ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「死の罠の地下迷宮」攻略IFストーリー(4)

サファイア入手の北扉ルート

 

リサ(ダイアンナ)「今回は前置き抜きで、さっそく攻略に移るぞ」

 

アスト「前回は、ゴブリンの部屋から西扉を開けて、攻略失敗した話だったな」

 

リサ「1回めは分岐があると、西から攻略するって方針だったんだが、西ルートは全て外れだったんだよ」

 

リバT『ルート選択は、東の第3ルート→北扉→中央ルートが正解です。もっとも、最初のルート選びは、ロープ入手を諦めれば、どれを選んでもクリアは可能ですが、一応、ピット・フィーンドとは戦わない選択を正解とします』

 

リサ「そして、ゴブリン部屋から北扉を開けないと、サファイア鉄の鍵という攻略必須アイテムが手に入らないから、2回め以降はこっちを進んで行ったわけだ」

 

リバT『北の扉を開けて通路を進むと、右の壁に扉がありますね。干からびた手が釘で打ちつけられています(136)』

 

リサ「ゲっと思いながらも、扉を開けた」

 

リバT『中の部屋では、ボロ服の男が左手を鎖につながれて捕まっています。その右手が切断されていて、扉の手がそうだと分かりますね。男を助けてやりますか?』

 

リサ「アストラル・ソードで鎖を断ち切り、男を解放してやるよ」

 

リバT『自由と解放は正義ですね。男は助けてくれたリサさんに感謝しながら、いろいろと話してくれます。内容は以下のとおり』

 

  • 男は4年前の迷宮探検競技の競技者の1人だったが、失敗した。
  • 迷宮管理官によって命は救われ、監督の手下として迷宮管理の手伝いをすることとなった。
  • 奴隷のような過酷な労働が続いて、最近、脱走を試みたが、オーク警備兵に捕まって右手を切断されたうえで、何年もここに閉じ込められていた。
  • この迷宮から脱出するためには、宝石を集めないといけない。

 

リサ「まあ、宝石集めは喜んでしているんだけどね」

 

リバT『男はリサさんが進んで来た道を逆に戻るために、南へ向かいます』

 

リサ「生還できる可能性は少ないけれど、無事は祈ってやろう。あたしは北へ進み続けるよ」

 

 

リバT『次に、右手の壁に直径1メートルほどの鉄の管がありますね(78)』

 

リサ「危険かもしれないが、中に入って調べてみた」

 

リバT『管の中は濡れてぬるぬるしていて、真っ暗です。滑りやすい中を慎重に少しずつ進むと、手が四角い箱に当たります』

 

リサ「一度、管から出て、中身を確認しよう」

 

リバT『木箱の中には鉄の鍵サファイアが入っていました。運点が1点加わりますね』

 

リサ「よし、ラッキーだ」

 

リバT『なお、箱の中身を調べるのは後回しにして、なおも管の奥に進み続ける選択肢もありますが、管が急に下向きになって、そのまま50メートル下に滑り落ちてしまい、ゲームオーバーですね』

 

アスト「油断も隙もないな。後でバッドエンドのパラグラフを数えるのが大変そうだ」

 

 

リバT『北扉ルートのイベントは以上で、ここからオークの警備兵の死体2つに合流しますね。地図は以下のとおりです』

 

           スロム

            ↑

          オークの死体 

               l

 ーーー277→ーーーーーー↑

 l           l          l

当たり ネズミ       l

 l            l         l

 2つの階段        lー鉄の管(サファイアと鉄の鍵)

 l              l

鏡魔神  頭蓋骨と     l

 l    トパーズ      136ー片手の囚人

 l     l       ↑

 lーーーーーーーーーーー←ゴブリン←キノコー骸骨戦士の広間←入り口方面

 

リサ「では、いよいよスロムに会いに行こう」

 

技術点のルール解釈について

 

リサ「オーク警備兵の死体から、2回め以降は【強壮の護符】をゲットする。これは体力+1の他に、技術+1という優れものだけど、技術点が減っていなければ、原技術点を越えて増えないので、あまり美味しくはないんだよね」

