ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ドワーフの道

 さて、今回はAD&Dから新世紀D&Dのドワーフについて、いろいろ話してみたいと思う。

 

 なお、クラシックD&Dのドワーフについては、4月4日の記事で先に書いてあるので、そちらも参照してほしい。

 

 ドワーフというキャラは、トールキンの『ホビット』『指輪物語』に登場して以来、ファンタジーRPGにおいてエルフと並び、非常にメジャーな種族と言っていい。

 D&D以外でも、『ウォーハンマー』『アースドーン』などドワーフに焦点を当てたゲームも多いし、

 コンピューターゲームでも、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といったメジャー作品で登場している。

 

 先に登場したのはFFの方で、87年末に発売された第1作の時点ですでに登場している。地下洞窟に住んでいて、その先のダンジョンを探索する際の拠点として、お世話になることが多い。

 印象的なのは、地底世界がクローズアップされた4で、地底に大きな城を構えて、地底探索の拠点として重宝する。また、戦車部隊を擁するほどの技術力を持っていて、文明レベルは結構高い。対空戦力を持たないので、ゴルベーザの飛空艇団に対しては苦戦するも、こちらの飛空艇改装に協力してくれたり、技師のシドを助けたり、技術への順応性も相当に高い。活動を開始したバブイルの巨人に対して、ドワーフ戦車隊で応戦してくれ、主人公たちが巨人の内部に侵入する際の支援をしてくれたり、世界を守るために頑張るドワーフの姿を堪能できる。

 

 一方、ドラクエでの登場は遅く、先にホビットの方が、ドワーフっぽいヒゲ面の小人として登場している(88年のドラクエ3)。ドワーフ自体は92年の5で登場したのが初出で、妖精の世界で宮殿を追放された鍵職人の爺さんと、その孫という位置付け。

 2012年に始まったオンラインゲームのドラクエXで、プレイヤー種族としてドワーフも採用されたことから定着しているようだけど、未プレイなので詳細は割愛。

 

 それよりは、ウィザードリィで、戦士やロード向きの種族として定番だったな、と。

 

 ソード・ワールドやロードスでも、それを踏襲して、ドワーフの神官戦士(戦神マイリー)というのが一つの定番となっていますな。

 2.0や2.5では、大地の妖精という属性に加えて、炎に強い属性が加わっている。ドワーフ一人で乱戦エリアを構築して、そこに後ろからファイヤーボールを打ち込む戦術は大いに有効と考えられるが、移動力の低さが災いして意図どおりの乱戦エリアが構築できない可能性も高い。

 まあ、昔のD&Dならともかく、現在の2.0以降の環境で、ここまでガチに戦術を考えないといけない戦場ってのも珍しいと思うけど。

 

★アドバンストD&Dのドワーフ

 AD&D2版のドワーフは、耐久力+1、魅力-1という能力値修正が与えられ、頑強だけど寡黙でぶっきらぼう、コミュニケーションが得意ではない種族とされています。
 また、魔法や毒の攻撃に対しては、耐久力の値に応じた+3~+5のSTボーナスが加えられますね。

 暗視能力(インフラビジョン)や、鉱夫としての経験から「地下での構造物の仕掛けや罠などの調査」が行えるのは、クラシックD&Dと同様です。

 アドバンスト独特のルールとして、ドワーフの魔法に対する耐性によって「20%の確率でマジックアイテムが機能しなくなる」というデメリットが興味深いか、と。


ドワーフ「(20%判定に失敗)何じゃ、このポーションは。HPが回復しないではないか」

人間「え、そうか? 普通に回復するけどな」

ドワーフ「ええい、こんな薄い味のポーションじゃダメだ。もっと濃いポーションを持って来い。ドワーフの舌に合った奴をな」

人間「だったら、こっちの古い奴を」

ドワーフ「グビグビ(判定に成功)。おお、これなら普通に回復するぞ。やはり、ポーションは年代物に限るのう」


 ドワーフのマジックアイテム機能障害のルールは、武器や防具、そして職業がクレリックの場合は、クレリック用アイテムには適用されないので、自分が普通に使える装備品では問題ないけど、指輪とか装飾品などの特殊なアイテムで結構、致命的な結果を招いたりすることもあり得ますね。


