ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「地獄の館」攻略感想(4)

3人めは聖闘少女(セインティア)

 

カニコング「カニ子、コニカと2人の犠牲者を出した地獄の館だが、とうとうクリアしたでごわすよ」

 

アスカ「ほう。ついにケルナー卿を倒したか」

 

カニコング「いやいや、ラスボスはケルナー卿ではなかったでごわす。まさか、あ奴が真の主だったとは、危うく騙されるところであった」

 

ダイアンナ「一体、誰がボスだったんだ?」

 

カニコング「それは攻略記事で最終決戦に至るまでの楽しみにしておいてくだされ、クイーン・ダイアンナ」

 

ダイアンナ「ううっ、気になる」

 

カニコング「ともあれ、運よく聖闘少女(セインティア)のキャサリンが、女神の加護を受けしクロス・ナイフを装備して、地獄の悪魔(ヘルデーモン)を打ち負かしたでごわす」

 

アスト「クロス・ナイフじゃなくて、クリス・ナイフだろう?」

 

カニコング「いや、聖闘少女だからクロス(聖衣)になるナイフが相応しい」

 

アスト「ゲームをクリアしたからと言って、お前、調子に乗ってるな」

 

カニコング「乗れるときに乗らないで、いつ調子に乗るんでごわすか? とにかく、高難度ゲームブックをクリアしたので、吾輩の初心者マークも外れたでごわす。もしもキャサリンが死んでいたら、次は『カニの妖精ニッカに導かれた魔法少女ラブリー・クララ』って名前だけは考えていたでごわすが、さすがは聖闘少女。女神の加護は伊達じゃなかった」

 

リバT『それで、その3人めさんはどのような萌え属性を持っていたのですか?』

 

カニコング「後づけながら、今からダイスを振って決めるでごわす。(コロコロ)2ー35、ボケボケ」

 

アスト「いきなり、コミカルキャラかよ」

 

カニコング「カニ座でごわすからな。デスマスク、デストールの系譜を受け継ぐキャラか、と。次、6ー26、苦労人」

 

ダイアンナ「ボケなのに苦労人。どんなキャラか想像できないね」

 

カニコング「やれやれ、ここは自分が解決しないと仕方ないようですね……と周りを助けようとしているのに、余計に事態を混乱させるキャラ。自分のドジは目に入らないのに、他人が面倒を起こしたと思い込んで、いろいろ走り回ってる。お願いだから、何もしないでと求められている天然爆弾娘」

 

アスト「ああ。今のウルトラマン・デッカーのヒロインか」

 

リバT『まあ、情熱的でアクティブだけど、お騒がせな熱血コミカル主人公の方向性でしょうか』

 

ダイアンナ「ロボコンか、城戸真司か。ヒロインだと、プリキュアなんかにいそうだね」

 

カニコング「外見は黒いおさげで、緑の瞳。1人称は俺、2人称はお前、口調は〜じゃん」

 

ダイアンナ「ただのヤンキー娘になってないか?」

 

カニコング「印象は元気。役割は神に仕える巫女ってことで、やはり聖闘少女かと」

 

アスト「まあ、武闘家で頼り甲斐のある……ように見えて、どこか抜けている姉貴キャラってのは分かった」

 

カニコング改めキャサリン「俺はカニ座のキャサリン。見習い聖闘少女って奴だが、まだ聖衣(クロス)は授かってねえ。ここは何やら武勲でも立てて、俺の実力を認めてもらわないとって思い、事件を探っていたら、邪悪な小宇宙(コスモ)を感じて、この館に来たわけじゃん。道に迷った旅人のふりをして、中に侵入したはいいが、カニ子、コニカという2人の少女の幽霊に警告されて、たった一人で乗り込んで来たことをちょっと後悔している最中だ。