 

リバT『FFシリーズでは、アイテムによって技術点が加算される場合、私どものプレイでは「護符(技術+1)」と記しております。これはアイテム入手時に技術点が減少していれば+1点回復する他に、アイテム入手後に技術点が減少した場合に、差し引きして減少効果を中和できるものとして、これまでも裁定してきました』

 

アスト「つまり、アイテムによって技術点が+3されていたら、以降のイベントで技術点が3点減少しても、ペナルティは相殺できると考えるわけだな」

 

リバT『そのアイテムを失えば別ですけどね。ですから、アイテムによる技術点加算効果は、アイテム入手時に技術点が減っていなくても、以降の技術点減少効果を打ち消すという形で恩恵があるという裁定です』

 

リサ「だったら、【強壮の護符】は是非とも入手しておいた方がいいわけだね」

 

リバT『本作終盤で、技術点が1点、強制的に減らされる仕掛けも、これで問題なく処理できると考えます。そもそも、技術点が減ってないときに、技術点に加算するアイテムの意義付けを考えると、原技術点に加えて良しとするか(武器や防具なら、作品によっては攻撃力+1とか、戦闘時の2Dの出目に+1とかの処理もあるけど)、その後の減少効果の打ち消しに使えるとするか、でない限り、美味しくないと思うんですね』

 

アスト「確かに、技術点が減ってないときに、技術点+1の剣を入手しても、嬉しくないと思っていたもんな」

 

リバT『ポーションなどの消耗品であれば、加算効果がその場限りというのも納得ですが、装備として効果を発揮し続けるアイテムの場合、減算効果との打ち消し恩恵が後からでも得られていいという解釈です。これで次の矛盾も解消できるというもの』

 

  • 罠によって技術点1減少したあと、怪力腕輪で技術点+1→差し引きゼロ
  • 怪力腕輪で技術点+1した(原技術点は越えない)あと、罠によって技術点1減少→怪力腕輪の効果は関係なく、技術点マイナス1

 

リバT『上の2例は、どちらも同じアイテムと同じペナルティを受けるわけですが、アイテム入手のタイミングによって、結果に違いが生じるのはおかしいと考えます。ですから、装備品による技術点増加は、たとえ原技術点を越えないというルールで表面上のプラス効果が現れない場合でも、潜在的にプラス効果を保持し続けて、後のマイナス効果を打ち消すことができるという形で処理するのが当方の判断ですね』

 

リサ「運点や体力点はどうするんだ? 運点マックスの時に、運点を加える効果が出た場合は?」

 

リバT『運や体力は、技術点に比べて消耗リソースというか、割と簡単に上下変動する数値ですからね。仮に「護符(運+1)」というアイテムが出ても、技術点ほどの永続効果はないと解釈しています。いずれにせよ、技術点1点のゲームに与える影響は、運点や体力点よりもよほど大きいと考えますので、ルールも特別に解釈する価値があると考える次第』

 

蛮人スロムとの出会い

 

リサ「では、改めてスロムとの対面だ。どうやらオークの警備兵2体を倒したのは、スロムっぽいんだよね」

 

リバT『スロムとの出会いはパラグラフ282番ですね。主人公が5番めに迷宮に入ったことを考えて、スロムは6番めに入ったと解釈できますが(3番めに入った蛮人は、スロムではなくて序盤の東ルートで死んでいたもう一人と見なすのが妥当)、それでも、いつの間にか追い抜かれていたようですね』

 

リサ「たぶん、こちらが片手の囚人を助けて情報収集していたり、鉄の管を潜ったりしている間に、西扉ルートを突破してきたんだろうね」

 

アスト「スロムの通ってきた道を推測すると、まずは西北の第2ルートをまっすぐ突っ切って、エメラルド偶像はスルーして(主人公がガーディアンを撃退済みなら取るべきものはない)、途中の扉もひたすらスルーして、最短距離を駆け抜けたんだろう」

