ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

イモータルへの道(パラゴン編)

 イモータル記事を書こうと思って、ダイナストとエピックヒーローについて復習していたら、結構、文量がかさんでしまったもので、改めてパラゴン編。

 

 そもそも、パラゴンって言葉は、どういう意味かな? と考えると、

 地底怪獣じゃなく(それはバラゴン)、

 『帰ってきたウルトラマン』に出てきた蜃気楼怪獣でもなく(一応パラゴンだけど)、

 英語の辞書で「paragon」って調べると、「模範的な人物」「達人」「至高の人」「凄い奴」ぐらいの意味合いですな。そういう名前のオンライン・アクションゲームもEpic Gamesというところが運営していて、最近終了したらしいそうですが、現実の世界のパラゴンは至高のゲームにはならなかったようで。

 

 英単語としての使い方で「paragon of beauty」だと、「美の化身」「美の権化」と訳すようで、単にパラゴンだけだと、何が凄いのか分からないので、後ろに「of何ちゃら」と修飾語句を付けることで、意味を為すような称号と考えるべきかな。

 適当に使い方を考えるなら、「paragon of imagination」とすることで単なる「想像力豊かな人」の域を超えて、「想像力の塊」とか「究極の空想・妄想家」レベルに達しそう。「paragon of lucky」とすることで「シシレッド」と訳すことも今なら可能。宇宙に飛び出しても獅子座流星群がたまたま偶然降ってきて、地球に帰還できて、その勢いで不滅のラスボスを倒してしまうほどのラッキーな奴って、そうそういないって。「paragon of 過酷」と書いて「げんとくん」とか、「paragon of みーたん愛」と書いて「かしら」とか、いろいろ遊べるネタ単語にしたくもなりますぞ。いや、英語として通じるのかは不明ですが。

 

 で、D&Dイモータルの第3の道であるパラゴンは何が凄いのかというと、魔術の達人であり、マジックアイテム製作の達人という意味での凄さを体現した存在である、と。

 これ、ダイナストは僧侶推奨と書いておきながら、実質は領主となった戦士の道だったり(まあ、僧侶でも宗教国家のトップを目指すことは可能だし、神官王という肩書きのキャラや、その国の宗教のトップが政治のトップに君臨するケースは歴史上でも実例がいくつも挙げられるが)、

 エピックヒーローは盗賊推奨と書いておきながら(義賊って感じなんだろうね、ロビンフッドみたいな)、実際はどんな職業でも達成できそうな、一番分かりやすいイモータルの道だったり、

 要するに、前の二つは他の職業でも歩むことは可能だけど、パラゴンと、それから次のポリマスは、完全に職業が限定されている感じ。つまり、パラゴンは、魔法使い推奨どころか、魔法使いであることが必須という説明のされ方をしていて、他の職業だと決して達成できない条件が示されている次第。

 その意味で、D&Dのパラゴンは「paragon of magic」、すなわち究極の魔法使い、と解釈できる、と。

 

★究極魔法使いへの道

 さて、パラゴンは究極魔法使いと解釈すればいいとして、どうやったら、そんな物になれるのか。

 マスタールールによると、まず、パラゴンは「エネルギーの領域」への道であり、マジックユーザークラスに好意を持つ、とある。この「好意を持つ」というのが、どういう意味なのか、これまでも、いろいろと解釈に悩んで来たんだけど、まあパラゴンの場合は割とストレートに「マジックユーザーだけがパラゴンになれる」と考えていいでしょうな。

 それと、各領域についておさらいすると、ダイナストは「時間の領域」、エピックヒーローは「思考の領域」、パラゴンは「エネルギーの領域」、最後のポリマスは「物質の領域」となる。これに、全てを破壊する「エントロピー(死)の領域」を加えた五大構成因子がクラシックD&Dの宇宙観の基盤になっていたり。
 そして、エントロピーを除く4つは、他のエレメント(元素)にも対応しているわけですな。時間がウォーター(水)で、思考がエアー(風)で、エネルギーがファイヤー(火)で、物質がアース(地)に対応。これら4つの要素、領域がそれぞれ連関を帯びており、その調和を為すことがイモータルの目的であることが、D&Dマスタールールにおいて提示されているのですが、要するにクラシックD&D特有の哲学ということです。 

