ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

対決レッドドラゴン3

 まさか、2話まで書いて完結せず、3話までかかるとは思っていませんでした。

 

 いや、当初はただの思い出話、小説で言えば、あらすじ程度、あるいはストーリー原案のプロット、もしくはダイジェスト的な形を想定していたのですが、何だか書いているうちに記憶に肉付けが生じてしまい、当時の会話のやり取りが一部そのままに、一部は記憶の美化を伴って、脳内に思い浮かんだ形。

 事実を元に、筆者のイメージを多分に含んだ読み物になってしまった感。

 

 そもそも、ぼくの演じたライノスだって、文章で書いたほど雄弁にドラゴンと交渉していたはずがないんだ。今だったら、ああいう感じのセリフはアドリブでもスラスラ出てくる自信はあるけど、当時はもっとドモり気味で、たどたどしく、つっかえながら語っていたはずだし。

 だからって、それをそのまま再現しても、読み物として読みにくくなるのは確実だし、商業リプレイだって多かれ少なかれ、録音した音声を元に、同じような脚色やブラッシュアップは施している。

 

 まあ、自分の演じたキャラが商業リプレイの単行本に載ったことはないけれど、雑誌連載なら何度か。高山DMのロードス伝説リプレイにおける、騎士ボーグナインなんて知る者はもうほとんどいないよなあ。まだ、その前の話の主人公ミレウスの方がメジャーだと思う。

 それでも、自分の拙い演技が、他人の書いた文章の上で、未熟だけど懸命で一途な騎士として再現されたのを雑誌で読んだときは、やはり感動したものだ。いや、中には「自分はこんなことを言ってないけど、うまく話をつなぐために、言ったことにされた」セリフもあるけど、それでキャラが格好良くなるのなら歓迎だ。

 大体、自分が仲間うちでゲームマスターして、それを元に身内向けのリプレイ小説やリプレイ記事を書いた時だって相当量の脚色は施していたし、それで面白いと言ってくれた友人と、人のセリフを勝手に改変するなと文句を言った友人がいて、まあ、受け止め方は人それぞれ。

 

 前書きが長くなった。

 リプレイに関する打ち明け話はこれぐらいにして、早く物語を完結させよう。

 

 記憶の底に封印されていた 25年前の失われし物語が今、ここに蘇る!

 彼らはいかに戦い、そして散っていったか。

 死の瞬間まで諦めることなく、最後まで戦い抜いた男たちのドラマが間も無く終結。乞うご期待。

 

★戦士ライノスの冥土への冒険3「そして伝説へ……」

 亡国王女を引き連れ、追っ手から逃れ、ドラゴンの洞窟の向こうに脱出の道を求めた、我がライノスと名もなき仲間たち。しかし、彼らの前に恐るべきレッドドラゴンが立ちはだかった。交渉でその場を何とか切り抜けようと、懸命に言葉をつくすライノス。
 だが、仲間の盗賊の不用意な一言が、交渉を決裂させた。


ドラゴン「竜退治の剣だと? やはり、貴様らは嘘つきのゴロツキどもであったか。我の命を狙いに来たか。そうはさせん。貴様ら、皆殺しにしてくれよう」

ライノス「チッ、こうなったらやるしかないようだな。各自、決められた手順で散開。まずは、ドラゴンブレスをかわさないと、全滅しかねん。一番HPの高い俺がドラゴンの前に出て挑発する。魔法使いは後退。盗賊は右に、僧侶は左に。これで的が分散するはずだ」

