ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

忍者の話

@名もなく地位なく姿なし

 

 

アスト「どうやら、このブログ時空は忍者について語ることが旬らしい」

 

リバT『やはり、影の頭領が亡くなった以上は、忍者について語ることが今、求められていることでしょうからね』

 

ダイアンナ「あたしはその御仁のことをよく分かっていなかったんだが、調べれば調べるほど日本の実写アクション界において、多大な貢献を遺した人物であることが分かった」

 

アスト「本人の名優ぶりもさることながら、JAC(ジャパン・アクション・クラブ)の創始者という点で、多くの弟子を育成したというのが大きいな。日本のヒーローアクション界では、1964年に設立された大野剣友会が老舗で、次いで1970年に旧JACが設立。その2社が特撮界では有名だが時代劇風の所作や剣劇、見栄張りなどの得意な剣友会と、トランポリンやワイヤーアクションを駆使したアクションの得意なJACという住み分けがあって、80年代までだと、仮面ライダーの剣友会と、スーパー戦隊JACという印象か。ただし、80年代に入ると宇宙刑事ギャバンを始めとするメタルヒーローJACの担当となり、剣友会の仕事はスケバン刑事からインディーズ方面に規模を縮小している感だが」

 

リバT『剣友会は、仮面ライダー秘密戦隊ゴレンジャーのシリーズ創始番組の型を作ったという意味で、大きな役割を果たしたと言えるでしょうね。他に有名なアクション会社だと、空手家俳優で有名な倉田保昭さんが1976年に立ち上げた倉田プロモーションがあって、かつては坂本浩一監督も所属していたそうですが、監督が渡米したことで脱退。その後、坂本監督はパワーレンジャーで海外の戦隊ヒーロー躍進に力を注いだ後、そちらで設立したアルファスタント(ロサンゼルス本部)を2003年に日本に拠点を移して、ハリウッドと日本の往復をしているそうですね』

 

ダイアンナ「ああ、アクション界も国際化しているんだな」

 

リバT『90年台のパワーレンジャーブームとかを始め、ゴジラとかポケモンとか日本発のキャラクターが海外で注目されることが多くなりましたからね。80年代以前と比べて、海外との業務提携におけるノウハウが確立されていったとか、インターネットの発達によって以前よりも連絡が取りやすくなったとか、国際文化交流の障壁が緩和されたのも大きいか、と。一方で、日本のアクションドラマの需要が減って、国内で小さなパイを奪い合うよりも、海外での方が商機を見出しやすくなったのもあるようですね。もちろん、それ以前から海外で日本文化を伝え続けた千葉真一さんや藤岡弘、さんといった方々の活躍も見過ごせないところですが』

 

ダイアンナ「開拓者たる先人がいたからこそ、後に続く者の道が開けたわけだな」

 

アスト「70年代だと、日本で戦っていた仮面ライダーがショッカーの世界での活動を追って、後輩に日本の平和を任せて、海外で人知れず戦っているという物語設定も多かったが、現実のアクションスターも同じことをしていたと思うと感慨深いぜ」

 

リバT『もちろん、忍者俳優として有名なショー・コスギさんの活躍などもあってのことで、黒澤映画でお馴染みの三船敏郎さんが剣豪として海外のマニアに日本のサムライ文化のイメージを植え付けたように(そこからスターウォーズジェダイの騎士に受け継がれるのは有名な話)、D&Dの世界にサムライやニンジャといった東洋モチーフの職業が存在するのも、往年のアクション映画の影響が大きいわけですね』

 

@ゲーム界における忍者


アスト「D&Dで初めてニンジャやサムライという東洋風キャラが公式製品として発表されたのは、1985年のAD&Dサプリメント『オリエンタル・アドベンチャー』だと思うんだが(それ以前にサポート雑誌で掲載されていた可能性を除く)、その前にウィザードリィの上級職で採用されたのが印象強いんだよな」

