ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

聖剣と聖戦士の話

@『ローランの歌』からの聖剣話

 

 

アスト「前回の記事で『ローランの歌』について少し触れたら、今度のセイバーに、彼の剣デュランダルを名前に持つ時の剣士が登場するとのことで、オレもちょっとした予見能力を発揮した気分だ」

 

ダイアンナ「聖剣とか聖戦士の話をしていたら、そりゃセイバー(聖刃)につながっても不思議じゃないだろうさ」

 

アスト「ああ。そして、今回の記事は、デュランダル登場を記念して、聖剣の話をすることにした」

 

ダイアンナ「ところで、AD&Dのパラディンは、ホーリーソードを持つとパワーアップするという話が前回、出たんだが、そのホーリーソードはどれだけの性能を秘めているんだ?」

 

アスト「それが載ってる資料はこれだな」

 

 

ダイアンナ「おお、それがDMガイドか」

 

アスト「この本には、マジックアイテムのデータもいろいろ載っているんだよな。いわゆるホーリーソードは『ホーリー・アベンジャー』という名称が付けられ、基本データはただの+2ソードなんだが、パラディンが使うと最強格の+5ソードの性能を示す」

 

ダイアンナ「選ばれた人間でなければ、性能をフルに発揮することはできないわけか」

 

アスト「さらに邪悪な敵を攻撃するとダメージ+10され、半径5フィートの魔法抵抗オーラ(魔法無効化率50%)と、魔法消去のディスペル能力を発揮する代物だ」

 

ダイアンナ「ええと、パラディン自身、自分のレベルまでの魔法中和能力を持つんだよな」

 

アスト「それとは別に剣自体にも魔法消去が可能で、しかも魔法抵抗オーラは常に発動しているから、敵の攻撃魔法も半々で打ち消されてしまうわけだ。やはり、聖剣を持ったパラディンは、魔法に対して半分無敵な性能を発揮すると考えていいだろう」

 

ダイアンナ「炎の聖剣とか、水の聖剣とか、雷の聖剣とかはないのか?」

 

アスト「D&Dでは、そういうのは魔法の剣の類として普通にあるからな。炎の剣はフレイムタン、水ではなく氷の剣はフロストブロンドという呼称で、雷は剣でなくサンダーボルト・ハンマーとライトニング・ジャベリンという設定が見られる」

 

リバT『サンダーボルト・ハンマーのモデルは、マイティー・ソーのミョルニル(ムジョルニア)でしょうね』

 

アスト「セイバーの世界では、聖剣の定義がD&Dとは異なるからな。ライドブックの力を引き出す剣あるいは剣に準じた武器の総称ということになる。風の剣は手裏剣になるし、音の剣は銃になるし、時の剣は槍になる。だったら、ハンマー型の聖剣が存在してもおかしくないし、弓になる聖剣とか、ソードアックスとか、ペン型の聖剣とか、サイコロ型の剣とか、トランプ型の剣とか、いろいろ出ても構うまい」

 

ダイアンナ「いや、サイコロ型の剣って何? トランプ型の剣も訳が分からん」

 

アスト「ダイスソードは、古の魔法使いビーストが使っていたな。トランプと言えば、スペードが剣を指すし、違うトランプヒーローでは電撃を放つダイヤソードってのもあったな。大体、ソード・ワールドの魔剣だって力を持った武器という設定で、別に剣じゃなくてもいいという設定だし、雷の聖剣がハンマーでも槍でも気にする方がファンタジーの常識が分かっていないということになる」

 

ダイアンナ「つまり、剣という言葉は広義で武器全てを指し、聖剣という言葉も広義で魔力を宿した武器全てを指すということだな」

 

アスト「まあ、セイバーの世界に、剣士以外のライダーが迷い込んできたら、文化の違いでどういう反応になるか見物だけどな。個人的に見たいのは、セイバーVS魔戒騎士の聖魔対決だけど」

 