 

リサ「鏡の魔神はどう処理したんだ?」

 

アスト「当然、蛮人らしく力づくで鏡を割った。だから、技術点がマイナス2されたんだ。後で戦うスロムの技術点が10しかないのも、きっとそれが原因だろう。スロムが本気で戦えば、技術点12の最強暗殺者ウルズル・アイアンフェイスを相手取れるほどだからな」

 

リバT『ああ、「死の罠の地下迷宮」のスロムは、手負いの弱体化バージョンだったのですか』

 

アスト「技術点11のリーサンでも、ウルズルには太刀打ちできずに死にかけたんだから、もしもスロムの技術点が『アランシアの暗殺者』で登場した際に10だったら、助っ人にはなれなかったろうさ」

 

リバT『まあ、背後から奇襲で斧を投げるだけなら、技術点が10あれば十分かと思いますけどね』

 

リサ「スロムは確かに、クソ親父のリーサン・パンザの窮地を助けてくれた。だけど、娘のあたしはそういう奇縁を知らないんだよね」

 

リバT『知りたいなら、アストラル・ソードに宿った守護悪霊が教えてくれますよ』

 

 

守護悪霊『おい、娘。こいつはお前の父親を助けた男だ。こいつを倒せば、お前は父親越えを果たせるぜ』

 

盾の守護霊『何で、恩人を倒すという発想になるんですか? これだから悪霊ってのは、好戦的にも程があるでしょう。いいですか、リサお嬢さま。ここはこの蛮人と手を組んで、迷宮突破に協力してもらうんです』

 

守護悪霊『いいや、どうせ後で戦うことになるんだ。だったら、情が移る前に、この場でバッサリ倒すのが、迷宮探検競技の勝者の道ってもんだぜ』

 

 

リサ「ああ、うるさい。あたしがどうするかは、あたしが決める。親父の恩人かどうかも、あたしには関係ない。目の前の蛮人が同行者として信頼できるかどうか、大事なのはそれだけだ」

 

リバT『スロムは、リサさんが剣と盾を構えたまま、すぐに攻撃をしてくる様子がないのを見てとると、尋ねてきます。「その武器と盾はどこかで見た気がするんだが?」

 

リサ「ああ、謎かけ盗賊が用意してくれたらしい」

 

スロム『謎かけ盗賊だと?』

 

リサ「どうも、謎かけ盗賊がさらった男の代わりに、あたしが選ばれたらしい。迷惑な話だけど、生き延びるためには戦うしかない。あんたは見たところ手負いのようだが、大丈夫か?」

 

スロム『ただのかすり傷だ。お前が気にすることではない。それより、道は東西に分かれている。俺は西に行く。お前はどうする? 付いて来たいなら、別に構わないぞ』

 

リサ「あたしは……」

 

守護悪霊『一緒に付いて行って、隙を見て背後から刺せ。盗賊の技ならできるだろう?』

 

盾の守護霊『何てことを言うんですか!? これだから悪霊ってのは! それでも蛮人に同行するのは賛成です。いいですか、力を合わせて試練を乗り越えるのです。協力って漢字は、力が4つもあって+効果で足し合わせるのです。一人でできないことも、二人いれば乗り越えられる。力も夢も、そして勇気も、それだけ強くでっかくなるんです』

 

リサ「ああ、うるさい。あたしの道は、あたしが決める。あたしの道は……東だ!」

 

結局、合流しての道行き

 

リバT『スロムと別れて、東へ向かったリサさんですが、そちらの通路はすぐに行き止まりになっていますね。突き当たりの壁に、茶色くなった紙がピンで留められていますが』

 

リサ「何が書いてあるか、読んでみる」

 

リバT『乾いた血で「競技監督に気をつけろ」と書かれてありますね』

 

リサ「当然、気をつけるんだけど、来た道を引き返して、スロムに合流だ。東は行き止まりだったので、しばらく同行したいと申し出る」

 