リバT『サムライは魔法使い魔法が使える戦士で、最強の剣として名高いムラマサを唯一使える職業でした。ニンジャは盗賊の上級職で、一撃必殺のクリティカルヒットで相手の首を刎ね飛ばしたり、装備を身に付けない方がレベルアップによってAC(防御力)が良くなるという特性によって覆面だけ付けた裸忍者というネタが4コママンガで見られました』

ダイアンナ「まるで変態仮面じゃないか」

アスト「実はショッカーの戦闘員の黒覆面スタイルも、時代劇の斬られ役の敵忍者をイメージしたものだという説が一つ。最初は赤と青のペイントを塗ったり、ベレー帽をかぶったり、いろいろなスタイルを模索していたんだが、やがて黒覆面と黒装束の忍者風味な下忍スタイルが確立する」

リバT『仮面ライダーの物語も、いわば組織の裏切り者である抜け忍ものを踏襲していますし、敵怪人の能力も正々堂々と戦うサムライではなく、奇襲・暗殺・妖術などに長けた忍者風味ですからね。上忍たる怪人と、下忍たる戦闘員と考えれば、ライダーのイメージソースの一つに古典的な忍者ものがあったことは間違いないか、と』

アスト「大体、仮面ライダーのメイン脚本家の伊上勝さんは、敵の忍者集団と戦うアクション活劇『隠密剣士』を60年代に書いた人で、同作は実写映像における忍者のイメージをいろいろ作り上げた作品としても重要で、その後の『仮面の忍者 赤影』などを経て、その要素もライダーに受け継がれるわけだな。例えば、忍者が煙玉を投げたり、霧を発生させてドロンと姿を消すとか、卍型の手裏剣とか、逆手に刀を持つスタイルとか、大凧に乗るとか、後年の忍者アクション物のルーツとも言えよう」

リバT『そして、その隠密剣士および新・隠密剣士の後番組が、ウルトラQになって、忍者ブーム→怪獣ブームに流れるわけですね』

アスト「で、怪獣→妖怪ブームと、スポ根ブームが合わさって、70年代の仮面ライダーになるわけだが、その後はロボットおよびメカアクション、および空手ブームに流れて、70年代後半からUFOや宇宙SFブーム、秘境探検ブームを経て、スピルバーグ映画が時代の牽引役になったのが80年代かな」

ダイアンナ「80年代の半ば頃からは、ファミコンの時代が来て、ドラクエなどのファンタジーRPGブームに入っていくんだな」

アスト「その間に、忍者はアクションの定番モチーフとして、いろいろな作品に取り込まれていく流れだな。美少女アクション+忍者で『スケバン刑事3』になったり、忍者+SFメカロボで『忍者戦士飛影』になったり、忍者ライダーのZXとか、ダイナブラック、イエローマスクなど戦隊メンバーに忍者が参入したり、『世界忍者戦ジライヤ』がメタルヒーローの枠に入って来たりして、90年代になると勇者ロボの仲間に忍者枠が定着したり、忍者戦隊カクレンジャーが登場したりする中で、ウィザードリィに次いで、いち早く忍者に注目したのがファイナルファンタジーだ」

ダイアンナ「忍者ハットリ君は?」

アスト「それも重要な作品だが、コミックやアニメを入れるとキリがないので、今回は割愛だ。そして、来年2022年の仮面ライダーは、仮面ライダーシノビが予定されている。つまり、リバイスの後番組はシノビというのが、ジオウ世界における公式設定なんだが、時空が少し乱れると簡単に未来が変わるのが現状だからなあ。きっと、来年の今ごろは『えっ? 次のライダーはシノビじゃなかったのか? フッ、オレの知る未来とは違う時間軸に変わったようだな』とつぶやくライダーマニアが出現するはず」

リバT『来年の話はさておき、ファイナルファンタジーに話を戻すと、第一作で初登場し、第三作の最強ジョブがニンジャだと言われていますね』

アスト「第一作は弱いキャラのシーフがクラスチェンジすると忍者になるんだが、元が弱いのがマシになった程度の強さ。ところが、FF3の忍者になると、物理攻撃最強職の伝説があるな。その後、FF4のエッジが二刀流+忍術+盗むを駆使した忍者とシーフの特徴を備え、最強技の投げるも使いこなす強キャラ。FF5のジョブだと、二刀流アビリティを他のジョブにも付けることが可能なので、育てる意味が大きいな。とにかく、手裏剣を投げたり、分身したり、独自のアクションが人気な職業だ」

