ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

D&D各ルールブック紹介3(その3)

●前回のあらすじ

 

 D&Dコンパニオンルールについて、いろいろ書くぞ。まずはプレイヤーマニュアルからだ、と勢い込んで記事書きを始めたブログ主White NOVAはいきなり道を踏み外し、「あれ、ここ、どこ? え、マスタールールに踏み込んでしまった? まあ、そのうち帰って来れるでしょ」と気楽に構えた結果、

 何と、知らない間に「未知のイモータルへの道」に行き着いてしまった。興に乗って、イモータルその1「ダイナスト=帝国の覇者」について、好きなヒーロー絡めて話しているうちに、まあ、このままイモータル街道を踏破してもいいんじゃない? コンパニオンについて地味なことを延々と書いて退屈な文章を垂れ流すよりも、時代は「人間じゃない」ですよ、「不定形」ですよ、うん、イモータルならそれが満たされる(マジで)と検討した挙句、来た道を戻るよりも、未知の道を突き進むことに決定。

 これぞ、ザ・冒険者、ということで、前書き終了。

 

 あとは野となれ、花となれ(山となれが正解というのは、無粋なツッコミね。それよりも、フレフレと応援してくれれば、そういうキャラをチェックすれば、このフレーズの元ネタが分かるかも)

 

 さあ、コンパニオン(仲間)と称しながら、イモータル(不死、伝説への道)について語ってみるぞ。

 

★一応、足場固めから(新たなヨロイ編)

 とまあ、勢いよく突き進むと言ってはみたものの、今は鬱モード中のNOVAとしては、少々不安も残るので、ちょっとぐらいコンパニオンルール本来の予定について語ってみる。
 ええと、ルールの概要の次に載ってあるのが「新しいヨロイと武器」ですな。おお、これは凄い。新しい武器と鎧をゲットしてパワーアップだ。商品販促もしっかりやるぜ、と考えた特撮脳全開な方は、ここでコンパニオンルールにがっかりするのである。
だって、新しい装備は結構、地味だもん。

 まず、鎧なんですが、AC6のスケイルメールと、AC4のバンデッドメールの2つが追加。なお、AC(アーマークラス)は小さい方が良いというのは昔のD&Dの常識だったのですが、21世紀になった今はその常識が通用しません。「ACは小さい方がいいよね」と自然に思っちゃう人は、旧世紀の常識に囚われた人なので、至急、アップデートしないと新世紀D&Dの会話には付いて行けません。
 でも、今は旧世紀D&Dの話なので、若者の方がおっさんの昔話に合わせるがいい。なお、自分は温故知新なので、どっちにも合わせられるぞ。だから、蘊蓄ついでの寄り道も常人の2倍だ。昭和、平成、次の時代になったら3倍に達しそうで、どうなることやら。

 さて、鎧が地味って話の続きですが、これまでの鎧はAC7のレザーアーマー(革鎧)と、AC5のチェーンメール(鎖かたびら)、AC3のプレートメール(板金鎧)。で、有利さを追求する場合、何の鎧も着れない魔法使いはAC9、革鎧しか着れない盗賊はAC7(と盗賊得意の敏捷性ボーナス)、そして他のクラスの面々はみんな最強のプレートメールを着るのが普通。プレートメールを着れることが前衛の証、と普通に考えるのが旧D&Dプレイヤーの常識。あとは呪文や飛び道具、HPの兼ね合いで自分が優位に立てるポジションを考えるのが、ある程度手慣れたD&Dプレイヤーの嗜みってものだと思うけど、
 ここで、じゃあチェーンメールって何のためにあるんだ? という意見もあって、ええと、これはD&Dの元になったミニチュアゲームのタイトルが『チェーンメール』といったので、そこに敬意を評して外すわけにはいかないという伝統重視な事情と、「だって、プレートメールは高くて買えないもん。だから金を稼いで、いつかプレートメールを買うのが俺の当面の目標だ」という初々しいレベルの冒険者の経済事情と、その昔、某コンピューターゲーム記事で『女戦士はチェーンメール同盟』なる怪しげな団体を提唱したNOVAみたいなニッチな事情のため、と語ってみる。
 いや、だって、近年のコンピューターゲームって、武装を替えると外見に反映されるのが当然だし、プレートメールを着込んだ女キャラって、見た目が男とほとんど変わりなくて、「甲冑脱いだら美少女」とかそういう想像にときめきを覚える人(それはそれで正しい)を除けば、より軽装な、だけど防御力はそこそこあるチェーンメールの方が見た目的に萌えられるんですね。
 うん、「鎖帷子の女剣士」って言葉と「全身鎧に身を包んだ女騎士」って言葉のどっちに惹かれるか、これがコンパニオンルールにおける重要な人生の選択肢だ……って、全然コンパニオン関係ないし。
 チェーンメールはベーシックルールの話だし。

