ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

変身物語(メタモルポーセース)

@馬に生まれ変わりて

 

 

アスト馬「ヒヒーン」

 

ダイアンナ「あれから2週間以上が経つが、こいつはまだ馬のままか」

 

リバT『一向に、元に戻る様子がありませんね』

 

ダイアンナ「大体、どうしてこいつは人を捨てて、身も心も馬になってしまったんだ?」

 

リバT『そりゃ、クイーンが命令したからじゃないですか? 「そんなに馬が好きなら、あたしこそアストに命ずる。お前こそ馬になれ!」って』

 

ダイアンナ「そんなことで普通、馬になったりはしないだろう? 沙織お嬢さまに命じられたユニコーンの邪武ならいざ知らず」

 

リバT『ペガサス星矢は馬になることを拒否しましたね。ただ、射手座のゲシュタルトという昔の黄金聖闘士は、愛馬ターニャが好きすぎて人馬一体になったと聞きますし、シンカリオンZに今度登場したダークシンカリオンも人馬形態があるようですし』

 

ダイアンナ「人馬形態ならまだいいんだ。上半身が人だから普通に喋れるし。仮に下半身が馬でも、記事書きするには支障ない。姿の見えないセリフだけの記事なら、読者の皆さんはアストの下半身が人だろうが、馬だろうが、魚だろうが、気にしないだろう。見えていないんだし」

 

リバT『アストさんが人魚になったら、私めは気にしますがね』

 

ダイアンナ「そりゃ、あたしだって気にするが、読者視点だとどうでもいい話だ。しかし、今のままだと読者も気になるだろう? 何しろ、こうだからな。おい、アスト」

 

アスト馬「ヒヒーン」

 

ダイアンナ「さすがに、これでは会話が成立しない。あたしには馬の言葉が分からないんだからな。言霊魔術師のダディーや、次元ドルイドのハイラスだったら、馬の言葉だって魔法や特技で分かるのかもしれないが」

 

リバT『アストさんとハートが通じ合っているクイーンなら、愛の力で分かるんじゃないですか?』

 

ダイアンナ「リバT、愛など幻でしかないのさ。愛があれば、相手が馬になっても言葉が分かると言うのか? 有り得ない。愛があっても、馬の鳴き声はヒヒーンにしか聞こえん」

 

アスト馬「ヒヒーン」

 

ダイアンナ「ヒヒーンだけで会話を通じ合わせようというのは、ハーイ、ちゃーん、バブーの3語は喋れるイクラちゃんを相手にするより難しい」

 

リバT『ポケモンのピカチューや、現役プリキュア妖精のクルルンぐらいの難易度ですかね』

 

ダイアンナ「せめて、イエスかノーの2択ぐらいは意思疎通できるようにしないとな。おい、アスト。あたしの言っている言葉が分かるか?」

 

アスト馬「ヒヒーン」

 

ダイアンナ「今のはイエスと解釈しよう。アスト、お前はこのまま一生、馬の姿でいいのか?」

 

アスト馬「ヒ? ヒヒーンヒン」

 

リバT『首を必死に横に振っているところから察するに、今のリアクションはノーみたいですね』

 

アスト馬「ヒヒーン、ヒヒーン」

 

ダイアンナ「2回いなないているのは、意思が通じて喜んでいるのだな。だったら、悲しみの鳴き声は?」

 

アスト馬「ヒ? ヒーンヒーン(涙目)」

 

ダイアンナ「うむ。こちらの言ってることは分かっているようだな。たぶん。それでは怒りの鳴き声は?」

 

アスト馬「ブルルッ!」

 

ダイアンナ「おお、鳴き声のヴァリエーションが増えた。恐れているときは?」

 

アスト馬「ブルブル」

 

リバT『よっしゃラッキーって言いたいときは?』

 

アスト馬「ヒ? ヒヒーン、ヒヒーン、ヒヒヒヒヒン」

 

ダイアンナ「ふむ。思ったよりも意思疎通はできるのかもしれないな。このままでもいいのかもしれん」

 

アスト馬「ヒ? ヒヒーンヒン。ヒーンヒーン(涙目)」

 

リバT『ノーと訴えて、悲しんでいるようですね。大体、この状態だと、アストさんがクラシックD&Dの解説役をできなくて、記事書きに支障が出るのは明らか。読者の皆さんだって、別に馬語の講座が聞きたいわけではないでしょうし』

 

ダイアンナ「ああ。何とか、今回の記事で、アストを馬から人に戻す方法を見つけないといけないな」

 

