ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ウォーロックの話(その3)

D&D話に戻って

 

NOVA「さて、ゲームブックの話を一旦止めて、D&D3版のウォーロックの紹介だ。その後、ダイアンナが5版ウォーロックの話をして、そして俺が娘たちのところに帰るってことでいいな」

 

アスト「そして、オレたちはのんびり暮らせるようになる、と」

 

NOVA「いやいや、ラブコ武流とか、盗賊話とか、やって欲しいんだけど?」

 

ダイアンナ「バルサスや盗賊都市なんかも、夫婦2人で語り合いたいと考える」

 

NOVA「俺が帰っても、リバTがフォローしてくれるから問題ないだろうな。では、3版ウォーロックの話をスタートしよう」

 

悪魔との契約者

 

NOVA「4版以降のウォーロックは、フェイ(妖精)との契約がはっきり加わって、悪イメージが軽減されたが、3版の追加クラスであるウォーロックは、悪もしくは混沌と属性が定められていて、敵役のイメージが濃厚なんだな」

 

アスト「PC向きではない、ということか?」

 

NOVA「混沌にして善(ケイオティック・グッド)という可能性もあって、世俗の法には従わないが個人としての正義感は持ち合わせているキャラなら、PC向きだと思う。邪悪プレイをしないなら、『先祖が悪魔と契約したが、その宿命を打開するために、毒をもって毒を制す』とか、『吸血鬼狩人をしている半吸血鬼みたいなロールプレイ』が可能だと思う」

 

ダイアンナ「闇に生まれたけれども、それに抗う孤高のキャラか。牙狼の魔戒騎士や法師も異界の力を用いてホラー退治をしているけど、時々闇堕ちするケースがあるが、正義のウォーロックもそういうイメージで考えればいいのかな」

NOVA「騎士ではないから法師の方だと思うが、意外なことに3版ウォーロックの技には契約相手の悪魔を召喚する技がない。悪魔の力を身に宿しているけど、悪魔は呼べない仕様だな。3版は兼職しやすいシステムなので、悪魔を召喚できる呪文の使えるウィザードと組み合わせることを想定しているのかもしれない。つまり、ウォーロック単体では、いわゆる悪魔使いにはなれない、と」

 

アスト「召喚系の呪文は使えない、と」

 

NOVA「と言うか、呪文そのものが使えないんだ、3版ウォーロックは」

 

アスト「呪文が使えないだと? 魔法使いじゃないのか?」

 

NOVA「ウィザードやソーサラーの使う呪文とは、別の秘術体系の技を使う。それが妖術だ」

 

ダイアンナ「普通の呪文と妖術は、何が違うんだ?」

 

NOVA「D&Dのルールでは、基本的に魔法使いの呪文は呪文書に記されていて、自分がその日に使う呪文を毎日記憶して、一定の回数制限で行使するものとされている。呪文書に書き込む呪文が多ければ、それだけ多彩な呪文を使えるようになるので、魔法使いの重要な目的は冒険や研究を通じて、自分の呪文を増やすことだとも言える」

 

アスト「呪文を毎日覚え直すのがD&D魔法使いの特徴だな。ウォーロックは違うのか?」

 

NOVA「ウォーロックは自分の習得した妖術を回数無制限で何度も使える。どのウォーロックも最初は『怪光線と訳されるエルドリッチ・ブラスト』と、初級の妖術を1つ覚えていて、以降は1〜2レベル上がるごとに1つずつ新たな妖術を習得していき、最大レベルの20で12種類の妖術を覚えることができる。妖術の種類は全部で50個あって、そこから選べるわけだな」

 

アスト「覚えた妖術は使いたい放題か。確かに回数制限制のD&Dの呪文ルールとは違うな」

 

NOVA「その分、できることの幅が少ないな。3版ウィザードだと、最初に0レベル呪文全て(19種類)と1レベル呪文3つ(全部で39種類)が呪文書に書いてあって、その中から0レベル3つと1レベル1つを1日ごとに使えるわけだ」

 

アスト「0レベル呪文19種類を最初から知っているというのが凄いな。クラシックD&Dじゃ考えられなかったぜ」

 

