ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

パグマウの呪文使いの話

天空宮殿の政治事情

 

ハイラス「本日は、ネコD&Dのマウ連合に登場する呪文使いミニスターの話でござる」

 

アスト「ミニスター呪文はドルイド呪文に似ているということだから、次元ドルイドの旦那が研鑽するのがいい、ということだったな」

 

ハイラス「しかし、私はパグマイアやマウのゲームは素人ゆえ、あれこれ調べるのに手間が掛かったでござる」

 

アスト「まさか、日本語を読むのが不慣れだったとは思わなかったぞ。おかげで、研鑽を手伝うのにGWの連休を潰す羽目になった。オレの連休を返してくれ」

 

リバT『アストさんは他所に働きに行っているわけでもない気楽な宮殿生活なのですから、連休も何もないとは思うのですが』

 

アスト「有閑貴族で、文化や趣味活動の愛好家、好事家をディレッタントと称するらしいな。オレの職業はディレッタントに該当するのかもしれん」

 

ダイアンナ「国王は職業と言わないのか?」

 

アスト「国王は、土地領主や政治家、軍人などを総合した職業と考えられるが、人の上に立ち、地域の問題を裁定するリーダーシップ、決断力などが求められる。しかし、このウルトロピカルの地において、国王の決定権が必要とされる事態が発生したことは一度もないのではないか?」

 

ハイラス「元々、この地は平和な原始社会にして、大地母神ガイア様の恵みが豊かな土地柄でござるからな。神権政治と考えるなら、大地母神に仕える従者たる私が長であるとも言えるし、怪獣王さまの威風もござる。原始社会で考えられる問題と言えば、天災や近隣部族との抗争、食料不足などが考えられるが、天災も食料問題もドルイド呪文があれば相応に解決できることだし、敵が攻めてくることでもない限り、強いリーダーシップは必要とされぬ。最近、最も大きな事件が、この天空宮殿の落下問題であり、その後処理が片付いた以上は、王の仕事は政治ではなく、文化活動ということになるでござろう」

 

アスト「言わば、オレの立ち位置は、東山文化の足利義政に近いと言えるか」

 

ダイアンナ「銀閣で有名な将軍だな」

 

リバT『あまり、その例えはよろしくありませんよ、アストさん。義政の正室日野富子で、夫婦仲はよくありませんし、義政の時代には応仁の乱が勃発して、戦国の世の幕開けになるのですから』

アスト「確かに、自分を義政に例えるのは良くなさそうだな」

 

ハイラス「そもそも、どうしてD&Dやパグマウと関係ない歴史の話に突入しているでござるか? 話題を切り替えるでござる」

 

イヌの呪文使いの復習

 

ダイアンナ「ところで、呪文使いの話なら、あたしも経験者として口を挟ませてもらうぞ。あたしがプレイしたのは、イヌの魔工師アーティザンだ。いわゆる魔法使いタイプで、その呪文は知力を基にする《焦点魔法》と呼ばれるものだ」

アスト「アーティザンは、D&Dのマジックユーザー、もしくはウィザードに相当する職業だけど、魅力に関する技能や芸を習得できるという違いもあるんだな」

 

リバT『D&Dのウィザードは呪文書を読みこなし、学問として魔法を使うインドア系の職業。一方、パグマイアのアーティザンは呪文書ではなく、焦点具と呼ばれる魔力を秘めた物品にアクセスして力を発動する職業で、D&Dの魔法使いに比べてアウトドア系、陽キャラ的なイメージがあります』

 

ダイアンナ「学者は学者でも、本の虫ではなくて、フィールドワークが好きな考古学者めいた趣きがあるわけだ。基礎呪文のエレメンタル・レイが熱・冷気・電撃の三属性を使い分けられる遠隔射撃呪文で、手軽に1D8ダメージを与えられる他、スメル・マジックで魔法感知できるなど、攻撃呪文と調査系呪文が豊富にあるな」

 