 さて、問題のコンパニオンなんですが、普通は新ルールだと前よりも強くなることを期待するじゃないですか。
 しかし、文字どおり隙間産業を開拓する、その姿勢。
 例えば、レザーアーマーよりも1強いスケイルメール(鱗鎧)。え、だったら盗賊が着れるの? 着れません(鱗状の金属片がジャラジャラ音を鳴らすので)。だったら、意味ないじゃん。
 プレートメールよりも1弱いバンデッドメール。そんな物に需要などございません。
 スケイルも、バンデッドもそれを着れば強くなるってものじゃなくて、むしろ弱くなる。あえて弱い鎧を着て、苦労ミソをなめたような過酷さに自分を追い込むのが好きなマゾヒスティック街道を歩む漢のみに許された鎧である。


 まあ、それでも、スケイルメールなら意味もデザインも分かりやすいんですよ。
「え、鱗? ドラゴンっぽくていいかも?」ってドラゴンランスファンとか、
目から鱗が何枚もはがれ落ちて仕方ない。俺はこの鱗で鎧を作って、無知な自分への戒めにするぜ」とか、
「おお、スケイル。海神ポセイドンに使える海闘士御用達の鎧じゃないですか」と感じ入る星矢ファンとか、
「爬虫類萌え。ゲッター線嫌い」を公言する鱗ファンとか、
 実は結構需要も多くて、イラスト映えもするし、だったらレザーの上じゃなくて、チェーンの上でプレート以下というバンデッドメールと立ち位置変えれば、D&Dゲーム内でも、もっと人気アーマーになったのになあ、と思います。

 そして、コンパニオンルール発売時に物議を醸したバンデッドメール。
 一体、これはどんな鎧なの? というツッコミが多くのゲーム紹介者、記事の書き手によって為されました。当時のD&Dルール内では、イラストだけ示されて、解説が一切なくデータのみ、という形で、詳しいことは解説本や雑誌の記事を読むか、AD&Dの記述を参照するかじゃないと分からない最大級の謎ヨロイ。

 当時の解説記事によると「バンデット(山賊)の着る鎧と誤解する人も多いが」としばしば前置きされ、
 それを読んだこちらとしては「いや、このイラストを見る限り、そんな誤解をする人はいないでしょう。むしろ、その記事を読んだことで、そういう偏見がますます増えたんじゃない?」と今ならツッコミ入れられるのですが、
 記事を読んだ当時は、「なるほど、山賊の鎧とは違うんだな。気をつけないと」と素直に受け止めた記憶があります。おかげで、今もこの記事のネタとしてありがたく使わせてもらってる、げんとくん並みに素直なNOVAだったり。

 で、結局、ここまでバンデッドメールをネタに書いてきて、読者が「じゃあバンデッドメールって何よ?」いうことが分からなければ、記事を書いた意味がありません。ええと、AD&Dでの解説記事によると、「チェーンメールの上に、補強用の金属帯を巻きつけたもの」とありまして、要は「ミイラ男の包帯が金属だったら?」と想像すれば、当たらずと言えども遠からずって感じかな。
 ネットで検索すると、今でもバンデッドメールについて薀蓄垂れ流しているサイトが結構あって、割とネタとしては30年前と変わらず人気がある模様。というか、思ったよりもマイナーネタじゃなかったことに驚いた。一般には知られていないので、それをテーマに蘊蓄語りたい人には格好の素材ということかな。
 マニア御用達のヨロイと言ってもいいのかも。

 ただ、実際のゲームプレイを考えてみると、NOVAの女戦士チェーンメール好きと違って、「自分はバンデッドメールが好きでたまらないんだ。プレートの方が有利だというのは分かっているが、それでも俺のバンデッド愛は止まらない。有利か不利かは関係ない。誰がなんと言おうと、俺はバンデッドの道を追求するぜ」と誠に天晴れな主張を語った人は見たこともないし、数々のゲームサイト記事でも読んだことがないな。
 やはり、ネタ鎧っていう扱いかな。
 もしも、世にも稀なるバンデッド愛に満ちた人がいれば、是非とも話を聞きたいものであります。

