ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

今度は、ドワーフの話

 前記事で、エルフのことをいろいろ書きつづったので、今回はドワーフ、次回はハーフリングのことを書きつづってみる。

 

 ところで、前回、エルフのことを剣と魔法が両方使えるということで、多芸で便利だけど、成長の遅さなどに起因する打たれ弱さから、戦士に代わって前衛に立たせるには不向き、という内容のことをいっぱい書いてきたのだが、

 後から考えて、これを一言で説明できる素晴らしい言葉を思いついた。

 

 

 要するにエルフって、「サマルトリアの王子」。

 もちろん、サマルトリア王子は、HP回復のホイミや毒消しのキアリー、復活のザオリクなど、いわゆる僧侶系の呪文も覚えるので、あくまで魔法使い系の魔法しか使えないエルフとは異なってくるだろう。厳密に考えるなら、サマルトリアの王子は「エルフ+僧侶」と見なすべきだが、この段階のドラクエでは、魔法使い呪文と僧侶呪文の区分ができていないので、その点は不問とする。

 その上で、サマルトリア王子の打たれ弱さや、戦士としての能力の当てにならなさは、ドラクエ2をプレイした者には説明するまでもないだろう。そして、クラシックD&Dのエルフに対するNOVAの認識も、それと同じなのである。

 確かに、いたら便利だし、メンバーが3人ならいないと不便。

 だから冒険中にサマルトリアのクッキーやら、すけさんやらが死んじゃって、世界樹の葉を浪費してしまった際に、もう一度、世界樹の葉を摘みに戻らないといけなくもなる。

 まあ、最近の、というかSFC以降の改訂版2では、ムーンブルクの王女ザオリクが使えるようになってるので、王女が健在なら、死んじゃったサマルトリアを復活させるのも簡単になっているんだけど。

 

 

 ともあれ、「エルフがいれば戦士は必要ない」という主張は、「サマルトリア魔法戦士なのだから、彼がいればローレシア脳筋王子なんていなくても十分やっていける」と主張するのと同レベルの暴論、と、ご理解いただければ、前回の記事の趣旨がうまく伝わったということになる。

 

★ここからドワーフ

 さて、エルフに対するおさらいが済んだところで、ドワーフだ。
 髭ダルマっぷりが長らく不人気というか「親父キャラが好きか嫌いか」で大きく評価が変わるわけで、まあ、美形に憧れるお子様世代とか女性ならエルフ好きで、頼れる年配男の魅力に気づいて演じてみたい派、まあ、ランバ・ラルなんかに憧れる、普通に酒など飲める通なマニアはドワーフ好きになるのかな。

 他には、ハイホーハイホーのディズニー版白雪姫の小人……に憧れる人はあまりいないと思うけど(可愛くて好きという人はいるだろうけど)、
 タイムボカンシリーズ3悪のたてかべ和也キャラ(ワルサーとかトンズラーとかドンジューローとか)、
 最近、センター試験でもムーミンと一緒に話題になった『小さなバイキング ビッケ』のヒゲ面海賊親父たちとか、
 もっとメジャーな『風の谷のナウシカ』に出てくる風の谷のヒゲのおじさんたち(ユパ様は少しイメージが違う。ミトとか、その辺)、
 そして、野球マンガでしばしばキャッチャー役をやらされそうなデブ巨漢(ヒゲキャラは少ないけど)、大体、日本でのドワーフのイメージといえば、80年代ではこんなところだったと思う。

 日本ではヒゲマッチョが主人公になる少年マンガなどまずなかったし(『火の鳥 鳳凰編』など探せばなくもないけど、少数派なのは確か。ところで、ドラえもんはヒゲダルマ枠には分類できるかも、と思うけど、あれは西洋ファンタジー的には、ドワーフよりもノームの方向性かな、とも思ったり)、
 柔よく剛を制すの精神からパワー系よりも俊敏系の方が愛されがち。パワー系キャラは主役、クールな痩せ型に続く、3番手に配置されて、そういう「気は優しくて力持ち」な主人公といえばドカベン山田太郎ぐらい、という風潮が長らくあった。
 そもそも、日本文化では、ヒゲは無精なので剃れ、という風潮だし、ヒゲダンディーを気取れるのは、サラリーマン社会とは無縁の自営業か、それを売りとする役者か、企業内でも発言力の高い古株、年配の方ぐらい。まあ、ヒゲに威厳を感じる相手には有効だけど、チャップリンやヒゲダンスなどのコミカルなイメージにもつながるという、複雑な個性演出装置である。
 なお、博識の博士キャラや、魔法使いキャラを演出するのにも有効。年配とか年寄りキャラの象徴だったりも。


