ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「アランシアの暗殺者」攻略記(4)

一応のクリア報告

 

NOVA『ゲームとしてはまだだが、ブックとしては攻略完了したぞ』

 

アスト「どういう意味だよ? 分かるように説明しろ」

 

NOVA『ゲームブックが、ゲームと本の融合だということは分かるな』

 

アスト「そりゃまあ、そこは基本中の基本だろう」

 

NOVA『この場合のゲームとは、サイコロを振って戦闘の結果などをある程度ランダムに判定したり、能力値や所持品などのデータ部分を記録したりすることを示す。そういう数値データ的な要素がなければ、ただの分岐小説だ』

 

ダイアンナ「物語が数字のパラグラフに分割されて、選択肢を選びとっていくのはゲームとは言わないのか?」

 

NOVA『広い意味では、それもゲームと言えるのかもしれないが、選択肢を選ぶだけだと、変わった形式の読み物と分類できる。分岐小説をゲームと言っていいかは意見が分かれるが、ネット小説なんかでも、リンクを利用して、複数のIF展開を見せる創作は散見される。グッドエンドとか、バッドエンドとか、そういう分岐が楽しめる形式はゲーム的とも言えるが、読んでいる人間はゲームを遊んでいるという感覚はないだろう。ただ、複数展開のある物語をお話として読んでいるだけだ』

 

アスト「つまり、サイコロは振ってないけど、物語として一通りの分岐は読み終えたってことか?」

 

NOVA『ああ。攻略ノートの2ページほど使って、大体のストーリー展開はメモ的に記録した。13人の暗殺者とどこで遭遇するか、とか、カアドの街からファングにかけての攻略ルートは把握した。あとはブログ記事にまとめながら、ダイスを振って完全クリアしようと思う。パラグラフ選択のミスはこれでなくなったが、まあ、ダイス運の悪さで攻略失敗になる可能性はゼロじゃない』

 

アスト「例えば、どんなケースだ?」

 

NOVA『運だめしに失敗すると即死するような場面で、6ゾロを出してしまった時とか、毒使いの暗殺者からダメージを受けてしまった時とかが考えられるな。まあ、前者はそういうパラグラフを回避すればいいので、もはや起こり得ない事故だと思うが、後者はあり得る話だ』

 

アスト「なるほど。どんなにあり得ない事故でも、放射能犬に噛み殺されるようなケースは考えられるからな」

 

NOVA『俺の長いファイティング・ファンタジー人生(1986年からだから、今年で37年め。ブランクは結構あるけど)で、最大の不運だと思うよ。あれは』

 

カアドの街の話

 

NOVA『ともあれ、第6の刺客である忍者を倒した後、アズール卿を追って(残りの暗殺者を探しながら)カアドの街へ向かうことになるんだが、ブラックサンドやファング、ストーンブリッジやダークウッドの森、それにサラモニスなど、昔から知っている地名に比べて、カアドの街は馴染みが薄い。事実、俺がこの街を初めて訪れたのは去年、「火吹山の魔法使いふたたび」をプレイした時だ』

アスト「『火吹山ふたたび』は92年のゲームで30年以上も前の作品だが、正式な商品として邦訳されたのは一昨年のことだからな」

 

NOVA『つまり、街の歴史は長いんだろうが、日本においては知る人の少ない無名の街だったんだ。なお、90年に邦訳されたワールドガイドの「タイタン」(原書は86年)にも載っていない。AFF2版の「タイタン」は買っていないんだが、昔の文庫版に比べて、カアドの街とか、追加情報があるのだろうか?(あれば買いたい)

『旧タイタン版の地図と比べて、FFコレクション版のアランシア北西部地図は、ずいぶん記載されている地名が増えたし、最新の「巨人の影」収録の地図は、カアド周辺を始め、さらに地名が追記されている。ゲームブック作品の新作が出た際に、付属のアランシア地図の記載情報が段階的に増えていくのを見ると、いかにも現在進行形で作品世界が発展進化更新されているように感じて、ただの懐古を越えた新鮮な喜びを覚える次第』

 

アスト「地図を見比べるだけで、そんな気分に浸れるんだなあ、お前は」

 