アスト馬「ヒヒーン」

 

@馬になった理由


ダイアンナ「アスト馬を元の人語が喋れるアストに戻すには、まず、どうしてこいつが馬になったかの分析をしないといけない」

リバT『それは簡単です。クイーン・ダイアンナは魔法使い。魔法使いがキング・アストに命じて、相手の抵抗力を上回ったら、呪文の効果が発動して、人から馬になった。ファンタジーの世界ではよくあることです』

ダイアンナ「そうなのか?」

リバT『ええ、古代ギリシャの時代から、変身の物語は数多く語られておりました。その証拠がこれです』



リバT『作者のオウィディウスは紀元前後のローマ帝政時代の詩人で、多くの恋愛詩を残す一方で、「変身物語」はギリシャ・ローマの神話伝承における変身譚を250種もまとめた長編連作詩集ということになります』

ダイアンナ「250とは凄いな。だったら人が馬になる話もあるのか?」

リバT『人が動物や植物になる話は数多くありますが、一度変身させられると元には戻れないようですね。馬になるのが多いのは、しばしば神さまの方で、特に海神ポセイドンは馬との関わりが強く、天馬ペガサスも、名馬アリオンも、ポセイドンの子とされております。また星とアリオンを組み合わせた言葉スタリオンは、優秀な競走馬という意味から派生して、子孫を残すための種馬という意味が定着したようですね』



ダイアンナ「種馬だと? 馬には性的なニュアンスがあるということか」

リバT『馬に限らず、人が獣になるというのは、しばしばそういうメタファーで考えられるようですね。逆に、求愛を拒む場合は、ギリシャでは植物に変身させられることが多いようです』

ダイアンナ「つまり動物がワイルドで性的なのに対し、植物は静的かつ聖的なイメージということか」

リバT『クイーンは一応、花粉症ガールの端くれですから、植物に親和性があるのでは?』

ダイアンナ「あたしが聖的? バカな。吸血蝙蝠女バットクイーンとも呼ばれたんだぞ。コウモリへの変身能力を失ったわけではない」

リバT『つまり、クイーンは空の属性ですね。元キングで屋久島在住のカニコングさんは、カニだけに海属性。だったら、現キングのアストさんが陸属性の馬に変身しても、構わないのでは? 私どもケイP一族も普通に変身して、バイクになったりしますし、このブログ時空では変身できることも立派なステータス。何しろグランドマスターNOVAが変身ヒーローを応援する御仁ですから』

ダイアンナ「確かに一理ある考えだが、それも自分の意思でしっかり変身解除できての話だろう? 変身ヒーローと言えど、いつまでも変身したままじゃ日常生活に支障をきたすのは間違いない」

リバT『確かに、変身ヒーローの多くは日常生活を人間の姿で過ごしますね。そうでないケースは、モモタロスなどのイマジンや、今度の契約悪魔のバイス、それに昔のアクマイザーなど少数派。まあ、不思議コメディーなどでは、ロボコンのようなロボットや、ネムリンのような人形、メダマンのような妖怪、ペットントンのようなETなんかも日常生活を過ごしていますが』

ダイアンナ「普段が馬というケースはあるのか?」

リバT『牧場を舞台にしていれば、馬の登場はそれなりに。宇宙刑事ギャバンも普段は牧場で働いておりましたが、馬自体がヒーローになるケースは稀。戦隊もので言えば、チェンジペガサス、テンマレンジャーぐらいですかね、馬属性の戦士は。馬型のメカは数多くても、馬戦士は比較的少数派です』

ダイアンナ「馬はサポート役が定番で、主役には向かないということか。確かに、動物系の戦士で主役になりやすいのは、竜、鷲や鷹、不死鳥、獅子などだもんな。馬が主役だと、聖闘士ぐらいか」

リバT『馬の名前を持つ主人公なら、メジャーなんですけどね。星飛雄馬や流竜馬、息子の拓馬、それに葵豹馬や早乙女乱馬といったところでしょうか』

ダイアンナ「どちらかと言えば、牛属性の戦士の方がレギュラー化しやすいと見た。ブラックバイソンを始め、ガオブラック、黒騎士ブルブラック&合身獣士ブルタウラス、オウシブラック、仮面ライダーゼロノス、それにマジグリーンも巨大変身するとマジタウロスだったか。角がある方が強そうにアピールできるということかな」