リバT『スロムは黙ってうなずくと、リサさんと共に西へ向かいます。道中、ギクシャクとしながらも、互いの冒険の話をすることになりますね』

 

リサ「リーサンの話は出るのかな?」

 

リバT『スロムは、リーサンと付き合いが短いので、あまり話題には出ませんね。そもそも、名前すら分かっていなかったりします。それよりも、兄に似た相棒のフロムの話が出て、どこかで合流できないかと気に掛けているようです』

 

リサ「あたしは、フロムがどうなったかを知っているので、話すべきかどうかを気にしながら、結局、話せずにいる。むしろ、そうだね、盗賊ギルドで学んだ罠の話とか、アズール卿の悪口を言う」

 

リバT『それを受けて、スロムは……って、アストさん、スロムの役はあなたが担当しませんか?』

 

アスト→スロム「オレがスロムだと? 分かった。今からオレがスロムだ」

 

スロム『アズール卿という男は、いろいろと悪名高いみたいだな。この迷宮を脱出できたら、いっしょに倒しに行ってもいい』

 

リサ「いや、あたしは別にアズール卿を倒したいとは思っていない。ただ、追っ手の手の届かないところに無事に逃げ延びられたらいいなって」

 

スロム『何だ、つまらん。逃げてばかりだと、そのうち追いつめられて、無惨な死を迎えるだけだ。立ちはだかるものは全て力で粉砕する。それこそオレの流儀だ』

 

リサ「力が及ばなかったらどうするんだよ?」

 

スロム『勝つまで己を鍛える。死ななければ、負けじゃない。だから、絶対に死なない』

 

リサ「ううっ、あんたの相棒は死んだ、と言いたいが、水を差すようなことを言っても気まずいだけだからね。立派な覚悟だ、冒険者として見習いたいと思う……と適当に話を合わせるよ。スロムの真っ直ぐな気性には、惹かれるものがあるけどね」

 

 

リバT『いっしょに歩いていると、やがて大きな穴の縁に到達します。スロムさんは、ここのセリフを読み上げて下さい(パラグラフ22番を見せる)』

 

スロム『穴か。底が見えないほど、暗くて深いな。よし、ロープでお前を下ろしてやろう。松明もあるから、それで灯してもいい』

 

リサ「ここはスロムの提案に従う方が簡単で、リスクがないんだよね」

 

リバT『他の選択肢は2つ。1つは、自分の代わりにスロムが穴に降りて調べるように主張すること。もう1つは、穴の中を調べずに、何とか向こう側に渡ることです。もっとも、後者を選ぶと確実にバッドエンドなんですが』

 

リサ「正しい通路は穴の中にある、と」

 

リバT『助走を付けて穴を飛び越えると(311)、その先の通路でスロムがいきなり、床の罠を発動させてしまい、天井から落ちてきた岩塊が頭に落下して、頭蓋骨粉砕によって死亡。一人残された主人公は、その先に進むも、死者の幻の小部屋に閉じ込められてゲームオーバーです(325)』

 

スロム『だから、穴を調べようと言ったんだ』

 

リバT『スロムを先に穴に降ろした場合、そのまま付き従って降りるという選択肢もありますが、スロムを裏切って、ロープを穴に落として戻って来れないようにすることもできます』

 

リサ「だけど、そのまま西へ向かっても、バッドエンドだよな」

 

リバT『上から岩塊が降ってくる罠に次いで、幻の死の小部屋に閉じ込められてゲームオーバーですね』

 

リサ「前に『危難の港』で、ハカサンを見捨てて一人旅を続ける選択肢を選ぶと、ことごとく酷い目にあう展開があったけど、同行者キャラに敢えて逆らう選択肢を選んだ場合、リビングストンさんが強制的に圧を掛けてくる原型がここにあったんだな」

 

リバT『ただし、ほぼ賢明な選択を勧めてくれる高性能ナビなハカサンと違って、スロムの場合は判断を誤るケースもあるので、注意が必要ですけどね』

 