NOVA『過去と現在と、そして未来がつながっているのを感じると、時空魔術師としてはワクワクするんだよ。もちろん、過去の不幸な事件までは、つながって欲しくはないんだが』

 

ダイアンナ「とにかく、カアドはどんな街なんだ?」

 

NOVA『「火吹山ふたたび」で訪れたときは、疫病に見舞われていた(苦笑)。火吹山近くのアンヴィル村から、蘇ったザゴール打倒の助言をもらいにヤズトロモさんのところに行こうと、南のストーンブリッジに寄ったら、「ヤズトロモさんは疫病に見舞われた西のカアドの人たちを助けに行った」とドワーフたちが教えてくれた。そこで、赤水川に沿って船旅が始まって、半日ほどでカアドに到着(途中でオークの襲撃に遭わなければ)。

『そして、目の色が違う偽ヤズトロモさん(悪霊ドッペルゲンガー)に殺されたり、殺されなかったりしながら、ようやく出会えた本物のヤズトロモさんから〈竜の牙〉によるエレメンタル召喚のアドバイスをもらったり、店で買い物をしたり、惜しくも亡くなる運命のズート・ジンマーに美味しいお茶を頂戴したり、大鷹に送ってもらったりしたのが、カアドの思い出として今でも心に残っている』

 

アスト「なるほどな。昔、別の冒険物語で登場した街に再び寄ると、昔の感慨が蘇ってくるわけか」

 

NOVA『キャラは違っても、中身の魂(プレイヤー)は同じだからな。前世の記憶と言ったらいいのか。ただ、物語によって街の印象が変わって来ることもある。ブラックサンドみたいなメジャーな舞台は、悪徳に満ちた盗賊都市の印象はそうそう変わらないが、カアドみたいな(言っちゃ悪いが)ややマイナーな街は、まだイメージが固まっておらず、前回と今回で印象が大きく変わったな』

 

アスト「どういう風にだ?」

 

NOVA『前回は疫病のせいか、寂れた田舎町って印象だった。もしかすると、「火吹山ふたたび」から30年を経て、その間に街が発展したのかもしれないが、今作のカアドはブラックサンドに負けないぐらい通りがいっぱいあって、そこそこ大きな都市って印象が強まった。その分、素朴さが減退して、悪徳渦巻く危険な都市のイメージも高まったが。何だかミニ・ブラックサンドって感じ?』

 

アスト「ブラックサンドのシーンが少ない分、都市冒険の要素は今回、カアドに割り当てられたって感じか?」

 

NOVA『「危難の港」ではチャリスの街にスポットが当たり、今作ではカアドと周辺地域(赤水川下流)を掘り下げた感じだな。まあ、カアドでは3人の暗殺者に次々と襲われたりして、じっくり散策する余裕もないんだけど』

 

ダイアンナ「ええと、暗殺者7号から9号?」

 

NOVA『いや、9号から11号だ。7号と8号は、カアドに到着する前の旅路で遭遇することになったり、ならなかったり、だ。本作で100%確実に遭遇する暗殺者は6人。ガランカ・ヴァッセルまでで4人で、あとは終盤の暗殺者12号と13号には確実に出会う。よって、これから出会う暗殺者7号〜11号は、ブラックサンドのラズロ・マリック(3号)や、忍者の山久利剛三(6号)と同様、出会い損ねる可能性もあるわけだ』

 

カアドへの旅と、暗殺者7号

 

NOVA『カアドに向かう東ルートからの47番、北ルートの263番、316番、305番はそこまでのストーリー展開に合わせて、文章の前半は差異があるが、後半はほぼ共通の内容になっている。林を抜けて丘を下った先に平原が広がり、北の森に向かう道(101)と、そこから分岐してはるか北東の街(カアド)へ向かう道(200)に選択肢が分かれるわけだ』

 

アスト「正解はどっちだ?」

 

NOVA『今なら断言できる。101だ。200へ進むと、暗殺者の1人と出会えなくなる』

 

ダイアンナ「だったら101だね」

 

NOVA『すると、男が一人倒れて、うめいている』

 

アスト「なるほど。倒れた人間を助けてやろうと、親切心で近づいていったところを奇襲してくる計略だな」

 