「しかし、弱気になりかけたその時、俺を励ましてくれる女神(アテナ)の温かい小宇宙(コスモ)を感じた。そうだ、俺には女神が付いている。尊敬するカニ座のデスマスク師匠(一方的な思い込みだけど)から見よう見まねで会得した咳屍鬼冥界覇(せきしきめいかいは)……字はこれで合ってたっけ? まあ、どうだっていい。吸血鬼だろうと、悪魔だろうと、このキャサリン様の研ぎ澄まされた手刀、餌苦巣禍裏刃(エクスカリバー)さえあれば叩き斬ってくれよう。ヤギ座のシュラさんの技も、見よう見まねで会得したんだからな」

 

アスト「それって、ヒロインなのか? 男か女か、よく分からなくなって来たんだが」

 

キャサリン「男女の壁を超越した新時代の武闘派ヒロインでごわすじゃん」

 

アスト「萌えという概念は、十万億土の彼方にすっ飛んで行ったということだな」

 

リバT『車田正美先生、こんなキャラでゴメンなさい』

 

2階の攻略

 

キャサリン「ともあれ、俺はエラスムスの間から抜け出して、アザツェルの間で手刀の確認をし(ペーパーナイフ入手のアレンジ)、アバッドンにモルダナがいるというメッセージ(88)を幽霊2人から聞いて、張り出し廊下を〈アバッドン〉の間に向けて、脇目も振らずに駆け抜けた。そう、目的がはっきりしたら、それに向けて一直線。それが聖闘少女の流儀ってもんよ」

 

アスト「そんな流儀は、なかったと思うが。ところで、キャサリンという名前はハウス・オブ・ヘルで登場してたぞ」

キャサリン「本当に? 公式お墨付きでごわしたか」

 

アスト「いやいや。主人公マキ・ヒイラギのイギリスでの友人で、日本のマンガマニアって設定なんだが、本編には関わらず、原作からアレンジされたOP背景とエンディングのみに登場する。当たり前だが聖闘少女じゃない」

 

キャサリン「違う時間軸のキャサリンみたいだな。そちらの世界ではマキが地獄の館事件をクリアしたが、こちらの世界では聖闘少女の俺が解決する……ことになっているらしい。とにかく、今は〈アバッドン〉の間に急ぐ。途中をすっ飛ばしてな」

 

リバT『攻略手順としては、それで正解なのですが、攻略記事としてはそれだと面白くないので、こういう物を用意しました』

リバT『社会思想社版の後書きで、安田社長が付与していたものの、コレクション版では割愛された2階のマップ。それを拡大コピーして、部屋の名前などを追記したグランドマスターNOVA特製地図でございます』

 

ダイアンナ「へえ。こういう部屋の配置図だったんだね」

 

リバT『左下のエラスムス、もしくはメフィストの間から始まって、大体は時計回りで探索し、基本的に後戻りはできません。前回の記事では右上のエブリスの間まで探索しましたので、今回は〈タティヴィラス〉の間からになりますね』

 

ダイアンナ「タティヴィラス、またの名をティティヴィラス。話し言葉や文章などの誤りや過ちを発生させる作家(著述家、説法師などなど)泣かせの悪魔らしい。誤字脱字や、口が滑ったとか、誤植とか、とにかく言葉にまつわるミスの原因とされる存在」

 

キャサリン「それで、そこには何が?」

 

リバT『本来は、それを調べるのがカニコングさんの仕事なんですがね』

 

キャサリン「今の俺はキャサリンじゃん。用のない部屋はスルーしたけど、何があったのかは気になるでごわす」

 

リバT『ベッドのある寝室で、ついつい眠りたくなるのですが、それが罠。運が悪ければ、枕とベッドカバーに襲われて、窒息死する可能性があります。死ななくても、恐怖点2点を稼げますね』

 

キャサリン「そんなもの、稼がなくて良かったじゃん」

 

リバT『鉄格子のはまった窓から外を見ると、首吊り死体を発見して、恐怖点3点を稼げます』

 

キャサリン「つまり、スルーして正解だったじゃん」

 

リバT『次に、〈アバッドン〉〈ベリアル〉と、名前のないスケルトン部屋の3択ですね。これらを探索すると、2階の探索は十分終わったと判断して、階段下りて1階の玄関ホールに向かうことになります』

 

キャサリン「アバッドン以外の解説をプリーズ」

 