リサ「何にせよ、ここのシーンでは、スロムの判断に従って、穴に潜るのが正解、と」

 

 

リバT『穴の底から北に伸びる通路がありまして、あなた方はまっすぐ北上します。やがて、通路内の石棚に、2冊の革表紙の本が乗っているのが見えますね。1冊は赤表紙で、もう1冊は黒表紙ですが』

 

スロム『蛮人は本など読めん。気にせず、さっさと進むぞ』

 

リサ「いや、あたしは赤表紙の本を読むぞ」

 

リバT『中身は、ブラッド・ビーストに関するものですね。表紙絵の目がいっぱいモンスターの生態や、弱点なんかが記されていましたが、古い本なので、ページが塵になって消えてしまいました』

リサ「何て稀少な書物が……もったいない、とダディなら言うだろうけど、あたしはそれほどでもないかな。とりあえず、ここで『ブラッド・ビーストの情報』が入手できるわけだね」

 

スロム『そんなモンスターなど、オレの鍛えた力と技があれば、簡単に粉砕してやろう』

 

リサ「未来を知ってるプレイヤーとしては、(その時には、あんたはもうこの世にいないんだけどね)と思ってる」

 

スロム『ついでに、プレイヤーとして言わせてもらうと、「スロムは脳筋蛮人だから、最初に穴を調べようと提案した以外は、その判断が間違えてばっかり」じゃないだろうか?』

 

リバT『バレてしまいましたか。後年、いろいろと美化された気がしますが、実のところ、スロムの提案の逆を進む方が正解だったりするんですね。「死の罠の地下迷宮」におけるスロムは、頼り甲斐がありそうに見えて、結構なポンコツドジっ子というのが実情です』

 

スロム『だったら、こう言おう。黒い革表紙の本は不気味だから調べるな』

 

リサ「スロムがそう言うのだったら、急に調べたくなった(笑)」

 

リバT『表紙を開くと、中は本ではなくて、切り抜かれた隙間に1本の小瓶が入っています。瓶の中は透明の液体ですね』

 

リサ「ねえ、スロム。この液体って何だろう?」

 

スロム『そんな正体不明の怪しいものは近づけるな。間違っても、飲んだりするんじゃないぞ』

 

リサ「分かった。ゴクゴクゴク」

 

リバT『液体の正体は、魔法の罠探知薬でした。そして運点が2点回復します』

 

リサ「よし、スロムとの付き合い方が分かった気がする」

 

スロム『オレは、この娘の大胆不敵さに驚愕の念を示そう。オレには怖くて真似できない危険を、とことん踏み越えていきやがる、と』

 

 

リバT『さて、北向きの通路は急に東に右折した後、2体の洞窟トロール(技10、体11)が前方から現れます。スロムが1体を引き受けてくれますので、リサさんはもう1体と戦うだけでいいです』

 

リサ「技術点10は、そこそこ強敵だよね。スロムがいてくれて良かったよ」

 

 少々傷ついたものの、戦闘には勝った。そして……

 

リサ「ねえ、スロム。トロールの死体から、骨の指輪が見つかったんだけど、装備していいかな?」

 

スロム『やめておけ。その指輪のシンボルは、北方のドルイドに関するものだ。太古の精霊の力を受け入れることができれば、肉体が強化されるらしいが、そういう呪術は信用できん』

 

リサ「ふうん。意外と詳しいんだ。スロムがそう言うなら……指輪をはめてみた」

 

リバT『技術点判定してください。失敗すると、体力が3点減ります』

 

リサ「成功したよ」

 

リバT『だったら、体力が3点増えますよ』

 

スロム『大丈夫か?』

 

リサ「ああ。どうやら、精霊は味方してくれたらしい」

 

スロム『お前はどこまでも怖いもの知らずみたいだな』

 

 

リバT『さらに東へ進むと、牙のような鍾乳石が連なる洞窟に続いています。洞窟内部をよく調べるか、さっさと歩いて通り抜けるかの選択肢ですが?』

 

リサ「スロム、どうしよう?」

 

