★観戦モードなあらすじ
私の名前は粉杉晶華。花粉症ガールよ。
お供のリバTちゃんといっしょに、このアステロイド監視所に来たら、なぜか復活した殺人鬼ケイソンさんに襲われて大ピンチ。
一度倒した相手だから、と油断していたら、ケイソンさんの正体は元ドゴラ分体のKPマーク3ちゃんらしく、私の火炎攻撃も通用しない。
え? 相手がケイPだったら、蜂毒バスターが通用するはずだって?
あなたはもしかして、花粉症ガールの物語の愛読者さんね。
いつも応援ありがとう。お姉ちゃんも今頃、屋久島で戦っていると思うから、まだだったら、そちらも読むといいわ。
というか、バトル物語の主人公はお姉ちゃんであって、どうして日常編のアシスタントの私が戦わないといけないわけ?
私の仕事は、ロードスのサプリメントを研鑽することのはずなのに。
ベルド様とフラウス様の表紙絵のサプリが私を呼んでいる。
あ、だけど今の私は大ダメージを受けて気絶寸前なのよね。
そう、意識はあるけど、戦闘不能状態なの。
だから、カプセル女神さまのリバTちゃんが、バトルスタチューモードになって戦っているわけ。
頑張って、リバTちゃん。私は一生懸命応援するから。
え? リバTって何者かって?
そっちのあなたは、NOVAちゃんのブログの素人ね。
簡単に言えば、闇堕ちした私がバットクイーンと名乗っていたときに、妄想ナイトメアワールドで作った精神世界の守護彫像だったの。モデルは石化したKPマーク1ちゃんのドゴランアーマー。
だけど、NOVAちゃんがナイトメアハンターみたいに私の精神世界に侵入して、バットクイーンから解放しようとした際に、名付けの儀式でPONと生み出された不思議生命体なの。
言わば、夢のパワーで生み出された、自由と解放の象徴たる女神ちっくな魔法生物ってところかしら。
もしも、この説明で十分じゃないのなら、この記事を読むといいわ。
普通に「リバT」でググッても、「リバーシブルTシャツ」の関連ページがいっぱい引っ掛かってくるだけだしね。
とにかく、今はリバTちゃん、ガンバレ〜。
どうしようもなくなったら、蜂毒バスターを使うけど。
もうすぐ、バルキリー蜂毒バスターにパワーアップできそうだし。
★触手VS触手
ケイソン『ケピニュルン、ケピニュルン、ケピニュルン……』
リバT『甘いですわ、サブローお兄さま。そんな心の込もっていない触手攻撃では、未熟なミストレスには通用しても、触手の専門家たる私の動きを封じることは不可能です。本当の触手殺法を見せてあげましょう。リバT必殺、トルネード・テンタクル!』
晶華「ふえ~ん。さりげなくディスられたような気がするけど(涙目)、今は頑張って解説に励むことにするわ。おっと、リバTちゃんが体を回転させ、周囲の触手をブンブン振り回した~。回転エネルギーを加えて勢いを増した触手の連続攻撃が、殺人鬼を襲う!」
ZWBASHAAAAH!
ケイソン『ゲビーーッ!』
リバT『フッ、全ての触手は断ち斬らせていただきました。これもミストレスに危害を加えた報いと知りなさい。心配せずとも、時間が経てば触手も再生するでしょうが、その前に決着をつけるとしましょう。女神の拳は全てを砕く! 触手と女神の力をレッツ・ラ・混ぜ混ぜしたオクト神拳奥義、その名もオクト星宙(スタチュー)百裂拳、ハァァァァ! アタタタタタ……』
晶華「こ、これは、リバTちゃんの背景に、北斗七星、いや死兆星アルコルを合わせた八つの星が浮かび上がる。これぞ、北斗を越えたオクト神拳なの? 華麗なる触手拳法の使い手がこれほど身近にいたなんて知らなかった。本気を出したリバTちゃんが、こんなに恐ろしい力を秘めていたなんて、この知力の晶華の目をもってしても見抜けなんだわ。これなら、いかなる殺人鬼ケイソンであっても……」
KYPIIIIN!
きらめく閃光とともに炸裂音が高鳴る。
晶華「まぶしい! や、やったの?」
リバT『むむっ。こ、これはまさか……』
ケイソン『けけけけ、コノ我ガコレシキの技デ倒サレルト思ッタカ!』
晶華「ケイソンが喋った!」
リバT『い、いや、ミストレス。驚くポイントはそこではなくて……』
晶華「え? ええと……あ、リバTちゃんの百裂触手がことごとく、ケイソンの触手ガードで受け止められている!」
リバT『サブロー兄さまの触手は全て断ち斬ったはず。まさか、私の知らない隠し触手でもあったと言いますの?』
ケイソン『ソウデハナイ。単純ニ再生シテミセタノダ』
リバT『再生したですって? こんな短時間で再生するなんて……』
ケイソン『けいP単独デハ不可能デアロウナ。シカシ、ろいみゅーどノ能力を加エレバ……』
晶華「あ、もしかしてメディックさんの治癒能力? 確かにKPマーク3ちゃんは、ロイミュードさんたちの魂の器となっていたから、その能力を使えても不思議じゃないけど……」
ケイソン『今ハ、ろいみゅーどノ魂ハココニイナイ。故ニ完全ニ能力ヲ発揮デキルワケデハナイガ、けいP本来ノ再生力ヲ増幅スル程度ナラ十分可能ダ。ソシテ、今ノ我ナラ、コウイウ芸当モデキル!』
晶華「え? これは、もしかしてキラヤバ~。リバTちゃん、今すぐ撤退しましょう。相手がロイミュードの能力を使えるなら、今の私たちじゃ勝・て・そ・う・に・な・い・し……」
リバT『も、も・し・や、こ・の……ど・ん・よ・り・し・た・感・覚・は……』
ケイソン『ソウダ。ろいみゅーど御家芸ノ重加速ヨ。コレデ、オ前タチハ逃ゲルコトモ、抗ウコトモデキン』
晶華「くっ。こ・う・なっ・た・ら、あ・の・力・を・解・放・す・る・し・か……」
謎の男「あ、翔花ちゃん、見~つけた♪」
晶華「へっ? あ・な・た・誰?」
リバT『ま・さ・か?』
ケイソンの放つ重加速の前に、絶対ピンチの晶華とリバT。
そんな2人の前に、突然現れた謎の男。
果たして、彼は何者か? 敵なのか、味方なのか?
(当記事 完。次話「快盗たちの狂詩曲」につづく)