アスト「ベリアルは、悪堕ちしたウルトラマンの名前でブレイクしたが、いろいろなフィクションでも登場する、元天使の高位な悪魔だな」

リバT『ここでは、ベッドで少し休んで体力4点を回復できるんですね。急にシーツがフワッと浮いて恐怖点1が加算されるのですが、よくよく調べると、細い糸の仕掛けに気付いて心霊現象ではなかったことに安堵して、その加算された1点は無効化されます。つまり、純粋に回復ポイントとして使える当たり部屋だったのです』

 

ダイアンナ「だったら、名もないスケルトン部屋は?」

 

リバT『戸棚の中にスケルトン(骸骨男)が2体隠れていて、恐怖点2と共にバトルが発生します。技術点は6と7なので、戦闘自体は余裕で勝てるのですが、やはり恐怖点の加算が厄介ですね。ただし、戸棚を調べさえしなければ、立派な夜食が用意されていて、食べたら体力4と運1を回復できる、文字どおり美味しいポイントと見なせます』

 

アスト「調べる場所を限定すれば、当たり部屋ということだな」

 

アバッドンのモルダナ

 

リバT『地獄の館の2階最後の部屋の名前になってるアバッドン(一般にはアバドン)は、奈落の主、破壊者とも呼ばれ、蝗に象徴される悪魔ですね』

 

キャサリン「部屋に入ると、ベッドに寝ている老婆がいるが、起こそうとすると死んでいるのに気づいて、恐怖点1加算でごわすじゃん。だけど、死んでいるのに瞳のない白目を開けて、口も開く」

 

老婆『去れ、よそ者! この老女を安らかに眠らせよ』

 

ダイアンナ「それで素直に去ったら、攻略不能になるんだね。情報を入手しないと」

 

キャサリン「だから質問しようとすると、『出て行かないなら、無理にでも出て行かせてやる!』と言って、技術点6と7の番犬グレーデン2頭をけし掛けて来る。この館の犬は全てグレーデンでごわすな。まあ、たかが犬コロ2頭、聖闘少女の俺の手に掛かれば、たちどころにイチコロよ」

 

アスト「今のは、犬コロとイチコロをかけたギャグか?」

 

キャサリン「ギャグを解説するな! でごわす。とにかく、老婆と交渉しようと思った俺は、部屋が植物で飾られていることに気づいた。それならば、『へへへ、婆さんよ。お前の大切にしていた植物を滅茶苦茶にされたくなければ、こちらの質問に答えるんだな』と巧みな交渉を持ちかけた」

 

ダイアンナ「ただの脅迫じゃないか。いつから聖闘少女がそんな小悪党みたいなキャラになったんだ? 地上の平和と愛のために、女神を奉じて拳を振るうのが聖闘士じゃなかったのかい?」

 

キャサリン「フッ、この館は地獄にして冥府。地上の平和と愛など、ここには存在せぬ。そう、黄泉比良坂への入り口を統べるは、この巨蟹宮黄金聖闘士デスマスクの自称・弟子見習いのキャンサー・キャサリンに与えられた権利。全ての死者の魂は、俺に従う義務があるじゃん。だから、質問に答えろ、婆あ!」

 

アスト「お前、調子に乗り過ぎだろうが」

 

キャサリン「いや、話は最後まで聞くでごわす。キャサリンが尊大な態度で老婆に脅しをかけると、守護霊的な使い魔になっていたカニ子とコニカが出て来て、老婆を説得するわけで」

 

カニ子『お婆さん、ワタシもこの恐ろしい地獄の館で殺された者。これ以上の悲劇を繰り返さないためには、こちらの口は悪いけど、女神の正義を奉じるキャサリン様が最後の希望なのです』

 

コニカ『(コクコク)館の邪悪を滅するには、普通の人では無理。それができるのは、聖闘少女のみなの……たぶん。だから、お願い。お婆ちゃん、私たちを助けて』

 

老婆『やれやれ。聖闘少女なんて訳の分からない存在はともかく、同じ死者の魂の娘御2人に頭を下げられちゃ仕方ないね。だけど、お婆さんとか、お婆ちゃんとか……ましてや、婆あなんて呼ばれたんじゃ、聞く耳持ちたくない。このわたしの名前を答えてもらおうか。相手の名前も分からぬ、見知らぬ輩に教えることは何もないからね』