DM「その前に、イニシアチブだね」

ライノス「ここで取れなければ、全滅確定。ダイスの神よ、我に加護を。よし、6出た。取ったぞ」

僧侶「まずは、ドラゴンのHPを少しでも削って、ブレスのダメージを減らさないと。魔法使いさん、攻撃魔法は何が使える?」

魔法使い「一応、ライトニングボルト(電撃)が一発撃てるけど」

DM「今は無理だね。移動したラウンドは魔法が使えない」

僧侶「そうだった。後退を指示したのは失敗だったね」

ライノス「済まん。(DMに)ええと、後退はなしにして、先にライトニングを撃つって変えたりは?」

DM「却下。もう動いた後だからね」

ライノス「このDMは、我らに死ねとおっしゃられる。こうなったらヤケだ。決死の覚悟でドラゴンに斬りかかる。ダイス目いいの出ろ!よし、当たった。ダメージは……」

DM「まだまだ、かすり傷程度だね。盗賊さんは、どう動く?」

盗賊「ハイド・イン・シャドーできる?」

DM「ドラゴンは、竜殺しの剣を持つ君に、一番怒りを燃やしているようだ。注目を浴びているうちは無理だね」

ライノス「だから俺が注意を引き付けているんだろうが。この、死ねえ、と必要以上にわめき立て、ドラゴンの注意を盗賊から何とかそらそうとする」

僧侶「ぼくも戦士に続くよ。メイスを振り上げ……」

ライノス「(プレイヤー口調で)ところで、僧侶さん、つかぬことを聞くが、今朝は何の呪文を覚えていたっけ?」

僧侶「え、定番のブレス(祝福)とか、ホールドパーソン(金縛り)とか……」

ライノス「対レッドドラゴン戦が予想される中で、そなたはどうして、レジストファイヤー(耐火)を覚えなかったのかな?」

僧侶「ああああ、思いつかなかった。そうか、ホールドなんかよりも、そっちが必要だったんだよ。何やってんだ、俺」


 もう、ドラゴン戦で気持ちが焦り、ロールプレイを忘れた素の口調もほとばしります。いわゆるキャラ崩壊って奴ですね。

 TRPGやってると、割とよくある現象ですけど、リプレイとして記事起こしするときは、大抵、一人称や話口調は統一しますからなあ。
 そして、D&Dの特徴的な呪文システムである「その日のために、あらかじめ覚えておいた呪文しか使えない」というのがあって、魔法使いや僧侶は何の呪文を覚えるか、状況に合わせたクレバーな判断が求められるわけですが、大抵は普段よく覚える定番呪文で固めてしまう。
 まあ、昨夜のうちに対ドラゴン戦の作戦会議を行ったりして、みんなで使用呪文の検討とかしていれば良かったのかもしれないけど、そもそも、我々はドラゴンが本当に出てくるのかすら半信半疑だったわけで、気づけば目の前にドラゴンがいた、というプレイ感覚だったのですな。DMはいろいろとドラゴンのことをアピールしていたにもかかわらず、我々にはきちんと伝わっていなかった。
 「え、ドラゴン? マジでいたの? ウソー」ってな感じです。だから、もう、いろいろパニックに陥っていたわけですな、我々。
 おまけに、初対面DMだから、シナリオの傾向も読めないし、初対面のプレイヤーだから個々のゲーム知識はあっても、連携がバラバラで、どんどんドツボにはまっていく……。


ライノス「じゃあ、ブレス、ああ、ドラゴンブレスじゃなくて、祝福の呪文の方お願い。今は少しでも命中率とダメージ支援が欲しい」

僧侶「いや、そうしたいのはやまやまだけど、君、もうドラゴンに斬りかかったよね」

ライノス「え?」

僧侶「ブレスの呪文は、まだ接近戦に参加していない者にのみ効果を持つんだ」

ライノス「ああ、そうだった。焦って、順番を考えなかったよ、俺。先にブレス、それから殴る。定番なのに見失ってたわ。(DMに)今から順番変えちゃダメ?」

DM「却下。もう剣で斬った後だからね」

ライノス「このDMは本気で我らに死ねとおっしゃる。もう、魂を震わす雄叫びで喚き立てるぞ」

DM「さっきからうるさい奴だな。君が喚いていると、ドラゴンの注意も盗賊から逸れた、でいいよ、もう」

魔法使い「戦士さん、さっきからテンション上がりまくりですね」

ライノス「いや、だって、ドラゴンだよ。しかも、レッド。火竜山の魔竜だよ。俺、カシュー王やアシュラムみたいに高レベルじゃないし、こんなん勝てるわけないやん。頭の中がパニックで何が何だか分からない」