 この哲学は、AD&Dとも、新世紀D&Dともまた異なるもので、まあAD&D以降はゲームシステムそのものよりも、多彩な各ワールドガイドごとにまた独特の世界観、多元宇宙観、世界哲学を作り出しているわけで、それら全てを比較対照して見せた記事は、まだ読んだことがありません。

 まあ、あらゆるD&Dの世界観を全て熟知した日本人がどれだけいるのかは謎ですし(本国アメリカ人のマニアだったら、そこそこいそう)、日本人だったら、フォーセリアと、ラクシアと、新世界「アルフレイム大陸」の違いを解釈しているぐらいがいいのかも。あ、念のため、順にソード・ワールドの1版、2.0版、そして今年の7月20日に最初のルールブックが発売予定の最新作2.5版の背景世界ね。
 一応、2.5版については、4月半ばに新情報が明かされたことが、以下の記事に記されたりしているが、興味のある方は確認あれ。

http://www.4gamer.net/games/416/G041660/20180416090/

 って、D&Dのイモータル記事の間に、ソード・ワールドの最新情報を組み込むとは、我ながら人が悪いと思いますが(普通は、ソード・ワールドの最新情報出たよ、と題する記事を書く)、まあ、NOVAのブログ記事をしっかり読んでくれている奇特な方へのサービスだと思ってくれた方がいいです。
 うん、冒険者の魂を持つ人なら、何気なく探索していたダンジョンで、思いがけないお宝情報に出くわした方が嬉しいでしょう?

 実際、本ブログでD&D以外に、ソード・ワールドの振り返り、あるいは新作記事を書くかは検討の余地ありだったり。
 追跡するなら、現状「TRPG」になっている記事カテゴリーをもっと細分化しないといけないだろうし、ここははてなと違って、一記事に複数カテゴリーを付けられないからどうしようかな、と。
 それと、D&Dでも、クラシックとAD&Dと、3版以降で別々に考える必要があるときと、まとめて考えるときとがあって、自分のように複数の話題に節操なく話が広がる書き手の場合、はてなの方が書きやすいわけで。はてなの方に、写真画像貼り付けられるようになった現状では、ここで記事書きするようになった当初の動機も消えたので、ここで続ける理由も新たに必要になる、と。
 もちろん、現状は、はてなの方が、NOVA以外の複数キャラの会話が主体になっているので、ルールブックを読んで、じっくり考察となると、こっちの方が作業しやすい面もあったりして、いろいろ試行錯誤中でもあったり。

 とりあえず、ここでソード・ワールドについても書くか、それとも、それははてなの方のネタにするかを検討しつつ、ここで書くならカテゴリ分けの問題も考えつつ、ということですな。まあ、D&Dとソード・ワールドの比較なんてことを書きたくなった場合は、現状のTRPGカテゴリだけで問題ないのだけど、それだと、こっちは検索性が悪いという問題もあって(記事一覧も見られないし)、いろいろ解決したい問題が出てくる、と。

 もっとも、そういう思考を楽しく乗り切るのも、「paragon of TRPG」を目指す道なんだろうけど。

★パラゴンへの道は続くよ、どこまでも

 閑話休題
 話が世界やシステムを超えて、すごく飛んだ。さすがは次元魔術を極めた男の書くブログだ、と自画自賛しておいて。やり過ぎると、エントロピーの作用で記事崩壊するので、次元移動は程々に。

 パラゴンになるには、まずアーティファクトを探して、それから自分でもオリジナルのマジックアイテムを作成しないといけない、とあります。
 アーティファクトについては、マスタールールにおいて「イモータルが作成した究極のマジックアイテム」ということで、マスタールールにその製作のルールが詳細に載っているんだけど、昔のロードスリプレイにおいても、コンパニオンルールはほとんど紹介されていなかったのに対し、マスタールールの断片はいたるところに散りばめられておりました。ええと、カーラの使うメテオの魔法とか、カーラのサークレットとか、支配の王錫とか、魂の水晶球とか、そういう超高レベルなものはD&Dマスタールールからの抜粋だったり。

