言えるかもしれません』

ダイアンナ「スタミナの回復は、シェパードの呪文の他に、1時間の小休憩で自前のスタミナダイスで回復することもできるんだったな。他にはどういう回復手段があるんだ?」

リバT『分かりやすいのは、ヒーリング系ポーションを飲むなど、アイテムを使った回復ですね。他には、ガーディアンの習得できる芸《鼓舞の言葉》でも戦闘中の回復が可能』

ダイアンナ「モッさんが癒し手になったりもできるのか?」

リバT『癒し手というよりは、熱い激励を受けて元気になったという感じでしょうか? 頑張れ、死ぬな、と気合を注ぎ込まれたら、無理やり立ち上がったって感じ? ただし、《鼓舞の言葉》は戦闘中に使えないスタミナダイスを使えるようにするだけなので、本質的には自力回復を促すだけです。よって、スタミナダイスとは関係なく癒せるシェパードの呪文の方が有効です。ただし、それにも欠点がありまして……』

ダイアンナ「距離が接触ということだな」

リバT『ええ。ですから前衛キャラを癒すには、自分も前に出ないといけません。ソード・ワールドと違って、通常移動と呪文使用は同ラウンドでできますので、前に出るのに1ラウンドを費やして、回復するのは次のラウンドということにはなりません』

ダイアンナ「その辺は、システムによっても扱いが違うんだな」

リバT『ですね。ソード・ワールドのキュア・ウーンズは射程10メートルなので後衛から前衛に飛ばすことも可能。一方、D&Dやパグマイアの癒し呪文は射程・接触が多く、癒し手にも積極的に前に出ることが求められます。その分、3メートル以内の制限移動じゃないと呪文が使えないということはなく、D&Dの方が動き回りながら呪文を使うというイメージが大きいですね。もちろん、最大移動速度で走りながらの呪文使用はできませんが』

ダイアンナ「プレイ中はあまり気にしていなかったが、通常移動速度は基本30フィート(約10m)、四つ足になれば40フィート(約13m)。さらに走れば倍ということだったか」

リバT『フィギュアや戦場ボードを使用しての戦闘だったら、重要な数値なんですけどね。戦場マップは基本的に1マス5フィートということで、部屋が狭ければ、将棋盤やオセロのマス目でも代用できますし、もちろん専用フロアタイルを繋げ合わせてもOK。そうなると、ボードゲームっぽいイメージになりますね』

ダイアンナ「移動も駆使した精密なゲームをしたいか、前衛と後衛程度のシンプルなゲームをしたいかは、ガイドやDM次第ということだな」

リバT『4版はマップを使用するバトルゲームに特化したシステムなので一時期のD&Dはフィギュアを使うことが必須の緻密なゲームと化していたのですが、5版になって必ずしも使わなくてもよい、ロールプレイ重視で戦闘は多少、大雑把でも何とかなる旧来のシステムに戻りました。もちろん、フィギュアを使えば、より臨場感が増すので、そういうプレイスタイルの愛好家も多いです』

ダイアンナ「ダディーはどっちなんだ?」

リバT『昔はフィギュアなんかもいろいろ集めてましたし、TRPGに手を出す前は、ガンダムマクロスなどツクダのシミュレーションゲーマーだったので、ボード使用も抵抗なく、むしろ好きなんですが、やはり時間が掛かり過ぎるのと、役割演技の物語と緻密なバトルは両立しにくいとの判断で、物語メインのリプレイ記事を書く際はフィギュアを使わない方がやりやすいとお考えです。もちろん、自分が書くのでなければ、マップでの移動を組み合わせた緻密なバトルリプレイも愛読したりするんですけどね。第4版リプレイのデインなんかは何度も読み返してましたし』

https://hobbyjapan.co.jp/dd_old/article/web_replay/index.html

ダイアンナ「回復呪文の話から、移動ルール、マップ使用の話から4版まで遡ってしまった。話を戻すぞ」

リバT『シェパードの基礎呪文最後の1つ、ブレスの話ですね。厳密にはブレスともう一つ、逆呪文のベインが使えるのですが』

ダイアンナ「ブレスが祝福というのは聞いたから分かる。しかし、ベインとは何だ? 初耳だぞ」

リバT『パグマイアのブレスは、味方3体の命中判定とST判定にボーナスを与えます。攻撃を当てやすく、敵の特殊能力に対する防御を成功させやすくするわけです。チームバトルで戦闘に入ったら、とりあえずブレスで援護してから、後はセイクリッドフレイムを連発。必要に応じて、キュアでの回復というのが目下の戦術ですね。そこにガイディング・ボルトをどう組み込むかは次シナリオの課題ですが』