スロム『いちいち、オレに聞くな。勝手に調べたらいいだろうが』

 

リサ「うん、スロムがそう言うなら、さっさと歩いて通り抜けよう。イヤな予感がする」

 

リバT『もしも、洞窟を調べていたら、スロムが小さな革袋を発見するのですが、中からネズミが出てきて、スロムは思わず爆笑してしまいます。そして、スロムの笑い声によって、天井から鍾乳石が降ってくるんですね。運だめしを要求されたり、失敗すると体力5点を失ったあと、スロムに助けてもらって、ポーション1本を渡すことになったり、交流を深めながらも何だか損をしてしまいますので、ここは調べない方が正解ですね』

 

リサ「う〜ん、スロムの裏目センサーって便利だな」

 

           →ー洞窟トロールー鍾乳石の洞窟→競技監督

           ↑

         二冊の革表紙本

           ↑

死者の幻部屋←岩塊←大穴ーースロムとの出会いー警告の壁紙

                 ↑

             (オークの死体から)

 

競技監督ドワーフの試練

 

リバT『さて、いよいよスロムとの同行イベントも最後の時が近づいて参りました。パラグラフ60番、とうとうドワーフの競技監督が登場です』

 

リサ「これって、後で登場する忍者と女エルフは、競技監督の試練を突破できたんだよね。たまたま、あたしとスロムが同時に部屋に入って来たから、どちらかをふるい落とすことになったけど、もしも別々に部屋に入ったら、2人とも無事にそれぞれここを突破できた可能性もあったんじゃないかな」

 

リバT『さあ、どうでしょうか。もしかすると、競技の参加者6人のうち3人までしか、この先に進めないルールかもしれません。いずれにせよ、先に脱落したアナザー蛮人、鎧の騎士に次いで、スロムさんもここで脱落することになるわけですね』

 

スロム『なあ、ここで競技監督を2人がかりで倒してしまわないか?』

 

リサ「その選択肢を選ぶと、余計なダメージを受けるだけだから、おとなしく試練を受けるぞ。試練を受けてからでないと、この部屋の出口を監督が開けてくれないそうだからね」

 

スロム『分かった。試練の後で、競技監督を倒そう』

 

リサ「それでは先に、あたしが試練に挑むから」

 

 

リバT『監督は秘密の部屋にリサさんを招き入れ、試練を開始します。まずは幸運を試すゲームですね。リサさんにサイコロ2個を振らせると、6と2で8が出ました。果たして、次の出目は、8か、7以下か、9以上のどれかを宣言して、もう一度サイコロを振ってください』

 

リサ「8が出る可能性は36分の5で、約14%。9以上は36分の10で、約28%。7以下は36分の21で約58%だから、7以下を宣言するのが定石だね。(コロコロ)よし、6だ」

 

リバT『はい、成功ですね。失敗していれば、ペナルティとして、Sの錠剤か、Lの錠剤を飲まされるところでした』

 

リサ「Lの錠剤はラックで、幸運点が2点減少。酷いのはSでスキル、つまり技術点が2点減少なんだよね」

 

リバT『旧訳版ではスタミナ、つまり体力2点減少で済んでいたのですが、新訳でのペナルティは大きすぎです』

 

リサ「もっとも、幸運の試練に勝ったんだから、ペナルティはなしだったんだけどね。ペナルティを受ける場合は、Lの錠剤を選ぶ方がマシと。さあ、次の試練に挑むよ」

 

 

リバT『2つめは反射神経の試練ですね。コブラ素手でつかまえるゲームです』

 

リサ「それって酷くない?」

 

リバT『ゲームシステムとしては、ただの技術点判定なんですけどね』

 

リサ「だったら成功。素手コブラをつかまえるなんて、あたしって凄い」

 

リバT『現実に考えると、まさに英雄的所業ですね。失敗しても、運だめしでダメージ5点を免れることができますが、技術点判定で成功するまで再挑戦させられ続けます』

 