リバT『一方、イヌの聖職者である牧師シェパードは、ヒトの神を信奉することで呪文を発動します。判断力を元にする《ヒトへの祈り》で呪文を習得し、自らの信仰心が形となった聖印を使用しますね』

 

アスト「D&Dのプリースト(クレリック)と同種の呪文を使うみたいだが、重装鎧を身に付けられない点が違うんだな」

 

リバT『いいえ。D&Dのプリーストも、全てが全て重装鎧を身に付けられるわけではありません。信じる神の領域によって装備品に変化があり、嵐や戦、自然、生命の領域に基づくワイルド系寄りな神の使徒が重装鎧を身に付けられる形ですね。パグマイアのヒト信仰は、D&Dにおける知識や光の領域に相当するために重装備ができないのだと思われます。そして、重装鎧を身に付けられる聖職者は、海賊サプリメントの聖戦士クルセイダーという形で、実装された、と』

 

アスト「今さらな話だが、聖戦士と守護者ガーディアンだったら、前者が上位クラスって感じなんだよな。ガーディアンを選ぶメリットって何があるんだろうか?」

 

リバT『初期技能的に、ガーディアンの方がアウトドアな行動が得意で、クルセイダーの方が多少インドア知識寄りと言ったところでしょうか。ともあれ、シェパードは信仰魔法の定番で、回復および防護魔法のエキスパートと見られがちですが、1レベル呪文のガイディング・ボルトがいきなり3D6ダメージを与えるなど、攻撃呪文でもアーティザンに劣らぬ破壊力を持っていたりしますね』

 

ダイアンナ「ただし、シェパードの欠点は複数を攻撃できる範囲攻撃が5レベル呪文になって初めて登場することだ。アーティザンは1レベルの時点で範囲攻撃呪文を習得できることを考えると、やはり攻撃魔法使いとしてはアーティザンの方が優れていると考えた方がいいだろうな」

 

リバT『否定しません。ガイディング・ボルトを連発しすぎると、肝心の回復呪文キュア・ウーンズの使用回数が減りますから、無駄遣いは厳禁ですね』

 

ネコの呪術師の話

 

ハイラス「さて、復習が終わって、いよいよ本番の説法師ミニスターの話でござる」

 

アスト「その前に呪術師マンサーの復習をしておこう。ハイラスの旦那に付き合ったせいで、マウ連合のルールも勉強できたからな。イヌの呪文使いが割とD&Dの基本職に近い職業であるの対して、ネコの呪文使いは特殊な色物って感じが濃厚だ」

 

ハイラス「マンサーは知力に基づく《呪術》を使うのでござるな」

 

アスト「同じ知力系術師のアーティザンと同様に焦点具を使うんだが、マンサーの焦点具は骨でできていて、生物の魂と結びついている感じだ。魅力的な陽キャラ風のアーティザンに比べて、いかにも陰キャラっぽい印象で、得意な呪文も死霊系のチル・タッチとか、闇系、幻覚系の物が多い」

 

ダイアンナ「D&Dでは、ウォーロックという職業に近いのではなかったか?」

 

アスト「D&Dのウォーロックは、第4版から基本職として登場した術師なんだが、インドア系の本の虫だった従来のウィザードに対して、武器戦闘もそこそこは使える魔法戦士成分が高めの職業だ」

 

ダイアンナ「具体的には、どんな違いがあるんだ?」

 

アスト「ウィザードは鎧を装備できないけど、ウォーロックは軽装鎧を装備できるので、盗賊並みに固い。ウィザードはHPをD6で決めるけど、ウォーロックはD8で決める。ウィザードは杖とかダガーなどしか使えないけど、ウォーロックはメイスや槍なども使える。要は、武装の面で優遇されているわけだな」

 

リバT『さらに、ウォーロックの得意な能力は、魅力なんですね』

 

アスト「ウィザードが知力を重視するのに対し、ウォーロックは交渉能力を重視する。と言うのも、扱う呪文の根源が書物ではなく、フェイ(いわゆる妖精界の住人)やフィーンド(いわゆる下方次元の悪魔)、そしてグレート・オールド・ワン(いわゆるクトゥルフ系など外宇宙の混沌神)などの異界の存在との契約に基づくものだから。契約相手に対する知識も大事だが、それよりも相手を威圧したり、騙したりする交渉能力が求められる」