NOVA『アスト、その読みは外れだ。男はホブゴブリンの野盗に襲われて致命傷を受けた可哀想な木こりなんだ。死にかけている木こりを介抱しようとすると、覚悟の完了した彼は「オレはもうダメだ。だが、死ぬ前にあんたの親切さにお礼がしたい。ホブゴブリンに背負い袋の荷物は奪われたが、隠しポケットに金貨3枚入っている。それを持って行ってくれ。ぐふっ」と言い残して死んだ。そんなわけで金貨3枚をゲットして、せめてもの供養に穴を掘って埋葬してやることにした。埋めてやる記述は文章にない脳内補完だが、野ざらしで獣の餌にするのも忍びないからな』

 

アスト「棺桶に入れて運んでやって、教会で復活させてやろうとは思わないのか?」

 

NOVA『ここはドラクエの世界じゃないし、アランシアに教会で死者を復活させる風習はない(たぶん)。とにかく、先へ進んだ363番で噂の〈ゼンギスの超人〉、女戦士のレン=レン・パックと遭遇した。一応、表紙イラストの右側の人物なんだが、本文イラストと文章記述とはずいぶんイメージが異なっている。共通点は赤毛の槍使いという点と、褐色の肌に銀色の文様を施している点だな。ただ、表紙イラストは金色の鱗鎧を装備しているみたいだが、本文イラストはもっと軽装で、裸にボロ布をまとった露出度の高いアマゾネスって感じで、いかにもエキゾチックだな。

『で、ゼンギスって土地も「異国風」という表現以外、自分にはよくイメージができていないんだが、ハカサンがゼンギス出身で東洋風の文化だと思っていたんだよ。だけど、今回出てきた彼女はアフリカ系なんだな。どっちもイギリス人から見たら異国風なんだろうが、アジアなのかアフリカなのかはっきりさせて欲しいと思ったり』

 

アスト「そんな敵の外見の分析をしていないと、戦えよ」

 

NOVA『彼女との戦闘はパラグラフが複数に渡り、凝っている。まず、いきなり槍を投げて来たんだが、盾を持っていないと、体力2点を失う。まあ、こちらは盾で槍を受け止めて防いだんだが、続いて彼女は2本の長ナイフを両手に握り、激しい勢いで突撃してくる。彼女の槍を投げ返すという選択肢もあるが、武器を持ち替えるような悠長なことをしていると、猛スピードで切り込んで来て、対応が間に合わずに4点のダメージを受けてしまう。だから、手慣れた〈悪魔の短剣〉で迎え撃つ方がいいんだが、それでも不意に空中高く飛び上がり、その勢いで2点ダメージを与えてきた。しかも、戦闘中に威嚇の声を上げて、ワイルドかつスピーディーな戦闘スタイルで、刃の旋風を浴びせてくる。まるでウルトラマンブレーザーを思わせる暴れっぷりだ』

 

ダイアンナ「ずいぶんと凝った戦闘描写だね」

 

NOVA『力のヴァッセル、技とスピードのレン=レン・パックといった感じだな。表紙絵に採用されるだけのことはある強キャラ描写だ。能力値は技術点9、体力点6となっていて、今からダイスを振って戦ってみる』

 

(戦闘を経て)

 

NOVA『相手が血に飢えた狂気の戦士なら、こちらも久々に血に飢えた悪魔と契約した戦士の本領を発揮して、完封してやったぜ。そう、リーサン・パンザはただの腹ペコ戦士ではなくて、敵対した相手を悪魔のいけにえに捧げるキレた戦士として、「危難の港」では描いていたんだ。しばらくロールプレイを忘れて、正統派勇者みたいな感覚でいたが、敵の狂気に刺激されて、眠っていた野生が呼び起こされたようだな』

 

アスト「結局、受けたダメージは?」

 

NOVA『戦闘前の文章描写で被った2点だけだ。残り体力12点だが、保存食で回復する前に相手の持ち物漁りをする。例によってサソリマークの首飾りに、金貨2枚。それからヘビをかたどった黄金の腕輪を身につけるかどうかという選択肢が出たが、〈悪魔の短剣〉の導きに従って、蛇のパワーを会得すべく身に付けた。

