ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

D&D各ルールブック紹介3(その1)

 今回は、3セット目のルールブックの紹介になります。

 

 緑箱のコンパニオンルールは、レベル15〜25対応なのですが、NOVAはその辺のレベルで実プレイはしたことがないので、以下の記事は、まあ、ルールブックを読んだだけでの「机上の空論」あるいは「妄想」混じりの記事となることを先に明言しておきます。

 

 つまり、ここから先は「こんな経験をした」という過去の記憶ではなく、「このルールを使えば、こんなことができるんじゃないかなあ」という夢想、願望、空想となります。つまり、仮定法IFとか、未来の助動詞will、推量の助動詞mayになるかもしれない、ということで。

 まあ、もしもMayと大文字で書けば、もうすぐ5月になるし、そう言う記事を書いてもいいよね。Yes,I may.と自分で答えておきます。うん、答えは聞いてない。D&Dだけに、ドラゴン、竜すなわちリュウタロスみたいに振る舞っても構わないでしょうし。

 

 ところで、これは昔から疑問に思っていたのだけど、「どうして、エキスパートの上がコンパニオン」なんでしょうかね。

 ベーシック(基本)の上に、エキスパート(熟練者)は分かる。

 さらにコンパニオンの上にマスター(達人)というのも分かる。

 だけど、何でコンパニオンcompanionがエキスパートの上に位置付けられるのかが、TRPG歴30年以上を誇る身でありながら、これだ、という納得した答えを得られないでいます。

 ええと、companionという英単語は「仲間」「連れ」という本来の意味とか、「共にパンを食べる者」という語源とか、日本語的に「案内人」「世話人」と言う意味があったり、本来の英語でも「旅のお供という意味でのガイドブック、手引書」という意味が派生したのも分かります。つまり、単語の意味はほぼ理解しているにも関わらず、「エキスパートの上がコンパニオン」になっている理由は、「まあ、そういうものでしょ」以上の納得が見出せないわけですね。

 

 それにも関わらず、TRPG業界では、サプリメントの上級ルール集に『○○コンパニオン』という商品名がしばしば付けられていて(ストームブリンガーとか、シャドウランとか、クトゥルフとか、まあ、いろいろ)、もう「コンパニオン=上級追加ルール」という業界用語(世間一般とは異なる用法)が完全に定着している感。これもD&Dが最初に「コンパニオンルールという名の上級ルール」を出した影響かなあ、と思ったりも。

 

 なお、ロードス島戦記RPGを収録したムック本『ロードス島戦記コンパニオン』も昔、角川から出ていましたが(ついでに『クリスタニア コンパニオン』なんかも)、そちらは上級ルールという意味ではなく、ロードス島ガイドブック的な意味づけもあったので、その点ではコンパニオンという単語を正しく使っていたことになります。

 同じようにガイドブックという意味では、『ルーンクエスト コンパニオン』というムック本も、ホビージャパンTACTICS誌別冊で89年に出版されたのが、まあ、最近本棚を漁っていて見つかったわけですが(物持ちの良さに我ながら感心)、海外ではそれとは別に、『Rune Quest Companion』というタイトルの上級ルールサプリメントが2006年に出版されていることも、先ほど検索して分かって、要するにTRPG業界では洋の東西問わず『Companion=上級ルール』で定着しているということに、何というかD&Dの影響力の大きさと言うものを改めて実感した次第。

 

★セット3:コンパニオンルール

 さて、当ブログでは初の写真お披露目となる緑箱ルールです。



 相変わらず、戦士とドラゴンの一騎討ちというテーマは同じですが、「戦士が甲冑まとった重騎士スタイル」「背景に城がある」「ドラゴンのサイズがこれまでと比べても大きい」というのが特徴になりますか。

 ドラゴンの種類はグリーンドラゴンで、まあ、緑箱なので妥当な選択なんでしょうが、ベーシックルール所収のデータによればHD8、すなわち平均HPが36点。コンパニオンレベルの戦士から見れば、もう完全にザコも同然。ふん、あれだけ苦戦したドラゴンと言えども、レベルさえ上げてしまえば、取るに足りん。所詮は羽根つきトカゲよ。

