@兄貴来たりて
アスト「……というのが、こちらの現状ですが」
蓮火「なるほどな。要するに、武闘家の話と、海賊の話と、悪魔とか魔界の話が旬なわけだ。そういうことだったら、ちょうどいい。全部オレサマが面倒を見てやろう。喜ぶがいい」
リバT『まあ、鉄太郎さんがいない以上、ここに用心棒がいることは心強いですからね』
蓮火「用心棒だと? それだけじゃねえ。武闘家も、海賊も、そして魔王も、オレサマに縁ある言葉。何なら、神父の話だって許容範囲だぜ。それにカードキャプターだって、最初のプリキュアだって、手助けしたことがあるし、科学忍者だって、魔戒騎士だって経験者だ。声だけだがな」
ダイアンナ「つまり、経験豊富な食客ってことだ」
蓮火「食客かあ。良い言葉だねえ。あと、今をトキめいていると噂の悪魔のバイスな。あれはオレサマの弟子だ」
アスト「え? 兄貴がバイスの師匠格の魔王ですか?」
蓮火「声つながりだけどな。ドラ時空ってところで縁した際に、駆け出しの頃の奴に『一流の声優になるにはどうすればいいですかね?』と尋ねられたので、『劇団でも作ったら?』と冗談で言ったのよ。すると、本当に自分で劇団を作って、おまけに大河ドラマにまで出演するほどになった。これって凄くね?」
リバT『ただのガキ大将だと思っていたら、悪魔をしながら、大河ドラマなんて凄いですねえ』
蓮火「ああ、今夜出演ですぐに退場する役だから、見てやってくれよな」
アスト「いや、今夜の話を今ここで宣伝しても、読んでる読者さんは少ないと思うのですが」
蓮火「バカ野郎。お前たちに言ってるんだよ。ここでも見れるんだろう、大河ドラマ。オレサマと一緒に見ようぜ」
ダイアンナ「それはいいんだけど、あんたの連れのジャンってキカイノイドは、どうなったんだい? 一緒じゃないってことは、まさか始末したってことか?」
蓮火「キカイノイド? ああ、焼き鳥のことか。あいつは闇の世界から現れたネコの亡霊に取り憑かれちまった」
ダイアンナ「ネコの亡霊? マウ連合に関係するのか?」
蓮火「マウだか、マオだか知らんが、青いネコのオーラをまとった声が突然現れてな。その後、トリガートリガートリガーと言ったり、マナカケンゴマナカケンゴマナカケンゴって愛憎混ざった声で、闇のオーラをまき散らしやがるのよ。こいつはヤベえと感じて、オレサマは撤退しようとしたんだが、焼き鳥の奴がネコのオーラに惹かれて飛び込んで行ってしまったんだなあ、これが」
リバT『それは猫物語になりそうなネタですね』
蓮火「ネコの妖怪かと思っていたら、やがて別世界のゲートが開いて、焼き鳥ごと吸い込まれて、それっきりだ。消える直前に、ダーリンダーリンダーリンって鳴き声が変わったり、〜〜だっちゃって語尾が聞こえて来たから、ああ、これが最近、流行りのトジテンドか。さしずめ、ダッチャトピアから来たダッチャワルドって感じだな……と思ったんだが、オレサマにはどうしようもないから、ここに帰って来たわけだ」
アスト「何だか、いろいろな時空が入り混じって、どうしようもないということは分かった。その件は、うちの時空魔術師に報告して、早速調査&観測の指示を出します」
蓮火「ああ、頼んだぜ。オレサマも詳しい状況が分かるまで、ここで待機させてもらう」
@モンクの一般技(10レベル以上)
アスト「それで、前回の話の続きですが……」
蓮火「ああ、武闘家モンクの話をしているんだったな。お前の修行の成果を聞かせてくれ」
アスト「いや、オレじゃなくてD&Dの話ッス」
蓮火「ダイナ&……もう一つのDは何だ? また、Dという頭文字のウルトラ戦士でも登場するのか?」
アスト「そうかもしれませんが、ややこしくなるので話を進めます。レベル10になったモンクは『無病身』といって、病気や毒に完全な耐性を得られます」
蓮火「どうして、このオレの毒が効かないのだ〜? そんなのオレが知るかあ、の世界だな」
リバT『さすがはストロンガーの声の経験者。しっかり研究しています』
アスト「レベル13になったモンクは『日月語』といって、あらゆる話し言葉で会話ができます」