 

キャサリン「おっと、契約には名前が必要とは確かにその通り。俺の名前はキャサリン。この2人のお供霊はカニ子にコニカ。婆さん、あんたの名前は……モルダナだそうだな。88番パラグラフへ進むじゃん」

 

老婆モルダナ『チッ、よそ者のくせに、そこまで知られているとあっちゃ、仕方ない。何が聞きたい? 灰色衣の男か、秘密部屋か、今夜の儀式か。一つだけ答えてやろうじゃないか』

 

キャサリン「攻略に必要なのは、秘密部屋の合言葉だな」

 

老婆モルダナ『秘密部屋はいっぱいあるが、大半は地下にある。2階や1階からも地下に通じる抜け道はいくつかあるが、合言葉が必要なのは「地下室の階段の下」から通じている隠し部屋だろうて。その合言葉はたびたび変えられているので、わたしの知っている古い言葉は役に立つまい。シーコウならば新しい合言葉も……』

 

キャサリン「そう言って、モルダナは力を使い果たしたかのように、目を閉じて無言になったでごわす。この情報を聞けたおかげで、「地下室の階段の下で、パラグラフ番号から10を引いた隠しパラグラフを調べる」ことができるようになった」

 

リバT『このパラグラフ・ジャンプこそが、FFゲームブックスティーブ・ジャクソン氏が初めて実装したアイデアみたいですね。それまでは鍵に番号が書かれてあって、その組み合わせで謎解きしたり、情報に番号が直接書かれてあったりしましたが、「とある項目で、パラグラフを操作するように指示」されていて、プレイヤーが該当パラグラフでそれに気づくことが攻略条件になっている仕掛けは本作が初です。

『基本は、パラグラフ選択の分岐小説だったゲームブックに、プレイヤーが情報を読み込んで、自らの意思で仕掛けを操作することを求めるテクニカルな手法ということですね。ジャクソン氏のゲームブックには、パラグラフ仕掛けのアイデアが濃厚で、ゲーム的に楽しいという意見もあります』

 

アスト「一方のリビングストンは、システム的なアイデアよりも、地に足ついた世界観を広げて、タイタン世界をコツコツ少しずつ拡張して行った功績があるんだよな」

 

ダイアンナ「システムのジャクソン、世界観のリビングストンと言ったところか」

 

リバT『なお、攻略必須な情報は地下室の隠し扉なんですが、他の情報も挙げておきます』

 

・灰色衣の男は、地下の食糧貯蔵庫の反対の部屋に囚われている。

・今夜の儀式は、同志イサクソンが主の祝福を受けるためのもの。部外者が立ち入ると殺されるので、近づかない方がいい。

 

リバT『灰色衣の男は、本作では複数いるんですね。アスモデュースの間にいたのが一人、地下牢に囚われていた禿頭の人物が一人。そして、この場で情報が得られる3人め。ただし、彼らは情報をくれるけど、同行はしてくれません。

『儀式については、グッドエンドまでの攻略を考える上では関わってはいけないイベントです。どうやっても止めることはできませんし、それに関わってしまった時点で、攻略の道筋から外れてバッドエンド確定になっているわけですから、運よく最後まで攻略した=儀式のイベントは通過しなかったということになります』

 

キャサリン「つまり、俺は生け贄の儀式を目の当たりにすることなく、ラッキーで攻略できたのでごわす」

 

アスト「後でIFルートをチェックする必要があるんだな」

 

キャサリン「とにかく、こうして2階の探索は一通り終わって、いよいよ階下に降りる(132)ことになったじゃん」

 

1階の客間

 

   1階奥108

     ↑ 2階 書斎

     ↑  ↓         l

 285ー玄関ホールー客間

     l

      入り口

 