 とまあ、ここまで口汚く罵られたかどうかは知りませんが、これじゃドラゴンの沽券に関わる、ということで、コンパニオンルールでは、ドラゴンのインフレ化が決行されます。

 コンパニオンルールに曰く、

>ベーシックセットにおけるドラゴンは小型で、非力なものであった。ベーシックで説明されたのはスモールドラゴンに過ぎない。

 つまり、頑張って強敵を倒したと思ったら、「フッ、そやつなど我らドラゴン一族の中でも一番の小物に過ぎん。そんな雑魚を倒したところで、ドラゴンに勝ったなどとは思い上がりも激しいわ」という少年マンガのノリで、さらに強い大物が立ちはだかるわけですな。

 本ルールセットでは、さらに大型のラージドラゴン、そして巨大なヒュージドラゴンが用意されています。ラージグリーンドラゴンはHD12、ヒュージになるとHD16と、まあ、単純計算1.5倍と2倍にかさ上げされています。
 それでもコンパニオンルールだとレベル15以上のキャラ対応だから、ヒットダイスつまりHD16(HDはプレイヤーキャラPCのレベルにほぼ相当)といっても、ほぼ対等、それほど脅威にならないんじゃないかなあ、と数字的には考えるのが普通なんですが、そうでもないのですよ。

 一番の問題は、レベル9を越えたPCはHPの伸び率が下がることですね。
 花形の戦士の場合、HPは毎レベルD8を振って決めます。期待値は4.5ですね。しかし、それはレベル9までで、それ以降(一般世間で名士と扱われるネームレベルと呼称される)は毎レベルごとにHPが2点上昇、という固定値加算。
 つまり、レベル制限のためにデミヒューマンのHPが伸びない、という格差があったわけですが、人間の方も極端な増え方をしなくなるので、その点ではバランスが取れている。
 しかし、モンスターのHPについては、そういう配慮が一切ありません。HD16のヒュージドラゴンのHPはそのまま16D8を振るので期待値は72点。一方、レベル16戦士のHPは、以前の計算に基づくなら、8プラス4.5×8+2×7の結果、期待値58になります。うん、ドラゴンブレスSTに成功しなければ、即死ですな。
 なお、ST判定値もレベル16まで増えると、相応に改善されているのですが、それでも戦士がドラゴンブレスに耐えるには20面で7を出さないといけません。失敗率は30%。すなわち、70%の確率で生き残るけど、もう一度、同じ攻撃を受けるとアウト、ということになります。

 これは、多くのRPGの抱える構造的問題なのですが、レベルが上がるとHPも増える反面、それ以上に双方の与えるダメージも大きくなるので、結果として、HPの伸びが受けるダメージに追いつかないことになります。

「攻撃力>耐久力」の世界ならどうなるか。

 そう、やられる前にやれ、先手必勝という形になりやすい。たいていのTRPGの高レベルプレイでは、初手でいかにイニシアティブを取って、敵に大ダメージを与えたり、数を減らしたりできるかが勝負どころとなってきます。「うわ、敵にイニシアティブを取られたよ」即全滅となることだって十分にあり得る。
 とりわけ、自身のHPと同じだけの数値ダメージを広範囲に与えるドラゴンブレスを有するドラゴン相手だと、いかに先手を取って(奇襲を仕掛けて)相手のHPを削るかが戦術上絶対に必要になってくる。

 その意味で「ドラゴンによる奇襲」なんてのは、DMのPC殺す宣言と同じ意味なので、そういう事態に陥ったら、プレイヤーとしては
「いや、ドラゴンみたいな巨大な怪物が、警戒している冒険者に奇襲攻撃など仕掛けられるはずがない。プレイヤーは警戒宣言をしていなかったのかもしれないが、キャラはいくら何でもそこまで鈍感なはずはない。DMは普通の道で、大型トラックが突っ込んで来たときに、全然、分からない鈍感なんですか。まあ、高速道路がいきなり崩れて、上からトラックが降ってきた場合に限って、サプライズな事態を認めてもいいですけど、今のはそんなどうしようもない状況じゃないでしょう。荒野の真ん中で、ドラゴンなんて飛んで来たら、さすがに居眠りでもしていない限り、ドラゴン襲来に気付きますって。そして、2ラウンドぐらいは飛び道具で応戦する時間もあるでしょうよ。相手がドラゴンなら、それぐらいする権利、冒険者生存権を我々は行使する。基本的人権の侵害反対」と、ここまで自己主張して、何としてもドラゴンによる奇襲だけは避けるべきですな。