@パラディンのかばう能力


アスト「ところで、AD&Dのパラディンのデータを調べても、『かばう』能力は特に設定されていないんだよな。確かに、パラディンの周囲は防御のオーラが展開しているから、その周辺に固まることで呪文抵抗がしやすくなるんだが、そもそも範囲攻撃呪文に対抗するパーティー戦術の基本は固まらずに散開することなんだ。だからAD&D時代はパラディン=かばうキャラというイメージも少なく、オンラインゲームなんかにおける『タンク(護衛役)』という役割分担も発展途上な時期だったから、もしかするとパラディンにかばうイメージを付与した最初のゲームって、『ファイナルファンタジー4』ではないか、という仮説を提唱してみるわけだ」

リバT『FF4のパラディンは、FF3のナイトの亜種ですね。ナイトおよびパラディンは、重装甲キャラとしてHPの減少した仲間の盾となってくれます』

アスト「それはFFが、ドット絵ながらキャラのバトルをビジュアル的に見せてくれ、かつタクティカルバトル(戦場マップで配置された敵味方の位置関係・移動を考慮した将棋的なバトル)ではない独自のシステム、言いかえればドラクエみたいなコマンドバトルでありながら、サイドビューで魅せる表現方法を備えていたおかげだな。ナイトやパラディンのかばうアクションも竜騎士のジャンプも、魔法も、召喚も、絵と動きで見せてくれる。ナイトのかばうアクションも、この見せ方あってこそ機能する能力なわけだ」

ダイアンナ「確かに、ドラクエ7以前のテキスト中心のバトルじゃ、かばうはあまり面白くないよねえ」

アスト「一応、6と7はパラディンがかばう能力を持っていたけど、こういう防御技ってTRPGよりもコンピューターRPGの方が先だったように見える。TRPGの場合は、メタルフィギュアを使ったタクティカルバトルか前衛後衛というウィザードリィみたいな抽象的陣形バトルのどちらかでプレイすることが多く、この場合、『味方をかばうという動作は、キャラの特殊能力ではなく、移動や配置でまかなう』形になるので、戦士が積極的に前に出る=かばうという行動につながる。つまり、TRPGではかばうというオプションの専門職という概念が当時は成り立ちにくく、前衛キャラが後衛キャラを守る以上の行動はルール化する必要がなかったわけだ」

ダイアンナ「だったら、かばうというルールがTRPGで定着したのは、コンピューターゲームからの逆輸入ってことなのか?」

アスト「それと、マジックなどのTCGの方法論でもあるな。マジックの場合、プレイヤーは魔法使いという設定で、自分のHPを守り、相手のHPを削るために、直接魔法を撃ち合ったり、召喚したモンスターに命令して、攻撃したり、自分をガードさせたりする。自分が戦うか、自分の代わりに戦ってくれる仲間モンスターを指揮する立場かというのが、昭和と平成のヒーローキャラの違いだという意見もあるが、TCGTRPGにもたらした革命ルールに『リアクションによるインタラプト(割り込み)の概念』『かばうというアクションの有意義化』の二点が挙げられる」

ダイアンナ「インタラプトというのは、相手が魔法を発動する寸前に割り込んで、その魔法を発動できなくする効果だな」

アスト「それまでのターン制ゲームでは、持続時間ありの魔法を消去することはできても、相手が魔法をかける瞬間に妨害行動をとることがシステム的にできなかったんだ。だけど、マジックではインタラプトという時間概念を設定し、魔法打ち消し用の妨害呪文をカードで設定した。つまり、自分のカードデッキに妨害呪文をいっぱい仕込むことで、相手の攻撃呪文を即座に妨害できる戦術を可能にした。マジックがアナログゲーム界にもたらした革命はいろいろあるけれど、『インタラプトの概念』が一番大きいかな、と個人的に考える」

リバT『相手の行動タイミングに割り込んで行動できるということですからね』

ダイアンナ「それって、処理がややこしくならないか? 割り込みに対して、さらに割り込み返して、互いに互いの行動を封じ合えるってことだろう?」

アスト「マジックの場合は、割り込み可能なカードを手札に持っていて、発動するためのマナリソースを残していることが条件だな。それに防御用呪文を数多く準備しているということは、その分、攻撃用呪文の数が少なくなるということで、攻防どちらに比重を置くかのデッキ構築バランスが問われることになる。一方、そのカードゲームの方法論をTRPGに持ち込む際に、いろいろな試行錯誤が行われることになった」

