ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

D&D各ルールブック紹介3(その4)

 コンパニオンオンルールの紹介編記事も、早くも4回目。

 

 さて、今回は『アベンジャーズ インフィニティーウォー』公開記念ということで、パラディン(聖騎士)と対をなすアベンジャー(復讐者、暗黒騎士)の紹介までする予定。

 というか、10年ぐらい前は、アメコミヒーローにあまり詳しくなかったNOVAは『アベンジャーズ』という映画タイトルを初めて見て「ダークヒーローの集団かな?」と勘違いしていたわけで。これも、D&Dの戦士上級職アベンジャーの影響ということで。

 

 他には、新たな武器とか、戦闘オプションとか、そういうのをネタに、いろいろ書いてみる予定。

 

 イモータル第3の道である「パラゴン」まで書けるかどうかは、未定。

 

★新たな武器

 さあ、新しい武器ですよ。と一度は期待してみます。

 しかし、ヨロイ同様、割と地味なラインナップですね。

 それでも、 おお、これは格好いいと思えるのは、片手持ち&両手持ちの両方が使い分けられるバスタード・ソード。ロードスの騎士パーンさんがよく使っておりました。普段は盾を持って無難な戦闘を行い、強敵相手だと盾を捨てて強力な打撃を行えるようにする。演出的にもいい武器です。
 武器の与えるダメージは、片手時が1D6+1。ロングソードが1D8ということを考えると、期待値は同じ4.5で、最大ダメージは1点低いものの、最低2点与えられることから、ロングソードに比べて安定した効果が見込める といったところでしょうか。
 両手使用時では1D8+1になるので、普通の両手剣のダメージが1D10であることから、やはり期待値5.5で、より安定した効果ということになりますな。
 まあ、劇的に強いわけではないけれど、変化があって楽しめる融通の利く武器といった感じ。

 飛び道具のヘビークロスボウも強力といえば強力。それまでの弓矢系の武器はダメージが一律1D6なので、射程距離を除けば効果はほぼ同じだったのですが、ヘビーになるとダメージが2D4。期待値が3.5から5に跳ね上がり、普通に剣で切るよりも強力。まあ、ストレングスの修正を加えなければですが。飛び道具にダメージボーナスは付かないので、その点は殴った方が早いという扱いになりがち。
 それと、連射ができないという致命的な欠点がありまして、標準的に使う武器にはなりにくい。とりあえず、敵が遠くにいる場合は、一発だけヘビークロスボウを撃っておいて、それから接近戦に切り替える戦法が無難かと思われます。まあ、ストレングスが18あれば、連射できるのですが、それだけ強ければ、やはり殴った方が早いですよね。
これを有効利用するためには、例えば空を飛んでるために殴れないドラゴンなんかを、離れた距離から迎撃するために、ヘビークロスボウを使えば便利とか、そういう局面になりますか。TPOに応じて、有効な武器を使い分けるのも、熟達した戦士の嗜みかも知れません。

 さて、お次は、海神ポセイドンが使いそうな三叉槍のトライデント。ダメージは普通の槍と同じ1D6。特に何が有利ということもないのですが、まあイメージの違いを演出するぐらいでしょうか。
 そもそも、コンパニオンぐらいのレベルになると、店で買える通常武器よりも、冒険中に手に入れた魔法の武器を使うことが当たり前なので、武器の強化も「どんな性能のマジックアイテムが増えたか」を考えないと、片手落ちかも知れないと思い立ちます。 

 うむ、これはまた別記事のネタにしましょうか。「D&Dの面白そうなマジックアイテムを振り返る」的なテーマで。

 ともあれ、以上が実用的な武器の数々ですね。
 そして、ここから先が「ダメージは少ないけど、特殊な副次効果が発生する特殊武器」の数々。それまでのD&Dでは、武器戦闘で副次効果は発生しなかった(マジックアイテムは除く)ので、戦士はただ殴るだけな単調さが初心者向きだけど、上級者には物足りない感じ。で、ここに特殊武器が加わることによって、と考えてみましたが、攻撃力が貧弱なので戦士のお仕事ができない。むしろ、盗賊とかハーフリングとかがダメージ重視の戦士やドワーフの支援に使うのが有効かと考えます。