ダイアンナ「ドラクエには、忍者はいないのか?」

アスト「少なくともプレイヤーキャラが転職できる職業としては、実装されていないみたいだ。レンジャーの職業解説で『忍者みたいなもの』と言っていたり、オンラインゲームのXで忍者装束が発売されていたり、ダイ大のアバン先生主役のコミックでマァム母が忍者っぽい姿で戦っていたりはするが、盗賊はいても忍者と称されるキャラはいないのが現在のドラクエだ。忍者装束や、ニンジャカッターという名のブーメランが登場するドラクエ外伝ゲームもあるので、もしかすると世界のどこかに隠れているのかもしれないがな、忍者だけに」

リバT『FF世界にはニンジャもサムライもいるけど、ドラクエにはどちらもいない。ドラクエ世界において、和の文化を受け継いだ国はヤマタノオロチやヒミコ様のいるジパングぐらいで、巫女はいても忍者はいないのかもしれません』

ダイアンナ「まあ、そのうち、ひょっこり採用されるかもしれないな。ラクシアのドルイドみたいに」


@D&Dニンジャ


アスト「それで、D&Dにおけるニンジャの資料をあれこれ探してみたんだが、NOVAの手持ちにはあまりなかったみたいだ」

ダイアンナ「何だと? だったら、ここまでの前置きは何だったんだ?」

アスト「いや、あまりなかったというだけで、全くなかったわけではないんだがな。一応、3版の『冒険者大全』にニンジャを発見。ただ、それは上級職ではなくて基本職だな。盗賊の上級職という意味では、忍者に似た職業としてアサシン(暗殺者)が設定されていて、これは3版以降、おなじみの職業になっている。今回の記事も、アサシンもニンジャに含むということであれば、記事1つでは到底収まらない分量だ」

ダイアンナ「なるほど、忍者は暗殺者の一つということか」

アスト「ただ、5版のルールブックによれば、もう一つ、はっきり忍者と呼称される職業があってだな。そちらも紹介してみたいと思う」

ダイアンナ「忍者といっても、いろいろなスタイルがあるということか」

アスト「ああ。東洋の武闘家モンクが、今のD&Dでは忍者の道を専攻できる職業クラスになっている。レベル3になったモンクは3つの門派のどれかを選択するんだが、素手戦闘の達人で明鏡止水まで習得できるのが『開手門』、四大元素を操る術技に長けたのが『四大門』、そして隠密行動に長けた忍者らしい道が『暗影門』と呼ばれる門派だ」

リバT『つまり忍者は、盗賊の上級職という解釈と、東洋武術の一派という解釈があるわけですね』

アスト「戦士の上級職にサムライがある一方で、忍者の解釈はD&Dの版によって結構、違いがあるようだ。日本の常識だと、忍者にはいろいろな流派があって、その流派ごとに扱う忍術が異なって……忍者というテーマだけで一つのゲームが成立するほどだが……」


アスト「D&Dの世界でも、面白い設定がいくつも見られて、とあるシナリオだと『忍者王国』とか『忍者教団』とか『忍者姫』という用語が続出するらしい」

ダイアンナ「まさか、忍者が国を築いているとは!?」

アスト「日本だと、せいぜい隠れ里って感じで、忍者の王さまと言うだけで???という反応なんだろうがな」

リバT『お頭(かしら)はいても、王さまはいないですよね』

アスト「キング・オブ・ニンジャとか、クノイチ・プリンセスとか、テンプル・オブ・ニンジャってイメージが普通なんだろうな、海外では」

ダイアンナ「まあ、日本でもゲルマン忍者というものがいるわけだし、悪魔六騎士の中にもザ・ニンジャがいるわけだし、宇宙忍者というのもあるわけだから、忍者が国を築いても、教団を経営しても、それはそれでありなのではないだろうか?」

