ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

AFFの話

★今週のビヨンド学園

 

 

鉄太郎「なるほど、ミラーナイトとは理知的な男だということがよく分かった。あの冷静な佇まいは、我々の星ではヒカリに相当するかもしれん。本物と偽物の見分け方か。講義内容も興味深いし、サロメ星人とはまた懐かしいな」

 

ダイアンナ「鏡を使った幻影術が得意ということは、あのミラーナイトってのは、あたしと共通点があるんだね」

 

触手キング「吾は、あのメカゴモラというのが気になった。侵略兵器として改造された怪獣というコンセプトは、超獣に近いものがあるし、あの腕の爪がチェーン付きで飛び出す仕組みは、いかにもメカという感じでクールだ」

 

ダイアンナ「あんたが触手をネタにしないのは珍しい」

 

触手キング「ネタにしたくても、今回は触手らしきものが登場しなかったではないか。持ちネタが触手しかないと発言に困る。ならば、一芸を極めつつ、さらに別の分野を開拓することも芸能界で生き残る道」

 

ダイアンナ「いつから芸人になったんだい?」

 

触手キング「ここでパグマイアRPGを研鑽するようになってからかな。犬の特殊な技を『芸』と呼称するゆえに」

 

リバT『では、芸人を目指すキングさんに質問です。本物の芸と偽物の芸の違いは何でしょうか?』

 

触手キング「知れたこと。本物は人を楽しませる。偽物は人の心に響かない」

 

リバT『おお、本質を突いた答えですね』

 

触手キング「当然であろう。芸人を自称する以上、人を笑顔にできなければ、誰にも話を聞いてもらえない」

 

鉄太郎「では、どのように人を楽しませるか? そこを考えねばな」

 

ダイアンナ「ダディーによれば、芸とはボケとツッコミのバランスにあるとのことだが、大切なのはボケということだな」

 

鉄太郎「うむ、ペガッサ星人(これも懐かしい)に会って、友人のペガと誤認しボケ倒すジードことリクの姿。それを見て、おおい、とツッコむ視聴者。実はこれだけで視聴者は楽しめる。そして、いつリクは自分が勘違いをしていることに気付くんだろうと期待していたら、本物のペガが現れようとした。さあ、リクはどんな反応を返すだろうか(つづく)という見事なコント。しかも、本物と偽物という物語テーマにも沿っている。このコントはかなり計算高い構成だ」

 

ダイアンナ「おお、鉄太郎さんはお笑い芸にも詳しいのか?」

 

鉄太郎「コントも一つの舞台演劇だからな。演技を志す以上は、それなりに研究してきた」

 

ダイアンナ「意外だね。マジメな堅物の鬼隊長だとばかり思っていた」

 

鉄太郎「それもまだ、若くて未成熟だったころの私だ。しかし、あれから多くの経験をして、酸いも甘いも噛み締めると、芸風にも幅が出る。今だと、ゲンには別の特訓も与えられたかも知れんな」

 

ダイアンナ「別の特訓?」

 

鉄太郎「そう、オーブに施したようにな」

 

リバT『そう言えば、時間の流れの異なるシャイニングフィールド内で、オーブさんを10年間鍛え上げたという逸話もあるそうですね』

 

ダイアンナ「時間の流れの異なる? もしかして、そこにもダディーの関わりが?」

 

鉄太郎「それはない。あの事件は、私がNOVA司令に戦隊メンバーとして召喚される前の話だからな。NOVA司令の方はしっかりこちらの動向を観察していたらしいが。ともかく、宇宙には時間の流れの異なる空間がいくつもあって、うまく利用すれば短期間で充実した訓練もできる。ゲンを鍛えたときに、その存在を知っていれば、あそこまで過酷な鍛え方をしなくても良かったのにな」

 

ダイアンナ「しかし、10年間も特訓に付き合ってあげるなんて、それだけ特訓が好きなんだね、あんたは」

 

鉄太郎「そう、心身を鍛えて鬼となる。これぞ音撃の心得というものだ」

 

ダイアンナ「それは……鍛え方が違うんじゃないかな」

 

ファイティング・ファンタジーの話


ダイアンナ「前置き雑談はこれぐらいにして、今回は前に割愛したAFFの話だ。AFFはアドバンスト・ファイティング・ファンタジー。しかし、その話をするためには、先にファイティング・ファンタジーの話をしなければならない。これで合っているよな、リバT」

