ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

恒点観測員のお仕事

★故人を偲びつつ

 

 

鉄太郎「……」

 

ダイアンナ「お客人。何やら瞳を閉じて、居眠りか?」

 

鉄太郎「いや。偉大なクリエイターの逝去を感じて、生前の偉業の数々を思い起こしながら、冥福を祈っていたのだ」

 

ダイアンナ「偉大なクリエイターか。未来生まれのあたしには、この時代のことはよく分からないんだが」

 

リバT『それでしたら、グランドマスターNOVAのこの記事を読んでください』

 

鉄太郎「うむ。私自身は、数々の玩具に襲われた第9話『アンドロイド0指令』で最初に世話になったな」

 

触手キング「確か、ゼロワンというアンドロイド少女が登場する話だったな。それを製作したチブル星人は、吾が触手帝国に参謀格としてスカウトしたいほどの頭脳派。近年もギンガSや、ルーブ、タイガなどでよく登場する人気宇宙人の一体。そのチブルという名は、『沖縄方言で頭を意味する』とか。彼の変身した玩具爺さんを演じた俳優・植松謙二郎氏は、後に『帰ってきたウルトラマン』で例のメイツ星人・人間態を演じた御仁でもある」

 

ダイアンナ「ずいぶんと詳しいではないか」

 

触手キング「そもそも、吾の前身はクラブキング。すなわち、ヤプール製の超獣キングクラブの遺伝子も組み込まれてあるのだ。紆余曲折を経て、蟹からクラゲにジョブチェンジしたが、円谷系の怪獣知識には少なからず興味がある」

 

鉄太郎「ヤプールだと? ならば敵か?」

 

触手キング「いや、吾に罪はない。もしも罪があるとしたら、吾を創造した存在。脚本家で言えば、田口成光さんになるな」

 

鉄太郎「そ、その名前には、いろいろとトラウマがあるぞ。ウルトラ兄弟を、ゴルゴダ星で十字架に張り付け、ヒッポリト星人にブロンズ像にさせたり、タロウやレオのメインライターを務めては、バードンゾフィーやタロウを殺させ、ムルロアに地球を闇に覆わせ、タイラントを暴れさせ、双子怪獣に足を折らせ、シルバーブルーメMACを全滅させた張本人ではないか。おのれ、貴様だったか」

 

触手キング「吾じゃない。吾も改造された被害者なのだ」

 

アスト「そう言えば、タイラントの尻尾も、デザイン画ではハンザギランだが、実際はキングクラブらしいな」

 

鉄太郎「やっぱり、お前も関わっているんじゃないか」

 

リバT『まあまあ。田口さんと言えば、ヒーローがピンチに陥るスペシャルイベント回の名手ですからね。ジャンボーグAが倒されてジャンボーグ9が誕生する回の脚本家でもありますし、そもそも、ウルトラの父や母、キング、アストラを登場させた人でもあります。つまり、ウルトラ界においては、ウルトラ兄弟の設定を深めてウルトラファミリーを構築した立役者の一人でもあるわけですから、恨むのは筋違いというものかと』

 

鉄太郎「む。確かにそうだが」

 

アスト「大体、今は鉄太郎さんじゃないのですか? そういう反応は、モロ何ちゃらさんとか、セ○ンとかの正体を全然、隠せていないでしょう」

 

鉄太郎「そういう君は、レオの弟と何か関係があるのかね?」

 

アスト「オレは、アストラじゃないと〜」

 

★改めて、故人を偲びつつ


ダイアンナ「大体、上原さんの話をしようって流れで、どうして田口さんの話が出て来るんだい?」

鉄太郎「それもそうだな。ウルトラ的には、金城哲夫さんの後継者が上原正三さんになって、その後、市川森一さんを挟んで、田口成光さんになるのだから、つながっていないわけではないが、ここは上原さんの話に専念しよう」

リバT『セブン的には、上原さんで最も有名なのは43話の「第四惑星の悪夢」いうことだそうですが』

鉄太郎「チブル星人の回もそうだけど、ユートム回、ロボット長官の回も含めて、バトル的には地味な回を担当されるんだな。理由は、予算とスケジュールの都合で、毎回、巨大戦を撮ることができない裏事情があって、ドラマメイン、バトルは等身大でおまけ的にって回が必要とされた。その結果、単なるヒーロー物の域を越えた大人の鑑賞にも耐えうるSFドラマとポジティブな評価をされるわけだが」

ダイアンナ「つまり、お金のかかった派手なメインエピソードは、メインライターの金城さんを中心に構築され、上原さんの話は予算節約回が当てがわれた、と」

鉄太郎「もちろん、そこで完成度の高いドラマを描ききってみせたからこそ、続く作品でメインライターに抜擢されたわけだよ。セブンの後で『怪奇大作戦』や『柔道一直線』などの非変身ヒーローで経験を重ねながら、その流れで『仮面ライダー』の企画にも少し関わったとの話も聞くが、結局、同年に始まる『帰ってきたウルトラマン』に誘われて、そちらを選択したそうだ」

