ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

5版モンクの3門派(その3)

@基本3門派の最終記事

 

 

アスト「今回は、開手門、暗影門に続く第3の門派、四大門について語る回だ」

 

リバT『なお、四大は「しだい」と読みます。ファンタジー世界における地水火風4つのエレメントを表す言葉ですね』

 

ダイアンナ「武術に魔術を組み合わせた流派だから、この研鑽にはあたしも力を貸したと言っておこう」

 

アスト「オレは、魔術のことはからっきしだからな」

 

蓮火「魔術なら、この魔王に任せておけ。要は、『俺のこの手が真っ赤に燃える。勝利をつかめと轟き叫ぶ!』と拳に炎を宿せばいいわけだ。気合を込めて、体内の熱を拳に集中させて、空気中との摩擦で発火させる。応用すれば、大気中の静電気を駆使して電撃拳を放ったり、かまいたち現象を起こしたり、凍気を放ったりも可能」

 

アスト「属性拳を魔術でなく物理的に編み出す流派や、単純に機械の力で再現したりすることもできるだろうけど、魔術とは根本的に違いますな」

 

蓮火「ほう。何が違うと言うのだ?」

 

アスト「理論上は、モンクの武術の基本は『気』の力にあります。大自然の『気』を体内に感じ、無念無想のままに一体化する。炎を操るのではなく、自らが炎と同調一体化することで、己の中から炎を生み出して発動させる。内なる力と外なる力を区別させることなく、梵我一如の精神で『我が身すでに鉄なり、我が心すでに空なり』を体現化させる。この境地に目覚めることこそ、東洋の神秘……という理論です」

 

蓮火「なるほど。つまり、流派・東方不敗よりは、グレンファイヤーになればいいわけだな。自分自身が炎になるのが、四大門のあり方だと」

 

 

ダイアンナ「魔術理論は世界観にも関わって来るし、文化思想によっても異なる説明が為されているけど、より科学に根差した魔術や、神々を通じた信仰魔術、言葉や人の認識を操作する系統の魔術、個人の霊感に基づくもの、異界の力との契約に基づくものなど、種々様々だな。その中で、モンクの技は総じて、自分の内なる気を外界と同調連動させることで放たれることが多いようだ。よって、強すぎる自我への執着や、極端で過激な情動を戒め、中道を良しとする思想で、外の事物を思うがままに操るという支配の考え方では、悟りに至れないともされる」

 

蓮火「しかし、生まれついて炎の塊のような生物はどうなるんだ?」

 

アスト「それは武術ではなく、種族特徴みたいなものじゃないか。炎の元素精霊イフリートだったら、普通にパンチを放つだけでバーニングナックルと言えるだろう? ただ、そういう生まれついての属性でなく、後天的に元素の力を体得するにはどうすればいいのかを考えるのが、四大門ってことで」

 

蓮火「適切な環境で育ったアメリカ人は普通に英語を喋れるが、日本人が英語を使えるようになるには、それなりの修練を積まねばならないのと同じことか」

 

アスト「まあ、修練によって、どこまでのことができるかは、天賦の才や学習能力、それに教育環境や教師の質、それに本人の意欲や頑張りなど、多くの理由があって、習得した技能を実践活用する機会にも影響するだろうしな。ただ、大成した人間というのは人一倍の努力も当然のようにこなしているし、せっかくの機会も一期一会と見なして大切にするし、自分の中の生きるべき本義を見据えて、その点は純粋に己の核として、珠のように磨き抜く生き方をしているわけだ。『自分はこれを貫くために生きてきたし、これからもそうするつもりだ』と言いきれる柱を持っているかが、他者の思惑でブレない自分じゃないかな」

 

蓮火「なかなか、立派なことを言うじゃないか。ならば聞こう。お前の柱は何だ?」

 

アスト「もちろん、翔花ちゃんだ」

 

蓮火「女かよ」

 

アスト「誤解するなよ。オレにとっての翔花ちゃんは、愛の象徴と同義なんだ。今は、ダイアンナ=翔花ちゃん=ラブコ武流の真髄と悟るに至ったし、愛の力でハッピーというのは流派・東方不敗の教えにもかなっているはず」

 

蓮火「愛か。確かに、燃え上がる情熱は炎そのものだな」

 

アスト「されど、愛は盲目。自制できないワガママだけの愛では、妄執と変わりない。愛ならば、自分の想いと相手の想いをどう同調連動させるかに掛かっている。己が情念だけしか見えぬようでは、歪んだ独り善がりの愛となって、モンクの悟りとは程遠いのも道理。ゆえに、智慧なき愛は戒めるべし……だそうだ」