リバT『馬の特長は、地上で脚が速いということですが、スピードだと鳥類やチーターなどに役割を奪われがちで、牛のパワフルさに比べてアピールポイントが少ないのかも。そして最大の特徴は、主役を乗せて戦う騎馬になる=主役にはなれずにサポート専門というのが定番に』

ダイアンナ「主役のサポートだと母艦もあるな。ガンダムの母艦ホワイトベースは、ペガサス級でコードネームも木馬だ。馬はそれなりに存在感があるけど、主役になれない名バイプレイヤーと見なすのがいいか」

リバT『勇者シリーズではペガサスセイバーというロボもいましたし、仮面ライダー555ではホースオルフェノクが敵サイドの主役みたいな立ち位置でした。とにかく、馬は影が薄いわけでもないのに、主役にはなれず、一歩引いた立ち位置ということですね』

ダイアンナ「で、散々馬の話をしているあたしたちだが、肝心のアストを元に戻す方法については、ちっとも話が進展していないんだが?」

リバT『クイーンが命令したらいいのでは? 魔法をかけた本人なんだから解除の呪文ぐらい使えるでしょうに』

ダイアンナ「それもそうだな。おい、アスト。お前に命ずる。馬から元の人間に戻れ」

アスト馬「ヒヒーン」

ダイアンナ「ダメだ。あたしの命令は効果ないようだ。大体、あたしの得意な魔術は、幻影や催眠術の類で、変身魔法なんて使えるはずがなかったんだ。それなのに、こいつは馬になったんだぞ。今さら言うのも何だが、どうしてこいつが馬になったのか、あたしには謎のままなんだ」

リバT『この謎を解くには、グランドマスターNOVAの知恵を借りるのが手っ取り早いかと思いますが』

ダイアンナ「いや、それは最後の手段にしておきたい」

リバT『どうして?』

ダイアンナ「今が夏季で仕事が忙しい時期だからな。もしも、アストが馬になったからどうすればいいだろうか? と質問すれば、『何だと? この仕事で忙しい夏場に、そんなつまらない質問を押しつけて来るな。TPOを弁えろ。いつまでも自立できない無能なマネをして来るなよな。いい加減、いい大人なんだから』と一言に対して、30倍の説教が返ってくるような気がする」

リバT『いや、さすがにそんな返し方をするのは特定個人に限られると考えますが。クイーンは別に特撮LEGEND役者の悪口を言ってませんし、そんなお叱りを受ける理由は……確かに、昔は敵役として迷惑をかけた時期もございますが、今はウルトラの光も宿してますし、そこまで無下にされることもないと考えますが』

ダイアンナ「う〜ん、だったら、リバTがダディーの役として、どんな話になるかシミュレートしてみようじゃないか。もしもし、ダディー? アストが馬になったんだけど、どうしよう?」

リバT『う〜ん、グランドマスターよりも先に、ミストレス・アッキーが通信に出ると思うんですよね。「わ〜い、アナちゃんだ〜。え? NOVAちゃん? 今は仕事で忙しいから出られないよ。それに、私もお姉ちゃんと一緒にコンパーニュに合宿に行くから、すぐには相手できないの。お盆休みまで待ったら、いいと思うよ。じゃあね。ガチャッ……ツーツー」 こんな感じでしょうか?』

ダイアンナ「いや、それはそれでリアルな反応かもしれないが、一応、ダディーが通信に出たら、を想定してシミュレートして欲しいんだが」

リバT『やむを得ませんね。では、もしも非常に幸運な出目のおかげで、グランドマスターとうまく連絡が通じた場合を想定して。「何だと!? アストが馬に? そいつは凄え。まさに事実は妄想よりも奇なりって奴だなあ。よし、そのネタでブログ記事を書いてくれ。こんな面白いネタを使わない手はない。アストが馬ってことは、その状態で変身したらどうなるかなあ。馬トラマンアースと名乗ったりするのか。馬なのか虎なのかよく分からんが、そう言えば、ウルトラの星に馬っているのだろうか? 騎乗するウルトラマンって見たことはないし、ウルトラのフォームチェンジにも馬形態になるタイプはないな。四つ足ケンタウロス状態になるウルタウロスフォームって出ないかなあ。獅子座のレオや、フェニックスブレイブのメビウスはいたけど、ペガサスモチーフのウルトラって新鮮じゃね? とにかく、アストが馬になっているうちに、いろいろネタを集めて記事にしてくれ。一通り面白いネタが尽きたら、その後で、元に戻る方法を検討しようじゃないか。うん、それがいい」……って感じにシミュレートされましたが?』