『この腕輪は【マンバの腕輪】といって、勇気ある装着者に活力を与えて、技術点+2、体力点+2、運点+1の効果がある。逆に身に付けないと、ヘビの呪いで2点ダメージをくらうというデメリットあり。これで、リーサンは頭に忍者の鉢金を、右腕にヘビの腕輪を身につけた〈悪魔の蛇影忍者〉〈闇の王の殺し手〉〈暗殺者ハンター〉として裏の世界で恐れられるのだった』

 

★サソリ会第7の刺客「レン=レン・パック」

 表紙イラストの右面に堂々と載っている、〈ゼンギスの超人〉の異名を持つ女戦士。たぶん、全身に施された文様の呪力で狂気じみた闘争心と超越した身体能力を宿していると思われ。

 身に付けている装備の違いか、表紙イラストでは文明的で小洒落た戦士(女性らしいラインは胸よりも太ももにあるかな)なんだけど、本文イラストではアフリカもしくは南洋の島の原住民的な露出度の高さで、胸や股間が見えそうで見えないという絶妙なエロ絵スレスレ。でも、筋肉質でスポーティーなポーズゆえに自分的には萌えないんだよね。

 何にせよ、本文イラストのキャラデザインをそのままに表紙絵に持って来ると、何だか格好いい現在のイラストの品格が落ちるようにも思えるので、今の絵でいいかな。

 イラストはともかく、文章描写としては、次々と矢継ぎ早に攻撃を仕掛けて来るアグレッシブさに、バトルの力が入っているなあ、と思う。刃の旋風とか、ウォーハンマーRPGのバトルダンサー(舞闘家)みたいで、ハカサンも含めてゼンギスの女性は潜在的に身体能力が高くて機敏なのかなあ、と感じさせる。いつかゲームブックでも、ゼンギスに行ってみたいとも思うが、未訳の36巻『死の軍団』がそこを舞台としていて、『死の罠の地下迷宮』『迷宮探検競技』に続くファング3部作との情報が。いずれ翻訳されたらいいなあ。

★リーサン・パンザ

技術点11、体力点14/18、運点9/11

 

武器と防具:悪魔の短剣(メイン武器)

      守護者の盾(技術点+1)

      アストラルソード(技術点+1)

      力の腕輪(技術点+3)

      チェーンメール(技術点+1)

      マンバの腕輪(技術点+2)

      弓矢+矢6本

消耗品:保存食8食、運ポーション、ウジ虫の練り薬、回復の指輪(体力6点回復)

お金&宝石:金貨15枚、銀貨1枚、ルビー、ダイヤモンド2、オパール6

サソリマークの首飾り:7

その他所持品:ロープ、「44」の鍵、赤インクのガラス瓶、エルフのブーツ、万能袋、不可視の巻き物、魔法のフルート、バルサザールの箱、骨のサイコロ2個、忍者の銅の輪、時間歪曲の指輪

 

続・カアドへの旅と、暗殺者8号

 

NOVA『ここまでの展開を簡易マップにまとめると、こうなる』

 

  森へ  街へ

   87       369

    ↑      ↑

    ーーー(合流する道)

    ↑  ↑

ゼンギス超人 200

  ↑               ↑

倒れてる男       ↑

  (101)   ↑

  ↑     →→→↑

  平原

 

NOVA『森に向かう北ルート(101)と、街へ向かう北東ルート(200)の二択だったんだが、暗殺者7号を撃退したところで、両ルートが合流する。改めて北西の森へ向かう87番と、北東の街へ向かう369番の二択だが、今度は北東へ進路変更するのが正解だ。外れルートの87番は、狼に襲われた後で、〈悪鬼(フィーンド)の森〉に通じているが、そこに入らないように警告する小男(樹上で暮らすウッドリングのゲーリット)がいたりして、保存食を2つあげて詳しい話を聞けば、森の危険を教えてくれる。シェイプチェンジャーとか大ナメクジ虫とかな。それでもカアド行きルートに進路変更せずに、森に踏み込んで進み続けると、16番で大ナメクジ虫の餌食になるバッドエンドだ』