 


@元素同調の秘術


蓮火「何だかややこしい宗教講座になったような気がするが、これは本当に武術の話なのか?」

リバT『どちらかと言えば、東洋の修行僧の精神性に通じる話ですね。あるいは、マーベルの大魔術師、ドクター・ストレンジさんにも通じるかもしれませんが、あの人はモンク風の修行を通じて、多元宇宙のエネルギーを操作する魔術の達人になりましたからねえ。割と慢心による、うっかりが多いみたいですけど』



アスト「要は、自分の気を外界の何かと同調させる鍛錬が一連のモンクの修行の根幹で、偏らない世界と同調させたオープンハンドなのが開手門、影と同調させた隠密重視なのが暗影門、そして元素の力と同調させたのが四大門。とりわけ、四大門の基本技はそのまま『元素同調』と呼ばれているわけで」

蓮火「さっきから同調をやたらと推すのは、そういうことだったんだな」

アスト「なお、これは魔術師における初級呪文プレスティディジテイションと同様に、ちょっとした元素の操作が自在に行えます」

蓮火「プレステ……何だって?」

ダイアンナ「プレスティディジテイション。魔術の話なので、あたしが解説しよう。簡単に言えば奇術的な小魔術で、地水火風に関わる無害だけど印象的に見える、ちょっとしたエフェクトを生じさせる。指先に炎を灯す手品とか、ちょっとした微風を生み出したり、微かな霧を漂わせたり、小石がコロコロ転がる程度」

蓮火「拳を振り回せば、炎のようなエフェクトが見えるけど、実害はないみたいな?」

アスト「グレンファイヤー兄貴の頭が燃えているような感じかも。別に、あの火炎頭で頭突きをするわけでもないでしょう?」

蓮火「単におしゃれな演出なんだよ。まあ、炎の戦士としての見栄って奴だな」

リバT『風使いが登場したときに、なぜかマントやマフラーがたなびいている感じですね』

ダイアンナ「水使いが登場するときに、どこからかチャプンと水が滴る音が響くような」

蓮火「登場シーンの演出用かよ」

アスト「必殺技を使う際に、背景に何かのイメージ映像が浮かぶのもそれっぽいかも。とにかく、元素同調の術を習得すれば、自分の心に外界が何らかの同調演出をしてくれるんです。タバコに火をつける程度ならできますし、紙飛行機を飛ばして好きなところに着地させたり、砂の山を崩したり、大雑把な形の小さな氷の像をこしらえたりもできるそうで、いろいろ遊べそうな芸かな、と」

蓮火「だけど、それだけじゃないんだろう?」

アスト「もちろんです。四大門の技は16種類ある中から選択習得します。レベル3で1つ、レベル6、11、17で1つずつ増えて、最大4つまでの技を会得するわけですな。ここからは、その16種をアニーが順に手短に紹介するということで」


@3レベルで習得可能な技


ダイアンナ「3レベルになったモンクは四大門を選択すると、先程の『元素同調』の他に、以下の7つから好きな技を1つ身につけられる。なお、( )内の数字は、消費する気ポイントだ」

・金剛気砲拳(2):30フィート以内の敵1体に気弾をぶつける。3D10殴打ダメージを与えて、20フィート押しやり、転倒させる。相手が筋力STに成功すれば、ダメージ半減して、押しやりも転倒も避けられる。

・疾風来(2):距離60フィート、幅10フィート範囲に強風を起こして、範囲内の全ての相手を15フィート吹き飛ばす(筋力STに失敗すれば)。術者が集中すれば最大1分(6ラウンド)まで継続可能で、向かい風を受けている相手の移動力は半減する他、松明やロウソクの火を吹き消すことも可能。

・焼尽掌(2):15フィートの円錐範囲の複数相手に、火炎放射で3D6ダメージを与える(敏捷STに成功すればダメージ半減)。

・水鞭(2):30フィート以内の敵1体に水の鞭で攻撃。3D10殴打ダメージを与えて、相手を25フィート引き寄せるか、転倒させる。敏捷STに成功すれば、ダメージ半減して、引き寄せも転倒も避けられる。

・治水治氷(1):距離120フィート以内にある、1辺30フィート内の水や氷を凍らせたり、溶かしたり、形態を自由に変えたりできる。ただし、相手を氷で閉じ込めたりダメージを与えたりはできない。相手の乗る船を浸水させたり、波を起こして、移動を一時的に遮ることは可能。