ドワーフ「飛行用のマントだと? バカな。そんな布切れ一枚で飛べるなどあり得ん。それを付けて、塔のてっぺんから飛び降りるなど愚の骨頂。そんな物に頼るぐらいなら、ロープ一本を使って降りる方がよほどマシというものよ」

巨漢戦士「ええい、面倒くさいな。マントは俺が身に付ける。ドワーフのおっさんは俺が抱きかかえてやるから、一緒に降りようぜ」

ドワーフ「うわ、何をする? 離せ、離してくれ。墜落する。戦士と無理心中などゴメンだ。ギャーーッ」

巨漢戦士「うるさいな。ほら、地上に着いたぞ。マントは普通に機能したろうが」

ドワーフ「それはたまたま運が良かっただけじゃ。わしが使えば、5回に1度は確実に墜落する。ガクガクブルブル」



 そんなわけで、魔法の効果に対しては懐疑的なドワーフ像が、ルールの上で明確化されているわけですな。
 まあ、リアルでも、たまに機械音痴というか、機械に嫌われた人間というのがいて、その人が使うと機械のトラブルが発生しやすくなるという「理論上はありえない確率変動を起こす」ケースがあったりしますが。
 「機械がうまく働かないんだけど」という人と、「そんなわけあるか。お前のやり方が悪いんだろ。俺にやらせてみろ」と言って難なく機械を動かす人。実は、前者はドワーフのマジックアイテム機能障害みたいな「その人の扱う機械は20%の確率でうまく機能しなくなる」って呪いでも働いていたりして。


 他に、クラシックになくて、AD&Dにあるルールとしては2点。

●仇敵のオーク、ゴブリン、ホブゴブリンなどに対しては、命中+1のボーナス。
●巨人系のオーガー、トロールジャイアントなどの敵がドワーフを攻撃する場合、命中率-4の利点がある。

 特に、後者は、『ホビット』の映画の中で、トロールとの戦いで見事に映像化されておりました。
 ドワーフといえば鈍重なイメージがありましたが、トロールに対峙した時は、体の小ささを利用して相手の攻撃や足元をかいくぐり、巧みな連携を駆使して戦上手を演出しておりました。この戦闘シーンは、原作小説にもなかったもので、D&DなどのファンタジーRPGからフィードバックされたドワーフのイメージが濃厚ですね。後は、ウォーハンマーRPGに見られるモヒカンパンクなドワーフのイメージが採用されたり、ゲームのドワーフ→指輪の映画への逆輸入が興味深かったり。


 まあ、さすがに「ラリホー」と挨拶して、「~~ラリ」という語尾で話すファイナルファンタジードワーフのイメージが、何かにフィードバックされることはないんじゃないかな。
 このラリホーは、ディズニー映画の白雪姫の「ハイホー、ハイホー」と歌う7人の小人のイメージをアレンジしたらしいですが、ドラクエの眠りの呪文そのままですからね。


ドワーフの職業イメージ

 まず、神話伝承では、鍛冶屋のドワーフのイメージが濃厚ですね。その際に使う武器はハンマーの類。それこそ、ドワーフが印象的なウォーハンマーというゲームがあるほど。

 次に、指輪物語から、鉱夫、細工職人、建築工というイメージが。鉱夫や建築工からは力強い肉体労働者のイメージがありますが、金属細工や宝石細工の繊細な手先の器用さも提示され、無骨な外見イメージに反して細工物への目利きとか、細かい作業が結構得意だという。

 クラシックD&Dでは、戦士にして鉱夫のドワーフイメージが強調されておりますが、アドバンストの場合は、僧侶と盗賊も選択できます。
 AD&Dの盗賊能力は、クラシックのレベルごとに固定された能力と違い、レベルごとにポイント割り振りできる自由さがありますが、ドワーフの場合、さらに「鍵開け+10%」「罠発見や解除+15%」のボーナスが付きます。実は各種族で一番そういう機械操作系の技が巧みなのがドワーフなんですね。
 一般に盗賊向きだと言われるハーフリングは、それらのボーナスが「+5%」でしかなく、忍び足や隠れることを除けば、満遍なく細かいボーナスが付く種族。なお、エルフの盗賊は「鍵開け-5%」となっており、機械に対しては扱いが下手みたいですね。