 ああ、「対決レッドドラゴン」の際に、そこまでの主張ができれば、戦士ライノスは今でも生きていたかもしれないのに。
 あ、そのうち悪霊として、どこかのブログに迷い出て来る可能性は……まあ、あいつはただの物理攻撃しかできない戦士だから、花粉症ガールの物理攻撃無効属性を突破することは不可能なので、戦うだけ無駄か。花粉症キラーというニッチな魔剣でも持たない限り。いや、炎の剣でもいいんですけど、持ってないものは持ってない。そもそも、ここで「対決レッドドラゴン」を書いた時点できちんと供養した形になるから、悪霊として化けて出ることは有り得ないですね。うん、ライノスさんは無事に成仏した、とプレイヤーが明言。

 さて、ここに今いない花粉症ガールの話はさておき、ドラゴンの話です。
 まあ、最近はドラゴンだって、マグマだったり、不定形ゆかりだったり、昔、『ドラゴンマガジン』誌に連載されていてSWヴァリエーションのTRPGシステムにもなった(バツ技能で有名)コミック『ドラゴンハーフ』のことを思い出したりもするのですが、主役のドラゴンハーフの少女ミンクよりも、自分はスライムハーフの王女ビーナのファンでして、不定形萌えの根っこはその辺にもあったのかな、と振り返りつつ。
 って、ドラゴンの話に戻そうとしているのに、不定形がしつこく絡んで来ますなあ。これも、ドラゴンなのに不定形ハーフという新たな属性を開拓中の何かが悪い。で、今、「ドラゴン 不定形」で検索すると、ポケモン関連が目立つんですが、ポケモンは残念ながら専門外なので(明らかに子供や甥っ子に知識で勝てない)、まあ、今さらそこに踏み込む時間も気力もありませんし、20周年を経た歴史そのものは魅力的な探求分野でもあるのでしょうが、その辺は後世の研究家に委ねます。

 とにかく今は、D&Dのラージ&ヒュージドラゴンの話です。
 ベーシック所収のスモールドラゴン(むしろノーマルドラゴンと呼称したい)は、物理攻撃が爪2回と大ダメージの噛みつきの1ラウンド3回攻撃も脅威でしたが、
 コンパニオンになると、さらに攻撃パターンが増えてます。ええと、1ラウンドの攻撃回数が最大6回に倍増しており、以下の攻撃パターンのどれかを選択することになります。

・空中からの急降下
 不意打ちに成功すればダメージ2倍って、盗賊ですか。爪でつかんで継続ダメージとか、牙で噛み付いたまま捕らえた相手に継続ダメージとか、それだけで十分脅威です。 

 しかも捕らわれた者は攻撃しても最低限のダメージしか与えられないので、自力脱出はまず不可能。これだけで、1対1じゃまず勝てない感じです。魔法使いも噛み付かれている間は呪文のための精神集中ができないと明記されているし、恐るべし恐るべし。

・浮揚
 空中を飛び回りながら、脅威の6回攻撃を仕掛けてくる高機動連続技って感じですな。
 6回攻撃の内容は、噛む、爪×2、後ろ足での蹴り×2、尻尾。個々のダメージは、噛み付く以外はそれほど大きくはないのですが(せいぜい人間の使う武器の一撃程度)、噛み付くのは他の攻撃の4倍ぐらいのダメージが来ますからね。ドラゴンの餌にだけはなりたくないもの。
 まあ、他の攻撃も仕掛けてくる回数がとにかく多いので、総合的に1対1だと手数の差だけでもジリ貧です。

・体当たり
 空中からのボディプレス。
 インパクトは大変大きいのですが、意外と与えるダメージが他の攻撃に比べて大きくなく(噛みつき1回程度)、しかも隙だらけ。武器を槍のように構えることでカウンターダメージを狙えるなど、ドラゴンがこのオプションを取れば、割と反撃のチャンスかも。
 ただし、ラージやヒュージだと、範囲を巻き込んで、全員に噛みつき級のダメージを与えることになるので、PC側が離散せずに固まっていれば、一網打尽にできるかも。僧侶が戦士のHP回復のために、接触して来た辺りがチャンス……って、いかにプレイヤーをいじめるかをついつい考えてしまうのが、DMのサガって奴ですかな。