 って、ドワーフではなく、ヒゲの話に流れてるよ。
 とりあえず、美形のエルフに比べると、やや不遇な扱いが目立ったドワーフだけど、「いや、ドワーフだって美形がいる」と近年示したのが、この作品。



 もう、この映画を見ると、ドワーフだって定番のヒゲ親父以外にも、いろいろなキャライメージがあっていい、ということを主張できるよね。

 昔は、ドワーフといえば斧とかハンマーって常識があって、「いや、D&Dでは剣の方が有利だから、ぼくのドワーフは剣を使うよ」などと主張すれば、マニアな人に「なに? ドワーフが剣を使うなど、ファンタジーを分かっていない証拠だ。ドワーフは斧。剣と同じD8ダメージだけど、両手使用だから盾は持てない。それでも押し通すのがドワーフ道」とかご無体なことを言われたりして、それに対して、「いや、D&Dの原形イメージである『指輪物語』の前編に当たる『ホビット』だって、トーリンは名剣オルクリストを使っていたじゃないか。ドワーフが剣を使って何が悪い」と理路整然と主張できる人がどれだけいたか。

 なお、仮にトーリンを例に挙げたとしても、マニアな人は「『ホビット』は子供向けの童話だからね。モデルにするなら、『指輪』のギムリを参考にすべきだよ。ロードスのギムだって、斧を使ってるだろう? やはり、斧が王道なんだよ。ドワーフが剣を使うのは、有利さだけを求める子供の考えでしかない。剣を使いたければ、ドワーフじゃなくて普通の人間の戦士をやればいい。わざわざドワーフを選んでおきながら、剣を使いたいなんて変じゃないか」と主張していたもので、

 D&Dのドワーフは、ルール上、普通に剣(時に、スォードとおかしな表記の場合もあったが)を使えるにも関わらず、
 さらにベーシックルールのキャラ例一覧には剣持ちドワーフが挙げられているにも関わらず、
 付け加えるに、D&Dではマジックアイテムとして剣の出現率が他の武器よりも圧倒的に高いにも関わらず、

 何だか、ドワーフは剣を使っちゃいけないという風潮が、ジャパニーズ・ファンタジーの文脈では生まれてしまったのですな。これはSNEとかのリプレイの影響力が悪い方に出ちゃって、ドワーフに茨の道を進ませたんじゃないか、とも思う。一人ぐらい「剣を扱うドワーフキャラ」が登場していれば良かったんだけど、ことSNEの社長がドワーフを愛することで有名な御仁であっただけに、そのこだわりがドワーフに不遇な道を歩ませる遠因になったのは、いささか皮肉な話である。


ドワーフの性能

 さて、いささか小ネタ。

 前回、ぼくはエルフ=剣と魔法のベストマッチで、仮面ライダービルドに相当、という、多分ここでしか見られない珍説を唱えてみた。
 すると、ドワーフは何に相当するか。ヒゲ……何だ、げんとくんか(あっさり)。

 まあ、ローグはクロコダイルフルボトルで変身するからなあ。
 クロコダイル→クロコダイン→斧使い→ドワーフ。よし、つながった。
 ああ、だからローグはビルドのライバルなんだな。ドワーフとエルフが仲が悪いように。
 だけど、ギムリレゴラスが終生の友になったように、げんとくんが戦兎と和解する日が来ることを、NOVAは願っているぞ。いや、マジで。


 閑話休題
 基本的にドワーフは、戦士の上位バージョンである。

 それが証拠に、レベルアップに要する経験値が戦士の1.1倍。戦士が2000EXPでレベル2になるのに対し、2200EXP要する。最大レベルの12になるのに要するのは66万EXP。戦士だと60万EXPで12レベルなので、大体、安定して1.1倍となっており、途中、微妙に異なる数字も端数を適度に処理して扱いやすくした程度(32,000→35,000など)。

 エルフの場合は、基本、戦士の2倍を要するので(後々、もっと格差が開くが)明らかに性能が上という扱い(その分、成長が遅くなって、HPが伸び悩む)。
 一方、ドワーフは性能が微妙に上。ただし、前述の「ドワーフは有利な剣を使うべきではない」という風潮のせいで、不利な扱いを受けてきたわけだが、実際に戦士にできて、ドワーフにできないことはあまりない。体のサイズのために両手剣と長弓が使えないことと、デミヒューマン特有の最大レベル格差ぐらいである。まあ、「剣の使用が推奨されない呪い」のせいで劣化戦士のような扱いを受けてきたわけであるが。