リサ「技術点12だから、安心して試練に臨めたけど、低い技術点だとドキドキものだよ」

 

リバT『まあ、技術点が低いと、終盤のボス敵ラッシュを突破できないと思いますし』

 

 

リバT『さて、いよいよ最後の力の試練です。サオソオリか、ノロウミタスのどちらかを選んで、戦ってください』

 

リサ「大サソリか、ミノタウロスだね。日本語だと、カタカナ5〜6字の並び替えだから簡単なパズルだけど、英語だとScorpionかMinotaurのアルファベット8文字のアナグラムだから、そこそこ難しそう。PiorconsとかNoimarutと並べ換えられたら、元の単語を当てられる自信はないよ」

 

リバT『なお、旧訳ではオソオサリとウスノロミタでした』

 

リサ「ミノタウロスを『隅野太郎』、大サソリを『大楚理沙』と漢字表記されていたら難しかったかな」

 

リバT『パズルの難易度を上げることよりも、戦う相手を選んで下さい』

 

リサ「弱い方はどっちだろうか?」

 

リバT『どちらかを選んだら教えます』

 

リサ「大楚理沙は、同じリサだからやりにくそう。隅野太郎の方が何だか弱そうな名前なので、そっちを選ぶとしよう」

 

リバT『全国の隅野さんに失礼な発言は控えてください。ブログが炎上しても、責任がとれませんので』

 

リサ「ああ、隅野太郎はミノタウロスアナグラムで格好いいぞ、とフォローした。とにかく、サソリは毒がありそうでイヤだから、ミノタウロスと戦う。ミノタウロスとは、火吹山で戦った記憶がある。弱くはないが、化け物じみた強さではなかったはず」

 

リバT『ええ、技術点9、体力点9ですね。大サソリの方はどっちも10で、左右のハサミで2回攻撃、しかも攻撃ダイスで6ゾロが出たら毒で即死するという特別仕様なので、かなり強敵と言えるでしょう』

 

リサ「恐るべし、大楚理沙。やはり、隅野太郎と戦うことにして正解だった」

 

 こうして、リサは隅野太郎、もといミノタウロスを苦戦することなく倒すのだった。

 全国の隅野太郎さんが当ブログを読んで、不快な気持ちになったらごめんなさい。

 

さよならスロム

 

リバT『それでは、3つの試練を切り抜けたリサさんに、ドワーフ監督は称賛の言葉をかけて、休息をとるように指示します。彼が渡した袋の中には、ワインと調理された鶏肉が入っていますね』

 

リサ「ちょうどいい、腹ペコだったんだ。ありがたく、いただくとしよう」

 

リバT『体力点を2点回復します』

 

リサ「足りない分は、自分の持ってる保存食で補いながら、次の戦いに備えるぞ」

 

スロム『では、オレが登場だ。パラグラフ302番。ひどい切り傷や打撲を受けて、コブラの毒で意識朦朧としながら狂乱状態になったオレと戦え。なお、技術点は10、体力点は12だぞ』

 

リサ「ううっ、スロムとは戦いたくないんだけど、戦わなければ生き残れない。あたしだって、こんなところで死ぬわけにはいかないんだ。涙を流しながら、自分の身を守るために応戦する(涙目)」

 

 傷にも関わらず、スロムは非常に強い。

 長い戦いに疲れ果てたリサは、最後に膝をついた。

 動かなくなったスロムの体を見つめるリサの心に、この残酷な戦いをせせら笑いながら仕向けたドワーフに対する激しい怒りが渦巻く。

 

リサ「これって、スロムを殺さずに、最後の一撃を気絶に留めることってできないかな?」

 

リバT『ゲームブックの公式ストーリーではできませんね』

 

リサ「だけど、これはIFストーリーだから、非公式に瀕死のスロムが生存する特別な展開をでっち上げてもいいはずだ」

 

スロム『よせ、娘よ。どっちにせよ、コブラの毒とサソリの毒でオレは長くない。お前はオレよりも大胆不敵で、神や精霊の祝福も受けている。英雄になる運命はお前のものだ。オレの分まで生き延びて、必ず迷宮を突破してくれ。ぐふっ』

