★花粉症ガール来訪
晶華「ジャッキーちゃん、リバTちゃん、お久しぶり〜。NOVAちゃんの使いで来たよ〜」
リバT『ミストレス晶華、ようこそ、いらっしゃいました。グランドマスターNOVAは健在ですか?』
ダイアンナ「うちのアストが、珠保NOVAを名乗る悪霊に憑依されたのだが、そっちに迷惑を掛けていないだろうか?」
晶華「まあ、ゴブリンスレイヤー対決は、ゆっくり進行だけど、今のところ問題ないかな。それよりも今はクリスマスの準備で休戦だって。この記事を見て」
ダイアンナ「おお、今年はコンパーニュで、クリスマスパーティーか」
キング「吾らマーキュリーバットも参加を認められたのか。これで触手帝国の野望も一歩前進と」
晶華「そんな帝国、作らなくていいから」
キング「しかし、今年のクリスマス前には、クトゥルフTRPGの最新7版が出ると聞いた。クトゥルフと言えば、触手。クリスマスと言えば、古代のク・リトル・インスマスの略語という説もあり、クトゥルフ降臨を願う記念行事も開かれるという噂も聞く」
晶華「そんな説は初耳よ。そりゃ、どこかのカルト信者が、クリスマスに関係なく邪神降臨の儀式を企てて、どこかの探索者の正気度を削ったり、狂気を撒き散らしているかもしれないけど」
キング「クリスマスには、タコ焼きパーティーというのもいいぞ」
晶華「もう、去年はどこかの悪の組織の怪人が、『クリスマスにはチキンの代わりにシャケを食え』と暴れたら、今年はイオンがやたらとサーモン推しなので、フィクションがリアルになった? と戦隊ファンを笑わせているのに、そのうち『クリスマスにはタコを食え』って宣伝する企業が現れたらどうするのよ?」
キング「サンタクロースが、サン・タコ・ロースに改名する日も近い」
晶華「そんなクリスマスはイヤだ」
★吸血鬼とクリスマス
ダイアンナ「しかし、クリスマスパーティーにお招きいただくのは嬉しいが、冷静に考えると、あたしみたいな吸血鬼がクリスマスを祝うのはどうなんだろうか?」
晶華「う~ん、キリスト教の祭りと、十字架嫌いな吸血鬼の相性は悪そうだけど、世間ではこういうお店もあるみたい」
ダイアンナ「ヴァンパイア・カフェだと? 世の中には、そんな物もあるのか」
晶華「まあ、世の中にはこんなカフェもあるぐらいだし」
キング「モルボルカフェだと?」
晶華「うん、触手カフェで検索したら出てきた」
キング「おお、わざわざ触手カフェで検索するとは、アッキー様もだいぶ触手教に染まってきたようだな」
晶華「やめて。私は吸血鬼に関心はあるけど、リバTちゃん以外の触手には興味ないんだから」
リバT『私めの触手には興味があると?』
晶華「世の中には、いい触手もいれば、悪い触手もいるの。私は全ての触手を肯定しないけど、触手=悪と決めつけたりはしない。ナウシカの王蟲の金色触手はいい触手!」
キング「なるほど。では吾も王蟲になって金色の光をまとえば、アッキー様に認めてもらえるのであるな。今は、ただの王なので、蟲属性と金色属性が来年の課題、と」
ダイアンナ「触手の話は、今はどうでもいいんだよ。問題は、クリスマスと吸血鬼の相性の話だ!」
晶華「クリスをキリストと解釈しなければいいんじゃない?」
ダイアンナ「だったら、どう解釈するんだい?」
晶華「ええと、クリストファー・リー?」
ダイアンナ「有名な吸血鬼俳優の御仁だな。もしかして誕生日が12月25日なのか?」
晶華「いいえ、5月27日だけど」
ダイアンナ「クリスしかつながっていないじゃないか。それでいいなら、キャプテン・アメリカのクリス・エヴァンスとか、マイティ・ソーのクリス・ヘムズワースとか、スター・ロードのクリス・プラットだってOKになるが、いずれも誕生日は夏だ」
晶華「う~ん、12月25日生まれのクリスさんって見当たらないよね。強いて挙げるなら、ファッションモデルのヘレナ・クリステンセンさんって人がいるんだけど。90年代を代表するスーパーモデルで、『七色の瞳を持つ女』だって。本来の目は緑色だけど、照明の光を反射して虹彩の色が変わるとか」
ダイアンナ「いまいちピンと来ないよ。虹色の瞳、あるいはアースアイには興味があるが。他に、これだってイベントはないのかい?」
晶華「う~ん、主催者のリナ老師は『クリスマスは宗教に反するからダメだけど、12月26日がラドンの日だからOK』って言ってたし、ジャッキーちゃんにもそういう何かがあればいいのにね」
リバT『そもそも、クリスマスはイエス・キリストの誕生日ではない、というのが科学的な定説です』
晶華「え、そうなの?」
リバT『ええ。聖書には、イエスが誕生した日付けが記載されていませんし、その記述によれば「羊飼いがその夜に野宿して、羊の番をしていた」とありますが、冬の12月の寒い夜に羊飼いが野宿をする習慣はないので、12月に生まれたわけではない、というのが理論的な解釈です』
晶華「だったら、12月25日には一体、何を祝っているのよ?」
リバT『有力な説の一つですと、「古代ローマの宗教の一つで太陽神を祭るミトラ教による冬至祭の風習があって、そこにキリスト教の物語が融合した」ようです。また、ゲルマン系の冬至祭ユールの伝統も組み合わさって、ヨーロッパ圏の文化習俗に育って行ったと考えられます』
晶華「太陽神ミトラかあ。太陽サンサンの私としては、興味あるなあ」
ダイアンナ「ミトラ教がどういう宗教なのかは知らないが、太陽神の祭りってんじゃ、吸血鬼には縁が遠そうじゃないか」
リバT『それは考え方次第ですね。冬至というのは、北半球では最も夜の長い日、すなわちダークネスな日です。古代宗教では、冬至の日を境に古い太陽が消えて新たな太陽が生まれるということで、神の再誕を祝うという意味を込められたりもしているのですが、逆に言えば、冬至を暗黒祭のように見なすことも可能。クリスマスの裏で暗黒太陽すなわちダーク・サンの記念日として、吸血鬼が祀っているという話もあるやもしれません』
ダイアンナ「なるほど。光のクリスマスもあれば、闇のクリスマスもあると言うわけか」
リバT『世の中には、エケベリア・ダーククリスマスという名の植物もあるそうです』
晶華「本当に?」
リバT『例えば、こういうサイトで紹介されていますね』
晶華「観葉植物の世界にも、ダーククリスマスは存在しているのね」
ダイアンナ「ならば、吸血鬼が祝うダーククリスマスなる行事があってもいいわけだ」
リバT『なお、本日12月19日は、吸血鬼ドラキュラのモデルとして知られる串刺公ヴラド・ツェペシュの命日でもあったりします』
ダイアンナ「おお。だったら串刺公の復活を願う儀式として、クリスマスを見なすことも可能だな」
リバT『どう解釈するのもクイーンの自由ですが、この度のコンパーニュ・クリスマスパーティーに出席という方向で構わないですね』
ダイアンナ「ああ。あたしたちマーキュリーバットの社交界デビューと洒落込もうじゃないか」
キング「うむ。クリスマスの日に触手の素晴らしさを称えるのも、一興かと。サンタクロースならぬ、テンタクルースに吾はなる」
晶華「そんな触手まみれのクリスマスは嫌だ~(涙目)」
(当記事 完)