ダイアンナ「ネタとして面白ければ、何でもいいのかよ!? それがいい……って、よくないだろう」

リバT『あくまで仮想のシミュレートでして、本物のグランドマスターがこのような反応をする確率は、6割程度かという計算ですが。何しろ、読者受けしそうな楽しい記事を優先する方ですから』

ダイアンナ「アストだって元読者Aだろうが。アストが馬になったなら、読者だっていつ馬になっても不思議じゃないんだぞ」

リバT『いや、この記事を読んでる読者が突然、馬になったりしたら、十分過ぎるほど不思議ですが。いくら何でも、この記事に人を馬に変える呪いが仕込まれているわけでもあるまいし』

ダイアンナ「それだ!」

リバT『それって何です?』

ダイアンナ「呪いだよ、呪い。アストはあたしに馬になってくれ、と呪いをかけた。あたしはそれを断り、逆にアストこそ馬になれ、と応じた。つまり、アストの掛けた呪いが呪詛返しの作用を受けて、2倍の効力でアストは馬になったんだ。通常の倍の強度で掛けられた呪いだから、あたし一人で解除することもできない。だけど、その仕組みが分かったから、解呪も簡単だ」

リバT『確かに呪いの解除なら、私めの専門ですね。その呪詛返しの理論が正しければ、解除の難易度は高くなるかと思われますが……』

ダイアンナ「あたしがリバTに協力する。リバTの聖なる解放の霊力と、あたしの光の魔力が組み合わされば、きっと馬化の呪いも解けるはずだ」

リバT『まあ、どうしようもなければ、この世界のどこかにある「ラーの鏡」を探しに行くというクエストも考えてみましたが、私めとクイーンの共同作業で何とかなるようでしたら、それが手っ取り早いようですね。アストさんの馬ネタが記事に書けなくなったら、グランドマスターのがっかりする顔が目に浮かびますが』

ダイアンナ「いや、そもそも、仕事で忙しいはずのダディーが、アストの馬ネタ記事に余計な時間を費やすとは思えん。馬ネタが必要なら、アストが自在に馬モードに変身できるようになってからでも遅くはない。大体、スピードAという呼称を持つ男だからな。アスト・アリオンモード、すなわちアスタリオンに変身できるようになるのも一興。そう、騎馬戦士アスタリオン、これこそが馬のパワーを自在に使えるようになったアストの目指す道ではないか?」

アスト馬「ヒヒーン!」

ダイアンナ「よし、アストも乗り気になってくれたようだな。では、まず馬化の呪いを解いて、人間に戻って、アスタリオンへの変身方法を考えるのはそれからだ。リバT、解呪のパワーを発動してくれ。そこに、あたしの魔力を加える。アストも上手く行くように願ってくれ」

アスト馬「ヒヒーン! ヒヒーン!」

リバT『馬化の呪いよ、全力全開で解放されなさい!』

ダイアンナ「魔力集中! ピキピキドカーン!」

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アスト「ふう。ようやく、人間に戻れたぜ」

ダイアンナ「これに懲りたら、2度とうかつなことを言わないようにな」

リバT『人を呪わば、穴二つですからね。この場合の穴とは墓穴のこと。相手を呪いで殺そうとしたら、自分も死んでしまう。相手と自分の墓穴二つが必要になるということで、要するに人の不幸を願うと自分も同じぐらい不幸になるという戒めです』

アスト「いや、しかし、相手に馬になるように頼んだら、自分が馬になってしまうなんて、普通は考えられないだろう?」

ダイアンナ「普通じゃないことが起こったりするから、ニュースになるわけで。どんなに確率が少なくとも、普通じゃないことは起こり得るのさ。だから、あたしたちは普通以外の事件にも備えて、いろいろと学ばないといけないんだ。そう、普通でないことが起こるようなアンバランスゾーンこそが、ウルトラの戦士や防衛チームが対処しないといけない出来事なんだからね」

リバT『今回の怪事件は、今後の研究資料としてグランドマスターにも報告したいと思います。その上で、新ヒーローの騎馬戦士アスタリオンの企画案も考えてみようと』


 果たして、アストは馬化のパワーを使いこなして、騎馬戦士アスタリオンに覚醒できるのだろうか?
 一歩間違えると、うっかり馬鹿のパワーを使ってしまう危険もあったりするんじゃないか、と懸念しつつ。

(当記事 完)