ダイアンナ「セブンでは、松坂慶子さんが宇宙細菌ダリーに取り憑かれて吸血鬼になる31話『悪魔の住む花』が上原脚本回で興味深いね」

アスト「着ぐるみ怪獣の登場しない33話『侵略する使者たち』も上原さんか。オレとしては、にせウルトラセブンの登場する46話が好みだが。この作品のオマージュで、ダークロプス・ゼロの話が作られたわけだし」



鉄太郎「上原さんがメインで書いたジャックの中では、1、2話のアーストロン&タッコング回、5、6話のグドンツインテール回、13、14話のシーモンス&シーゴラス回、16、17話のテロチルス回、37、38のナックル星人&ブラックキング回、そして最終話のバット星人&2代目ゼットン回など、派手な話もいっぱいだな。ベムスター回は市川さんだが」

アスト「33話の『怪獣使いと少年』は?」

鉄太郎「それは、よく話題になるが、ウルトラマンの物語としては異色作だろう。もちろん、メビウスやタイガでオマージュが捧げられるほど、大きなインパクトを与えた回でもあるが。シリーズの中の代表作と言われると、それは違うわけで」

アスト「だったら、あなたにとって、ご自分の主役回以外での上原さん代表作は?」

鉄太郎「タロウの4、5話の亀親子を助ける回は、ジャックのシーモンス&シーゴラス回を受けてのハッピーエンド回で、いろいろな意味でウルトラらしい話と考えるがね。第2期ウルトラとしては、これが上原さんの最終作になる。以降は、ティガ49話などセルフオマージュが目立つかな。さて、過去を偲ぶのはこれぐらいにして、次は未来を考えよう」


★ビヨンド学園の話


鉄太郎「それにしてもまさか、ゼロの奴が学園を築いて、ジードを教育し始めるとは。一体、どういう風の吹き回しだろうか」

リバT『グランドマスターNOVAに感化されたのではないでしょうか? メガネンジャー司令として、また教育関係者として、「特撮ヒーローは子供たちにとって良い教師だよな」と語っていたみたいですし』

アスト「NOVAごときの影響だと? そんなわけがあるか! 2万年早いってもんだぜ。それよりも、今年40周年になる80先生の影響とか、前作の力の賢者さんに感化されたって言う方が、多くのウルトラファンに納得できる説明だろうが」

鉄太郎「しかし、あの不良少年だったゼロがよくも成長したもんだ」

アスト「いや、ゼロさんがグレた理由の半分は、あなたが父親の名乗りを挙げなかったから、と話に聞きますが」

鉄太郎「それは、いろいろな事情があってだな」

アスト「どんな事情?」

リバT『詳しい事情は、こちらの記事を参照して下さい。当ブログでは、これが真実となっております』

鉄太郎「過去はどうあれ、今はゼロも光の戦士として一人前になって、多くのニュージェネレーションの舎弟を持ち、今度もまた若きウルトラ戦士を教え導く男になるとは。レオに預けたのは正解だったようだな」

ダイアンナ「セブンさんがレオさんを鍛え、そのレオさんがセブンさんの息子のゼロさんを鍛え、そして今はゼロさんが新たなウルトラ戦士の先生になっているのか。ウルトラの系譜がこうして受け継がれているのは、いい感じだね」

鉄太郎「しかし、教師陣がゼロの仲間のウルティメイトフォースとは。実のところ、私はゼロの仲間の彼らのことをよく知らないんだよ」

リバT『確かに、ウルティメイトフォースとウルトラ兄弟が直接対面したことはありませんよね』

鉄太郎「大体、何だ、あのグレンファイヤーってのは? 教育の場でお茶らけるだけでなく、口が悪い。ゼロの仲間ってのは、こんな男ばかりなのか?」

リバT『まあまあ。ああ見えても、流派・東方不敗という武闘家の師匠に厳しく鍛えられた前世をお持ちの方ですし。しかも、戦隊ヒーローや平成ライダーの中でも、あの声は大人気だとか』

鉄太郎「武闘家の師匠だと? なるほど。だからゼロとも拳で理解し合うんだな。類は友を呼ぶ、と言ったところか」

リバT『それに、ああいう人ばかりではありません。次の講師で予定されているミラーナイトさんは、その名のとおり礼儀正しい騎士の家系です。ただ最近、同じ声のエンターテイナーと称するドルイドンが暗躍していたりもしますが、また一方で電子世界のハイパーエージェントとしても活動中。声が同じだけで混同されぬよう』

鉄太郎「なるほど。声はともかく、ウルティメイトフォースには、チームらしく様々な個性が集まっているということだな。ならば、次週のゼロ組の講義も見届けるとしよう。ゼロがどんな仲間と付き合ってるのかもな」


★恒点観測員の話


アスト「それより、鉄太郎さん。あなたの肩書きは、恒点観測員というらしいが、それってどういう仕事なんですか? 昔から気になっていたんだけど、別に戦士ってわけじゃないみたいだが、それでも強いし」