 で、ドワーフが有利な特徴は「明らかにセービングスローの判定値が良好で、毒や竜の息、魔法などに対する抵抗力が高い」「エルフ同様、闇の中でも目が見えるインフラビジョンが使え、ダンジョン探索に有効」「エルフと違う種類の異種族言語が話せ、ゴブリンなどから情報を聞き出せる」などなど。

 そして、何よりもドワーフが最も有利に立ち回れるのが、3分の1の確率で、ダンジョン内の種々の仕掛けを見破れること、だと考える。エルフが3分の1で隠し扉を見つけることができるのに対し、ドワーフははるかに幅広い調査活動が行える。
 ただし、これは日本語の訳語のまずさもあって、有効に活用されにくかった感じ。

1. 「ぬかる道」って何よ。むちゃくちゃ悩んだじゃん。「抜け道」つまり「隠し通路」のことだと知ったのはずいぶん後の話。それまでは、「ああ、地面がぬかるんでいるか、湿り気が分かるんだな。でも、それって何の役に立つの?」という受け止め方だった。

2.「動く壁」はストレートでいいんだけどね。

3.「作りたての構造」は、訳の問題ではないけど、イメージが湧きにくいね。
 たとえば古代遺跡とかがあって、「ドワーフさんの見立てによると、ここは昔、舞踏場(ダンスホール)として設けられた施設みたいだ。つまり、昔の貴族の邸宅か何かだったんじゃないかな」と、DMの方からある程度は積極的に情報開示してあげるといいように思える。いちいちプレイヤーの方から、「ここは昔、何に使われていたか気づくかな?」と宣言して、1ターン(10分)を消費するようなプレイは、日本ではあまり推奨されてこなかったわけだし。
 多分、アメリカ人の初期のRPGゲーマーは、それこそ丹念に壁の一つ一つを叩いて、何か隠されていないかチェックしながら、ダンジョン探検を進めて行ったのかもしれないけど、どちらかと言えばストーリー展開を重視する日本のRPG環境では、そういう無駄に時間ばかり食う探索ゲームは楽しみの本質じゃない、という扱い。
 とりわけ、ドワーフは調べられることが多いのに、それら全て(4種もある)を調べるのに4ターン(40分)かかるとあっては、そんな物わざわざ調べてられるか、となる。しかも、そういうルールってDMルールにしか書いてなくて、プレイヤールールの方では「罠、スライドする壁、傾いた通路などの特殊な設備を見破ることがある」と比較的分かりやすい表現でありながら、記述が曖昧な感じで、罠の調査以外は能動的に活用しにくい感じ。

 どちらかといえば、DMのほうから、積極的にドワーフさんに能力の使用を働きかける必要があったのかも。


DM「ドワーフさん、知恵(WIS)で判定してみて」

ドワーフ「ムッ、この部屋には何かあるのか? 判定は成功したぞ」

DM「では、君のドワーフの建築家の勘にビンビン響いてくるものがあるよ。どこかにスライドする壁があるんじゃないかってね」

ドワーフ「うむ、そこまで言われては調べないわけには行くまい。部屋中の壁を確認するぞ」

DM(判定して成功)「はい、分かった。奥の壁が明らかに動くようだ」

ドワーフ「さすがは、わしの勘に狂いはなかったわい」

 あるいは

DM(判定して失敗)「何かおかしい気はするんだけど、はっきりこれだなっていう証拠が見つからないね」

ドワーフ「ムムム。仕方ない。おい、エルフ、お前さんも調べろ。隠し扉なら、探せるだろう。何、分からんだと? そりゃそうか、わしに分からんものが、エルフなんぞに分かると思ったのが間違いだったのだ。仕方ない、そこら辺にいるゴブリンでも尋問して、この部屋の仕掛けを洗いざらい吐かせてやるとするかの」


 こんな感じで、要するにダンジョン内の仕掛けを、ドワーフキャラを通じて明らかにするのに活用すると、結構使える能力になっていたんじゃないか、と。
 割と、日本のRPG環境って、本国の「DMの用意した罠やダンジョン内の仕掛けを、きちんとした調査で探索し、DMの挑戦を切り抜けていく対決型プレイスタイル」(市販のダンジョンシナリオでも、明らかにそういうチャレンジングなキルダンジョンがあったり)に比べると、「DMと協力して、自分たちの冒険物語を生み出していく方向性」が重視されていたわけで。
 そうなると、ドワーフの探索能力も、「DMの仕掛けを対立的姿勢で見破る」ことよりも、「DMの方から誘導して、ダンジョンの隠れた作りを見つけるヒントに使う」ことに活用した方が良かったんじゃないか、と今さらながら思う次第。