ダイアンナ「例えば?」

アスト「魔法の妨害なら、それまでは『呪文発動に時間がかかる』という形の処理が大きかったな。AD&D2版の魔法使用の選択ルールに、キャスティングタイム(CT)というのがあって、簡単な攻撃呪文のマジックミサイルだとCT1なんだけど、ファイヤーボールだとCT3、メテオだとCT9とか強力な呪文ほど発動に時間がかかるように設定されている。
「これは武器にも設定されていて、スピードファクター(SF)という数値が、例えば軽量のダガーならSF2、普通のソードならSF5、両手持ちの大剣ならSF10といった感じで、CT同様に行動順に修正を加えることができる。もしも、相手の魔法使いが呪文を唱えているときに、それをどうやって封じるか? 一番簡単なのは、ダガーを投げて命中させること。マジックミサイルはダガーよりも速いので封じることは難しいけど、ファイヤーボールだとイニシアティブダイス次第だが、ダガーの方が1手早いので封じることは可能。つまり、魔法使いの天敵は、戦士よりも行動順の早い盗賊という局面があったりするわけだ」

リバT『呪文の詠唱中にダメージを受けると、呪文発動に失敗するというルールがあるからですね』

アスト「だから、熟練の魔法使いはまず防御呪文を自分の身にかけて、ダメージを受けにくくした後で、強力な呪文の詠唱にかかるというセオリーがあったんだが、ここで仲間の戦士が何をできるか? もちろん、攻撃重視で、魔法使いの周りに敵を寄せ付けないように立ち回るのが普通だが、飛び道具に警戒して、魔法使いの前に盾をかざして遮蔽を確保して、飛び道具が当たりにくくするという程度のオプション行動は普通にとれた。別に、そういう行動はパラディンの専売特許というわけではない」

ダイアンナ「つまり、かばうという動作はキャラの特技ではなくて、誰でも行える一般的な戦術ということだな」

アスト「基本は打たれ弱い魔法使いをかばうわけだが、それだと前衛戦士が後衛に張り付いていないといけない。後衛でも普通に攻撃を受ける可能性のある(ドラクエやFFのような戦術マップを使わない)システムなら有用だけど、緻密にキャラの位置どりを反映するタクティカル戦闘なら、まず後衛は敵から狙われない位置につき、防御に秀でたキャラは積極的に前線に突撃すべきなので、かばう能力が機能しにくいという戦術上の難点があった。そこで違う役割分担が今のゲームでは設定されている」

ダイアンナ「違う役割分担?」

アスト「軽戦士として盗賊系のキャラが積極的に前衛に出るようになり、それをかばう盾役の重装甲戦士の活用だな。これは日本人にとっては非常に納得しやすいシステムだけど、D&Dでは革命と言えるな。基本的に『盗賊は前に出ずに、後ろから弓矢を撃ってろ。さもなくば陰に潜んで背後から不意打ちを狙え』という戦闘オプションが通例だったんだが、ソード・ワールドから21世紀のTRPGでは、盗賊の軽戦士としての役割を強化するようにシステムが進化した」

ダイアンナ「確かに、ソード・ワールドの盗賊(旧版のシーフ)は重い武器や防具を身に付けにくいが、クリティカルの発生のしやすさと回避主体の戦法で、ファイター以上に活躍する場面も見られるな」

アスト「D&Dでは鎧に基づくACが防御の基本値で、回避も鎧や盾で相手の攻撃を受け止めたという形で表せる。一応、盗賊も敏捷ボーナスが高いのが普通だから、その修正でチェインメール程度の防御力は得られるんだけど、プレートメール装備のファイターには及ばない。さらにHPが低いので、前に出るリスクがあまりにも高い職業だったんだな」