アスト「『世界忍者戦ジライヤ』を認めるなら、どんな忍者が出ても許容範囲と考えるべきだという意見もあるがな」

リバT『そう考えると、ニンジャという単語は何につなげても違和感を伴わない汎用性の高さが売りかもしれませんね。例えば、アイドル侍だと違和感がありますが、アイドル忍者には納得できるものが』

ダイアンナ「スモウ侍とか、侍神官、侍バナナには違和感があるが、スモウ忍者、忍者神官、忍者バナナ……確かに変かもしれないが、忍者だからそれもありかも、と思えてくるか」

アスト「侍は割と正統派で王道っぽいのに対し、忍者は王道も邪道もありというか、何にだって化けられるというイメージか。例え、舞台の上で脚光を浴びて『忍んでないじゃないか!?』とツッコミを入れても、『それは表の顔で、正体は影に生きる者。人前で目立つアイドルが実は忍者だとは誰も思うまい』と言われたら、何だか説得力がありそうだ」

リバT『そんなわけで、ソード・ワールドの数多い名誉称号ワードから、忍者と引っ付けて違和感がありそうな単語をいくつか考えてみました。自然忍者、表忍者、麦忍者と言ったところでしょうか。割と素朴系とは相性が悪い感じですね』

ダイアンナ「素朴系といえば、飲み物で麦茶とかかな。うん、確かに麦茶忍者、烏龍茶忍者、マックシェイク忍者はイメージしにくいな」

アスト「麦茶侍、烏龍茶侍、マックシェイク侍……うん、こっちはマックシェイク以外だと、行けそうな気がする」

ダイアンナ「食べ物だとどうなるかな。忍者カレーと、侍カレー、どっちが食べたい?」

アスト「忍者カレーは何が入っているか分からないから、侍カレーの方がマシかな」

ダイアンナ「食べると、あまりの辛さに切腹したくなる」

アスト「どんなカレーだよ!? だったら、忍者カレーを食べたら、どうなるんだ?」

ダイアンナ「あまりの辛さに着ている物を脱いで、全裸になりたくなる。正にウィザードリィ忍者の真骨頂」

アスト「ろくな選択肢じゃねえな。とにかく、忍者の汎用性の高さはさておき、D&D3.5版のサプリメントにあったニンジャの紹介をしておこう。まずは、この公式ページが参考になるな」

https://hobbyjapan.co.jp/dd_old/news/cad/0501_03.htm

アスト「ニンジャの能力は、ローグ(盗賊)と比べるとイメージしやすいが、まずHPはどちらもD6で同じ。技能ポイントはローグが8点基準なのに対し、ニンジャは6点基準でレンジャーやバード並み。習得できる技能はローグ29種類に比べて、ニンジャは20種類で、技能の多彩さではローグに及ばないと言ったところか」

リバT『ローグにあってニンジャにないのは、威圧、解読、鑑定、偽造、芸能、交渉、職能、縄使い、魔法装置使用などですね。一方、ニンジャの得意なのは精神集中です』

アスト「精神集中は、魔法使いが呪文の発動時に攻撃を受けたりして、発動が邪魔されるのを耐える技能なんだが、他に解錠や罠外しなどの作業に専念するとかにも使える。まあ、3版は兼職が容易なシステムだから、もしもローグの技能が欲しければ、1レベルだけつまみ食いして、芸能忍者とか、職能忍者に身をやつすことも可能なんだが」

ダイアンナ「ニンジャだけだと楽器演奏はできないけど、ローグを兼職することで歌って踊れるニンジャにもなれる、と」

アスト「ローグやバードの長所は、習得できる技能の多彩さだからな。ニンジャは割とローグみたいなこと(隠密系、運動系、情報収集系、手練系など)が自前でできるんだが、知識系とか一般職能系に欠けている。言わば、ニンジャの修行だけだと世間知らずで日常生活に支障が出るんじゃないかなあ」