僧侶「大丈夫。そう思っているのは君だけじゃない。ぼくだって、同じ気分だ。とにかく殴る。(ダイスコロコロ)あかん、外れた」

盗賊「ハイド・イン・シャドーやっていいの?」

DM「戦士が引き付けているからいいよ。ついでに自分でダイスを振ってくれ。DMが振るのも面倒だし」

盗賊「よっしゃラッキー。32パーセント。成功だ」

DM「君はドラゴンの目を逃れて、影に潜むことに成功した。次のラウンドには奇襲攻撃を仕掛けられる。それでいいね」

ライノス「問題はこのラウンドだな。ドラゴンブレス、耐えられるか」


 プレイヤー側にできることは全てやって、我々はドラゴンの最初の攻撃にさらされることに。


DM「それじゃ、待望のドラゴンブレスだ。目標は前に出ている戦士と僧侶。魔法使いは射程範囲外で、盗賊は影に隠れているから安全。では、前の人たち、対ドラゴンブレスでセービングスローして」

ライノス「ここで失敗すれば一巻の終わり。高い目、出ろ。よしきたー。ダメージ半減。何とか生き残ったあ」

僧侶「ごめん、無理だった。僕はここまでだ。後は頼む(最初の犠牲者、僧侶死亡)」

ライノス「ええ? 回復役が散ったの? この後の冒険はどうなるの?」


 いやあ、後などないのですが、まあ、絶望の中に少しでも希望を見つけようと、脳内がフル回転します。


ライノス「いや、ドラゴンの宝の中に、もしかするとキャラ復活用のアイテムが用意されているかもしれない。DMが何の準備もなしに、レッドドラゴンなんて致命的な敵を我々にぶつけて来るとは思えない。ここで死闘の末にドラゴンを倒せば、そのご褒美で死んだ仲間も復活して、この後の冒険を続けられる。俺はDMにそういう展開を期待する。俺がDMなら、そうするし。それじゃないと、せっかく作った物語設定も台無しだ。今、生き残った我々にできることは、死んだ僧侶を復活させるために、この戦いを何とか勝利することだけだ。一人でも生き残って、諦めずに何とかドラゴンを倒す。みんな、それでいいな」

僧侶(残留思念)「済まんな。何もできなくて」

ライノス「いや、僧侶のプレイヤーさんには大事な仕事を頼みたい。さっきのブレスでドラゴンのHPが明らかになった。思ったよりも少なかったので、これなら何とか削りきれると思う。君はドラゴンの受けたダメージを記録して、あと何点で倒せるか、みんなに伝えて欲しい。いわゆる精神的支援って奴だ。僧侶の魂の声が、我々に勇気をくれる。こんな感じで行こう」


 何というか、いろいろ仕切っていますね、自分。
 この場のメンツでは、僧侶さんが自分と同じくらいゲームに詳しくて、魔法使いさんはそれなりに詳しいんだけど控えめで、盗賊さんはムードメーカー寄り。自分が仕切り役になったのは、仲間からリーダーに祭り上げられたのもあるけど、ここまでのプレイで、自分と僧侶さんが一番ルールに詳しいことが分かり、どちらかが仕切らないとガチな戦いには勝てないと判断したから。
 そして、最初に脱落した僧侶さんを何とか復活させたい。そんな気分で、ぼくはDMに自分が望む展開を訴えかけたのですな。
 レッドドラゴンの宝に復活アイテムが用意されているかはDMのみが知ることだけど、プレイヤーがそれを心から願って、それがゲームを盛り上げることに寄与するなら、DMはその場のアドリブでも復活アイテムを出してくれる。まあ、だったら、プレイヤーの仕事としては、「DMがこうすれば、プレイが盛り上がる」ということを積極的に示唆して、面白いゲーム体験を共有しようと働きかけることだと思いましたが、どっちにしろ生き残らなければならないことには変わりなくて……


DM「2ラウンド目に入るよ。イニシアチブを決めて」

ライノス「よし、今回も取った。今日はダイス目がいい。ここが勝負どころだ。俺は左に回り込んで、ライトニングの射線を通すようにする。魔法使いがライトニングを撃って、それから俺が殴る。そして盗賊が右から回り込んで、バックスタブを決めてくれればだいぶ削れるはずだ」

