待ちに待った日キター
リモートNOVA『ついに、この日が来たぞ』
アスト「おお、しばらくぶりだが、ついに入手したのか?」
NOVA『いや、まだだ』
アスト「まだなのかよ?」
NOVA『明日だ。明日に買いに行くつもりだ』
アスト「だったら、無事にゲットしてから、出直して来い」
NOVA『いや、せっかくなので、しばらく記事書きを放置していた詫びと、別にFF熱が冷めたわけじゃないアピールをしておきたいと思ってな。そう、今月に入る辺りから、仕事や私生活が少々立て込んだりして、記事書きが上手くままならなかったりしてたんだ』
ダイアンナ「アルシャードのプレイが終わってから、なしのつぶてだったから、少し心配したんだぞ」
NOVA『とにかく「運命の森」だけは攻略済みなので、この機会に過去記事をプッシュしておこう』
ダイアンナ「今後、ダディーが攻略したいのは、『アランシアの暗殺者』『巨人の影』の新刊2冊だな」
NOVA『ああ。FFC1所収の「モンスター誕生」、FFC2所収の「死の罠の地下迷宮」は、旧作をプレイ済みだが、再プレイしてリプレイ記事を書きたいと思っている。本当は、夏までに「死の罠」の記事を書きたかったんだが、アルシャードのプレイ記事を優先してしまったからな。いろいろ後手に回ってしまったんだよ』
アスト「そうしているうちに、『トカゲ王の島』『雪の魔女の洞窟』が加わるので、積みゲーが増えていく、と」
NOVA『で、年末には、こっちが控えているわけだ』
アスト「表紙絵が何だか逆っぽいな」
NOVA『実は、ソーサリーは旧版をすでに2冊持っていて、FF熱が冷めた状態で冷静に考えると、年末のジャクソンセットは旨みが少ないと思うんだ』
ダイアンナ「お馴染みのマンティコアの表紙絵だけど、左右反転したり、背景が広くとられるだけで大きく印象が変わるんだね」
NOVA『ソーサリー1巻のタイトルも、「魔法使いの丘」「シャムタンティの丘を越えて」から、原題に一番近い「シャムタンティ丘陵」になったんだな、とか表紙絵を見るだけで、ワクワクできるのも今の楽しみだ』
アスト「とにかく、今夜はFFコレクション3集を入手前の前夜祭みたいなものだな」
GMウォーロックの話
NOVA『で、今月はさらに月末にこの雑誌が控えているんだが』
アスト「ああ、前回、ロードスとパグマイアを切り捨てたと思ったら、今回はゴブリンスレイヤーさえ切り捨てられているじゃないか」
NOVA『いや、実は先日、20周年記念とかで、久々にこの雑誌も買ったんだ』
NOVA『こちらはしばらく遠ざかっていたら、ものの見事に、俺が追っかけているゲームの記事がないんだな。せめて、パスファインダーとか、ソード・ワールドとか、よく知らないゲームでもリプレイ記事とか、ボードゲーム紹介とかあれば……と思ったんだが、持ってないゲームのシナリオ記事がいくつあっても価値がないって感じたり。まあ、20周年の歴史を振り返る記念号ってだけでも意味はあると思ったんだけど、雑誌としては若干、期待外れに終わったかな、と』
アスト「何も持ってないのか?」
NOVA『厳密には、カオスフレアとか、天下繚乱とか、シャドウランとかルールブックを持ってなくはないけど、現在はサプリメントを追いかけてはいない作品だな。一応、クトゥルフ記事もあるか。パスファインダーはいつ消えたのかな、と思ってバックナンバー情報を追ってみると、今年の1月に出た220号が最終回だったらしい。で、220号だと、ブラッドパス、シノビガミ、マギカロギア、フタリソウサなど、一応ルールだけは持ってるゲームの記事があって、少し安心した。何だかんだ言って、月刊TRPG雑誌として、ずいぶんお世話になった時期があるからなあ。次から隔月刊誌になるみたいだけど』
アスト「雑誌の盛衰の話はそれぐらいにして、本題のFF話に戻ろうぜ」
NOVA『ああ、FFコレクション以外のネタと言えば、これだな』
http://www.groupsne.co.jp/products/magazine/GMW/pdf/gmw09_110.pdf
アスト「何だ、そりゃ?」
NOVA『いや、前回のGMウォーロック誌と、今回ので「謎かけ盗賊」新作シナリオ前後編が掲載されているんだが、その紹介コラムが誤植で文章が途中で切れてしまってたんだな。だから、SNEのホームページ上で謝罪と、正しい記事内容を公開していたんだ。で、うちも「謎かけ盗賊」記事を書こうかと思って、準備していたんだが』
NOVA『あと、アーロックの次のプレイネタにしようと準備していたのがこれなんだが……』
NOVA『結局、プレイするタイミングがつかめないまま、ここまでズルズル来ちゃったわけだ。やりたいことはいろいろあるのに、何だかスタートできないまま、気がつけば、もうFFコレクション3の発売日を迎えてしまった。うん、どうしようかな?』
アスト「そんなのは簡単だ」
NOVA『おお、アスト、お前には策があるのか?』
アスト「今夜はもう遅い。さっさと寝て、明日にFFコレクション3を買いに行け。無事にゲットしてから、その勢いで記事を書け」