NOVA「実際にプレイヤーがいきなり19種類も覚えることは難しいから、よく使う3つをデフォルトとして押さえておくんだな。まあ、パグマイアとかだと呪文の数が控えめになっているし。とにかく、選べる呪文のレパートリーはウィザードが圧倒的だし、最大レベルの20だと1日に40回の呪文を使えるようになる」

 

ダイアンナ「毎日40個使えるのであれば、回数制限なんて問題ないだろうな」

 

NOVA「とは言え、呪文にはレベルがあって、0〜9レベルのそれぞれが4回使えるだけだから、最強呪文は4回しか連発できないわけで、クラシックD&Dほどじゃない」

 

アスト「クラシックD&Dだと、呪文レベルごとの使用回数は最大9回なので、最大レベル36で9×9の81回呪文が使えるんだったな。レベル20に揃えるなら40回ぐらいだけど」

 

ダイアンナ「でも、1日に40個の呪文の使用回数を把握するのって、プレイが大変そうだろう」

 

NOVA「ああ。レベル10ぐらいで1日10回程度の呪文なら素で把握できるが、20回ぐらいになるとカードを用意して使用呪文を提示するのが実用的だな。トレーディングカードゲームなら1デッキで40枚から50枚ぐらいのカード性能を把握するのは普通だからな」

 

ダイアンナ「ウィザードは、ヴァリエーションに富んだ呪文を自由に組み替えて、一定回数使えるけど、ウォーロックは厳選された少数の妖術を何度でも使えるキャラクターということだな」

 

NOVA「そう。1レベルでは、ダメージ1D6の怪光線を連発するだけの簡単なお仕事だ」

 

アスト「デビルビームって感じだな」

 

怪光線エルドリッチ・ブラスト

 

ダイアンナ「怪光線と日本語訳されると何だかダサいが、エルドリッチ・ブラストって名前は格好いいな」

 

NOVA「D&Dのウォーロックの定番イメージは、手にバリバリと火花を放つエネルギーの塊を発動させた姿だな。エルドリッチ・ブラストはウォーロックを代表する攻撃手段で、2〜3レベルごとにダメージが1D6増えるので、最終的には9D6ダメージに達する」

 

アスト「レベルによって、怪光線も強くなるのか。より強力な攻撃手段を新しく得るのではなくて」

 

NOVA「ウォーロックのメイン攻撃手段は、基本的に怪光線が中心だが、習得できる妖術に怪光線の形を変えたり、特殊効果を付与するものがあって、自分の扱う怪光線にヴァリエーションを作ることができる。最初に習得できる怪光線形状妖術は『エルドリッチ・スピア』と『ヒディアス・ブロウ』の2種。前者は光線を投げ槍みたいな形にして射程を増やし、後者は接近攻撃に怪光線パワーを加えるダメージ増強手段だ」

 

アスト「ウルトラマンがスペシウムエネルギーを固形化して八つ裂き光輪にしたり、違うタイプの光線技にアレンジするようなイメージか」

 

NOVA「6レベルになると習得できるのが『エルドリッチ・チェイン』で、1体を攻撃した後、その怪光線エネルギーが鎖のように伸びて、複数攻撃を可能とする。11レベルになると『エルドリッチ・コーン』で、円錐型の範囲攻撃にできる。16レベルになると『エルドリッチ・ドゥーム』で、自分の周囲全てに(味方は指定から外せる)怪光線ダメージを放てる」

 

アスト「つまり、同じ怪光線でも効果範囲がレベルに応じて広がっていく、と」

 

NOVA「そういう妖術を習得すればな。また怪光線は形状だけでなく、要素妖術で特殊効果を付与できる。最初は『シックニング・ブラスト』と『フライトフル・ブラスト』の2つを選ぶことが可能だ」

 

ダイアンナ「どんな効果なんだ?」

 

NOVA「シックニングは不調化と言って、各種判定にマイナス2のペナルティーを与える。フライトフルは怯え状態にさせて、これも各種判定にマイナス2のペナルティーだな」

 

ダイアンナ「何が違うんだ?」

 

NOVA「シックニングの各種判定にはダメージロールも含まれていて、フライトフルには含まれていない。その点ではシックニングの方が強いということだが、シックニングは頑健セーブで抵抗し、フライトフルは意志セーブで抵抗する点が違うか」

 