 アーティファクトについては、いずれ詳しく語る時もあるとして、ここではマジックアイテム作成についての話。
 マジックアイテム作成は、エキスパートルール辺りからルールに書かれてあって、呪文の使える魔法使い、僧侶、エルフの特権だったりします。つまり、呪文使いは同時にマジックアイテム職人にもなり得る、と。

 マジックアイテム作成は9レベル以上に成長して初めて許される技能で、ファイターが城を建てるのに資金を投入するのと同様、11レベル魔法使いは塔を建てて弟子育成に努めることもできるし、僧侶だって城を建てることができる(さらに戦士と違って、教会が資金援助してくれる可能性もあってお得かも)。エルフは森の奥に要塞を築くこともできて、この辺は秘密基地感覚にも思える。で、それらに資金を費やす代わりに、あるいは費やしながら同時に、呪文使いはマジックアイテム作成に資金を費やすこともできるわけで。
 例えば、僧侶がヒーリングポーションを1本作り出すのに「1週間の時間と金貨500枚」が必要だったり、魔法使いが20発撃てるファイヤーボールの杖を作るのに「17週間と金貨3万枚」が必要だったり、他に+1のプレートメールを作るのに「半年と金貨1万枚」が必要だったり、といろいろ例示が為されております。あくまで例なので、DMがその辺の費用や時間をアレンジしても構わないし、例以外の品物は例を参考に、自分で必要資金などのデータを作って、記録しておかないといけません。
 まあ、マジックアイテムの製作には、時間と金が結構掛かるので自分で作るよりは、冒険中に手に入れた方が早い、という考え方もあって、またコンパニオンルールになって、マジックアイテムの売買のルールも初めて載ったりしています。まあ、今の視点では、「そんなもの最初からルールに実装しておけよ」と思ったりもするのですが、初期のD&Dは洗練されていないつぎはぎゲームであることは否めませんからねえ(苦笑)。

 で、クラシックD&Dも当初は、上級版のアドバンストD&Dに対する初心者用の基礎システムだったはずが、コンパニオン辺りになると、「中世ヨーロッパ風ファンタジー世界に特化した独自の発展」を遂げて、より多様性に満ちたごった煮世界のAD&Dとはまた違う、一本筋の通ったゲームとして発展していたのが80年代半ば。
 そして、この段階で、AD&Dからもパラディンドルイドといった職業、その他の細かいルールを引き写したり、一部改変したり、大規模戦闘という新ルールを構築したり、整合性があるのかないのかは、はっきりしませんが(新ルールをDMがどう扱うか頭を悩ませたりすることも)、それでも、ルールが広がりすぎて訳の分からないレベルにまで達している当時のAD&Dよりははるかにマシ、という頃合い。
 やはり、「中世騎士道ファンタジーに、ギリシャ神話や北欧神話、東洋風アドベンチャーや、拳法アクション、ゴシックホラーやインディージョーンズなんかを混ぜたりすると、もう収拾がつきませんよ、これ、どうするの?」ってのが当時のAD&Dだからして、まあ、そういうゲームを前にしながら、「おら、ワクワクして来たぞ」とか言って、「このゲームはデッカい宝島、そうさ、今こそアドベンチャー♪」とか歌えちゃうのが、まあ当時のAD&D。実はドラゴンボールのごった煮ワールドと同じようなことを、アメリカは少しだけ早くAD&Dで展開していたことに。

 よって、ドラゴンボール最初のオープニング主題歌「魔訶不思議アドベンチャー」はちょっと歌詞を変えれば、そのままAD&Dの歌にすることも可能だったり。
 だから、80年代後半で、ロールプレイング・ゲームを題材にした冒険ファンタジーがいっぱい出て来たけど、実はAD&Dの精神を一番体現していたのがドラゴンボールだったというのは、さすが鳥山明だなあ、と。まあ、ドラゴンクエストのイラスト描きでもあるので、RPGに対して無知というわけでもないのだろうけど、日本のD&D後継者はどうしても整合性の高いワールドを作ろうとして、小ぢんまりしてしまうのに対し、本国アメリカは「整合性? 何それ? 俺たちはカオスな世界をパワー全開でどこまでも突き進むぜ、ヒャッハーー!」な開拓者精神で駆け抜けたのが80年代半ばのAD&Dワールドで、その精神のままに21世紀になっても駆け続けているのが日本のドラゴンボールだと書いてみる。
 これぞ「paragon of adventure」ってものですな。