ダイアンナ「鍛冶屋に変装しても、鍛治仕事はできないニンジャとかか」

アスト「言わば、表の稼業に必要な技能をローグで習得するとか、そういう育成方法が3版では推奨されたわけだ。まあ、クラス外技能も技能ポイントを倍消費すれば習得できるから、わざわざ兼職しなくても鍛治仕事をかじる程度ならニンジャ専業でもできなくはないんだけどな」

リバT『3版は最も育成自由度の高いD&Dでしたからね。2版までだと、この職業はこれができないが仕方ないという時代でしたが、3版以降は副業の習得とか、自分のキャライメージに合わせて好きにできる。ただし、それが有利かどうかは組み合わせた相性次第というわけで』

アスト「趣味に走るあまり、無駄に経験点を浪費して弱いキャラになったりもするわけだが、そもそもニンジャというキャラが実用性よりも趣味に走った存在と言えるからなあ」

ダイアンナ「弱いのか、ニンジャは?」

アスト「鎧が装備できないんだ。まあ、モンク同様に、敏捷力に加えて判断力ボーナスを加算でき、さらにレベル5ごとにAC +1ボーナスが得られるので、成長すれば回避力が高まって重武装戦士にも決して引けは取らないんだが、打たれ強さとか、魔法の鎧の特殊能力は得られないわけだ」

ダイアンナ「避けるけど、打たれ弱いということだな」

アスト「次にニンジャの特殊能力で、『“気”の力』というのがある。これは意志セーブにボーナスが加わる他、5種類の忍術パワーを習得することが可能になる。気ポイントを消費する特殊な魔法みたいなものだな。まずレベル2で使えるのが幽遁の術。いわゆる透明化だ」

ダイアンナ「いきなり、2レベルで透明化だと? 魔法の透明化は何レベルだ?」

アスト「D&Dだと、3レベルの魔法使いがインビジビリティの呪文(呪文レベル2)を使えるな。ソード・ワールドに比べると飛行や透明化のハードルは低いわけだが、とにかくニンジャはいきなり姿を消せる。物陰に隠れる技能じゃなくて、いきなりパッと消える魔法みたいな能力が忍術なわけだ。それをもって急襲攻撃を仕掛けて、ダメージボーナスを加算することも可能」

ダイアンナ「パッと消えて、背中から斬ることもできるわけか。さすがはニンジャ、汚い」

アスト「なお、レベル10ニンジャは幽遁の術が強化され、ただの透明化だけでなくエーテル化が可能になる」

ダイアンナ「エーテル化?」

アスト「要するに幽霊みたいに実体を持たないモードになるってことだ。こうなると、我が身すでに空なり、となって、そのラウンドの間は一切の物理攻撃を受けなくなる」

リバT『影のお頭のセリフは「我が身すでに鉄なり」で、空になるのは我が心なんですけどね』

ダイアンナ「実体を持たないエーテル体のニンジャを斬るには、魔法の力とか特殊な武器が必要ってことだな。とにかく、雑魚の攻撃は効かない、と。さすがはニンジャ、汚い」


アスト「気パワー第2弾。レベル6になると、気回避の技を会得して、命中したはずの攻撃を20%の確率で失敗したことにできる。いわゆる空蝉とか残像だったということにできるわけだ」

ダイアンナ「スパロボにおける分身回避みたいなものか。まあ、5回に1回は攻撃無効と」

アスト「これがレベル18になると、上級気回避になって回避確率50%になって、正にスパロボの分身回避そのものだ」

ダイアンナ「攻撃が当たらないとは、ニンジャ、恐るべし」


アスト「気回避と上級気回避で2つ分になるので、次は気パワー第4弾なんだが、幽撃の術。エーテル体とか非実体の敵にダメージを与えられる他、自分がエーテル体の時に物質界の敵にダメージを与えることも可能。レベル8で覚える技だ」