アスト「肉体で抵抗するか、精神で抵抗するかの違いだな。相手の弱点次第だが、とにかくダメージを与えつつ、バッドステータスを付与する性能に怪光線をカスタマイズできるわけだな」

 

NOVA「さらに、シックニングとフライトフルを両方習得する意味はある。どちらも1分間(6ラウンド)の持続時間があるから、初手でシックニング怪光線を放ち、二手めでフライトフル怪光線を放てば、体調不良にしながら怯えさせることもできて合計マイナス4のペナルティーを付与できる。同じバッドステータスは重ねられないが、異なる種類だと蓄積するので、相手をバッドステータスまみれにする戦術は普通にありだ」

 

アスト「1度の怪光線に、シックニングとフライトフルの両方を付与することは?」

 

NOVA「それはできない。怪光線に同時に付与できるのは、形状1つと要素1つの合わせ技だけだ」

 

ダイアンナ「シックニング・チェインとかにアレンジすることはできる、と」

 

NOVA「要素妖術もレベルが上がれば、6レベルで盲目化、火炎属性、冷気属性、11レベルで酸、吐き気、混乱、はじき飛ばし、16レベルでレベルドレインの効果を付与できる」

 

アスト「レベルドレインだと!? まるでアンデッドじゃないか」

 

NOVA「このレベルドレインは頑健セーブで回避できるし、1時間で消え去るが、怪光線を浴びるとレベルが下げられるというのは、なかなかに恐ろしいよな」

 

ダイアンナ「普通のウィザード呪文にも相手のレベルを下げる魔法はあるのかな?」

 

NOVA「9レベル呪文の死霊術系統にエナジードレインがあるな。9レベル呪文はレベル17から使用可能だから、ウォーロックは一足先にレベルドレイン効果を発動できることになる」

 

アスト「とにかく、怪光線でどんどんダメージとバッドステータスをばら撒くのが、ウォーロックの基本戦術ということになるんだな」

 

怪光線以外の妖術

 

NOVA「ウォーロックの基本は怪光線だが、それだけだと戦闘でしか役に立たないので、他の種類の妖術も選択可能だ。1レベルから習得できる初級妖術は13種類。ここからレベルアップに応じて1つずつ習得するわけだが、順に紹介しておこう」

 

・アースン・グラスプ(大地のつかみ):相手に組みついて移動をできなくしたり、攻撃や回避にペナルティーを与える効果。

・エントロピック・ウォーディング(エントロピーの守り):遠隔攻撃を防ぐ他、嗅覚による追跡を防ぐ効果。

・サモン・スウォーム(群れの招来):コウモリや蜘蛛、ネズミの群れを呼び寄せて、攻撃させる。

・シー・ジ・アンシーン(見えざるものを見る):暗視能力および透明を見破る。

・スパイダー・ウォーク(蜘蛛の歩み):壁を這い歩けるようになり、魔法の蜘蛛の巣による移動阻害にも完全耐性を得る。

・ダークネス(暗闇):呪文のダークネスと同じ効果。

・ダークワンズ・オウン・ラック(暗黒の恩寵):頑健、反応、意志の3種類のセーブのどれかに対して、24時間、魅力ボーナスを加算。

・デヴィルズ・サイト(悪魔の視力):デヴィル並みの鋭い視覚と暗視を得る。

・ビガイリング・インフルエンス(惑わしの感化力):威圧、交渉、はったりの技能判定に+6ボーナス。

・ブレス・オブ・ザ・ナイト(夜の吐息):半径20フィートに視認を困難にする深い霧を発生させる。

・ベイルフル・アタランス(有害な呪言):暗黒語を唱えて、物品を破壊する。

・マイアズミック・クラウド(瘴気の雲):半径10フィートに視認を困難にする深い霧雲を発生させる。霧の中に入った術者以外の者は、頑健セーブに失敗すると疲労状態になる。

・リープス&バウンズ(跳んだり跳ねたり):軽業、跳躍、平衡感覚の技能判定に+6ボーナス。

 

NOVA「6レベルになると中級妖術が11種類追加され、さらに11レベルになると6種類の上級妖術が、16レベルになると5種類の暗黒妖術が選べるようになる」

 

アスト「初級、中級、上級の上が暗黒と呼称されるのか。やはり、妖術は物騒な魔術なんだな」

 