キャサリン「2階から降りてきた玄関ホールは、正面入り口につながってるでごわすが、そこには山羊頭の血まみれ悪魔(たぶん悪魔のコスプレをした邪教徒)が通せんぼしていて、恐怖点3をもたらしてくることは先刻承知じゃん。入り口から逃げてもムダなので、進む先は正面から向かって右のドア(最初に階段から降りて来たときは左側表記)を開けての客間が正解」

 

ダイアンナ「地図の左側の285番は?」

 

キャサリン「鍵が掛かっていて扉が開かないじゃん。おそらくは最初に迎え入れられた肖像画のある応接室だと思うが、再度の入室はできないようでごわす」

 

アスト「1階奥にも今回は進まなかったんだな」

 

リバT『そちらには、台所や決戦の舞台である食堂(ケルナー卿と晩餐を共にしたところ)などがありますが、最初にそちらに行くと、バッドエンドの危険が大きいですね』

 

キャサリン「1階マップの完成形は後の記事に載せるってことで、今回は客間の探索を行うでごわす」

 

リバT『ここで美味しいのはブランデーですね。体力点が3回復します』

 

キャサリン「この館では白ワインがダメで、飲むならブランデーでごわすな。そして、ポケット瓶に入れて持ち歩く必要もある。元々が未成年向きの物語ではない、と」

 

リバT『暖炉を調べると、手紙と、悪魔の顔の彫像があって、どちらも大切ですね』

 

アスト「ホラー系のRPGでは、手紙や日記は重要な情報源だもんな」

 

キャサリン「手紙の中で注目すべきは、プラヴィーミ伯爵から送られたものでごわす」

 

リバT『日本語翻訳では分かりにくいですけど、プラヴィーミ(Pravemi)はヴァンパイア(Vampire)のアナグラムらしいですね。要はケルナー卿の吸血鬼仲間からのお手紙のようです』

 

キャサリン「そうでごわしたか。内容は、プラヴィーミ伯の家が何者かに襲われて、当人は何とか逃げ出したとあるが、追伸で秘密部屋の合言葉の情報が書かれていたでごわす」

 

・「山羊頭」の合言葉は知られ過ぎているようなので、何か別のものに変えた方がいい。

 

ダイアンナ「つまり、山羊頭は選択肢から外せってことだね」

 

リバT『4択の選択肢が後で、出るんですね。とにかく、合言葉のヒントを得た次に彫像を調べると、そこにボタンがあるのを見つけます』

 

キャサリン「ボタンがあれば押したくなるのが、冒険者精神ってものじゃん」

 

アスト「冒険者じゃないだろう。ホラーRPGなら、探索者と呼ぶのが伝統だ」

 

リバT『その時、暖炉から技術点7の火の精が2体飛び出して来るんですね』

 

キャサリン「恐怖点をもたらさない敵なら、ただのザコでごわす。冥界波で洗い流す」

 

ダイアンナ「冥界覇じゃなかったか?」

 

キャサリン「冥界刃、冥界葉、冥界歯、冥界羽、冥界破。その時の気分によって、テキトーに変わるじゃん」

 

アスト「念のため、本家デスマスクさんの技だったら、波の冥界波で正解なんだな。積尸気冥界波、当たったら死ぬ系のチート技だ」

 

キャサリン「火の精を冥府送りにした後は、好奇心の赴くままにボタンを押すでごわす」

 

リバT『すると、カチッと音がして、落とし戸がパカッと開きました』

 

キャサリンあじゃぱア〜〜ーッ!」

 

地下に落ちて

 

キャサリン「……ということで、1階の探索中に運良く、地下に落とされたカニ座の聖闘少女でごわす」

 

ダイアンナ「世間一般では、落とし穴に落ちるのを運良くとは言わないと思うがな」

 

リバT『ところが、本作では、これこそが運良くの正解ルートなのです。客間に隠されたボタンを押して、落とし穴に落下しないと、傴僂(せむし)男のシーコウには会えないという仕掛け』

 

ダイアンナ「普通に1階から、地下への階段を使ってはいけないのか?」

 

アスト「昔のゲームではたまにあるんだよな。わざと落とし穴に落ちないと行けない区画があるダンジョンとか。普通に隅々まで探索したと思っても、たどり着けない隠し区画が」

 