ダイアンナ「ああ、そうか。自分がエーテル体になると、通常の物理攻撃は効かないんだが、逆にエーテル体から物理ダメージを与えることもできないわけか」

リバT『幽霊に攻撃は当たらないけど、幽霊からも物理攻撃は仕掛けられないんですね。お互いに体をすり抜けてしまいますから』

アスト「特撮の戦闘場面でも時々あるな。半透明化した敵モンスターが、一方的に攻撃を仕掛けてくるとか。まあ、その場合、火炎や冷気ガスを噴出したりして魔法的なエネルギーで攻撃してくるんだが、たまに物理的に一方的に斬りつけてきて、ヒーローピンチって演出もある。幽撃の術だとそれもできるわけだ」

ダイアンナ「相手は自分を攻撃できないのに、自分の方からは一方的に攻撃できる。さすがはニンジャ、汚い」

アスト「まあ、その攻撃のために気ポイントを消費しているので、永遠に続けられる技じゃないんだけどな。それに宇宙刑事魔空空間などでしばしば見せる演出なんだが、大抵はレーザースコープで透明化した敵を視認状態にして、レーザーZビームで狙い撃ってエーテル状態を解除して、その後、レーザーブレードでお馴染みのBGMが流れて勝ちモードに入って、最後にギャバンダイナミックでとどめを刺す。うん、ここまでの演出が流れるように展開されるわけだ。時にはマンネリに変化を付けるために、ピンチの際には電子星獣ドルを召喚したりするオプションも混ざるが」

ダイアンナ「それらはD&Dで、どう再現するんだ?」

アスト「エーテル状態を実体化させる魔法とか、エーテル状態のまま斬る魔法の剣とかがあるだろう? D&Dでレベル10だと、それぐらいの対応策は考えられるはず。そして、気パワーの究極は、レベル20で習得できる幽歩の術。ぶっちゃけ、1ラウンドだけのエーテル化を気ポイントの倍消費で、20ラウンドまで持続できる」

リバT『1ラウンドは10秒と考えますから、20ラウンドは3分強ですね』

ダイアンナ「3分間の無敵モードか。それは確かに凄いなあ」

リバT『まあ、特撮ヒーローだと3分しか戦えないとなると、短い印象がありますが、TRPGだと戦闘ラウンドが20ラウンドも続くようなことは稀ですからね』


アスト「気パワーの他にも、ニンジャはいくつもの特殊能力を持っていて1レベルで罠探し、3レベルで毒の使用、4レベルで大跳躍、6レベルで軽身、7レベルで高速登攀、9レベルで毒使用強化、12レベルで身かわしを経て、14レベルで幽心の術、16レベルで幽視の術を習得する」

ダイアンナ「幽心や幽視は気パワーではないのか?」

アスト「気パワーは気ポイントを消費して発動するんだが、幽心や幽視はポイント消費せずに常時発動しているんだ。幽心は念視系の呪文に対して特殊な抵抗力を獲得して、魔法による感知すら擦り抜ける隠密能力だ。幽視は見えない物が普通に見える、常時レーザースコープ状態。高レベル忍者の前では、いかなる幽霊でも存在を気付かれるという」

リバT『敵忍者が上手くエーテルの影に潜んでいても、普通に気付かれるんですね。「バカな。何故、こちらの居場所が分かったのだ?」』

アスト「同じ忍びだからな。蛇の道は蛇。影の道は影の眼には自ずと明らかなり。顕になった邪影は光に滅すべし。天魔覆滅。ギャーーッ! 南無三」

ダイアンナ「忍者ごっこ御苦労。他の能力の説明もお願いできるかな」

アスト「罠探しはローグの技と同じだな。〈捜索〉の技能を使えば、他の職業でも罠は発見できるんだが、難易度20を越える高度な罠や魔法の仕掛けは、ローグやニンジャじゃないと発見も解除もできないわけだ」

ダイアンナ「ああ、普通の落とし穴とかロープ仕掛けの簡単な罠は、専門家でなくても発見や解除できるけど、吊り天井とか手の込んだ仕掛けになるとエキスパートの知識が必要だと」