 

アスト「〈悪鬼の森〉か。アランシアにまた危険な秘境が増えたんだな」

 

NOVA『「アランシアの暗殺者」掲載のマップには、カアドの西の森がイラストに描かれてあるが、地図に名前は載ってない。最新の「巨人の影」掲載のマップには、新たに〈悪鬼の森〉と、カアド北東の〈絡み森〉が追加されている』

 

ダイアンナ「そのうち、それらの森を探索するようなゲームブックが登場するかもね」

 

NOVA『いずれにせよ、今回の〈悪鬼の森〉はバッドエンドに通じているので、北東のカアドを目指す。369番では丈高い茂みの陰でカサカサという音が聞こえて来るが、好奇心に駆られて踏み込まない方が吉だ』

 

アスト「しかし、それを調べないと攻略記事としてはお粗末だろう?」

 

NOVA『だから、危険を覚悟して調べるんだ。すると、そこにいたのはただの鹿だ。害はないんだが、それでも運だめしを要求される。成功すれば、獣用の狩猟罠(金属製のトラバサミの痛そうな奴だ)に引っ掛からずに済む』

 

アスト「失敗すれば、ガシャンと引っ掛かるのか」

 

NOVA『幸い、技術点は失わずに、体力点2点のダメージだけで済む。問題はその後だ。罠のバネが強力すぎて、足を挟まれたまま脱出できないんだ。ただし、罠を解除するための鍵穴があって、「44」の鍵を使えば脱出できる。鍵がなければ、自力の脱出は不可能なので、大声で付近にいるかもしれない罠師を呼ぶことになる。ここで運だめしだ』

 

アスト「失敗すれば……脱出できずにバッドエンドか?」

 

NOVA『いや、近くにいた暗殺者を引き寄せてしまい、背後から無抵抗のまま殺されるバッドエンドだ。成功したときは、暗殺者ではなく、罠師がやって来て、金貨1枚を払って罠を外してもらえる。とにかく、鹿用の罠のせいで、運や体力や、最悪、命を無駄に落としたくなければ、369番ではスルーを推奨する。得られる物は何もない』

 

ダイアンナ「しかし、近くに暗殺者がいることは分かったな」

 

NOVA『その暗殺者は、おそらく次の70番、「ボッグの農場」で遭遇する(かもしれない)暗殺者8号だ』

 

アスト「暗殺者が農場主に化けているのか?」

 

NOVA『違う。ここの農場主は双子のドワーフで、ビリー・ボッグとボビー・ボッグ。あまり清潔そうでない汚物小屋みたいな場所で、何だかよく分からないままに、フラフラと誘い込まれて目についた〈黄金のブタ像〉に手を伸ばしてみたら、落とし戸の罠に引っ掛かって、体力2点を失い、地下室に囚われの身となる。俺は何で〈黄金のブタ像〉なんて意味の分からないものに引き込まれたんだ?』

 

ダイアンナ「そんなの、あたしが知るか!」

 

アスト「大方、〈悪魔の短剣〉に導かれたんじゃないか? インテリジェンス・ソード(知能ある魔剣)みたいだし」

 

NOVA『去年だと、悪魔の相棒バイスとか、風都探偵のフィリップとか、悪魔と相乗りが旬だったが、1年経った今だと、悪魔ネタはもう古いぞ』

 

アスト「だったら、今はブレーザーか? 強制的に変身させようとするワイルドなブレスレットと石は」

 

NOVA『まあ、自分の常識じゃ普通はしないような農場荒らしをしないと、暗殺者8号と出会えないんだよな。ある意味、ここでのイベント展開が一番、理不尽と考えた。別に〈ブタの像〉なんかに興味はないのに、ゲームクリアのためには仕方なく手を伸ばさないといけないんだ。これに匹敵する理不尽は、「火吹山ふたたび」で〈竜の牙〉入手のために、食べたくもない〈羊の目玉大食いコンテスト〉に参加する羽目になった時以来だ』

 

ダイアンナ「理不尽だったら、アーロックでのイベントもそうじゃないか?」

 