キャサリン「落とし穴に落ちた直後は、しまったと思うじゃん。それで、落ちたのに落ちなかったようにズルをして、客間の奥の書斎に向かう。しかし、そちらに行くと、もう攻略不可に近い状況に陥るでごわすな」

 

ダイアンナ「正攻法では普通にたどり着けない場所に、裏ルートを見つけて探索するゲームか。確かに難易度が高いと言われるだけのことはある」

 

キャサリン「ただし、落とし穴に落下したことで恐怖点を1点増やし、運だめしも強要されるでごわす。失敗すると、落下の際に手首をひねって、技術点がマイナス1されるというリスクもあり。そんな地下の小部屋で、合言葉の手掛かりを知っているシーコウが登場する、と」

 

リバT『ここでは、2階のエラスムスの間でシーコウと遭遇していなければ、彼から情報を聞く選択肢が出ません。つまり、メフィストの間に囚われてしまえば、シーコウからの情報が得られないので、ズルをしなければ解けないという事態に陥ります』

 

アスト「まあ、合言葉は4択なので、情報抜きでも運が良ければ、正解を引き当てる可能性も4分の1はあるわけで」

 

キャサリン「シーコウから正しい情報を引き出すには、ブランデーが必要なのでごわすな。力で脅しつけた場合は、嘘の情報を口にする」

 

ダイアンナ「最初から嘘だと分かっていれば、その嘘が消去法の手がかりになるな」

 

リバT『シーコウからの情報は、以下の通りです』

 

・正しい情報(ブランデーで得られる):昨日、合言葉をプラヴィーミから別のものに変えた。それは「恐ろしい館そのものみたいな言葉」である。

・嘘の情報(脅迫して得られる):合言葉はプラヴィーミ。伯爵家の親族の名前である。

 

ダイアンナ「つまり、『山羊頭』『プラヴィーミ』を除外した上で、『恐ろしい言葉』が正解だということか」

 

リバT『シーコウとの遭遇イベントの後は、彼の案内に素直に従うと、1階への階段(393)にすぐに到着することもできますし、地下をじっくり探索する(166)こともできます』

 

キャサリン「せっかくなので、じっくり探索してみたじゃん」

 

      1階への階段(393)

        ↑

        91ー拷問室       

 犬の吠え声    lー209地下牢

 (入れない)ー166

        ↑

    シーコウとの遭遇

 

キャサリン「最初に左の扉から、獰猛そうな獣のうなり声が聞こえてくるでごわすが、その部屋には鍵が掛かっていたので入れなかったじゃん」

 

リバT『別のルートから回り込んで入ることが可能ですが、そちらはバッドエンド区画になっていますから、今は気にしなくていいでしょう』

 

キャサリン「209の地下牢は、前回、2人めキャラのコニカちゃんがバッドエンドを迎えた場所でごわすな」

 

コニカ『(こくこく)』

 

キャサリン「聖闘少女の力をもってしても、見習いの身では3人の囚人を助けることは不可能。スルーして先を急ぐと、初めての部屋(拷問室)への扉をうっかり開けてしまったでごわす」

 

アスト「こういう時は、〈残飯漁りのリー〉とか新しく雇われた拷問の専門家を装って、上手くはぐらかすんだ。『危難の港』や『魂を盗むもの』でNOVAの奴が使った手だ」

キャサリン「『地獄の館』には、そんな選択肢はないでごわす。大体、可愛い萌えヒロインが拷問の専門家になり済ますなんて不可能でごわしますのよ」

 

アスト「可愛い萌えヒロインという言葉に疑問符が灯るが、今さらのツッコミなので置いておいて、キャンサーのデスマスクやデストールを参考にすれば、十分に拷問吏は務まると思うけどな」

 

キャサリン「名誉ある黄金聖闘士の方々に対して、何たる暴言。とにかく、女神に仕える聖闘士が拷問などという汚れ仕事に就くわけには参らん。ここは正直に、『ケルナー伯爵と晩餐を共にして、2階の寝室に寝ていたところ、悪夢にうなされて外の空気を吸おうと思って彷徨(うろつ)いていたら、道に迷ったんだ』と打ち明けるでごわす。この俺を害することがあれば、ご主人さまの怒りが降りかかるであろうな、と脅しも交えるってことで」