 能力値的には、D&Dでは手先の器用さと体の機敏さはどちらもDEXという一つの能力で表現されているので、動きは鈍いけど手先は器用というキャラを表現しにくいですが、その辺はソード・ワールドがはっきりしていますね。2.0および2.5では人間の2D(期待値7)に対して、ドワーフは器用度2D+6(期待値13)、敏捷1D(期待値3.5〕とはっきり違いますから。まあ、ドワーフはそれらに加える技基本値が4~6と低く設定されているため(エルフは9~13)、+6のボーナスがあって初めてエルフ並みの器用さを保てるわけで。
 ゲームシステム的には、戦士の力を重視するアメリカ製のD&Dは攻撃の命中もダメージも筋力依存なのに対し、技も重視する日本のソード・ワールドでは命中は器用度で、ダメージや扱える武具の重さは筋力依存なので、ドワーフが不器用だと攻撃が当てられないキャラになってしまう。実際は「よく当ててダメージも大きい。避けられないけど重装甲で打たれ強い」のがドワーフ

 他に、白雪姫の7人の小人だと、「森に住む木こり」っぽいイメージがありますが、これは指輪以前の民間伝承に基づいていて、現在の視点だとノームのイメージも混ざっているように思えたり。

 あとは、ファイナルファンタジーのイメージで、3の職業バイキングのグラフィックが4のドワーフに当てられたために、またバイキングの使用武器が斧やハンマーなどだったりもして(これは5ではバーサーカーの武器になる)、海賊っぽいドワーフイメージが自分の中ではでき上がったり。いや、ドワーフは水を嫌う種族で描かれやすいので船のイメージはないのですが、ビッケや、宮崎駿の描く海の男の髭面イメージがドワーフ的に感じたり。
 斧って武器も、木こり以外に、船乗りが索具を切ったり、蛮族の使うパワフルな武器にして便利道具のイメージがあるので、そして何よりも指輪のギムリの影響で斧使いのドワーフのイメージが出来上がった感ですね。

 また近年のヒロイン像の一つに、「体は小さいのに、身の丈に合わない大型の武器を扱うデフォルメ少女」というのがあって、ヒゲ面を廃したドワーフ美少女というのが、ソード・ワールドでも2.0から採用されるようになりました。
 2等身のSDキャラというのは、現状、日本特有の文化っぽいですし、そもそも、日本の伝統的な斧使いといえば「まさかり担いだ子供の金太郎」というのがあって、「小さい体なのに、斧を扱うギャップ萌えパワフルキャラ」という文脈も研究しがいがあるかも。

 ロボットで言うなら、ゲッターロボとザクが斧使い2強かな。
 って、ドワーフ話から、いつの間にか斧話に移っていますな。仕切り直すとしましょう。


★新世紀D&Dのドワーフ

 3版のドワーフは、耐久力+2、魅力-2と、より顕著に差が出るようになりました。
 他に対毒や対魔法の抵抗判定が+2で、抵抗力の高さは少々控えめになったものの健在。さすがにマジックアイテムの故障ルールはなくなりましたが。
 石工として、地下や石作りの建造物についても探索ボーナス+2。
 オークやゴブリンへの命中+1や、巨人からの防御AC+4なども健在。

 新しく加わったルールに、石や金属アイテムの鑑定ボーナス+2と、製作ボーナス+2。
 この辺は、職人としてのドワーフ観を再現するとともに、「アイテムに対するプレイヤー側からの能動的働きかけ」が3版からはルールとして明記されたから。
 それまでは、マジックアイテムの値段や製作ルールがDM向きのアドバイスに留まり、ルールとしてはきちんとデータ化されていなかったのに対し(DMが自由に決めたらいい)、3版ではデータとして明記したり、プレイヤーキャラがマジックアイテムを製作するルールが明確化。この辺は、オンラインゲームなどで職人プレイが当たり前になった世相も反映しているんじゃないか、と。