リバT『盗賊が前線に出るメリットって、バックスタブによる不意討ちでダメージが倍になることですね』

アスト「そう。瞬間最大ダメージでは、盗賊は戦士を越えるアタッカーになるんだけど、その一撃のために前に出すのは危険。なお、AD&Dではレベルの向上によってバックスタブのダメージ係数が上昇し、レベル5で3倍、レベル9で4倍、レベル13以上で最大5倍まで高まるので、盗賊の奇襲効果が大きい。この奇襲効果を一撃だけでなく、何度も使えるようにしたのが3版以降のD&Dだな」

ダイアンナ「何度も奇襲できるのか?」

アスト「奇襲というか、仲間の戦士と挟み撃ちにすることで、挟撃という状態に持ち込むことができる。挟撃は戦士2人でも可能で、命中ボーナスを与えてくれるが、盗賊(ローグ)の場合はダメージまで加算されて、積極的に挟撃を狙って行くことが推奨されている。敵の前に頑丈な防衛役が位置どりして相手の攻撃を引きつけ、その間に盗賊が得意の移動能力を活かして相手の後ろに回り込み、大ダメージを与えていく戦術が、3版から4版の間に確立してシステム化された。3版以降のD&Dでは、盗賊もただの雑魚ではなくなったんだ」

ダイアンナ「でも、一人だと挟撃できないから、仲間との連携が必要ってことだな」

リバT『それと、挟撃を反映するには、戦術マップ上での戦闘描写が必要ですね』

アスト「抽象戦闘ではなく、フィギュアを使った戦闘が推奨されて、ボードゲーム的になっていたんだな、その時期のD&Dは」

ダイアンナ「何だか、聖戦士の話のはずなのに、盗賊の話になっていないか?」

アスト「本当だ(汗)。ところで、セイバーの剣士は重装甲の聖戦士相当のスーツを着ているのに、何だか凄いアクロバティックなアクションを繰り広げていないか? ゼンカイジャーのキカイノイドのスーツアクターもそうだが、よくもまあ、この動きにくいスーツであそこまで動き回れると感心してしまう」

ダイアンナ「変身によって身体能力が向上しているというのが劇中設定だが、撮影時のスーツアクターさんは生身に重いスーツをまとった身で、体操選手みたいなアクションを繰り広げているからな。ワイヤーによる補助や、一部CGによる映像表現はあるにせよ、すごいアクションだなあ、と感心させられる。あたしたちも何だか負けていられないって感じだな」

リバT『セイバーやゼンカイのスーツアクターさんの超人的な身体能力の話はさておき、攻撃特化型の軽装戦士を守るために重装甲戦士のかばう能力が重視されるようになったのも、この10年から15年の間のTRPG史を語るポイントの一つと言えるでしょうか?』

アスト「かばうという行動は、自分の攻撃の機会を失ったり、攻撃力を高める補助行動を取れなくなるなど、キャラ単独ではつまらないオプションなんだよな。わざわざ、そういうオプションを取るのは、かばわれた対象が攻撃に専念することで、自分が攻撃する以上にメリットがあるからだ。もちろん、何もできない一般市民をかばうという局面もあるかもしれないが、冒険や戦場で一番多いのは、一打逆転の切り札を持つアタッカーが一番仕事ができる状況を支える縁の下の役どころを格好いいと思えるかどうか、そこに尽きる」

ダイアンナ「つまり、クロコダインみたいな防御特化のおっさん戦士を格好いいと思えるかだな」

アスト「日本の歴史では、武蔵坊弁慶という仁王立ちの象徴のような英雄がいて、俊敏かつ奇襲攻撃の得意な牛若丸義経とのコンビが引き立つ文化背景がある」

ダイアンナ「軽戦士主人公を支える巨漢キャラか」

アスト「これが西洋ファンタジーでは逆で、戦士を支える盗賊キャラというのが長らく定番だったんだが、ゲーム文化の拡散で、マジックで魔法使いにスポットが当たり、またコンピューターゲームで俊敏アクションキャラにスポットが当たる機会が増えた」