鉄太郎「一言で言えば、風来坊だよ」

アスト「それじゃ答えになってないでしょうが」

リバT『風来坊。どこからともなく現れて、どこへともなく去って行く人ってことですね。つまり、旅人、渡り人、流離人。ファンタジーRPG的には、野伏、レンジャーってところでしょうか』

鉄太郎「レンジャーと言えば、戦隊っぽいが、私の仕事は宇宙の各星系に派遣されて、その地の風土や歴史背景、住人たちの文明レベルや性質などを調べて、宇宙にとって危険がないかなどを調査する偵察員といった感じだな。だから、住人に溶け込むために変身能力も持つわけで」

ダイアンナ「要するに、スパイ的なお仕事ってわけかい」

鉄太郎「スパイというほど、敵意を持っているわけではないがね。むしろ未知の惑星を調査する探検家と言ったところか」

アスト「340号ってことは、あなたみたいな屈強な男が少なくとも339人はいるわけだ」

鉄太郎「いや、この仕事は危険度が高くてね。任務の途中に殉職した者も少なからずいる。現地の住人とのトラブルに巻き込まれたり、猛獣どもの餌食になったり、気候風土が合わなくて病死したりね。その中で、私はタフな方だったから、不死身の男、すなわち043を逆から読んで340号と呼ばれるようにもなった。また、3と4を合わせて7号、すなわちセブンとも呼ばれたわけで」

アスト「そういう設定は初耳だな。不死身で043? それって、日本語の語呂合わせじゃないか。光の国でも、それで通じるのですか?」

鉄太郎「もちろん、そのような設定はない。NOVA司令が勝手に作ったこじつけに過ぎん」

アスト「こじつけかよ」

鉄太郎「実際には、もっと複雑な光の国での数字の扱い方とか、独特の言語的・文化的な背景事情があるのだが、それをそのまま地球人に伝えることは難しい。それ故に、噛み砕いた解釈が必要なんだよ。例えば、私の前に赴任した初代ウルトラマン。彼には、地球上で固有名詞が知られていない」

アスト「確かにそうだ。初代ウルトラマンは、ウルトラの星では何て呼ばれているんですか?」

鉄太郎「超越した男と書いて、超男という意味のウルトラ語だよ。日本語だとコエオと読むか、チョウオと読むか知らんが、それを英語風にウルトラマンと翻訳した」

アスト「すると、超七とか、超男雀とか、超男Aとか、超男太郎とか、超男獅子とかになるんですか?」

鉄太郎「うむ。最初の一人が超男と名乗ったため、以降の後輩はゾフィーを除いて超男の称号を受け継ぐようになったがな。一方、U40出身の男は文化が違う上、憑依先の地球人が超一郎という名前で紛らわしいからか、ジョーニアスという本名を名乗ったようだが」

アスト「ああ、U40出身者は名前が違った感じですね。ギリシャ風というか、英語っぽいM78星雲とは違ったネーミングセンスだ」

鉄太郎「とにかく、我々の名前は一種のコードネームみたいなところもある。ウルトラの父が本名ケンで、母が本名マリーというのも最近知られるようになっただろう?」

リバT『最近といっても、もう10年になりますがね』

鉄太郎「大体、ジードって名前は、自分で付けたんだろう? 見事にコードネームじゃないか」

リバT『まあ、それを言うならグランドマスターのWhite NOVAもハンドルネームで、本名ではありませんが、ネット世界では普通、それで問題なく通じていますからね。ウルトラ族の名前も、そうしたものに近いのでしょうかね?』

鉄太郎「我らの中では、名前など記号に過ぎん、という文化が昔からあるからな。80年に地球に来た教師はエイティだし、少年ウルトラはボーイだし、∞みたいな形の光を放つ癖のある若者ウルトラはメビウスだし、地球人に分かりやすいコードネームを付けようって風潮はある」

ダイアンナ「名前に関する文化性の違いはともかく、あんたが屈強の探検家で、未知の惑星にいろいろ調査活動に赴く中で、現地の危険に対抗するために戦闘技能も高めた熟練の戦士だということは分かった。今も、その活動は続けているのかい?」

鉄太郎「いや、未知の惑星を探検する現場仕事は、おおむね息子が引き継いだ。私の仕事は既知の世界に留まり、非常事態にのみ動くバックアップ要員、いわば予備役に近い。最近、多元宇宙の形で世界が広がっているから、現場だけでは見えない宇宙の歪みや、他の時空との折衝や潜在的脅威など、一歩離れた視点で観測しないといけないことも増えたからな。それに、外部の協力者との連携など、直接戦闘とは違うレベルでの仕事もあるわけで」

アスト「若手冒険者には若手の仕事が、ベテラン冒険者にはベテランの仕事が、冒険者ギルドの長には長の仕事が、それぞれのレベルに応じて役割があるってことだな」

鉄太郎「うむ。今は、ここに駐屯して、個々の世界を観測したり、世界の危機に備えておくことが仕事だろうな。それと、様々な世界の冒険の話にも興味がある」

リバT『では、次回から改めて、冒険ゲームの話をしましょうか。鉄太郎さんにも参加してもらって』

(当記事 完)