 

リサ「死ぬな、スロム! ええと、何か使えるアイテムがないか? 毒消しはないけど、願いの指輪でスロムの生存を願うとか?」

 

リバT『ゲームブックでは、そういう使い方はできないのですが、TRPG的に裁定して願いの指輪が効果を発揮したものとしましょう。ぐったりした蛮人はそのまま意識を失いますが、かろうじて一命を取り留めました。ただし、しばらく仮死状態で、リサさんも競技監督のドワーフもその生存には気付きません。人知れず息を吹き返したスロムのその後は、攻略記事のエンディング後日譚で語るとしましょう』

 

スロム『オレ、生きていていいのか?』

 

リバT『リビングストン先生が将来、新作ゲームブックでまたスロムをゲスト出演させるかもしれませんからね。なあに、ザゴールやザンバー・ボーンがふたたび復活する世界観ですから、スロムが非公式に生存していても、文句を付けるFFファンはたぶんいないでしょう』

 

リサ「公式にできないことをするのが、二次創作やIFストーリーの特権だからね。辻褄さえ合わせられるなら、ファンの妄想は自由だ」

 

リバT『ということで、迷宮探検競技ではスロムの脱落決定ですが、こっそり生き延びていたスロムのその後は、後で考えるとしましょう。でも、今はドワーフの競技監督の件を解決します』

 

スロム→アスト「ついでだから、競技監督のロールプレイもオレが担当しよう」

 

 

競技監督(アスト)『いい試合だった。信頼の絆で結ばれたライバルが、互いの勝利を賭けて刃を向け合う展開は、見ていてゾクゾクするね。本当に、これ以上のエンタメはないよ。これだから競技監督は辞められないんだ。おっと、あんたが何を考えているかは分かるよ、お嬢さん。その憎悪に満ちた視線は、実にいい。その怒りの力は、迷宮攻略に活かしたまえ。さあ、出口はこちらだ』

 

リサ「隙あらば、背後から刺せ、とアストラル・ソードが赤色に光って唸る」

 

リバT『しかし、隙は見せません。ドワーフさんは矢をつがえたクロスボウを油断なく、あなたに向けたまま、部屋の仕掛けを手慣れた感じで操作します。北側の壁の一部が開き、水晶に照らされた通路が現れますね。にっこり微笑んだドワーフさんは、「さあ、行きたまえ。試練に打ち勝った強者に幸運を」と告げます』

 

リサ「このまま先へ向かってもいいのだけど、さっきからアストラル・ソードがブンブン唸って、うるさいんだ。だから、競技監督の血を吸わせてもらう」

 

競技監督『ほう、その疲れた体で戦うというのか。愚かな。ならば、愚か者には死の報いを……と言いながら、クロスボウを撃つ』

 

リサ「守護者の盾で矢を受け止めながら、接近戦に持ち込むよ。死ぬのは貴様だ!」

 

競技監督『面白い。ならば、正々堂々と決闘と行こうか。クロスボウを投げ捨て、ベルトから斧を引き抜くぞ』

 

ドワーフ:技術点8、体力点6

 この戦いでは、リサは疲れているので、攻撃力から2を引かなければならない。

 

 実質、技術点が10のドワーフだったが、復讐の念で暴走したリサの敵ではなかった。

 暗殺者に由来する魔剣に突き動かされたリサは、衝動のままにドワーフの息の根を止めて、剣にたっぷり血を吸わせたところで、ようやく正気に返る。

 ドワーフの身につけていた鎖帷子は、最上質の鉄で作られていて、名工の手によるものだ。遺体から剥ぎ取ったそれを身につけると(技術点+1)、ふたたび独りとなった世間知らずな盗賊娘、いや、もはや覚悟の完了した魔剣士とも呼べるリサ・パンツァは、迷宮のさらに奥に決然と進むのだった。

(当記事 完)