 

ハイラス「威圧や騙すのは交渉手段として、どうかと思うでござるが」

 

アスト「プリーストなら説得重視なんだろうが、異界の存在には人の理屈が通じなかったりするからな。言葉巧みに利益を引き出す交渉術、そして自分を力ある存在に見せるための威厳やハッタリなどの才能も、悪魔相手には必要となるだろう」

 

ダイアンナ「いいねえ。あたしはウィザードよりもウォーロック寄りだと思うよ」

 

アスト「じゃあ、ウォーロックの研鑽は改めてアニーに任せるとして、今回はネコのマンサーだ。マンサーは習得できる基礎呪文がウォーロックの定番攻撃呪文エルドリッチ・ブラストだったり、関連性が多いんだけど、ウォーロックが使えないファイアボールが使えるなど、死霊術を使うウィザードの要素も混入されている」

 

ダイアンナ「ウォーロックファイアボールが使えないのか?」

 

リバT『契約相手がフィーンド(悪魔)なら、炎系の呪文も追加で習得できますね。フェイ(妖精)と契約すれば幻影系や感情操作系、植物や動物関連の呪文が追加習得できますし、グレート・オールド・ワンと契約すれば精神支配系や触手系の呪文が増えます』

 

アスト「つまり、マウ連合のマンサーは『悪魔使いのウォーロックと死霊使いのウィザード』の要素をカップリングした、知識系陰キャラ術師として定義されるわけだ」

 

ハイラス「禁断の知識を得た邪悪系の魔法使いでござるな」

 

アスト「あと、ヒトの遺産(マスターワーク)と呼称されるマジックアイテムに対する姿勢が、イヌとネコでは大きく違うな。イヌはマスターワークを大事なお宝として集めて、アーティザンの研究対象にするわけだが、ネコの方はマスターワークを破壊して、そのエッセンスを吸収して自らを強化するのに使う」

 

ダイアンナ「お宝を破壊だと!?」

 

アスト「例えば、魔法の鎧をゲットした場合、イヌの戦士は喜んで装備して、防御力を高めるだろう?」

 

ダイアンナ「ああ。鎧は戦士には有効だが、魔法使いには扱いにくいと思うな」

 

アスト「ネコの場合は、そのまま装備してもいいが、鎧のエッセンスを自ら吸収して、素の防御力を高めることができる。戦士でなくても、マンサーみたいな魔法使いが鎧のエッセンスで自らの肉体を強化したりもできるみたいだ」

 

ダイアンナ「つまり、魔法の鎧を自らの体内に吸収して、防御力を高めた魔法使いも目指せるわけか」

 

アスト「自らの肉体を魔改造できる魔法技術も、ネコは有しているわけだな。イヌと違って」

 

リバT『イヌは権力を証明する宝物としてマジックアイテムを集めるのに対し、ネコは自身の強化素材としてマジックアイテムを探し求めるケースもあるのですね。イヌから見れば、ヒトの遺産たるマスターワークを破壊してしまうネコの肉体改造は、何て冒涜なんだって考えがちですが、ネコから見ればマスターワークの改造素材を溜め込むだけで有効利用しないイヌが愚かしく思えたりもするわけです』

 

ダイアンナ「お宝を吸収するって感覚は、あたしにもよく分からない。例えば、宝石を体内に取り込めば、自分がキラキラ輝くようになるというのか?」

 

アスト「オレたちの感覚では、体に機械や異物を取り込むサイボーグ手術みたいな感じかな。最近のヒーローでは、自らの肉体に取り込む融合合体は敵側が使うことが多く、ヒーロー側は『スーツやベルトなんかを介して、間接的に改造素材を取り込む強化パターン』が定番だと思うが」

 

ダイアンナ「ああ、直接肉体に取り込まず、変身アイテムや強化スーツにあれこれ飾りを付与していくスタイルなら納得だ」

 

