祝え、41年前の今日を
リモートNOVA『今日は国際ゲームブックの日、ということらしいので、何となく祝ってみた』
リモートNOVA『なお、俺が初めてプレイしたゲームブックはFFシリーズではなく、これだ』
リモートNOVA『1986年に大阪の私学に電車通学を始めた高1の俺が、電車の中で読む本として興味深く買ったのが、ブレナンのこれだな。それから本の世界の冒険ゲームにハマったので、クリア後に1巻の「暗黒城の魔術師」、2巻の「ドラゴンの洞窟」を続けてプレイし、まだないのか、と続きを探して、ソーサリーに至り……という流れになる。なお、ブレナンの作品は手持ちにないが、「火吹山の魔法使い」は85年11月30日付けで初版39刷とある。84年12月に最初の邦訳が出て、1年足らずで39刷なんだから、当時のベストセラーぶりが伺えるって話だ』
アスト「86年と言えば、最初のドラクエが出た年だな」
リモートNOVA『コンピューターゲーム誌のコンプティークで、D&Dリプレイの「ロードス島戦記」が連載開始した年でもある。俺にとっては、この86年にRPGの洗礼を受けたってことになるな。83年にツクダのシミュレーションゲームをプレイしたのが、本格的な戦術サイコロゲームにハマるきっかけだが、さすがに電車の中でボードのシミュレーションゲームはプレイできない。だから、電車の中でも読める本とサイコロゲームを組み合わせたゲームブックが代替の趣味になったわけだな』
ダイアンナ「だったら、ダディは電車の中でサイコロを振っていたのか?」
リモートNOVA『まさか。本のページにサイコロが印刷されているから、出目が必要ならランダムにパラパラめくればいい……って、今、見ると、「火吹山」の初版本にはサイコロが印刷されていなかったんだな。今、初めて気づいたや。2巻の「バルサスの要塞」からはきちんとサイコロが印刷されているのによ。こいつは意外なトリビアだと思う』
アスト「しかし、『火吹山』は電車の中では解けんだろう?」
リモートNOVA『ブレナンの作品は、システムがシンプルだったから解けたが(後に紙工作をしないといけないシリーズ作品が出て、戸惑いもしつつ。冒険中に船が必要になって、魔法の折り紙で船を作るよう指示されたりする。はい、マジメに折り紙しましたよ^0^。今だと、本を切るのがイヤなので、折り紙は飛ばすけど)、FFシリーズは本格的に能力値を決めたり、アイテムを記載したり、面倒な迷路があったりで、ノートに記録しないと解けなかったな。やがて電車の中で読む本は、学業のために単語帳だったり、歴史の教科書だったり、ドラゴンランスの小説だったり、時期によっていろいろ移り変わっていき、ゲームブックは家でじっくり解くという流れだ』
ダイアンナ「家では、ドラクエじゃないのか?」
リモートNOVA『うちにファミコンがなかったんだよ。ファミコンは友だちの家に遊びに行って、触らせてもらう感じだったが、ドラクエも楽しそうだって触りのところだけはプレイしたが、クリアしたのは高校卒業後にバイト代で買ったファミコンでようやくじっくりプレイできた89年だ。時期的には、ドラクエ1〜3までをクリアした直後にドラクエ4が出て、その後にスーパーファミコンに突入した形になるが、とにかく俺はコンピューターRPGにハマる前に、アナログのサイコロゲームにハマっていたわけだ。
『86年にD&Dの情報を得て、87年の正月に赤箱と青箱を買ったが、その前にジャクソンのFFRPGを買ったのが、俺の初TRPGになるか。いや、市販されているものを買う前に、雑誌で読んだD&Dやドラクエの情報を元に、自作のRPGもどきを作っていたんだが』
ダイアンナ「自作のRPGもどき?」