リバT『正解です、マイ・クイーン。その研究熱心さには、グランドマスターNOVAも称賛されることでしょう。さて、ファイティング・ファンタジーとは1982年、イギリスのスティーブ・ジャクソンイアン・リビングストンが執筆した「The Warlock of Firetop Mountain」から始まるゲームブックのシリーズです。日本では1984年に「火吹山の魔法使い」というタイトルで翻訳され、ゲームブックブームを巻き起こし、TRPGへの橋渡しを行ったシリーズとして有名です。
『通称FFシリーズですが、後から出てきたコンピューターRPG「ファイナル・ファンタジー」(1987年)もFFという略称で呼ばれるため、世間一般ではFFといえば、クリスタルとか飛空艇とか召喚獣とかチョコボのイメージが強いようですね』

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鉄太郎「82年から84年ということは、大体アンドロメロスの時代だな。円谷的には、宇宙刑事シャイダーも忘れてはならんが」

リバT『FFシリーズは社会思想社から出版された後、順調にシリーズを重ねる一方で、1985年に東京創元社からは同じシステムに独自の魔法ルールを加えた「ソーサリー」4部作や、ゲームブックのシステムをTRPGに変更した「ファイティング・ファンタジー」まで広がり、1986年にゲームブックサポート雑誌として「ウォーロック」誌が出版される流れだったのですね』

ダイアンナ「つまり、日本のTRPG史において、84年から86年というのが大きな流れを築いた時期だったのだな」

リバT『そうですね。その後、RPGの主流がコンピューターRPGに移行して、ゲームブックブームも終焉を迎え、1991年のFFシリーズ33巻「天空要塞アーロック」を最後に、日本での展開は終了します』

ダイアンナ「終わったんだ」

リバT『本国では59巻まで続いたそうですが、1995年に展開終了しましたね。その後、日本では21世紀に入って、創土社や扶桑社、ホビージャパンが過去作を再翻訳したり、イラストを萌え絵に変えるなどして、復刻しておりましたが、継続には至らない状況が続いておりました』


★アドバンスト・ファイティング・ファンタジーの話……のはずが


ダイアンナ「アドバンストってことは上級版なんだろうけど、元のシリーズとは何が違うんだい?」

リバT『アドバンストはゲームブックではなく、TRPGとしてデザインされています。元々、FFのシステムはゲームブック用に簡便化されたもので、それをそのままTRPG化した85年の元祖FFRPGは、「魔法がルール化されていない」「成長ルールがない」「キャラの個性が表現できない」という問題点を抱えていました。要は、ゲームブックの無色透明な冒険者「君(You)」そのままで、複数集いあって冒険するだけのTRPG入門編以上のものにはならなかったわけです』

鉄太郎「つまり、みんなが同じウルトラマンで、セブンもジャックもAもタロウもレオもジョーニアスも80も、ティガ以降も再現できないのに、『ウルトラマンRPG』を謳ったようなものか」

リバT『そうですね。皆が同じスペシウム光線と八つ裂き光輪みたいな基本技しか使えないようなもの。アイスラッガーを投げたかったり、ウルトラランスを投げたかったり、バーチカルギロチンで相手を両断したかったり、ウルトラダイナマイトで自爆したかったり、レオヌンチャクを振り回したかったり、ウルトリアに乗って艦隊戦を繰り広げたかったり、ウルトラマン先生として教壇に立ちたかったりするような、多くのウルトラファンの望むようなキャラの個性化は一切行われませんでした』

ダイアンナ「いや、きちんとした『ウルトラマンRPG』が作られたとしても、教壇に立って生徒を一所懸命教えるルールは採用されないと思うぞ」

リバT『いいえ。ウルトラマン80を再現しようと思えば、日常シーンで生徒を熱血指導して、マイナスエネルギーを減少させることで、その後の怪獣との戦いが有利に進められるルールが必要です』

ダイアンナ「すると、授業判定に失敗すれば、生徒が不登校になったり、ファンブルで学級崩壊してしまい、そのマイナスエネルギーで怪獣が強大化してしまうこともあるのか」

リバT『ええ。怪獣退治のために、生徒を置き去りにして変身するのを繰り返していると、PTAからクレームが来て、職場を辞めないといけなくなってしまうとか、そういう展開もありですね』