 そして、ドワーフの探索能力の最後の1つ。

4.「罠」の発見。
 これを有効活用したドワーフプレイヤーがどれだけいたか。

 罠といえばシーフ(盗賊)というイメージがこびり付くと、もう全部シーフに任せればいい、という気になって、ドワーフの優秀さが埋没してしまったような感じ。だって、ドワーフの罠発見って3分の1で成功するんだよ。一方、1レベルシーフの罠発見成功率はわずか10%。どちらが優れているか、問うまでもないですな。ちゃんと比較対照さえすれば。

 なお、シーフは成長によって、罠発見の確率が向上する。それでも1レベルにつき5%ずつだから、ドワーフの3分の1(約33%)を越えるためにはレベル6まで育たないといけない。
 逆に言えば、ドワーフは最初から6レベルシーフに近いほどの罠発見能力を持っているんだぜ。やるじゃん、ドワーフ

 まあ、げんとくんだから仮面ライダーになる前は、ハザードレベルの向上はなかったんだけど、最初からそこそこ優秀な能力を持っていたわけだよな。もちろん、仮面ライダーがどんどん成長してハザードレベルを高めることで、成長できないげんとくんは置いてきぼり状態だったのだけど、ナイトローグから仮面ライダーのローグさんに転職すると、おお、強くなったでござる。
 ローグって、3版以降の新世紀D&Dの盗賊系キャラのことだから、要するにただのコウモリドワーフだった幻徳さんが、きちんと訓練を受けて成長できるローグになったわけですな。
 すると、次のマッドローグって何? ただの気の狂ったローグって思ってたんだけど、もしかするとマッドはMUD、すなわち泥の意味かもしれないな。つまり、泥ローグ。何だか、ますます泥棒っぽく思えてきて、げんとくんの泥をすすってでも野心のために生きるアウトロー街道まっしぐらって想いが込み上げてくるぞ。

 って、ローグの話じゃなくてドワーフの話だった。まあ、ぼくにとってはドワーフすなわち、ヒゲのげんとくんなんだから、しっかり(無理やり)つながっているんだけどさ。


 つまり、何が言いたいか、と言えば、ドワーフは限定的ながら、シーフの罠発見の能力が結構なレベルで使えるということ。
 以前、誰かのコメントで「3人パーティーなら、エルフ、僧侶、シーフで十分」という意見があったんだけど、これもNOVAは反対の立場。だってHP的にあまりにも心許ないんだぜ、これ。3人しかプレイヤーがいないなら、シーフを外してドワーフを入れておけ、ってのがNOVAの意見。これで安定した前衛が確保できる。

 え、それじゃ鍵のかかった扉が開けられない? そんな物、斧で扉ごと粉砕してしまえばいい。

 忍び足ができない? する必要があるか? 他の2人がしっかり鎧を着ているなら、正面突破した方が手っ取り早い。

 宝箱の罠が外せない? ドワーフが宝箱ごと壊してやるぜ。え、毒ガスの罠? ドワーフの対毒抵抗をナメるな。

 そもそも、冒険の旅にシーフが絶対に不可欠という認識がおかしい。最初のオリジナルD&Dにはシーフなんていなかったんだぜ。後から追加されたキャラクタークラスなんだ。
 とにかく、冒険に必要な機能として「前衛戦闘能力に加えて、魔法使い呪文、僧侶呪文、盗賊能力を加味したパーティー」と、またまた机上の空論で考えたようだけど、「肝心の前衛がHP的に不安が残るのに加え、メンバーが少ないのにシーフなんてお荷物を抱えてしまっている」のが問題。シーフはしっかり前衛が機能していて、その影に隠れて隠密行動できるから役割を果たせるのであって、3人だけなら全員がしっかり戦えないとダメじゃん。
 それでも、どうしても盗賊能力が必要だ、ということなら、それだけをするNPCを雇ってしまえばいい。要するに、人間鍵開け器とか、人間罠解除装置とか。


 もちろん、ドワーフが発見できる(仕掛けを見切れる)罠ってのは、ダンジョンの通路に仕掛けられたような大型の罠に限られる(落とし穴とか、吊り天井とか、壁に埋め込まれた仕掛け矢とか)。扉や宝箱に付いたミニサイズの罠までは専門外ということだけど、どうしても必要なら、僧侶が「ファインドトラップの呪文」を覚えていればいい。もしも、その呪文を覚える余裕がない低レベルなら、大丈夫、シーフだって成功率が低すぎて大した仕事ができないし。


 そんなわけで、NOVAにとってドワーフとは、単に打たれ強い(武器に一部ハンデを負った)戦士というだけでなく、一部のシーフの仕事を代行でき、ダンジョン探索のエキスパートとも言える「使いようによっては、相当に役立つ」強キャラなのである。
(完。次回、ハーフリング編につづく)