 って、いつの間にかD&D→AD&D→ドラゴンボール、と凄い飛び方をした気もしますが、本当に摩訶不思議。正に胸ワクワクの愛がぎっしり、ってものです。

 で、そろそろ収拾がつかなくなる前に記事を仕上げたいので、ここからスピードアップを図って、ラスト5秒(?)の逆転ファイターを目指すわけですが、
 パラゴンは少なくとも、6人の弟子を集めて、最低でも12レベルに成長させなければならず、さらに自宅の周囲100マイルの土地を独特の自分ワールドに変化させなければならないそうな。ええと、100マイルって距離どれくらい? 1マイルは1.6キロメートルなので、160キロ? 車で3時間ほどの周囲を自分空間に作り変えろと? NOVAがそれをやるなら、特撮ヒーローとスーパーロボットと時代劇と冒険ファンタジーとミステリーのごった煮ワールドが出現してしまうじゃないですか!
 まことにもって素晴らしい(笑)

 いや、まあ、自分は人様に迷惑をかけたくはないので、半径100マイルなんて大それた野望は抱かず、せいぜいブログに収まる範囲で記事書きしていれば満足なんですよ。って、だからイモータルにはなれないんだな。
 もちろん、6人の弟子を12レベル大魔法使いに育て上げるのも結構、大変なんですけどね。ええと一人当たり経験値を75万ポイント稼がないといけないので、×6して450万ポイント。それだけの経験値をくれる宝がどこにある? なお、450万ポイントもあれば、自分一人だと最高レベルの36に達しますな。自分がマックスレベルに達するだけの経験値を弟子に注ぎ込むなんて、師匠の鑑だよね。
 ドラゴンボール亀仙人ですら、そこまで達成しているとは言えまい。ええと、弟子は孫悟飯(悟空の爺ちゃん)と、牛魔王と、悟空と、クリリンと、ヤムチャ、ええと、ウーロンやらプーアルも弟子と見なしていいのかな。後は、カメハウスのある孤島周辺の海域は周囲100マイルあると思われるので、あの辺一体は亀仙人ワールドになっていると考えるなら、パラゴンの条件を満たしているのかも。まあ、魔法使いと武闘家を同列に考えていいのか迷うところだけど。

 そして、最後に、半径1000マイル以内にいる全ての魔法使いに、自分こそが一番優れている、と示さなければならない、とか。そして、少なくとも8人の25レベル以上の魔術師に挑戦し、打ち勝たなければならない、とか、どんだけ武闘派なんだよ、パラゴン。
 ええと、塔に引きこもって、マジックアイテムを作ってるだけの人だと思っていました。今回、この記事を書こうとするまでは。

 「フッ、我が領域にのこのこ立ち入ってくるとは、愚かな魔法使いよ。どうやら、挨拶に来る気もなさそうだから、こちらから出向いてやるとしようかの。レベルが低ければ、弟子にして鍛えてやるのもよし。レベルが高ければ、戦いを挑んで、どちらが上か力量を見せつけてやるもよし。どっち付かずの中途半端なレベルでなければ良いのだがな。フフフ、久しぶりの熱い魔法バトルになるかも知れん。腕が鳴るわい。わしのこの手が真っ赤に燃える。勝利をつかめと轟き叫ぶ。ぶぁく熱・石破天驚ファイヤーボール!」と、まあ、こんな感じか(爆)

 ええと、こんな流派・東方不敗、いや東西南北中央不敗スーパーアジアみたいな思考回路を持つのが、究極の魔法使いという解釈でよろしいのですかね、クラシックD&D。
やはり、なかなか侮れなかったり。奥が深すぎる。
 日本で、ここまでキャラを鍛えて、イモータルに達したD&Dプレイヤーって本当にいるのかね(完)