鉄太郎「いやなゲームだな。エイティはそういう苦労をしていたのか?」

リバT『さすがに、教師と、防衛チーム隊員と、ウルトラマンの三役掛け持ちは厳しかったようですね。今、そういう設定を作るなら、防衛チームはなしにして、ウルトラマンの能力を持った教師と、それを支援するウルトラマン部の生徒でドラマを構成するんじゃないでしょうか』

鉄太郎「やがて、生徒の中からも光の力に覚醒する者が現れて、教師と生徒のウルトラチームで怪獣退治をするわけか」

触手キング(生徒役になって)「先生、受験勉強と怪獣退治のどっちが大切なんですか?」

鉄太郎「どっちもだ。しかし、お前たちが戦えないというのなら、その分は私が戦うしかない。デュワッ」

ダイアンナ「その展開だと、ウルトラ教師は絶対ピンチになりそうだね」

リバT(生徒役になって)『先生が俺たちのために戦っているんだ。あんなにボロボロになって。それなのに、俺たちは自分のことだけ考えて、勉強に現を抜かすなんて。何のための勉強だ? 怪獣に街を壊されたら、勉強したって意味がないじゃないか。俺たちが未来を守るために、今できることは何だ? 怪獣を倒して、俺たちの勉強時間を確保することじゃないか。よし、俺たちもウルトラ受験戦士として立ち上がるぞ』

ダイアンナ「こうして、生徒と教師の絆の力で怪獣は倒され、街は守られた。しかし、彼らの戦いはなおも続く」

鉄太郎「ようし、怪獣に邪魔された分、遅れを取り戻さないとな。これから、みっちり補習をするぞ。次のテストに向けて特訓だ!」

触手キング「ええ? 先生、そりゃあないよ」

鉄太郎「……というドラマか。割といいんじゃないかな。よし、円谷に送ってみよう。『ウルトラマン教師と、ウルトラ受験生たちの学園ウルトラ物』という企画で」

ダイアンナ「マジかよ」


★改めて、AFFの話


リバT『ウルトラ学園はさておき、AFFですね。TRPGとしてはルールを簡略化しすぎて継続困難だったFFをバージョンアップして、より魅力的な作品に仕上げたのがAFF。第1版は1989年に社会思想社から文庫版RPGとして出版されました。FFシリーズのワールドガイド「タイタン」までは出版されて、ウォーロック誌でも山本弘さん、次いで友野詳さんのリプレイが掲載されて、怪力の黒人呪術師ランスターや、エルフの詐欺師チックな魔法使いミシャップなどの迷キャラクターも登場して、楽しかったり。単行本としては、山本さんの第一部「タイタンふたたび」は出たけど、友野さんの第二部は出版されず。雑誌掲載のみの幻作品ですね』

ダイアンナ「この期に未収録分も含めた『タイタンふたたび』完全版が出てくれると、ダディーは喜んで買うだろうね」

リバT『雑誌の切り抜きは保管しているんですけどね。昨年、懐かしがって読んでおりましたよ』

ダイアンナ「何で、そのタイミングで?」

リバT『現在のウォーロックマガジンで、AFF2版のリプレイを友野さんが書いていて、そこにミシャップ君が登場していて、懐かしい気になって昔の物語を読み返したくなったからです。改めて、ルクレチアさんに萌えていました』

ダイアンナ「誰だよ、それ?」

リバT『バルサス・ダイアの奥さんですよ。ゲームブックバルサスの要塞」の記述によれば、「長い黒髪に、人を刺すような深い瞳の妖精めいた美女」とありますね。得意技は、血のように赤く染まった目から放たれる二筋の炎です。「タイタンふたたび」のメインヴィランで、まだ倒されていないので、また復活して欲しいなあ、とも』

ダイアンナ「赤い目から炎を放つ魔女か。ダディーはそういう女が好みなのか?」

リバT「さあ。花粉症ガールや吸血鬼も目は赤いですし、仮面ライダーも元々は赤い目ですしね。結構、ツボなのかもしれません」

ダイアンナ「ルクレチアね。研究してみよう」

リバT『で、そのグランドマスターNOVAの青春の1ページだったAFFですが、FFシリーズといっしょに歴史の遺物となったかと思われておりました。それが、本国では2011年に第2版が出版され、日本でも2018年にAFF2版が登場。それに合わせて、雑誌のT&Tマガジンも、ウォーロックマガジンにバージョンアップしたわけです』



(当記事 完。AFF2版の話は、次回につづく)