 4版を飛ばして5版。
 能力値は耐久力+2だけ残って、魅力のペナルティーがなくなった。
 そして、5版ではドワーフも2種類に分けられ、丘に住むヒルドワーフと、山岳に住むマウンテン・ドワーフがいる。これまでも世界設定のサプリメントドワーフの亜種が紹介されたケースはあるけど、これを基本ルール時点で示しているのが5版の特徴の一つ。

 ヒルドワーフは、知恵に相当する判断力(ウィズダム)が+1され、最大HPもレベルごとに+1される。
 一方、マウンテン・ドワーフは、筋力が+2され、軽装と中装の鎧に習熟している扱いになる。

 つまり、ヒルドワーフの方がタフで、マウンテン・ドワーフの方がパワフルな感じですな。
 ただ、マウンテン・ドワーフの場合、戦士系の職業を選ぶと鎧習熟のボーナスが意味を為さない(職業の能力で普通に付いてくる)ので、鎧制限のあるローグやモンクになる方が有利かもしれない。まあ、鎧のことは気にせずに、筋力+2だけでも十分強いと思いますがね。
 なお、軽装鎧はレザーアーマーが定番ですが、中装鎧の中にも非金属なハイドアーマー(獣皮の鎧)や隠密行動の妨げにならないチェイン・シャツ(鎖かたびら)が設定されていて、ローグやモンクの活動を妨げなかったりします。チェインメールとは別にチェイン・シャツがあるのが、日本の忍者のイメージ、あるいはホビットミスリル製の鎖かたびらのイメージもあって、隠密行動を妨げない鎖製の防具がいい感じに思えたり。

 さて、3版と5版はそれなりにルールが異なるのですが、大きな違いは、3版はプレイ中に数値ボーナスを加算する作業が付きまとうのに対し、5版はそういう数値処理が必要最低限な点。
 例えば、対毒のST判定に対して、3版だと+2ボーナス(20面ダイスなので+10%に相当)と書かれてあるのに対し、5版だと「対毒ST判定に有利を得る」と書いてあるのみ。
 この「有利」と「不利」というのが5版の判定の特徴の一つで、「有利」なら20面ダイスを2回振って高い方の数値を、「不利」なら低い方の数値を判定に用いるというもの。言いかえれば、「有利」なら判定に失敗した際にもう一度振り直しができて、「不利」なら2回成功しないといけないという処理と同様。
 仮に対毒判定が50%で成功する場合に、3版なら成功率60%になるのに対し、5版なら失敗率が半分の半分で25%に下がり、成功率が75%まで向上することに。
 もしも成功率70%なら、3版だと80%に、5版だと失敗3割の2乗で約10%になるので成功率90%に。
 成功率30%なら、3版だと40%になり、5版だと失敗7割の2乗で約50%になるので成功率50%に。

 おおむね5版で「有利を得る」というボーナスは、成功率が約2割向上するので3版の+4ボーナスに相当する形ですな。

 それに加えて、5版のドワーフは毒ダメージを半分しか受けないという抵抗力を備えており、3版以上に毒が効きにくい種族となっています。逆に対魔法の能力がなくなっていて、そこは従来どおりの魔法が効きにくいドワーフ像とは違ったキャラ性に。魔法が効きにくい種族はノームの方になっていますね、5版では。


 対オークや巨人への戦闘ボーナスや、地下の構造を見破る能力も消えて、代わりに「石工」「鍛治」「醸造」のどれか一つの道具習熟や、石造物限定の〈歴史〉技能で2倍の習熟ボーナスが得られる形に。

 道具習熟と、技能の習熟ボーナスも5版特有の判定ルールです。
 道具に習熟していると、その道具を用いた技能判定に習熟ボーナスを加えられる。習熟ボーナスはキャラクターレベルの数字を4で割って(端数切り捨て)1を加える固定値で、5版では3版のように技能のランクを上げなくてもキャラレベル上昇によって自然にボーナスが増える仕様。
 技能習熟は、道具習熟と同様のルールですが、異なるのは技能が特定の能力値と結びついているのに対し(〈運動〉は筋力とか、〈隠密〉は敏捷力とか、〈歴史〉は知力とか)、道具習熟は職能に関する技や知識を一通り身につけていると解釈できます。例えば、画材に習熟していると自分で絵を描ける他、他人の描いた絵の評価もできるとか。 