 

リバT『ご主人さまとの関係性を主張するなら、デッドエンド・パラグラフは免れるのですが、拷問吏の男は、顔も知らない小娘がケルナー卿の友人と主張するのを怪しんで、クイズで確かめることにします。クイズの答えに応じて点数が加算され、一定以上ならケルナー卿の友人だと認めてくれるわけですね。当館にちなんだ言葉当てクイズの内容は以下のとおり』

 

1.ダ行で始まる言葉を答えよ。

2.アの付く言葉を答えよ。

3.カ行で始まる言葉を答えよ。

4.マ行で始まる言葉を答えよ。

5.サ行で始まる言葉を答えよ。

 

キャサリン「これって、ゲームブックの攻略メモを作っていれば簡単じゃん。ドラマー、アザツェル、ケルナー、モルダナ、シェイタンと順に答えて行ったでごわす」

 

リバT『それで5+3+5+3+3で19点。7以下なら嘘がバレて拷問に処されてゲームオーバーなんですが、8以上ならセーフですね。ただし、12以上なら相手が相当にへり下って「1階までお連れしましょうか?」と提案してくるのですが、その選択肢にハマると(293)攻略不可能になりますので注意』

 

キャサリン「393番の地下階段に用事があるのに、そこを通り過ぎてしまうからでごわすな」

 

地下階段の秘密部屋

 

キャサリン「結局、シーコウの案内には素直に従っている方が良かったってことじゃん。地下では良いイベントがなかったでごわす」

 

アスト「まあ、良いイベントの定義にもよるな。純粋に攻略だけを考えるなら、メリットのあるイベントは良いイベントで、デメリットだけのイベントは悪いイベント。だけど、ゲームを楽しむことを考えるなら、楽しいイベントが良いイベントで、つまらないイベントが悪いイベントということになる」

 

リバT『つまり、メリットがあって楽しいイベントが最良イベントで、メリットがなくても楽しいイベントは良いイベントと言えるわけですね』

 

アスト「デメリットと、つまらないと言うのは別の意味だからな。損はしたけど、ネタ的に面白いとか、作者のアイデアを感じて新鮮な気分を味わえたとか、そのイベントを経験したことで同志の共感を得られるとか、いろいろと楽しめる価値観はあるってことさ。オレは拷問室のクイズイベントの仕掛けは、ジャクソンならではの才気を感じて好きだったな」

 

ダイアンナ「ゲームだから勝ち負けとか、攻略の可否も大事だが、何よりも楽しめるかどうかが重要ってことか」

 

アスト「勝てば楽しい。負ければ悔しくて残念。だけど、勝ち負けしか評価基準がないのは、ゲーマーとしてつまらない。負けても充実したエンタメ経験が得られるということであれば、娯楽として素晴らしいわけだよ。特に空想遊戯って奴はな」

 

リバT『ギャンブルとか、勝ち負けに実利が掛かって来る場合は、そうとばかりも言ってられないのですけどね』

 

アスト「競技性を重視するか、物語体験を重視するかの違いだな。まあ、メリットもない上に、物語としてもつまらない代物に価値がないのは同意だが、とにかく拷問吏の言葉当てクイズはゲームブックの形式では珍しい試みだったと思う」

 

キャサリン「まあ、話のネタにはなったでごわすな。ともかく、ゲームオーバーの可能性があるイベントを切り抜けて、無事に地下階段に到達。ここではコウモリに不意討ちされて、恐怖点1が加算されるじゃん」

 

ダイアンナ「ここまで恐怖点はいくら溜まっているんだ?」

 

リバT『避けられる恐怖をできるだけ避けた上で、こんな感じですね』

 

・モルダナとの遭遇:2点

・落とし穴に落ちる:1点

・地下階段のコウモリに驚かされる:1点

 

ダイアンナ「余計な寄り道をしなくても4点か」

 