蓮火「拳で心を通じ合わせるって奴だな」
アスト「いえ、相手の気に接触する擬似的なテレパシーみたいなものか、と」
蓮火「そうとも言うか。はい、次」
アスト「レベル14になったモンクは『金剛心』といって、通常は筋力と敏捷力だけのところを、あらゆる能力値のセービングスローに習熟して、ボーナスが得られます。さらに、失敗した判定でも、気ポイントを消費して、判定のやり直しが可」
蓮火「つまり、気合いを入れると、敵の特殊攻撃に抵抗しやすくなるってことだな。貴様のまやかしなど効かん! はい、次」
アスト「レベル15になったモンクは『時知らずの肉体』といって、老齢による衰えがなく、食料や水も必要としなくなります」
蓮火「その奥義は……知らんな。そんな能力を会得していれば、師匠の東方不敗も死なずに済んだやもしれぬ」
アスト「まあ、肉体が若々しくても、寿命で突然死を迎えることはありますので」
蓮火「ああ。老いてなお矍鑠(かくしゃく)と言うことか。……しかし、食料も水もいらないというのは凄いな」
アスト「その辺りで、人間を止めているような気もしますが、大地の気を吸収することで生命エネルギーが得られているのかもしれません。レベル18になったモンクは『虚身』といって、気ポイント4点の消費で1分間の透明化ができ、[力場]以外のあらゆるダメージを半減可能。あるいは、8点の消費でアストラル体を投射可能です」
蓮火「アストラル体? 何だ、それは?」
ダイアンナ「簡単に言えば、幽体離脱が可能ってことさ。オカルト魔術では、しばしば用いられる概念だね」
蓮火「火炎系などの攻撃魔法は得意だが、幽体離脱とかそういう細々としたのは、専門外だな」
リバT『要は、悪魔のバイスみたいに実体化していない状態になれるってことです』
蓮火「スタンド(幽波紋)みたいなものか」
ダイアンナ「本体と分身……とも少し違う感じだけど、自分の肉体から霊体を飛び出させることができる。つまり、自分自身がスタンドになると思えばいい」
蓮火「イメージはできた。しかし、自分でマネすることはできそうにないな」
アスト「紅兄貴でも、まだ極めていない技があるんですね」
蓮火「そりゃそうだ。オレサマもまだまだ未熟。それを調子づいて、学ぶことはないと言いきるは愚の骨頂。さらに強くなるためには修行あるのみだ」
アスト「レベル20の究極奥義は『即身成道』。気ポイントが0になった際に、ターン初めに4点回復します。つまり、毎ターン、気が完全に枯渇することはない、と」
蓮火「バカな。貴様にはもう気力が残っていないはず。どうして、まだ戦える? フッ、どうしてかなんて理屈は分からねえが、仲間や師匠のことを考えると、命の底から力が湧き上がって来るのよ。この尽きない闘志こそ、キング・オブ・ハートの証!」
ダイアンナ「何だか、技の説明をすると、一人で勝手に寸劇を始めてしまうようだねえ」
リバT『本人も、自分の劇団の座長をやってるくらいですから、演技へのこだわりは凄いと思われ』
@暗影門
アスト「一般技の説明が終わったので、いよいよ門派別の技説明に行く。お待たせ、忍者風味のダークシャドーな話だ」
蓮火「なるほど。ネオドイツのゲルマン忍者の技か」
アスト「そう思ってもらって結構です」
・レベル3:影の術
・レベル6:影渡り
・レベル11:影の衣
・レベル17:追い討ち
アスト「影の術は、気ポイント2点消費で、『サイレンス』『ダークヴィジョン』『ダークネス』『パス・ウィズアウト・トレイス』の呪文効果の1つを発動可能な術です。あと、気ポイントの消費なしに『マイナー・イリュージョン』の効果も使えて、低レベルだと、ちょっとしたまやかし効果の方が有効かもしれません」
ダイアンナ「つまり、静寂と、暗視と、暗闇と、足跡消しの効果を選べるわけか。まさに隠密と偽装の達人といったところだな」
蓮火「卑怯者。そんな術は武闘家の風上にも置けん」