 以上は、空中戦時のオプションですが、噛みつきや爪を除いて、コンパニオンで新たに加えられた、地上で行える攻撃は以下のとおり。

・蹴り
 相手を蹴り倒して、転倒させます。転ぶと、立ち上がるのにもたついてしまい、イニシアティブを失う副効果付き。

・尻尾
 これも転倒させるだけでなく、倒れた相手は武器を落としてしまうという副効果付き。武器を落とした者は、それを拾うために1ラウンド浪費するか、すかさず別の武器を抜いてラウンド消費を避けるか、という選択肢。まあ、メインウエポンを複数携帯している戦士は少数派でしょうが、愛用の長剣を飛ばされて、予備武器の小刀を抜いて、というアクションシーンを演出するには使えるかな。
 まあ、普通は予備武器だとダメージが下がるので武器を拾う選択をする人が多そうですが、武器を拾った相手に対して、もう一度尻尾攻撃で武器を落とさせる嫌がらせ戦術を駆使すると、なかなか楽しそう。

戦士「武器拾った。次のラウンドに反撃だぜ」
DM「あ、そう。じゃあ、もう一度、尻尾攻撃ね」
戦士「うわ、もう一度弾き飛ばされた。こいつ、嫌がらせかよ」
DM「その通り。ドラゴンは狡猾だからね。君が武器を拾うのに右往左往しているのを見て、心なしか楽しそうにしているようだ。グフグフと笑いめいた呼吸音も聞こえてくるね」

・翼
 接近戦範囲攻撃で、食らった相手をスタン(朦朧化)に追い込みます。攻撃も呪文使用もできない、いわゆるピヨり状態。
 基本的に地上戦用のオプションですが、相手も空中にいる完全空中戦の場合は、蹴りの代わりに使うことも可能。
 つまり、地上の相手にはドラゴンキックで、空中の相手にはスクランダーカッターって感じです。

 他にも、呪文やドラゴンブレスという多彩な攻撃手段を持ちますので、ドラゴンをきちんと運用しようと思えば、DMの方も事前準備とか、ルールの読み込みが相当に必要でしょうな。もしも、自分が扱う場合は、その場で行動に迷わないよう、「ランダム攻撃パターン表」を作成しておいて、とりあえずダイスを振って決めれるようにするかな。
 その上で、あまり意味のないオプションが出た場合に、多少の融通きかせて若干の行動変更をできるようにするとか、各行動指針を今みたいに文章化して、状況に応じた作戦行動を行えるようにシミュレートするのだろうけど、行動パターンの多いモンスターを扱うには、DM側にも相応の慣れが必要か、と考えます。
 ただ、完全に「有利ですから」オプションを重視しすぎると、スパロボでも「超電磁ヨーヨーとスピンとグランダッシャー」しか使わないコン・バトラーVみたいになって、せっかく多彩な技が使えるのに味気ない感じなので、小技の「ロックファイターやバトルガレッガーやバトルチェーンソーやアトミックバーナー」なんかにも日の目をと考える自分がいます。
 ドラゴンもこれと同じで、コンパニオンルールになって、いろいろ使える技が広がり、これらを駆使してプレイヤーキャラを翻弄する快感に、今頃になって目覚めてみたり。うん、やっぱり、ただルールブックを読んでいるよりも、「この技をどう使ってやろうか」と考えながら読むのとでは、楽しさが全然違うなあ、と改めて実感しました。

 その一方で、これぐらいの多彩なオプションを使いこなすには、事前準備が欠かせないので、日頃から考えていないと、なかなか面倒くさそうと思う自分も。
 ぶっつけ本番でドラゴンなんて、なかなか扱いきれるもんじゃないよな、と思ったり。それが片手間でできるなら、よほどの上級者、達人クラスですな。

 最後に、コンパニオンルールの紹介、自分でも未知の分野ですので、たった一回の記事であらましを書くのは不可能、と考えていました。
 今回はドラゴン中心で話をつむぎましたが、今後もコンパニオンだけで、しばらく記事をつなげたいと考えています。
 書きたい内容は、まずプレイヤーマニュアルの方から、追加されたルールについて。とりわけ、メインは「新職業のドルイド」になるでしょう。自然を操作する呪文の使い手なので、花粉症ガールの技として活用できそうなものもいろいろありそうだなあ、と期待したく。

PS.某所で「花粉症ガールのイラスト」を書いてくれた人がいて、思いがけぬ感動を。
 その場での感謝はまた改めて、と思いつつ、一応、この記事を書いている最中に寄り道して見つけたので、いち早く確認表明をば。イラスト画像はiPadに取り込んだので、問題なければ近日あっちのブログで紹介しつつ、翔花といっしょに感謝の記事を書きたいな、と思ったり。