アスト「逆に、いろいろなイベントを楽しむために、あれこれ調べていると、すぐに恐怖点が加算されて、ゲームオーバーになるんだな。恐怖点を減らせる機会が多ければ、もっと積極的に恐怖に立ち向かう楽しみ方もできるんだが、スリルを味わうためのルールが攻略のための足かせになり過ぎるので、バランスが悪いという評価もある」

 

リバT『ラスボス戦では、恐怖点3が加算されますので、その前にギリギリまで恐怖を溜め込むと、ラスボスに会った瞬間にゲームオーバーです。せめて、クリス・ナイフをゲットした際に勇気づけられて恐怖点が下がるとか、そういう配慮があれば、と』

 

キャサリン「そのクリス・ナイフをゲットするためのイベントが、地下階段なのでごわすな。コウモリを倒すなり、隠れようとするなりして、階段の下をチェックすると良し。階段を上ってしまうと攻略失敗になる」

 

リバT『他に壁を調べると、レバーで開く隠し部屋が見つかるのですが、そちらへ進む(387)と、邪教団の儀式の準備室(山羊頭の仮面と白衣を身に付ける更衣室)に向かう形で、バッドエンド街道に突入します』

 

ダイアンナ「その話はIFルートで後の記事に回そう。今は正解ルートを聞かせてくれ」

 

キャサリン「とにかく階段下を調べることが大事でごわす。パラグラフ61番から、モルダナ婆さんの情報どおりに10を引いて51番に向かうのが正解。さらに276へ進んで、合言葉を使う。合言葉は『プラヴィーミ』『山羊頭』『殺人』『クリス(ナイフ)』の4択じゃん」

 

ダイアンナ「恐ろしい言葉なら『殺人』が正解だね」

 

リバT『はい、そうです。なお、これも翻訳版では分かりにくいのですが、殺人の英語はmurderで、この館はドラマー(Drumer)、つまりアナグラムになっているようですね』

 

アスト「こういう英単語のアナグラムという言語依存パズルは、翻訳時に苦労させられるんだな」

 

リバT『正解の「殺人」を選ぶと、174番から48番の隠し部屋に入ることができます。一方で間違った合言葉を選ぶと、全く同じ文面が続いて133番の隠し部屋に入るので、紛らわしいですね。つまり、ダミーの隠し部屋が用意されているわけで、文章を読んでいるだけでは当たりか外れか判断しにくいのです』

 

キャサリン「当たり部屋では、テーブルの上の木箱にクリス・ナイフが納められていて、それを入手したことで運が3点回復するでごわす」

 

リバT『外れ部屋でも、テーブルの上の木箱に見事な細工の短剣が納められていて、さらに黒い液体の瓶が見つかります。ただし、入ってきた扉が急に閉まって、中に閉じ込められてゲームオーバーを迎えてしまいます』

 

ダイアンナ「黒い液体は役に立たないのか?」

 

リバT『瓶を開けると、中から黒い煙が出て来て、部屋が暗黒に包まれます。煙の正体はナンカという名の邪悪な魔神で、主人公を瓶の中に閉じ込めて結局ゲームオーバーですね』

 

ダイアンナ「間違えた部屋に入るだけで、バッドエンドなのか」

 

リバT『さらに嫌らしいのは、正解部屋でクリス・ナイフを入手した後でも、部屋をさらに調べることで、133番のダミー部屋に入れてしまうんですね。もちろん、そっちに入ると、閉じ込められてゲームオーバーです。つまり、クリス・ナイフ入手後は速やかに隠し部屋を出て、階段を登り、293番パラグラフに向かうのが正解です。そこから1階の探索に続くってことで』

 

キャサリン「悪魔退治の力を宿したクリス・ナイフ。これこそ女神の加護を受けし聖衣(クロス)が形を変えたものと考えた俺は、オブジェ形態から変形することを念じてみたが、小宇宙(コスモ)が満ちていないらしく、短剣は短剣のまま。だけど、時至れば聖闘少女の身を包む装着アイテムになるだろうと願いつつ、上への階段を昇るのだった。君は小宇宙(コスモ)を感じたことがあるか! ……で次回に続くじゃん」

(当記事 完)