NOVA『なるほど。堅実な手だな。しかし、面白味がない』
アスト「だったら、どうするんだよ?」
謎かけ盗賊について
さて、ここから地の文で。
AFFシナリオだと思っていた『謎かけ盗賊』ですが、実はアドバンストになる前のFFシナリオだったんですな。
で、ゲームブックじゃなくて、TRPGのシナリオ集。まあ、FFからAFF第1版に移る前の過渡期のシステムで、武器によるダメージ表と魔法ルールが追加実装されています。今だと当たり前の追加ルールが、1990年だと「FFのTRPGとしての進化を象徴していて斬新だ」と(当時のウォーロック誌上で)宣伝されておりました。
だけど、FFの邦訳展開が翌91年に終了してしまうので、『謎かけ盗賊』と続くAFFへの発展も短い日の目を見ただけで、そこからの復活にずいぶんと時間がかかったわけで。
さて、今の目で『謎かけ盗賊』のシナリオを見ていると、謎かけ盗賊といういたずら好きのヴィランに翻弄されて、彼の仕掛ける謎々を解くために街中を駆け回ったり、その結果、導かれた謎の船に乗って、果てはアランシア南部のジャングル探検に赴いたり、ジャングル奥地の神殿を探索してのクライマックスなど、「都市」「船内」「ジャングル(屋外)」「神殿(ダンジョン)」と、オーソドックスながら一通りの冒険の舞台が揃っている。
初心者GM(AFFではディレクターだけど、FFではまだゲームマスター表記)がちょっとしたキャンペーン(全4話。船内探索を省けば、3話で収まる)を行うには必要十分な内容である。
邦訳は90年だけど、原書が出たのは86年(ジャクソンのFFRPGの2年後)なので、結構早い。シリーズだと19巻『深海の悪魔』から24巻『モンスター誕生』が出た辺り。『謎かけ盗賊』の後日譚と言える32巻『奈落の帝王』が出たのが88年なので、日本での展開順とは2年のズレがある。
日本では、『奈落の帝王』が90年に邦訳されたのに合わせる形で、『謎かけ盗賊』をプッシュしたわけだけど、TRPGシナリオとしてはずいぶん遅れた形だ。もしも、他のFFゲームブック同様、原書の2年遅れの87〜88年辺りに出ていれば、TRPGとしてのFFはもう少し盛り上がっていたかもしれない。
だけど、87年のSNEはFFよりもT&Tをプッシュしていて、その後、89年にはソード・ワールドを発売した後で、AFFに合わせて取り繕うように改めてFFシリーズをもう一度プッシュした。でも、ゲームブックブームが鎮静化した90年前後のFF展開は、少し空回り気味だったかもしれない。とは言え、87年の段階では日本のTRPGの浸透度がまだ発展途上の段階で、時期尚早だったようにも思えるし、後から結果を振り返って、どうしたら良かったと言うだけなら苦労はない。
流れとしては、ゲームブックブーム→ドラクエなどのコンピューターRPG(背後にD&DなどのTRPG上陸黎明期)→T&Tやソード・ワールドなどの文庫TRPG隆盛期と来て、FF自体は当時の後継TRPGにバトンタッチして、役割を果たし終えた感が強し。
で、今、仮に『謎かけ盗賊』をソロプレイするとどうなるかな、と思いながらシナリオを読んだりもしたんだけど、これは現状の自分には無理ということが判明。理由は、「謎々を解くことで、攻略の手がかりを探すシナリオタイプ」だから。
プレイヤーが謎々の答えをあれこれ考えて、GMが答え合わせをするようなシナリオでは、ソロプレイはやりにくいのですな(これがゲームブックならパラグラフ番号の仕掛けなどでソロプレイでも謎解きを楽しめる仕様)。個人的にTRPGでソロプレイを楽しめるのは、ランダムマップとか、ストーリーの自動生成システム、あるいは戦闘と成長を楽しめて、ダイスのランダムな出目で一喜一憂できるシステムおよびシナリオで、『謎かけ盗賊』の謎々や騙しはプレイヤーに対するGMの存在があればこそ。
ゲームシナリオの謎攻略とか、謎に悩むプレイヤーの一人ロールプレイというのも、書いていて面白くなりそうにないので、とりあえず、『謎かけ盗賊』については、『奈落の帝王』記事を書く際に、ストーリー概要だけ触れるようにするつもり。
シナリオを読んで面白そうだと思ったのは、謎とその答えを読んで、「ああ、この謎々をプレイヤーに出したら、どう動いてくれるかなあ」とか、ニヤニヤするぐらいで、例えば、「謎々と、街の地図を照らし合わせて、どこに向かうか仲間と相談」とか、プレイヤー視点だと、試行錯誤で手がかりに目星をつけて、いろいろ探す楽しみがあるんだろうけど、あらかじめシナリオを読んで答えを知っているGMがプレイヤーの役を楽しむことは構造上できないか、と。
あと、変装の得意な謎かけ盗賊がNPCの誰かに化けていて云々という展開も、答えを知っているGMが、プレイヤーの自分を騙すような二役ソロプレイは難しいですし。
そんなわけで、『謎かけ盗賊』のゲームシナリオを、ここでの記事でどう料理すれば面白い読み物になるかを模索して、結局、答えが見つからなかったという話でした。
では、おやすみなさい💤
(当記事 完)