ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ゲームブック余談とか、FT書房関連

前回の話のつづき

 

NOVA『今回は、前回の話のつづきだ』

 

アスト「前回と言えば、『ドラゴンランス』に始まり、『グラディウス』『モンスター事典』『ゴブリン』『スライム・イーター』『ポリコレ人種・民族問題』『ウルティマ』などなど、一体何の話をしているのか、記事テーマの全く読めない無駄な長文、雑文だったな」

 

NOVA『もう少し話の的を絞るべきだったと思うが、何だか書いているうちに、あれもこれもと奇想妄想が膨れ上がって行ったんだよ。昔の思い出話と、今のゲームネタがごちゃ混ぜになって、うん、取り留めのない雑談あるある、だな』

 

アスト「そんな話の続きだから、今回も取り留めのない雑談か?」

 

NOVA『前回の記事で、書きたかったんだが、書ききれなかった話だ。まず、最近、こういうゲームブック論文を読んだんだ』

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/286268/1/jarps_4_05j.pdf

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/286268/1/jarps_4_05j.pdf

 

NOVA『書き手の近藤功司さんは冒険企画局の代表で、旧ウォーロックの2代め編集長を務めた人物で、汎用RPGシステムの「アップル・ベーシック」のデザイナーでもある。この「アップル・ベーシック」の進化形が現役システムの「サイコロ・フィクション」シリーズだということで、関連作はいろいろだが、俺の手持ちにあるのはこれだな』

NOVA『あと、アップルベーシックで一番メジャーなのはこれだと思うな』

NOVA『猫と魔女のパートナー・システムで「魔女の宅急便」的な世界観や物語を再現できる「ウィッチクエスト」が、21世紀に進化して、お化けと小学生のパートナー・システムが特徴のサイコロ・フィクション第1弾「ピーカーブー」になったと言える』

ダイアンナ「って、また取り留めのない雑談に流れているぞ。アップル・ベーシックやサイコロ・フィクションの話は置いておいて、ゲームブック論文の話をしたいのではないか?」

 

NOVA『まあ、来年がD&Dを始祖とするRPG50周年ということで、いろいろと文化史的な研究が為されている今日この頃なんだが、ゲームブックというのは、そのサブジャンルという形で、そこを主体とした学術的研究はあまり為されていなかったんだな。日本では84年末に翻訳出版された「火吹山の魔法使い」でブームが始まり、85年から5年間が盛り上がって、その後、T&Tから文庫RPGの先鞭の役割を果たして、90年代にはソード・ワールド他にバトンタッチして行った』

 

アスト「5年ほどか。短い繁栄だったな」

 

NOVA『で、21世紀初頭にはレトロ文化として、復刻の動きがあったりしたんだが、大きな流れを生むこともなく、往年のブームを知る者から懐かしいなあ、と思われつつ、その独特な「2人称文体(君が主人公で行動する)」なんかが、デジタルゲームの「世界樹の迷宮」シリーズ(2007〜)などで扱われて、ゲームブック調の文体と解説されたりする』

 

アスト「『世界樹の迷宮』はウィザードリィ的な3Dダンジョン探索システムと、ゲームブック文体で、懐古ゲーマーの喝采を浴びた名作シリーズだが……」

 

NOVA『要は、80年代のレトロRPGミームが21世紀に受け継がれ、その流れの延長線上に「ゴブリンスレイヤー」なんかもあって、そして令和に入った昨今に連綿と受け継がれている流れなんだな。ゲームブック文化そのものは決してメジャーに返り咲いたりはしていないが、80年代にブームとなった時期に経験した、当時の子どもだった近年の作り手が21世紀に自分たちの原体験の遺伝子を新作に投入することで、懐古オタクを喜ばせるとともに、新たな若者ファンを引き込んでくれている……といいなあ』

 

ダイアンナ「ゲームブックが与えた影響かあ。でも、その辺の研究はまだ本格的には為されていないんだよね」

 

NOVA『RPG文化のサブジャンルという形で埋没していて、そこだけ取り出した研究が端緒についたのは、令和に入ってからっぽい。まあ、そういう研究論考は、「ウォーロック・マガジン」でもT&T研究からの流れで見られたんだが、「GMウォーロック」になるとマーダーミステリー研究にテーマが切り替わって、ゲームブックの研究記事は消え失せたな』

 

アスト「過去の研究よりも、現在の商品のFFコレクション復刻の販促宣伝記事がメインになったんだろう?」

 