アスト「パグマイアよりも、マウ連合の方が後から出た上級ルールの趣があるから、ネコだけに許された特殊ルールもあるんだな。マンサーの魔法探求の手段として、イヌのアーティザンとは違った研究素材の入手というルールもあるってことで、この辺のルールを掘り下げるのも面白そうだと思う」

 

ネコの説法師の話

 

ハイラス「では、ようやくミニスターの話でござるな。ミニスターはネコ世界の聖職者で、魅力に基づく《魂の声》で呪文を発動する天命でござる」

 

ダイアンナ「聖職者は判断力を重視するイメージがあるんだけど、ミニスターは違うんだな」

 

アスト「能力値的には、魅力と耐久力重視で、こちらの方がD&Dのウォーロックに近いものを感じるが、使う呪文はドルイドとバードのものが目立つな」

 

ハイラス「癒し系であると共に、動植物などの自然界に働きかける呪文と、声を介した精神操作系呪文の使い手でござるよ。ミニスターは呪文の使用に焦点具や聖印を必要とせず、その代わりに演説や歌唱などの発声が必ず必要になる」

 

ダイアンナ「呪文と言えば、発声が必要だと考えがちだが、アーティザンやマンサーは焦点具に触れて念じさえすれば、別に声に出さなくてもいいんだな」

 

リバT『シェパードは、ヒトへの祈りを言葉にしないといけませんけどね。聖職者系は発声が必要だと考えられます』

 

アスト「サイレンス(沈黙)の呪文の効果などに影響してくるな」

 

リバT『パグマウには、サイレンスの呪文が存在しませんよ』

 

アスト「マジかよ。魔法封じの基本なのによ。パグマウの世界では、魔法封じは一般的な戦術ではないということか?」

 

リバT『バッドステータスに、盲目状態や聴覚喪失、嗅覚喪失はあるのに、沈黙状態がありませんからね。まあ、D&Dでも最近は呪文封じがサイレンス一発で済むことはなくなって、サイレンス空間では[雷鳴]ダメージが無効という新解釈が加わった以外は、音声要素を含まない呪文もあって、サイレンスの有効性が昔よりも下がったようです』

 

ダイアンナ「でも、音声要素は大抵の呪文に必要だろう? 音声要素を必要としない呪文って何があるんだ?」

 

リバT『幻の文章記述呪文のイリューソリィ・スクリプトは、動作とインクが必要で音声は要りません』

 

アスト「そりゃあ、紙に書く呪文は喋る必要はないよな」

 

リバT『呪文妨害のカウンタースペルも音声は要りませんね。他には守りの秘文グリフ・オヴ・ウォーディング、擬似次元界に通じる扉を開くデミプレイン、相手を指差す動作だけでいい攻撃補助呪文のトゥルー・ストライク、獣の知覚を得るビースト・センス、催眠紋様ヒプノティック・パターン、相手に友情を抱かせるフレンズ、初級幻術マイナー・イリュージョン、自分の幻を作るミスリードは音声を使わずに発動可能。全部で10個だけですか。350個以上の呪文の中で約3%ほどしかないみたいですね』

 

アスト「って、いちいち数えたのかよ。さすがと言うか、何と言うか」

 

リバT『しかし、かつては呪文使いに対して猛威を振るったサイレンスの呪文も、5版では大きく弱体化したのです。まず、昔はできた「対象に直接かけること」ができなくなり、場所にかけるだけになりました』

 

アスト「相手が静寂空間の範囲から出れば、無意味ってことだな」

 

リバT『それを封じるためには、相手を移動不能にする呪文をかければいいのでしょうけど、相手に直接サイレンスをかけて静寂空間が相手に付きまとうような使い方はできなくなりました』

 

アスト「昔みたいにマホトーンみたいな呪文封じはできなくなった、と」

 

リバT『さらに静寂空間の維持のためには、術者がずっと精神集中しないといけなくなりました。移動や通常の武器攻撃では呪文のための精神集中は持続できますが、ダメージを受けたり、別の呪文を使うと精神集中が途切れてしまうので、相手の呪文を封じている間は自分の呪文も使えないということに』