アスト「とは言え、忍者が姿をくらますのは当たり前でしょう。さらに、ダークネスは相手に目潰しの効果を発動しますし、サイレンスは呪文の発声を封じますし、マイナー・イリュージョンなら、ちょっとした変装もできて、いろいろと楽しい小細工が面白そうだ」
蓮火「しかし、武闘家たる者、敵と正面から相対し、己が力で堂々と叩き潰すのが王道ではないか」
アスト「武闘家観の違いですね。オレの求める武闘家像は、相手の攻撃をかい潜り、隙ありと叫んで、テクニカルに相手を撃退するもの」
蓮火「ならば! お前のテクニカルと、オレサマの王道、どちらが真の武闘家にふさわしいか、この拳で決着をつけようではないか」
アスト「また、それですか? 兄貴、成長がありませんね。だから、あんたはアホなのだ!」
蓮火「お前ごときにアホ呼ばわりされる覚えはない!」
アスト「甘い、甘いぞ、紅兄貴。今はそのようなことを言っている場合ではない。暗影門、第2の技、影渡り!」
蓮火「何、奴の姿が消えただと!?」
影アスト「解説しよう。影渡りとは影に潜み、60フィート(18m)以内の別の影に瞬間移動することによって、その直後に行う近接攻撃に有利を得る技。しかも、回数無制限。影さえあれば、間にどのような障害があろうとも、瞬時に移動することが可能ゆえ、牢屋からの脱獄も容易。これさえあれば、敵の機会攻撃を誘発することなく、自由自在に戦術マップの12マス分を移動し、遊撃兵の役割を果たす。暗影門とは正面から殴り合う武術にあらず、相手の目から逃れて無益な戦いを避ける隠密なる奥義」
蓮火「そう言えば、師匠や兄さんが言っていた。怒りのスーパーモードではなく、わだかまりなく澄んだ心で物事を見つめよ、と。そうだ。今、戦うべきはアストにあらず。狭い己の感情なり。では、落ち着いた心で影に問う。暗影門の次なる技はいかに?」
影アスト「影の衣。不可視状態を維持する術。攻撃するか、術を行使するか、影のない明るい場所に出るまで持続可能なうえ、使用回数も無制限」
蓮火「むむ。どこまでも卑怯な技だが、相手は攻撃しておらず、術を使っているわけでもなく、影多きこの場では、声はすれども姿は見えず。どうすれば、奴の実体を見極められるのか?」
リバT『D&Dのルールでは、〈知覚〉技能と〈隠密〉技能の対抗判定になりますか。しかし、アストさんが透明化しているなら〈隠密〉側が有利、かつ〈知覚〉側が不利ですし、蓮火さんは別に〈知覚〉のベース能力値である【判断力】に秀でたキャラではありませんからね。よほど運が良くない限り、隠れたアストさんを見つけることができるとは思えません』
蓮火「しかし、いつまでも隠れ続けて、どうするつもりだ? そんなことで戦いに勝てるわけがなかろう」
影アスト「ええ。暗影門のモンクは、一人ではあまり強くはなれません。最終奥義の追い討ちも、仲間が敵を攻撃した際に、仲間の傍らにいる自分が1回の追加攻撃を与えるというもの。仲間の攻撃回数が多いほど、そして攻撃する仲間の数が多いほど、その度に自分もいっしょに分身するかのように追加攻撃を浴びせる技なので、1対1の戦いでは、王道たる開手門には到底及ばない。言わば、自らは影に徹して、仲間をサポートするのが暗影門の本義と言うべきでしょう」
蓮火「むむ。仲間のサポートをする奥ゆかしさか。つまり、レインに通じる心」
リバT『確かに、レインさんは一時期、シュバルツさんに従って、「私はネオドイツの女」と宣言したことがありますね』
ダイアンナ「なあ、リバT。レインとかシュバルツって、何の話だ?」
リバT『おっと、紅蓮火さんはグレンファイヤーさんだったはずなのに、いつの間にかGガン時空が入り混じって、収拾が付かなくなっているようですね』
蓮火「ああ。だが、一つだけ分かったことがある。先も述べたように、オレサマもまだまだ未熟。それを調子づいて、学ぶことはないと言いきるは愚の骨頂。自分と異なる武道の流派を知るには、研鑽あるのみ。暗影門とやらの心意気の一端は感じとらせてもらったので、驕り昂らず、さらなる道を学びたい」
アスト(姿を現して)「では、次は元素魔法と武術を組み合わせた四大門を研鑽しますが、今回はこれにて」
(当記事 完)