 まあ、趣味ではなく職業技能なので、下手の横好きにはならないか、と。
 石工道具に習熟しているから、ダンジョンの作りも分かるだろうとか、
 鍛治道具に習熟しているから、武器の鑑定もできるだろうとか、
 醸造道具に習熟しているから、利き酒も得意だろうとか、まあ、そういう処理が可能なルールですね。


 ええと、ガンプラ作りに習熟しているということは、単にプラモが作れるだけでなくて、原作となるガンダムの物語知識も豊富に持っているということにつながるし。
プロレベルでゲームが得意だということは、ゲームというジャンルについての見識も相応にあるということかな。
 プロの小説家なら、当然、小説に関する一般的な知識や鑑賞眼も求められることになるだろうし(そういう知識もろくに語れないのに、プロレベルの創作は困難だろうし、職業人としては続けていけない)。
 まあ、良き創り手というのは、良き鑑賞者でもあるということなんでしょうな。良い作品を正当に評価できてこそ、そのエッセンスを自分の作品に込めることもできるのだろうし。
 もちろん、自分の作品に対しては評価が甘く、他には辛辣な評価を下しがちな職人もいるだろうけど、そういう露骨なダブルスタンダードが目立つ者は大抵いいものが作れないので、プロとしては通用しないとか。


 って、5版の道具習熟にまつわる職能ルールから、冒険者の背景の職人像にまで話が広がったり。何せ、5版がそういう冒険者の表稼業というか生活スタイルにこだわったルールなもので。
 惜しむらくは、プレイヤーズハンドブックにある背景一覧が、人間の社会背景を意識しすぎて、異種族キャラの背景に使えそうなものが少ないことですね。
 一覧を挙げていくなら、イカサマ師、隠者、貴族(騎士)、ギルドの職人(商人)、芸人(剣闘士)、賢者(学者)、侍祭、犯罪者(間者)、船乗り(海賊)、浮浪児、兵士、辺境育ち、民衆英雄。

 まあ、これだけあれば多少のアレンジを加えれば何とかできるのかもしれませんが、今後、種族別とかワールド別の追加背景とかが増えていくのでしょうな。

 なお、こういう冒険者の職歴についてこだわりのあるウォーハンマーRPGで、ドワーフの初期職業キャリアリストを確認すると、用心棒、御者、看守、鉱夫、遺跡荒らし、トロール殺しなんかがD&Dの背景では表しにくいかな。とりわけ、鉱夫がギルドの職人や辺境育ちで代用しないといけないのは、ドワーフの雰囲気を損なう感じで。
 ドワーフだけでなく、エルフの、例えばディードリットなんかも上記の背景一覧じゃ表現できなかったりしますしね。無理に表すなら、辺境育ちになってしまうわけで。ホビットのビルボも辺境育ちになるし、牧夫も、農民も、狩人も、遊牧民族も、都会人以外は全て辺境育ちになってしまうのでは、物足りない感じですね。


 最後に、ドワーフに話を戻して、失われた「ダンジョンの構造探索能力」は、種族によるデフォルト能力でなく、追加特技の『ダンジョン探検家』を習得すれば補えます。その内容は以下の通り。

●隠し扉を見つける判定に有利を得る。
●罠を避けたり耐えたりする判定に有利を得る。
●罠ダメージへの抵抗を得る(ダメージ半減)
●通常ペースの移動で罠発見を行える。

 この特技が、ダンジョン探索では非常に有効なので、ドワーフに限らず、パーティーメンバーが全員習得してもいいぐらいでは、と思ったり。


 今回はこれにて終了。
 今後、「ドワーフの道2」と称して、第4版やT&T、ウォーハンマーアースドーンなどの他のゲームのドワーフ薀蓄を語る可能性もありますが、まあ、ドワーフばかりでも飽きるので、そのうち気が向いた時にでも。
(完)