 

アスト「昔は使えたテクニックが、今は使えないと思うと、時代の変化を感じるなあ」

 

 

ハイラス「いずれにせよ、パグマウにはサイレンスの呪文が割愛されたのでござろう。ならば、ミニスターの説法が妨害される心配はないでござるな」

 

アスト「それで、改めてミニスターはどんな呪文を覚えるんだ?」

 

ハイラス「回数制限のない基礎呪文は3つ。動物を魅了できるアニマル・フレンドシップ。魔力の声で相手の悪口を言って心を傷つけるヴィシャス・モッカリー(容赦ない嘲笑)。ちょっとした手品的な魔力の芸を発動できるソーマタージーでござるな」

 

ダイアンナ「ちょっとした手品とは?」

 

ハイラス「以下の効果を選べるでござる」

 

・1分間、声の大きさを3倍にする。

・1分間、炎を揺らめかせたり、パチパチと音を鳴らしたり、明るくしたり、薄暗くしたり、色を変えたりする。

・1分間、地面をブルブル振動させる。

・30フィート(約10メートル弱)以内で、雷の轟音やカラスの鳴き声、不吉なささやき声など一瞬の音を作り出す。

・瞬間的に、鍵のかかってない扉や窓を勢いよく開けたり、バタンと閉めたりする。

・1分間、術者の両眼の外見を変化させる。

 

ダイアンナ「マンサーの基礎呪文プレスティディジテイションに似た感じだね」

 

リバT『そちらは、最大1時間の幻術効果が選べたりもしますが、ソーマタージーは最大1分間で、よりお遊び的な効果が目立つのと、音声効果が目立って派手な印象がありますね。冒険中に上手く使いこなすのには工夫がいりますが、敵の注意を引きつけるぐらいはできそうです」

 

アスト「心を傷つける嘲笑ってのも酷いな。ドルイドって悪口が好きなのか?」

 

ハイラス「誤解でござる。ヴィシャス・モッカリーは元々、バードの呪文。判断力セーブに失敗した相手にD4ダメージを与えて、相手の次の攻撃を不利にする効果があるわけで」

 

アスト「ダメージは小さいが、毎ターン悪口をチクチク言って、攻撃を邪魔するなんて、悪魔みたいな攻撃だな」

 

ダイアンナ「基礎呪文は使用回数無制限だから、そこに含まれる攻撃呪文がそのキャラの通常攻撃となるんだよね。アーティザンはエレメンタル・レイで、D8の三属性ビームを放ち……」

 

リバT『シェパードはセイクリッド・フレイムで、D8の光ダメージを与え……』

 

アスト「マンサーは威力の大きいD10エルドリッチ・ブラストか、回復封じのD8死霊ダメージのチル・タッチを使い分け……」

 

ハイラス「ミニスターは悪口言って、D4念力ダメージ。少し見劣りがするでござる」

 

リバT『1レベル呪文では、どうですか? 強力な攻撃呪文があれば、印象が変わるかも』

 

ハイラス「それが、ミニスターには1レベルでも強力なダメージ源がござらん。2レベル呪文になって、ようやく3D8の範囲攻撃音波呪文([雷鳴]ダメージ)のシャッターや、2D10の範囲継続光ダメージを与えるムーンビームが使えて、攻撃役にもなれるでござるが、それまでは専ら回復や支援役でしかない」

 

アスト「まあ、信仰キャラの呪文がやたらと攻撃的というのも変に感じるけどな。回復呪文があれば、とりあえずの仕事はできるんじゃないか?」

 

ハイラス「1レベルでは、ボーナスアクションで回復できるヒーリング・ワードが得意で、戦闘時には専ら悪口を言ってチクチク程度しか、攻撃できることがござらんようだ」

 

アスト「支援魔法は?」

 