リモートNOVA『中学時代のシミュレーションゲーマーとしての経験から、データを自作して簡単なアナログゲームをこしらえるぐらいはできたんだよ。クラシックD&Dはシンプルなシステムだったし、20面ダイスは入手困難だったが、6面ダイスに置き換えたオリジナルゲームを作るのは割と簡単だった。後々聞いたところでは、T&Tもそうやって生まれたらしいしな。そっちはD&Dの噂を聞いた作者が、実物が手に入らないので、75年に噂に基づいて自分なりにアレンジした作品だったらしいが、ゲームデザイナーの素養は「ない物は自分で作るDIY精神」だと言えるな。
『もっとも、その後、どんどん本格的なTRPGシステムが発売されるようになると、自分の稚拙なシステムが気恥ずかしくなって、わざわざ自分で作らなくても……って気になるし、そこでシステム研究家になって、ゲームの発展史をあれこれ考える流れもあるんだが、とにかくホビーライフもいろいろだ』
アスト「ところで、この話、いつまで続くんだ? もはやゲームブックの話から外れて行ってるんだが?」
リモートNOVA『ああ、ゲームブックについては、FFシリーズ→T&T→ソード・ワールドという文庫RPGにつながる系譜があるわけだが、アナログゲーマーはTRPGやその後のカードゲームに流れ込み、ソロゲームを楽しみたい人間はコンピューターゲームの世界にどっぷり浸かり、ゲームブックは一時の過渡期文化として90年代には消失。21世紀には、レトロな懐かしいものとして創土社なんかが一時期復刻したものの、新しいムーブメントには至らないまま、その後、密やかにFT書房なんかが国産で新作を生み出していた経緯がある』
FT書房の話
ダイアンナ「FT書房?」
NOVA『2007年から活動を開始した、同人的ゲームブック制作集団で、アランシアをオマージュしたっぽい名前のアランツァを舞台にした作品シリーズなど、いっぱい出している。今、現在の国産ゲームブックを語るには無視できないグループだ』
アスト「確かT&Tマガジンなんかも出していたんだよな」
NOVA『ああ。その辺からSNEと提携し、ウォーロックマガジンに発展したのはいいが、その後、SNEの別雑誌GMマガジンと合併したGMウォーロックに至り、こう何というか、ウォーロックマガジンにあったマニアックさ(FT書房っぽさ)が薄れて、俺好みの雑誌じゃなくなって来たな、と感じてる』
アスト「おいおい、いきなり雑誌批判か?」
NOVA『何しろ、ロードスも、パグマイアも、ゴブリンスレイヤーも切り捨てられてしまったからな。いや、商業雑誌というものは現在の流行を発信したり、追いかけたりするものだから、時流から外れた過去にしがみつき過ぎるのも編集方針としてはいけないことは分かっている。しかし、俺はウォーロックマガジン時代のレトロ感覚に溢れたマニアックな研究誌的な記事制作体制が気に入っていたから、そういう部分が削られると、不満を覚えるようになっているわけだよ』
アスト「しかし、雑誌の追っかけは続けるんだろう?」
NOVA『そりゃあ、ソード・ワールドとFFシリーズの記事だけでも、それなりに楽しめるからな。ロードスにしても、パグマイアにしても、原作小説や海外展開の動向が不鮮明なために、雑誌で追っかけるにしても記事ネタが困るという事情もあるのだろう。ゴブリンスレイヤーについては、これからアニメの2期で盛り上がるタイミングで、ゲーム展開のサポートが続かないのはどうしてか、と気になるが、単純にSNE社内として割けるマンパワーの問題があるのかもしれん』
アスト「で、GMウォーロック誌がウォーロックマガジンの要素を減らして行ったのが気に入らない、という愚痴を言いたいのか?」
NOVA『いや、そうじゃなくて、時流が変わるなら、その切り捨てたものを拾い集めることをしたいと思って、FT書房の話をしようと思ったんだが、俺はFT書房のゲームブック作品を一つも買ってないから、ネタにできないなあ、と考えている次第だ』