NOVA「そりゃまあ、中級妖術の中にはアンデッドモンスターを作れる技もあるし、上級妖術は触手を召喚したりできる」

 

ダイアンナ「カニコングが喜びそうだね。暗黒妖術は?」

 

NOVA「自身を影と一体化させて、吸血鬼がコウモリの群れに化身するような『暗黒分身術』が面白そうだな。まあ、暗黒妖術は怪光線に付与するエナジードレインだけで十分恐ろしいが。また、影の次元に転移して物質界の束縛を逃れた長距離移動を行うこともできる(『パス・オブ・シャドウ/影の道行き』)」

 

アスト「これらの妖術と怪光線を組み合わせて、コンボを組むのが面白そうだな」

 

NOVA「ああ。初級妖術でもデヴィルズ・サイトで悪魔の視覚を付与した上で、瘴気の雲を身にまとえば、優位な状態で接近戦を挑むことができる。その上で、怪光線パワーを付与した強化武器で斬りかかり、怯え状態に追い込むとか」

 

アスト「ウィザードなら呪文の使用回数制限に縛られるけど、ウォーロックはコンボ技も使いたい放題ってことか」

 

NOVA「惜しむらくは、悪魔の視力とかは自分自身にしか付与できないということだな。仲間を助けるバフ系の呪文がなくて、自分だけが優位に立ち回るか、敵にバッドステータスを与えるキャラなので、仲間との連携がやや難しい。飛行や透明化の妖術もあるが、対象が自分だけなので、ウィザードができる汎用性に欠けるわけだな」

 

アスト「仲間の盗賊の隠密活動を助けるために透明化の呪文をかけてやるとかは、ウォーロックにはできない、と」

 

NOVA「むしろ、隠密調査活動を盗賊の代わりに任される可能性すらあるな。それとも、盗賊の副業としてウォーロックの妖術をかじると強いかもしれん。盗賊の奇襲攻撃に、怪光線パワーのバフをかけるとか。ウィザードのできない(危険な)単独行動も、ウォーロックならむしろ得意だろうしな」

 

アスト「鍵開けとか、罠外しは?」

 

NOVA「さすがに、それは無理。あくまで隠密移動系のみだ。それと交渉も得意だな。元々、魅力が高いキャラで、妖術のサポートも伴えば、まずは話し合いを行い、交渉が決裂したら逃げるなり、怪光線で暴力に訴えたりするのも辞さない臨機応変さが売りかもしれない」

 

妖術以外の特殊能力

 

NOVA「そして、ウォーロックの持つ悪魔の力は妖術だけじゃない。レベル2になると、魔力感知のディテクト・マジック能力を回数無制限で使える。ウィザードが回数制限付きの呪文なのに対し、ウォーロックは素で魔法が感じられるわけだな」

 

アスト「それは凄いな。さすがは悪魔の申し子と言うべきか」

 

NOVA「3レベルになると、物理的な攻撃に対して耐性がつき、ダメージ減少能力を獲得する。4レベルになると、マジックアイテムの使用が得意になる(失敗しにくい)。8レベルになると魔物の治癒力を備え、10レベルになるとエネルギー抵抗を得る」

 

ダイアンナ「エネルギー抵抗って?」

 

NOVA「この場合のエネルギーとは、音波、酸、電気、火、冷気のどれか2種類を選ぶことになる。例えば、火炎耐性を得たウォーロックは、火炎属性のダメージを5点減少させられる」

 

ダイアンナ「物理攻撃も、一部の属性攻撃も通用しにくくなり、自然治癒力も備えた存在か。どんどん人間離れしていくような感じだな」

 

NOVA「やはり、デビルマンっぽいと思うよ。デビルウィングで空を飛び、デビルアイなら透視力とか、ウォーロックのデータを見る際に、モンスターデータを参照するようなケースもあったぐらいだ」

 

アスト「そういう特殊な職業だったウォーロックが、5版ではどういう形で基本職になったのか、次回も楽しみにしているぞ」

 

ダイアンナ「5版ウォーロックは当初の予定どおり、あたしが担当するが、こちらはこちらで複雑っぽいからなあ。まあ、頑張ってみるさ」

(当記事 完)