魔法使い「じゃあ、ライトニングボルト撃ちま~す。ダメージは……かなり大きいのキター」

DM「対呪文セービングスロー失敗。電撃がドラゴンの体に直撃し、大ダメージを与えた」

僧侶の魂「おお、だいぶ削られた。これはもしかするといけるかも」

ライノス「俺も当てる。当てた。さあ、盗賊がんばれ。後は、君が伝説の剣で不意打ちし、2倍ダメージを与えてくれれば、この戦い勝てる」

盗賊「そんなん言うなよ。緊張するじゃないか。ええと、不意打ちで命中プラス4、剣のボーナスがプラス1なんだけど、これ対ドラゴンでプラス3になったりしない?」

DM「いや、そういう数値ボーナスはないよ。それでも君の剣はさっきから淡く光り輝いていて、当てさえできれば、ドラゴンに大ダメージを与えられそうだよ」

ライノス「だったら、俺も買ってたら良かったな。今さら言うのも何だけど……」

盗賊「じゃあ修正プラス5で斬りかかる。ダイス目は10。AC2まで命中」

DM「残念。レッドドラゴンのACはマイナス1だ。君の攻撃はドラゴンの鱗を貫通できなかった」

盗賊「あと3、出目が高ければ良かったのに……」

DM「じゃあ、ドラゴンの反撃だ。ドラゴンは奇襲攻撃を仕掛けた盗賊を睨みつけ、全ての攻撃を集中させた。爪、爪、そして噛みつき」

盗賊「ぐはあ(2人目の犠牲者、盗賊死亡)」


 次々とドラゴンの前に散っていく仲間たち。
 それでも、残されたライノスと魔法使いは懸命の応戦をして、ドラゴンのHPを削ろうとします。


ライノス「1D8ダメージの爪はともかく、4D8の噛みつきに当たったら即死だな」

魔法使い「何で、そんな数字を覚えているんですか」

ライノス「いや、覚えていないよ。さっきからDMはオープンダイスで振っているから、きちんと見ていれば分かる話だ」

魔法使い「なるほど。そういうものですか。上級ゲーマーは言うことが違いますね」

ライノス「いや、俺、プレイヤー経験は今日で2回めなのよ。仲間うちでやったらDMばかりやる羽目になってさ、もう、今日はプレイヤーができると喜びまくっていたんだ。まさか、こんな形で死ぬとは思わなかったけど」

魔法使い「そんな。戦士さん。諦めないで下さい。あなたが死んじゃったら、残されたぼくはどうなるんですか?」

ライノス「フッ、D&Dのシステムじゃ、プレイヤーは回避ダイスや防御ダイスは振れないのさ。全てはDMのダイス目次第……」

DM「爪、外れ。爪、外れ。噛みつき、命中」

ライノス「来るべき時が来たようだな。後は頼んだぜ、坊や。ぐふっ(3人目の犠牲者、ライノス死亡)」


 いやあ、当時、こんなハードボイルドっぽい会話をかわした記憶はないですが、まあ、死に際のロールプレイなんだから今の自分なりに格好よく演出したいなあ、なんて思ったり。


魔法使い「みんな死んじゃった。ぼく一人で、もう何もできない」

僧侶の魂「諦めるな。ドラゴンのHPは残り2なんだ」

ライノスの魂「そうさ。俺の剣と、お前さんのマジックミサイルでそこまで削ったんだからな」

盗賊の魂「そうだぜ。最後の一撃、お前が入れてくれれば、俺たちの死は無駄にならねえ」

魔法使い「そんな。もうマジックミサイルだって打ち止めです。もう、ぼくにはドラゴンを倒す力なんて……」

ライノスの魂「お前さんだって、ダガーの一本くらい持っているだろう。それで一突きすれば、HP2ぐらい削りきれる。20面ダイスで20を出せば、ACマイナス1だって当てられる。可能性はゼロじゃない。5パーセントもあるんだ。後は勇気で補え。成功すれば、お前さんは勇者だ」

魔法使い「そんな無茶な。だけど、ようし、やってみます。このダイスに祈りを込めて、うりゃっ」


 こうして、我々の冒険は実ることなく、終わったのでした。
 20面ダイスで20なんて、普通はなかなか出ないのですが、ここぞというところでそれを出すことができれば、まさにヒーローですね。でも、我々の中にヒーローはいなかった、と。