ハイラス「絡みつくツタで範囲内複数相手の移動を封じるエンタングル、1体の相手に簡単な命令をして行動を操作するコマンド、魅了呪文のチャーム・パーソン、影響を受けた範囲相手への攻撃を有利なものにするフェアリー・ファイアなんかが使えるでござるな。ダメージ的な決定打ではござらんが、この中ではフェアリー・ファイアが一番、影響力が大きいでござろうか。最大1分の間、複数相手への攻撃が有利になる呪文は、味方の支援効果としては抜群でござる」

 

リバT『明かりの範囲内に入った味方も巻き込まれてしまうのが欠点ですけどね。使いこなすのには慣れが必要です』

 

アスト「クラシックD&Dの感覚だと、チャーム・パーソンが一番分かりやすいと思うな。とりあえず魅了してしまえば、敵が1体減るし、情報収集だって、罠排除のコマにだって使える。頭の悪そうな屈強な戦士辺りを魅了すれば、使い捨ての用心棒ぐらいにはなる」

 

ダイアンナ「魔法使いを魅了すれば、結果的に呪文封じにもなるな」

 

リバT『コマンドも、使い方次第で決定打になりますね。後衛の呪文使いに「来い!」が決まれば、のこのこ走って来ますし、戦士系なら「落とせ!」で武器を落としたり、「伏せ!」で転倒伏せ状態にして味方の攻撃の的にしたりできます。あるいは「走れ!」で遠ざけることも可能。要は、敵の配列や戦術を大きくかき乱すことができるので、直接的な数字ではない戦術効果があるか、と』

 

アスト「自分一人では決定打を欠くキャラだが、敵に回すと非常にウザい相手だし、上級者が使いこなすと非常に強力なのがミニスターになるのかな」

 

ハイラス「フォローを頂いているようで、感謝申し上げるでござる。癒し手としては感情を鎮静化させるカーム・エモーションズが地味に良い仕事をしそうでござるな。魅了や恐怖を鎮めたり、相手の敵意をなだめたりできる」

 

リバT『シェパードでは、2レベル呪文になっていますね。あと、コマンドはシェパードも1レベルで使えます』

 

ハイラス「まあ、ミニスターは精神操作系呪文が得意で、他に自然系の呪文でござるな。10人分の1日の糧食が得られるグッドベリーは、サバイバル生活では非常に美味しいでござる。動物と会話できるスピーク・ウィズ・アニマルズも野外生活では有効だし、1時間の移動距離を増やせるロングストライダーも便利。戦闘中でも移動距離の増加は有効な局面が考えられよう。濃霧を発生させるフォッグ・クラウドは上手く使えば奇襲攻撃や隠密行動の助けにもなろう」

 

アスト「アーティザン、シェパード、マンサー、ミニスターの4つを比べると、ミニスターが一番、使い方に工夫が必要な天命だろうな。自分が目立たないとイヤだとか、ダメージ呪文で派手な活躍をと考えるプレイヤーには向かないが、味方の支援や敵を翻弄させることに喜びを感じるプレイヤーにうってつけな呪文がいっぱいで、TRPG的な楽しさを満喫できると思う」

 

ダイアンナ「直接的ではなく、間接的にイヤらしいことをするキャラだけど、味方の戦力を有効に活用し、敵が本領を発揮できないように振る舞う軍師ポジションだとも言える」

 

ハイラス「ドルイ道よりは、弁舌の徒、言葉巧みに場をかき乱すキャラだと思ったでござるが、より自然寄りになったキャラが海賊サプリのミスティックなのだと関連付けがイメージできるようになった」

 

リバT『確かに、ミニスターの技能には自然知識がなく、ネコの文明社会寄りで自然は支配すべき対象として考えている印象がありますので、より自然志向のドルイドに近いのはミスティックかもしれませんね』

 

アスト「ドルイド自身が研鑽して初めて、ミニスターは『使う呪文こそドルイド要素があるけれど、精神性は文明社会のバード寄りだ』ということが分かったわけだな」

 

ダイアンナ「第一印象と異なるキャラ付けが発見できたという点で、研鑽し甲斐があったってことだね」

(当記事 完)