ダイアンナ「確かに重装甲の騎士がアクションするゲームにリアリティーは感じにくいか」

アスト「ゲームキャラがディフォルメされた時代は、ドルアーガの塔ギルガメッシュみたいな全身黄金甲冑の騎士キャラ(世界観の元ネタのバビロニア神話期に黄金甲冑が存在したかはともかく)も受け入れられたが、今のゲームの主人公は総じて動きやすい革鎧やレザースーツ、あるいは軍服が多いな」

リバT『SFだと、ロボットみたいなパワードスーツにも日の目が当たりますがね。アイアンマンとか』

アスト「自分がアクションゲームの主人公をやっている時は、自分に付き従って、ピンチの時に庇ってくれる仲間をありがたく思うもんな。自分が守り役になって、仲間が必殺技を出して敵をなぎ払うという局面はあまり燃えないというか」

ダイアンナ「『お前は俺が守る。だから、その間に力を溜めて、敵に大技を仕掛けてくれ。頼んだぞ』と言われると、いい仲間を持ったな、と思える」

アスト「まあ、一番イヤなのは『こんな奴を守っても、何にもならんじゃないか』と思ってしまうケースだな。やはり、庇い甲斐のある相手、守って補助し甲斐のある相手だからこそ、身を削って守りたい。誰でも守るという博愛精神はオレにはないからな」

リバT『だけど、弱者なら誰でも守り、庇う。それがパラディンの精神なのでは?』

アスト「オレはパラディンじゃなくて、快盗だからな。守るべきお宝だから守る。なお、パラディンにだって、守らなくていい、守るべきでない相手がいるんだぜ」

ダイアンナ「博愛主義のパラディンにさえ見捨てられる相手とはな」

アスト「そりゃ、パラディンはローフルグッドの権化だからな。ルール無視の悪党や、身勝手な人物にまで救いの手を差し伸べることはしない。たとえ泥棒でも『邪悪ではなくて、自分を変えようと反省して、精進するような見込みのある人間』なら大目に見るけど、共に行動できるのは、相手が『行儀よく振る舞って、秩序を乱さない』場合だけだ。パラディンの仲間になろうと思えば、パラディンの理念を理解した上で、その崇高な意思に共感できる者だけだと思うぞ」

ダイアンナ「さもなくば、友だちではないけど、共通の目的のために共闘できる場合だけだな」

アスト「その意味で、虚言癖とかはパラディンの眉根を顰(ひそ)めさせる元だな。パラディンだって頑迷なバカじゃないし、誰でも彼でも疑いなく信じ込むわけじゃない。悪党は悪党として改心の余地があるかとか、自分が相手を感化できるのかとか、自分の理想理念と相手の人間性が相入れるのか、それとも限界があるのかなど総合的に判断して、時として相手を斬り捨てることも辞さない。何よりも友人とか仲間って、相手と共感できるものがどれだけあるかで決まるものだろう? パラディンにかばってもらえる仲間になろうと思えば、自分がどれだけパラディンの理想の実現に有用か、あるいは共感できるかを示す必要があるだろうし、ただの哀れな弱者じゃ一過性の救済対象にはなれても、仲間にはなれない」

ダイアンナ「仲間なら守る、仲間ならかばう、そして高潔な理念を持つパラディンに仲間認定してもらえるということは、それだけで名誉と思しきことだし、その名誉に恥じない生き方を示さないといけないわけか」

アスト「融通が利かないキャラだとは思うがな。ドン・キホーテみたいな現実と妄想の区別がつかなくなった騎士道かぶれのキャラっぽく演じてもいいが、『~~のために』と叫んで剣を高く掲げるキャラを格好良く演じるのは、それまでのドラマ的積み上げが大切だから、パラディンにとって何よりも大事なのは、自分が忠義を寄せる対象や信仰については決してブレないことだと思うぞ」

ダイアンナ「『仲間のために』とか『世界のために』とか『人々の心の光のために』とか、戦う動機がブレないとパラディンらしいロールプレイができそうだ。個人的目的ではなくて、もっと広い大義のためって感じで、己を捨てて戦い続けるヒーロー、それがパラディンってことだな」

(当記事 完)