アスト「毒はアサシンの技だが、忍者も使用できる。まあ、毒のルールをチェックしないといけないので、今回は割愛しておく。大跳躍はニンジャならではの、通常の〈跳躍〉技能の域を越えた超常的なジャンプ力だな。助走なしでも+4ボーナスで同様のジャンプができる技だ。さらに軽身を覚えるとアクロバット系の判定に+2のボーナスが付くので、並みのローグが技能を習得する以上にジャンプの達人になれるんだ」

ダイアンナ「高速登攀は?」

アスト「通常の移動速度で壁や斜面を登り降りできる。普通の登攀は移動速度の4分の1なので、ニンジャは通常の4倍の速さで壁登りできるってことになるな。これだけのスピードは並みの鍛錬じゃ身に付かないわけで」

ダイアンナ「身かわしは?」

アスト「これはローグが2レベルで習得できる技で、魔法や反応セーブで回避できる攻撃を、通常ならダメージ半減なところをノーダメージで避けられるようになる。ファイヤーボールが飛んで来て爆発しても、ローグはノーダメージで避けられるんだが、ニンジャも12レベルで可能になる」

ダイアンナ「ここまで忍者の凄さを強調してきたけど、ローグだって凄いんだな」

アスト「別にローグだって、ニンジャの下位クラスじゃないからな。ニンジャよりも優れているのは、技能の多様さと罠関連、ニンジャと違う形での危険察知能力、その他、汎用性の高い成長選択が可能」

ダイアンナ「ところで、ニンジャとしては剣の達人とか、火遁や水遁などの攻撃忍術のイメージもあるんだが、そういう技はないのか?」

アスト「剣技を身に付けたければ、戦士や侍もマルチクラスしたらいい。火遁や水遁は本来、逃げ隠れする技で攻撃手段じゃねえ。どうしても忍術で攻撃したいなら、ソーサラーなんかの術師を兼職しろよ。一口に忍者と言っても、作品ごとに描かれ方に違いもあって、各人それぞれの得意技も別にあって、決して一人一人が万能ってわけじゃないんだからな」

リバT『大ガマを召喚するとか、大凧に乗って空を飛ぶとか、忍法獅子変化とか、風雲ロケット変身とか、エロティックなくノ一忍法を再現したりするとかは、忍者以外の道を探さないといけませんね』

アスト「大ガマや大凧は、召喚系の魔法や、空飛ぶ絨毯みたいなマジックアイテムをアレンジすればいいだろうし、変身系はまた別の系譜になるだろうが、くノ一忍法は18禁になるから、普通のゲームじゃなかなか再現しにくいよなあ。それこそ大人向きアダルト路線満載の退魔忍TRPGを趣味で作るか、あるいは魅了系、幻惑系の呪文の演出で何とかするかだが、まずはエロティックネタOKのゲーム仲間を集める難易度が高そうだ。小ネタならともかく、ソフトエロを逸脱したハードコアなお色気忍者キャラやシチュエーションをTRPGで再現する難易度はかなり高そうだぞ」

ダイアンナ「吸血鬼なんかと同じで、忍者関連でも闇世界の住人として淫靡な演出が施された作品は個人で楽しむ小説やアダルト映画、ゲームで結構あるが、複数メンツの会話ゲームでそういう要素を再現するかどうかはGMと卓のプレイヤーたちのコンセンサス次第だからな。TRPGで楽しむ場と、エロ雑談を楽しむ場を混同すると変な雰囲気になるので、個人の趣味が場に受け入れられるかどうかは、しっかり場の空気を読む必要があるってことで」

リバT『触手ネタとか、サディスティックに拷問するネタとか、エログロ系は人によっては拒絶反応を起こしますので、適度な加減をとって、やみくもに踏み込みすぎない良識が望ましい、と』


アスト「次は、5版忍者のモンク(暗影門)でも見てみるかな」

ダイアンナ「影の頭領は、忍術だけでなく、空手や武道の達人でもあったからな。武闘家と忍術も通じるものがあるってことで」

(当記事 完)