ダイアンナ「いろいろ考えているんだな。それで結局、ベインとは何なのだ?」

リバT『祝福の反対で、破滅と訳されます。つまり、敵に対して掛ける呪文で、相手3体の命中を下げ、こちらの特殊能力に対する敵の抵抗力を下げます。初期段階では敵も味方も死にやすく、短期決戦が有効なので、ブレス一択となりますが、だんだん長期戦の兆候を呈して、攻撃よりも防御が求められるようになれば、ブレスを使うか、ベインを使うかで迷うことになりそうです。ただ、元々ベインって邪悪な神官が使う呪文という印象がありますね』

ダイアンナ「ベインは邪悪な呪文なのか?」

リバT『グッドとイヴィルのアライメントが設けられ、明確に邪神が設定されているD&Dなら、間違いなく邪悪ですね。いわゆる暗黒魔法の類。ただし、パグマイアでは邪神の設定が現状曖昧な上、呪文の解説を読んでもこれが邪悪なのか明記されていないのです。まあ、死霊ダメージを与えるインフリクト・ウーンズ(キュアの逆呪文)が邪悪なのは明確だと考えますが、悪い奴を呪って成功率を下げる行動が邪悪かどうかは何とも言えません。おまけに、このベインはST判定の余地なく成功するんですね。基礎呪文にしては結構、強力。味方を強化するか、敵を弱体化させるか、どちらが有効かは戦況次第と考えます』

ダイアンナ「それでも、キャラのロールプレイというものがあるだろう?『ケケケ、お前を呪ってやる。お前の攻撃を当たらなくしてやるよ。ほ~れ、だんだん体が重くな~る。破滅の呪縛に囚われて、お前は持てる力を発揮できないまま死ぬんだよ~』なんて感じの呪文を、リバTは使いたいか?」

リバT『うっ、そのように描写されると、自由と解放を旨とし、キラメンタルに憧れる私めとしては、ベインを気軽に使うわけにはいかないじゃないですか』

ダイアンナ「あたしなら平気で使うんだがな。ロールプレイするなら『フフフ、お前の動きは縛ったよ。体が重くなったろう? お前の攻撃は当たらない。破滅の呪縛に囚われて、持てる力を発揮できないまま死にな。さあ、みんな、今のうちに奴を始末するといい』 こんな感じかな」

リバT『同じような内容のセリフでも、言い方を少し変えるだけで何だか格好いいです。ズルいですね』

ダイアンナ「格好いい演出セリフを考えるのは、ロールプレイの基本だろう? やってることはエグくても、言い方を変えるだけでダークヒーローにはなれるってことさ。要は言葉の使いよう。そして、自分をどう演出するかは自分の言葉で決める。それが言霊魔術師の流儀ってもんさ」

リバT『分かりました。クイーンがグランドマスターのことを本気で好きだってことが。元々、グランドマスターから引き離されて、闇堕ちしたんですものね。好きじゃなきゃ、相手の流儀を取り込んで自分の技にしようなんて思わないでしょうし』

ダイアンナ「まあ、相手の技を自分のものにするには、その技の背景にある精神性まで理解しないと、中身のない表面だけの模倣に過ぎないからねえ。『~~だけじゃ芸がない』ってセリフも、実際にエンタメ芸とはこういうものだってイメージが明確にあって、言葉で定義を説明できて、初めて使いこなせる。表面上の言葉だけ真似して、芸の何たるかが分かっていない者には扱えないセリフだと言うことさ」

リバT『芸について考えるのは、パグマイアの醍醐味ですからね』

ダイアンナ「では、今回はここまでだ。結構いろいろ話したからね。アーティザンの基礎呪文は次に回すとしよう。ついでにD&D5版の基礎呪文についても考えてもいいかもな」

リバT『本気ですか? 基礎呪文というか0レベル初級呪文は、クレリックで7種類、ウィザードで16種類もあるのですよ』

ダイアンナ「そんなにあるのか。パグマイアがD&Dの簡易版だというのがよく分かった」

リバT『無料で閲覧できるベーシックルールには、クレリックが6種類、ウィザードは10種類に絞り込まれていますけどね』

https://hobbyjapan.co.jp/dd/news/basic_rule.html

ダイアンナ「クレリックで削られた1種類が気になるところだな。初心者向きじゃないと判断されたから削られたんだろう?」

リバT『メンディングですね。壊れた品物の簡単な傷を修復できる呪文です。30cm以下の小さな物品に限定されますが、2つに折れた鍵とか、ズボンに空いた穴とか、千切れた鎖とか、水漏れするワイン袋とかが修理できます』

ダイアンナ「結構、便利じゃないか。折れた箸とか、ビリっと破れた本の1ページとか、割れたコップとか、そういうのを直せるなら、日常生活でのちょっとした気分が凹む失敗もなかったことにできるし、それで手品や修理屋さんなどの商売することもできそうだ。これで壊れた人間関係もたやすく……」

リバT『……は無理ですね。複雑なものは修復できませんし、人間の心は物ではありませんから』

ダイアンナ「まあ、うかつに壊さないようにするのが大事なものもあるってことだな。とにかく、次回は『基礎呪文の話2』ってことで、いろいろ研究考察を試みたい」

(当記事 完)