アスト「ネタにできないんだったら、話題に挙げるなよ」
NOVA『いやいや。ネタはこれから仕入れたらいいだけの話だよ。大事なのは、俺がFT書房に興味を持つようになって、今さらながら、関連作品を追っかけてみようかなあって気分になってるって話だ。実のところ、最近まで「FFシリーズのパチモン」みたいな認識で、ゲームショップで見かけても、特に食指が動かなかったんだが、最近あれこれ噂を耳にすることになって、試しにプレイしてみるかって思い立ったという話なんだ』
ダイアンナ「FFシリーズはどうするのさ?」
NOVA『問題はそれだ。攻略記事を書きたい作品がいっぱいある中で、今から新しいシリーズに手を伸ばす余裕が俺にはあるだろうか? いや、ない。しかし、試しに一冊ぐらい、とか、そこからハマってしまったら、どうなるかな、とか、若いときと違って、面白そうだ、即、飛び込むってアクションを行いにくい現状に気づいて、俺も年をとったな、と思いきや、しかし、いや、ここで決然と旅立つのが冒険者の魂を持つ者ではないか、老け込むのはまだ早い、とかいろいろ葛藤に苛まれている自分をネタにするのも一興、とか』
アスト「そう言うのは、誰が一興って思うんだよ。オレなら、そんなつまらんことで葛藤しないと、さっさと旅立てよって、序盤のトロい展開を読み飛ばして、面白い旅立ち後の冒険から楽しむぞ。前置きはいらん。さっさとクライマックスから入れ、と」
NOVA『そうだな。では、今日これから何か買いに行こうと思う。「ターシャの万物釜」を買いに行くついでだ』
別ブログのゲームブックの話
NOVA『で、せっかくのゲームブックの日に、新展開とか祝祭的な記事を考えていたんだが、結局、何も思いつかないし、「モンスター誕生」もすぐに終わりそうにないので、ここでのネタじゃないが、最近、攻略の終わったゲームブックの話をする』
ダイアンナ「それはFFシリーズじゃないんだ」
NOVA『ああ。ゲームブック雑誌のウォーロックに4回にかけて連載されていて、FFシリーズと同じ社会思想社から単行本として出版された本だ。時期的には88年の4月だから、88年3月に出た「モンスター誕生」のすぐ後ということになる』
アスト「プレイヤーはゴブリンになって、仲間を殺した冒険者に復讐するゲームだな」
ダイアンナ「ゴブリンをスレイする小鬼殺しではなくて、ゴブリンがスレイする作品なんだね。面白そうだ」
NOVA『プレイヤーは娘の花粉症ガール1号翔花で、妹の2号晶華をGM役にプレイした記録だ。俺も終盤に、守護霊役として参加したが、基本的には娘2人で初めてのゲームブックを解いてみた記録だ。ここの読者も楽しめる記事だと思うので、一応、未見の御仁のために紹介しておく』
アスト「なるほど。こっちのモン誕はまだ終わらないけど、そっちのモン逆を先に終わらせたってことか」
NOVA『で、モン逆が終わったから、その勢いでモン誕も8月中に攻略記事を終わらせればいいかな、なんて思ってる。遅くとも、9月頭には終わらせるつもりだ』
ダイアンナ「こちらの記事書きに集中するってことだね」
NOVA『今のイメージだと、ダンジョンを脱出するまでに、もう二記事。ダンジョン脱出後は三記事あれば、完結するんじゃないかなあ、と思ってる』
アスト「だったら、8月中に5記事ってことだろう? 不可能じゃないか」
NOVA『冷静に考えるとそうだな(苦笑)。まあ、では、8月中にダンジョンを脱出して、そこから休憩して、9月上旬に完成させるってことで』
PS.その後、神戸・三ノ宮のイエローサブマリンに買い物に行き、無事に『ターシャの万物釜』はゲットしたものの、FT書房のゲームブックは売ってなかったというオチ。大阪・日本橋のイエサブなら売ってたんだけどな。まあ、また機を見て買えたらいいな、と。
(当記事 完)