 その中でも、一番凄まじい可能性を秘めたのが吹き矢筒のブロウガン。与えるダメージはゼロ。ただし、吹き矢に毒を塗ることで、対毒STを成功しない限り、普通の武器よりも強力な効果を発揮します。
 まず、HD1で即死。まあ、レベル1なら普通に剣で殴っただけでも十分死ねますから、ブロウガン凄えとはなりませんけど。本領発揮はその後。
 HD6までは毒ダメージに加え、パラライズ効果が付いてきます。麻痺。10分から1時間の間、戦闘不能に追い込めます。レベル6までなら、ボスキャラでも一発吹き矢を当てるだけで、戦闘終了。こんなDM泣かせの武器はございません。吹き矢一発で、ミノタウロスだろうが、オオカミ男だろうが、プテラノドンだろうが瞬殺可能。そんな吹き矢に対抗するためには、DMはボスキャラを毒の通用しないアンデッドなんかに設定するなり、毒無効のお守りぐらいは装備させないといけませんな。
 さすがにHDが6を超えたならパラライズはなくなりますが、HPが毒によって半減とか、最大HPの25%ダメージとか、そんな形に落ち着きます。昔は、それほど凄いとは思っていなかったのですが、よくよく考えると、割合ダメージって凄いですよ。HP100の敵に対して、剣で殴っていたなら最大ダメージ10として計算しても、10回は殴らないといけません。しかし、ブロウガンだと最低4発で仕留めることが可能。つまり、敵がタフになればなるほど、ブロウガンは猛威を振るうことに。まあ、毒が無効でなければ。
 とりあえず、前衛で殴り合う戦士がブロウガンを吹いてる余裕はないでしょうが、盗賊やハーフリングなど飛び道具命中率が高いキャラがブロウガンを持っていれば、支援キャラとしては十分すぎるほどの仕事ができますな。自分がDMだったら、この武器の扱いに悩みそうですが。戦闘バランスが読めなくなりそうで。まあ、面白そうなので使わせてみて、もしもコントロールできなそうなら、「毒が入手困難になってきたので、1D4回だけ手に入る」って感じに使用制限を付けるかな。
 もちろん、プレイヤーが使えるということは、DMが使ってもいいので、ゴブリンやオークのブロウガン暗殺者部隊なんてものを登場させると、「次から次へと吹き矢が飛び交う、地味だけど危険な戦場」を演出できそうですな。

 次に地味武器の代表として面白いのがブラックジャック
 ええと、闇医者じゃなくて、「砂などを詰めた革袋」で材料さえあれば、誰でも作れます。とりあえず、靴下に公園の砂を詰めればいいかな。これだと、銃刀法違反にも引っ掛からないぞ。
 だけど、ダメージは最大2点。普通に殴る(ダメージ1点)よりは微妙に強いけど、この武器の本領は「頭部か首を狙えば、気絶を狙える」という点。背後に忍び寄った盗賊がブラックジャックで殴れば、HD3までの相手ならイチコロだ。ハーフリングだと、相手の頭部まで手が届かないので、あまり使えそうにないですが。
 それ以上の敵だと、気絶は狙えないものの、スタン効果で朦朧状態、フラフラさせることが可能。敵の命中率などを下げるほか、呪文を使用不能に追い込めるのが大きい。これで、魔法使いの後ろに忍び寄って、ブラックジャックでバシッとやれば、無力化も簡単。
 さすがにレベル9を越えると、スタン効果もなく、単にイニシアティブを失うだけに成り下がるので、コンパニオンレベルになると、ほぼ役に立たないのですが、低レベル時からの武器追加採用で、また面白い遊び方ができそうな武器ですな。実は「必殺仕事人みたいな、影に隠れて一撃必殺」な遊び方が推奨されるのかも知れません。
 派手なチャンバラじゃないけれど、地味でマニアックな楽しみ方ができそうな、それがコンパニオンテイストかも。