ライノス「ああ、パーティー全滅なんて初めてだよ。これは一生に残る思い出だな。いつか、どこかで語り継ぎたいよ」

魔法使い「ごめんなさい、皆さん。最後の期待に応えられなくて」

盗賊「それを言ったら、悪いのは俺だ。ドラゴンを怒らせたし、美味しいところでバックスタブを決められなかった」

DM「そうなんだよ。あの剣でドラゴンに当てていたら、ドラゴンは激痛に苛まれて戦意を喪失する予定だったんだ。戦士が使っていれば、そこでドラゴンは降伏して、君たちの要求に応じるつもりだったんだけどね」

ライノス「それは、普通、なかなか気づかないよなあ。ショートソードじゃなくて、ロングソードなら買ってたのに」

僧侶「ぼくはレジストファイヤーを覚えていなかったのが悔しいな。戦士さんに言われるまで気付きもしなかったし。次からドラゴンが出る前には絶対レジストファイヤーって覚えておこう。それに、ブレスを使うタイミングを外していたし。あれ、使っていれば、あと2点ぐらい削れたんじゃない?」

ライノス「ああ、それは、俺が先走って殴りかかったから悪い。ルール的には、移動、飛び道具、魔法、接近戦の順番だから、厳密にはルール違反も犯していたしな」

DM「細かいなあ。そんなに詳しいんだったら、DMやればいいのに」

ライノス「だから、普段からDMばかりなんだよ、自分。プレイヤーやりたかったから、今日ここに来たんだ。まさか、こういう終わり方をするとは思わなかったけどさ。本当、今日は新鮮な経験ができて面白かった」

DM「全滅させてゴメン」

ライノス「いや、DMに落ち度はないと思うよ。レッドドラゴンは無茶だと思うけど、解決策も用意していたみたいだし。我々がそれに気付かなかっただけで、みんながそれぞれミスした結果だし、一番辛いのは折角作った設定が水の泡になったDMなんだろうしさ。キャラが生き残れば、キャンペーンも面白くなりそうな設定だと思ったけど、全滅しちゃったから、どうしようもないな」

DM「何だかフォローしてもらって、ありがとう。ところで、魔法使いさんに質問だけど、どうしてファイヤーボールの巻き物を使わなかったのかな?」

僧侶「え、そんないい物をもらってたの? だったら、普通に使っていれば、ドラゴン倒せてたやん。あと2点だし」

魔法使い「え? いや、あるのは分かってたけど、レッドドラゴンに火球なんて通じるの? 炎に耐性ありそうだったし、無効化されると思っていた」

ライノス「無効化はない。普通の火なら無効化だけど、魔法の火ならダメージ半減するだけだ。それでもファイヤーボールの威力なら、最低でも5D6、ダイス目が全部1でも5点ダメージで、半減しても2点で勝ってたな。最後は、ダガーじゃなくて、ファイヤーボールの巻物を使ってたら、確実に勝てた」

魔法使い「うわあ、ごめんなさい(土下座)」


 まあ、そんな感じの反省会も終えて、みんなで和気藹々と食事でもして、気分よく別れたと思うんだけど、その辺の記憶は定かじゃありません。
 その時のプレイの面子とは、多分その後、会う機会はなかったと思うし、会ってもお互いそうと気付かないでしょうね(顔も名前も覚えていないわけで)。
 まさに一期一会の冒険会だったわけですが、もしも、たまたま偶然、NOVAのこの記事を見て、25年前の記憶が喚起された方がいれば、コメントかメールに一報いただければ嬉しいですね。まあ、なかなか有り得ない再会なんでしょうけど、TRPG趣味を継続していれば可能性はゼロじゃない、と思いまする。
 もちろん、「自分はそんなことを言っていない」とか「ライノス、美化しすぎ」とか「自分はその場にいて、エルフかドワーフその他を演じていたのに、綺麗さっぱり忘れやがって、この野郎」ってツッコミがあれば、まあ、25年前だし、時効だと思って、大らかに対処してくれることを願いつつ。