 それでも実際のプレイで、バンデッドメールを使うとすれば、「うちのキャンペーンは西洋の13世紀以前をモチーフにしていて、プレートメールはまだ発明されていない。だから鎧はバンデッドメールが最高とします」とか「日本の鎧は、プレートよりも、むしろバンデッドメールって感じだな。よし、オリジナル職の侍は、鎧はバンデッドが最高と設定しよう。その代わり、攻撃で有利になる技を設定して」といった感じで、単なる有利不利よりも、よりマニアックなニッチ産業の開拓を目指す人向きのルールが、これコンパニオンなんですな。

 あ、ここでバンデッドメールは、「音楽バンドのメンバーのために作られた鎧」と大嘘を書けば、山賊鎧よりもよほどバンデッドメール需要が高まるかも知れませんな。この思いつきは読んだことがないぞ。
 「バンデッドメールを身に付ければ、君も今日からバンドマン」とキャッチフレーズでも付ければ、バンデッドメールが天下を取る日が近いかも知れん。
 これぞ、真のコンパニオンルールの醍醐味ってものだな(上機嫌ながら、多分、間違ったことは言ってないと思う。コンパニオンは仲間だし、バンド仲間って普通に言うし)。

イモータル第2の道

 鎧について書くだけで結構、書けるものだな、と自分で感心し、これはこのまま最初の道筋に乗っても行けるんじゃないか、と思いつつ、やはりイモータルについても書いておこう、と。
 二つの道を同時に進むマルチタスクな男、White NOVAって生き様も今に始まった事ではないですしね。いや、頭が冴えているときは、三つまでは同時にできたりもする、三位一体WhiteNOVAだったりもして。
 だけど、四つは無理。

 で、「ダイナスト」に続くイモータル第2の道ですが、その名も高き「ヒーロー」もしくは「エピックヒーロー」。エピックは古代の叙事詩伝説のことなので、何てこった、こいつは伝説の英雄になるぜ、と本気で言えちゃう進路だったりします。
 定住城主を基盤とするダイナストと違い、エピックヒーローは世界各地を旅して回ることを推奨されている。流離人はどうせ流離うなら、伝説の英雄目指して、人助けを志すのが良き生き方かもしれん。D&Dの世界では。

 だけど、マスタールールによると、この道は「シーフに好意を持つ」らしい。
 うむ、ますます分からん。
 「帝国の覇者を目指す道が、僧侶に好意を持つ」というのは、まあ、宗教戦争とか、神聖皇帝とか、結構歴史的にもつながることはあって、何とか納得できなくもないけど、
 何で「ヒーローを目指す者が、盗賊に好意を持つ」んだよ、大丈夫か、このルール……って身も蓋もないことを言い出すぐらい、真面目に突き詰めれば訳が分からなくなってきます。

 あ、だったら、真面目じゃなければいいんだ、って発想の転換を促せば、とっさに思いつくのがやはり、げんとくん(爆)。
 いや、マジで「仮面ライダーローグ」ってそういう方向じゃない?
 そのまま東都にいればダイナストの道を辿ったのかもしれないけど、何の因果か故郷を捨てて、他国の傭兵みたいな立場に身を落とし、名前も「悪漢、盗賊」と名乗り、かつてのプライドであったナイト(騎士)を捨てはしたが、それでも無抵抗な民の命までは奪うことを是としない、ヒーローっぽさに目覚めてみる。
 ええと、イモータルの道のヒーローってのは、いつでも光り輝いている子供のスーパーヒーローではなくて、常に試練に立たされている過酷な道を歩みつつ、それを乗り越えることで伝説となるダークヒーロー路線じゃない?

 うーん、D&Dマスタールールを買ってから、25年以上を経て、長年疑問に感じていた謎が今、初めて解けたぞ。これも、げんとくんのおかげだ。少なくとも、このタイミングでなければ、この謎を解くには、まだ数年を要していたかもしれん。
 ありがとう、げんとくん。君は、NOVAの永遠のヒーローだ。栄光のライダー4号の名を捧げるぞ。そのまま、プルトンロケットに乗って……って、いやいや、どさくさ紛れに何を言い出すやら。ただでさえ消滅装置で苦しんでいる人に、これ以上、過酷な道を押し付けてはいかん。

 ええと、話を元に戻そう。
 つまり、エピックヒーローは、華々しい光だけでなく、盗賊に代表される影の道、裏街道も経験していかないといけない、ということですな。
 うむ、何とかまとめた。
 で、エピックヒーローが志すのは、「思考の領域」らしくて、またまた頭を悩ませる難題を。正直、エピックヒーローが「時間の探求」をする方が分かりやすいと思うのだが、当時のD&Dの製作者は、我々ユーザーに対して、とんち問答でも仕掛けたかったのか? と思い悩むこと数十秒。