NOVA『アカデミックな読み物よりも、より実践的にゲームプレイに使えるシナリオとか、ミステリー謎解き方面に誌面が乗っ取られて、冒険物語が従になっている気はする』

 

アスト「どちらかと言えば、『GMマガジン』の方向性に寄せてきたみたいだな」

 

NOVA『他には、昔のRPGマガジンがある時期からTCG(トレカ)マガジン化したように、今の「GMウォーロック」は半分以上がマーダーミステリー関連マガジンで、残り半分がAFF(およびFFコレクション)とソード・ワールドの新作紹介宣伝マガジンと化している。個人的には、ゲームシステムや世界観の研究考察記事とかリプレイ物語が希望なんだが、今はミニシナリオと簡単なソロアドベンチャーにページを割いている感だ』

 

アスト「ここでも、雑誌掲載のソロアドベンチャーの攻略記事を載せるのはどうだ?」

 

NOVA『いや、記事書き時間の問題はさておくにしても、雑誌掲載ソロアドはボリュームが足りないので、記事ネタにするにも、せいぜいあらすじをさらっと流すぐらいだろう? 基本的には、FFコレクション収録作品の前日譚とか関連テーマで、要は宣伝記事の一環だから、雑誌のネタとしてはタイムリーで面白いんだが、それを元に後からブログ記事にするのは何だか違うって思うんだ』

 

ダイアンナ「要するに、雑誌の方向性が『読んで面白いゲーム研究雑誌』から『リアルに遊んで楽しい実用系雑誌』に移っているって感じなんだね」

 

NOVA『しかも、その半分がマーダーミステリーで、さらに情報がQRコード付きで隠されているため、雑誌単体では完結していない。アナログとデジタルを行き来して、雑誌の魅力を高めるように若者向きアピールしている感なんだが、俺的には面倒なだけに思える。作る方も、読む方も。今の若者は雑誌を読みながら、いちいちスマホを片手にQRコードをポチっているのかね?』

 

アスト「まあ、ミステリーシナリオのネタバレを防ぐために、答えはQRコードでネットを見てね、という方式なんだろうな」

 

NOVA『とにかく、雑誌の編集に工夫してあって、今の時代に対応しようと苦心しているのは分かる。しかし、その苦心が俺にとって面白いものではなく、俺が面白いと感じる記事が削られて行って、それをどこで見つけるか、と探究しているのが今なんだな。で、見つけた一つが、前述の「近藤功司さんのゲームブック歴史論考」ってわけだ』

 

ゲームブック史の知見

 

NOVA『近藤さんの知見で面白いと思ったのは、ゲームブックのシステムとか世界観の話じゃなくて、本としての物理的側面に光を当てたことだな。ゲームブックはランダムにページをめくって行き来する構成上、本の背表紙が傷みやすい。だから、日本の文庫本の製本技術が高まったであろう70年代以降でないと、商品として成立しにくかったろう、という考察だな。これについては、60年代以前の古書を集める趣味のない自分には考えつかなかった意見で、面白いと思った』

 

アスト「FFシリーズの原本は、海外のペーパーバック形態だけど、こちらの文庫本よりも紙質が分厚くて、背表紙がバラバラになりやすい形式だな」

 

NOVA『洋書を買ってみると、やはり日本の製本技術の高さに感心させられるもんな。あと、これは作り手ならではの意見だが、とにかくゲームブックは同じページの文庫本と比べても、製作に手間がかかる作品だ。それを80年代に安価で商品販売できたのは、新しいジャンルなので、適切な相場が業界で分かっていなかったから。そして一般書籍と同様に、単純にページ数で原稿料を払っていたから、作者の苦労に十分報いた価格設定ではなかったという述懐だな』

 

アスト「当時はブームだったから、書き手の熱意で量産できたけど、本来は当時の文庫本価格の3倍ぐらいが適正価格ということか」

 

NOVA『「火吹山の魔法使い」が500円で買えた時代の方が異常だったということだな。今だと、1500円ぐらいが相場かな。まあ、児童向き100円ゲームブックが話題になったのも今年だが』

アスト「作者の藤浪智之さんは、ウィッチクエストなどのわきあかつぐみさんのことだな」

 

NOVA『近年では、こんな物も書いてらしたんだな。ゲームブック文化を今の若者とか児童層に伝えようとしている御仁だ』

NOVA『まあ、俺が氏の作品で一番最近買ったのは、これなんだが』

アスト「2011年……って昔すぎるだろう?」

 