・蛇焔(1):手足から炎を伸ばして、1ターンの素手攻撃の間合いを10フィート増やす。ダメージ属性が殴打から炎に変わり、攻撃命中時に気ポイントを追加で1点消費することで、追加のD10火ダメージを与える。

・雷震霹靂拳(2):術者の周囲15フィート内の全てのキャラ(味方も含む)に2D8雷鳴ダメージを与え、10フィート押しやる。耐久力STに成功すれば、ダメージ半減、押しやりも避けられる。


蓮火「なるほど。接近戦主体のモンクが遠くから攻撃したり、複数を攻撃したり、移動妨害などの範囲魔法効果を発動できるわけか。自分の得意な技を1つ選ぶ、と」

ダイアンナ「ああ。そして、6レベルになると、ここからもう1つを選んでもいいし、新たに習得できる技も増える。さらに、一度選んだ技も習得し直すことができるんだ。蛇焔を選んでから使いにくいと思ったら、6レベルのときに蛇焔を別の技に切り替えてもいい」

蓮火「魔法使いみたいに毎朝、その日の呪文を選び直すようなことはできないけど、最初選んだ技よりも、別の技が使いたいと思ったら、新技の習得時に改めて選び直しができるわけだな」


@6レベル、および11レベルで習得可能な技


ダイアンナ「6レベルになって新たに習得できる技は、以下の2つだ。効果は略式にさせてもらう」

・北風金縛り(3):ホールドパーソンの効果。相手の動きを封じる。

・大鐘音(3):シャッターの呪文効果。轟音で半径10フィートの範囲内に3D8の雷鳴ダメージ。


ダイアンナ「さらに、11レベルになると、以下の3つの技が増える」

・風乗り(4):フライの呪文効果。自分が飛行可能になる。

・霧の構え(4):ガシアス・フォームの呪文効果。体を気体化する。

・不死鳥の猛火(4):ファイアーボールを発動可能。半径20フィートの範囲内に8D6の火ダメージ。


蓮火「不死鳥の猛火が格好いいなあ。どこぞの大魔王を想像させるが」

アスト「四大門の長所は、特殊能力を自由に選択できる点だな。開手門や暗影門は一度選んでしまえば、習得できる技が固定されてしまうが、四大門は自分のイメージに合わせたカスタマイズがしやすい」


@17レベルで習得可能な技


ダイアンナ「では、四大門モンクにとっての究極奥義とも言うべき17レベルだ。強力な効果が4つもある」


・炎河滔々(5):ウォール・オブ・ファイアーの呪文効果。火の壁で相手を閉じ込め、5D8のダメージ。精神集中で壁を継続させることで、毎ラウンドダメージを与えることも可能。

・金山鉄壁(5):ストーンスキンの呪文効果。体を石のように硬化し、非魔法的な物理攻撃のダメージを半減させる。

・大地褶曲(6):ウォール・オブ・ストーンの呪文効果。石の壁で相手を閉じ込める。10分間集中して呪文効果を持続すれば、石の壁は永遠に実体化したままになる(物理的に破壊されない限り、壁の中からの脱出は困難)。

・冬息吹(6):コーン・オブ・コールドを発動可能。60フィートの円錐範囲の相手に8D8冷気ダメージ。


蓮火「派手に術を使う道術使いみたいな武闘家を演じたいなら、四大門ってところだな。前衛ファイターみたいな活躍をしたいなら、開手門。隠密盗賊みたいなサポート役が好みなら暗影門。そして魔法戦士っぽい立ち位置が四大門ということで、オレサマとしては四大門が気に入ったんだが、アッシーはやはり暗影門か?」

アスト「う〜ん、快盗としてのオレに一番近いのは暗影門なんだが、これが果たしてラブコ武流かと言われれば、何だか愛が足りないような気がするんだな。他の4門派についても研鑽するべきかもしれない」

蓮火「おいおい、まだあるのかよ」

アスト「あるぞ。暗殺拳の『長死門』、太陽の力で戦う『陽魂門』、武器攻撃と武術を組み合わせた『剣聖門』、そしてトリッキーな『酔拳門』の追加4門派についても、いずれは研鑽したいものだ」

リバT『もっとも、次は海賊の話の続きを予定していますがね』

ダイアンナ「魔界についても、話せるときがそろそろ来そうだしね」

蓮火「そうか。オレサマは……来週から春ぐらいまで、別世界のドラゴンの騎士と戦うことになるかもしれないから、余裕があれば参加するってことで」

リバT『感動的な最期を期待しています』

(当記事 完)