 何だか、旅の最中にいくつかのアーティファクトを見つけたりしないといけないと書いてあるし、この辺のお宝探しのノリは、まあ、盗賊とか、ルパンレンジャーとか、海賊とか、ゴーカイジャーとか、冒険者とか、ボウケンジャーとか、まあ分からなくもない。
 すると、げんとくんがエピックヒーローになるためにも、お宝探しが必要で、まあ、それを求めてのパンドラボックス争奪戦と考えれば、つながらないこともない。
 そして、エピックヒーローのお仕事として、「後継者を育成しなければならない」とあって、まあバットマンにおけるロビンとか、そういうサイドキックが必要なわけですな。
 つまり、ヒーローとしてその名を伝説に留めるには、その活躍を間近に見て、それを語り伝える弟子とか後輩の存在が必要、と。たとえ、死んだ後でも「あの人のおかげで助けられた。惜しい人を亡くしたものだな。お悔やみの一つでも口にしたいよな」と言ってもらえるような生き様こそ、ヒーローなのかな、と考えてみる。

 エピックヒーローに必要な生き様は、「勇気、信念、献身といった英雄的理想(徳みたいなものか)」に基づき、ほとんど達成不可能と思える伝説的偉業を果たすこと、とある。
 ええと、その偉業の例として挙げられているのが、「国から総てのドラゴンを一掃する」「空に城を建てる」といったことだけど、多くのフィクションに接していると、「あれ、その程度のことでいいの?」と錯覚してしまう。割と、どこのヒーローでも普通にやっているじゃん、それって考えたり。
「総てのルパンコレクションを集める」とか、
「総てのホラーを討滅するまで、俺の戦いは終わらない」とか、
「全ての教え子を受験に通してやる」とか、そういう目的意識はヒーローの条件だと思うぞ……って、何気なく自分の職業まで混ぜてきて、ヒーロー教師になりたいのがNOVAって男。
 だって、日頃やっていることは割とヒーローに通じる教え方なわけで。

「いいか。強敵(難しい問題)に出会った時は、いきなり手を出すのは危険だ。
「まずは、相手をよくよく観察し、攻めるべきポイントがどこにあるか、しっかりつかむようにする、そのために目をしっかり働かせて、敵の動き(問題)をよく読み、手がかりになりそうなところにしっかり印を付けるといい。攻撃一発で倒せる雑魚ならいざ知らず、雑魚かどうかも分からないまま、やみくもに問題にぶち当たっても、強敵(応用問題)は倒せないぞ。長期戦覚悟でじっくり臨むことだ。
「一通り手がかりになりそうなところに印を付けたら、そこから攻め口になりそうなところをうまくつなげて考える。その際に、公式や文法などの知識、技を駆使するわけだが、もしもド忘れしていれば、テストじゃなければ、すぐに調べて確認した方がいい。思い出せば出てくるという確信があれば考えてもいいが、使い慣れない技は何度も見本に接して、忘れるたびに調べ直すぐらい手間をかける方が、結局、記憶に印象付けられるものだ。調べるのが面倒だと思うなら、さっさと覚えてしまうことだ。覚えもしない、調べもしない、じゃ敵にはいつまで立っても勝てない。
「とにかく、手がかりがそろって、うまく公式なんかでつなげることができたら、後はきちんと計算作業をして、とどめを刺すだけだ。この、とどめを刺した、勝ったと思ったときに油断をするなよ。単位の書き忘れとか変え忘れ、英語ならピリオド抜けやクエスチョン、動詞の形の最終チェックなど、うっかりしやすいことを確認した上で、一件落着だ。油断して、とどめを刺し損ねないようにしろよ。それで点数を失っては、ヒーローにはなれない」

 何だか、いろいろ混ざった気もしますが、大体、こんな感じの指導をしているのが、教師としてのNOVAクオリティーってことで。

 とにかく、空に城を立てたらヒーローになれるそうなので、だから「空にそびえる黒鉄の城」のマジンガーZは、僕たちのヒーローなんだなあ、と無理矢理まとめてみる。

(完。次は、武器やら戦闘オプション、余裕があればパラディンやアベンジャーの話だ。ちょうど映画的にタイムリーだしね。イモータル話は、伝説の職人、研究者のパラゴンの話を予定)