NOVA『そう。だから、TRPGファンの俺の視界からは完全に外れていたんだが、今年になって名前を聞いて、懐かしいと思っていたら、近藤さんの論文の中で、近年のゲーマー視点と異なる方向性の低年齢向きゲームブックの話で名前がまた出て、へえ、そういう方面で活躍していたんだな、と感じ入った次第。文化の裾野を広げてもらっているような有り難さを覚えたりもしている』

 

アスト「先鋭化しがちなマニア方面だけでは、ジャンルとしても先細りするだけだからな」

 

NOVA『個人の好みとしては、やはりレトロな懐古志向とかになりがちだけど、たまに違う視点に目を向けさせてくれる記事論考に出会うと、へえっと嬉しくなるもんさ』

 

一方でFT書房

 

NOVA『で、話を1週間前の買い物アイテムに戻させてもらう。ドラゴンランスや真モンスター事典のついでに、これもゲットした』

アスト「ローグライクハーフのシナリオかよ」

 

NOVA『11月頭に大阪の難波のイエローサブマリンで、FT書房のゲームブックを購入したんだが、その際は売り切れていたんだな』

NOVA『それで、今回は神戸の三ノ宮のイエサブで、ドラゴンランスなどを買いに行ったら、思いがけず見かけたから、購入した次第。そして、「盗賊剣士」で話題に出た混沌都市ゴーブの寄生虫がドンピシャだったので、笑ったりもした』

 

アスト「寄生虫だと?」

NOVA『こっちの記事で、寄生虫の話題を出した直後に購入したシナリオサプリで、入手できるアイテムに寄生虫が出ると、個人的に話がつながった感を覚えたわけだな。たぶん、11月時点で当サプリを手に入れても、今回みたいな感じ入り方はしなかったと思う』

 

ダイアンナ「だけど、そのシナリオの舞台が、混沌都市ゴーブに関係しているのは前もって分かっていたんだろう?」

 

NOVA『そりゃあ、購入前に事前情報ぐらいチェックするさ。と言うか、地図を見たら、ゴーブの地名ぐらいは分かる。聖フランチェスコ市の北で、カオス平原なんてものの近くだってこともな』

NOVA『ただ、この町で寄生虫を金貨30枚で普通に売っているとまでは思わなかったんだよ。ネグラレーナ市では、スラムの裏ルートでしか入手できない禁制品扱いだったものが、ゴーブ市では堂々と表立って販売されていることを知って、所変われば品変わる、という気持ちになった』

 

アスト「すると、オレたちのキャラに寄生虫を買え、と?」

 

NOVA『いや、そこまでは求めんが、次にシナリオをプレイする時のネタ程度にはなるな』

 

アスト「いつ、プレイしろって?」

 

NOVA『年内は、「死の罠の地下迷宮」を予定しているから、年が明けてからになるだろうな。そして、これも年明けに購入すると思うが、FT書房のサイトでこういう新製品を見た』

NOVA『ここで「盗賊剣士」を攻略したタイミングで、続編の「盗賊剣士エクストラ」も収録された短編集が登場したので、うおっ、来たあ、とテンションが上がった次第だ。これで次に買うゲームブックが決まったようなものだ。いや、こちらにも興味はあるんだが』

アスト「ニナ姐さんが活躍する『ハンテッドガーデンハート』と、アビゲイルちゃんにスポットが当たる『盗賊剣士エクストラ』収録の短編集か。確かに、『盗賊剣士』を攻略後は入手したくなるよな」

 

NOVA『まあ、プレイが全く追いついていない現状があるんだが、とりあえず、物語と世界が直接リンクしている作品を追っかけるのは楽しそう、と思ってる次第だ。欲しいな、と思ったタイミングで、欲しい物をほら、とタイミングよく示されると、是非とも飛びつきたくなったりはしないか?』

 

アスト「うまくツボを押された感じだな」

 

NOVA『そんなわけで、購入自体は今ではなく、来年早々ってことになりそうだが、FFコレクション4が遅れても、その間に買いたい物や、プレイしたい物があるうちは、残念がっている暇はないわけだ。で、いろいろ時間を使っているうちに、2月の本命が来るだろう。来年の楽しみは尽きなさそうだ』

ダイアンナ「その前に、『死の罠の地下迷宮』を何とかしないとね」

NOVA『年内に、いや、次回にでも記事を立ち上げるつもりだが、今は完結させられる自信があまりない』

 

ダイアンナ「それでも始めるだけ始めたらいいじゃないか」

(当記事 完)