 ここまで結構、文章を費やしたけど、最後はさくさく行きますよ。
 ウィップ、ネット、ボーラの絡み付き3点セットです。インディー・ジョーンズとか、スパイダーマンとか、あとライダーマンみたいなキャラに憧れる人向き。
 念のため、ウィップは鞭、ネットは網、ボーラは一言で説明しにくいな。重りのついた紐をブンブン振り回して、相手に投げつけて絡め取る。日本では、鎖鎌の後ろに付いた鎖分銅がイメージしやすいけど、他には科学忍者隊のG4号の甚平ちゃんが使っていたアメリカンクラッカーが分かりやすいかな。いや、例が古すぎて分かりにくいか。ええと、とにかく、ブンブンでギュインギュインでズドドドドです……って、何、その説明を放棄したような擬音は。おまけに、ギュインギュインはともかく、ズドドドドなイメージはボーラにはないし。
 あえてボーラを擬音でイメージ付けるなら、ブンブンでギュインギュインで、グルグルキューって感じですかな。このキューって感じが凄くて、ボーラで攻撃して20面のダイス目が20で当たれば、首に絡みついたらしく麻痺状態に陥って、しかも1分前後で死に至るという即死効果あり、ですよ。この首に引っ掛かって、締め付けてジワジワクイって感覚が、何となく仕事人の三味線の糸。いや、武器のイメージは違うのですが、発動効果が似ている。なお、当然ですが、NOVAはボーラが首に絡まって死んだようなキャラは見たことがありません。そういうプレイ風景に出くわした人は「ボーラの恐怖」を語るだけで、NOVAに賞賛されること間違いなし。

 「俺、この間、オーガのボスにボーラを投げたんだわ。そしたら、たまたま20が出て、首にしっかり絡みついてよ。ボスが苦しみながら窒息していくのを見た部下のオークどもは一斉に逃走。これぞ、正にラッキー、何てこった、こいつは伝説のボーラ体験になるぜ、と思った瞬間だったな」

 ん、こんな感じで妄想捏造できたか。
 あ、もういいわ、ボーラ。人の話を聞かなくても、自分でイメージできちゃったから。

 なお、一番、こういう窒息効果がありそうな鞭、ウィップには残念ながら即死効果はありません。あれば、組紐屋の竜が再現できたのに。
 さて、ボーラにせよ、ウィップにせよ、ネットにせよ、共通する効果はエンタングル(絡みつき)。HD3まで有効で、ST判定成功するまで、相手の行動を封じ込めます。
 HD9まではスロー効果で、行動回数を2分の1にする他、呪文も封じられるなど、支援としては十分使える部類。ライダーマンがロープアームで相手を押さえ込み、「V3、今だ」とトドメを促すプレイが好みなら、是非ともおススメ。うん、仲間の支援に徹するナンバー2の生き方を推奨する、これもコンパニオンって感じ。
 まあ、敵も味方もコンパニオンレベル(レベル15以上)に達すれば、ほぼ役に立たなくなる武装なんだけどな。

 コンパニオンルールを買った当時は、これらの「低レベルではいろいろ遊べそうな効果も、コンパニオンレベルでは活かせそうにないという武器の副次効果」を見て、何で今さら、こんな地味な武器を追加したんだろうなあ、と疑問でしたが、今だと納得。つまり、アメリカのゲーマーって、メインのキャラを高レベルに育てた後、また低レベルキャラを作って、1から楽しんだりもする。そこで、低レベル時のプレイを飽きさせないようにするための追加ルールなんだな、って。
 これが日本の場合、そこまでD&Dにこだわらなくても、80年代後半から90年代前半にかけて、新作TRPGが次々に出版される環境だったから、D&Dがエキスパートレベルのそこそこまで育ったら、次はT&Tとか、ソード・ワールドとか、GURPSとか、どんどん新システムに乗り換えて行くのが主流だったような。D&Dオンリーで、どこまでも高レベルを追求するプレイ環境もあったのかもしれませんが、少なくとも自分は幅広いヴァリエーションを求めて、いろいろ齧っていったプレイ環境だったので、D&Dの高レベルは積極的に追求して来なかったわけで。
 だから、逆に、一つのシステムをどこまでも奥深く齧り尽くしたような一芸特化型のプレイを頑張ったような人には、ちょっとした尊敬と憧れを感じたりもするわけで。

 と、やはり長くなったので、ここまでで一旦、記事を締めて、引き続き別記事に移ります。(完)