NOVA『まあ、いろいろ理不尽なゲームと言えば、その通りなんだが、少し意味合いは違う。俺、アーロックの主人公にはあまり感情移入していなかったから、理不尽なめに合っても、どこか他人事のように、あるいは所詮ゲームの駒みたいに受け止めていたんだ。しかし、「火吹山ふたたび」の場合は、久々のゲームブックのプレイだったこともあり、冒険中の主人公に結構、感情移入していたんだよ。だから、〈羊の目玉大食いコンテスト〉というネタを見て、自分だったら嫌だなあ、とマジ想像してゲゲッとなってしまったんだ。ゲーム内の人物に感情移入しやすい性質は楽しくもあるが、時々、情緒不安定になったりもするものだ』

 

アスト「そういうときは、ゲームを休めよ」

 

NOVA『感情移入できるゲームだから楽しいとも思うが、我を忘れないためには、ほどほどが大事だな。アーロックでは主人公に感情移入しようと努めたんだが、それよりも敵役のル・バスティンに妙に感情移入してしまった話は……もういいな。今はそんな話をしている場合じゃない。リーサン・パンザとして、ボッグの農場の地下室から脱出しないと』

 

アスト「ロープか何かあるだろう?」

 

NOVA『脱出の方法をあれこれ検討している間に、双子のボッグ兄弟が落とし戸の上から覗き込んで、彼らの小屋に無断で押し入った理由を尋問してきた。リーサンらしく「腹ペコったから、食べ物が手に入らないかと思った」という選択肢を選びたかったが、それじゃあゲームがクリアできない。だから、ゲームをクリアするという理由だけで、「暗殺者から逃げている」という嘘をつく羽目になった』

 

ダイアンナ「それは嘘じゃないだろう?」

 

NOVA『いや、嘘だよ。俺、暗殺者から逃げてないもん。探し出して、狩ろうとしているんだからな。何で選択肢に「暗殺者を追っている」ってないんだ? 俺は逃亡者じゃなくて、狩人なんだぜ。そこんところを勘違いしちゃいけないなあ』

 

アスト「それは、リビングストン先生の想定していたプレイじゃないからだろう? 郷に入れば、郷に従おうとは思わないのか?」

 

NOVA『まあ、どういう経緯であれ暗殺者の件を話題に出すと、ボッグ兄弟もリーサンが指名手配の殺人犯だと気づき、大喜びで暗殺者8号のバーバリアン、〈斧使いダックス〉を呼んで来た。「3人で懸賞金を山分けだ」と喜ぶボッグ兄弟に対して、ダックスは「懸賞金はおれのもの。誰とも分かち合う気はない」とか言って、仲違いする。その挙げ句、〈斧使いダックス〉が地下室に落とされる羽目になったんだ。これ幸いと、バトルして〈悪魔の短剣〉のいけにえに捧げてやろう』

 

 技術点9、体力点8の敵と戦う。そして……

 

NOVA『4点のダメージを受けて、残り体力8点まで減ったが、何とか暗殺者8号を血祭りにあげたぞ。腹が減ったので、保存食を1つ食べて12点まで回復する。このイベントを終われば、もう1食いただくつもりだ』

 

アスト「何とか上に上がって、ボッグ兄弟も始末するつもりか?」

 

NOVA『それも悪くないが、そんな選択肢はなかったんだ。リーサンがダックスを倒すと、ボッグ兄弟が思いがけず、拍手喝采をして来たんだよ』

 

ボッグ兄弟『なかなかの戦いぶりだったぞ、よそもん。〈斧使いダックス〉を見事に返り討ちじゃないか。懸賞金を山分けすると約束しておいて、騙しやがったクズには当然の報いだ!』

 

アスト「何だ、その手のひら返しは?」

 

NOVA『リーサンがダックスの持ち物を漁り、サソリマークの首飾りをゲット。他にエメラルドの指輪2つと、金貨18枚、そして2本の斧をゲットしたのを見て、ボッグ兄弟は「そこから出してやるから、おれらにも分け前をよこせ」と主張して来た。戦利品を全部引き渡すという選択肢もあるが、半分渡せば十分なので、そちらを選んで兄弟とよく分からないままに仲良くなった。察するに、おかしな連中だが、公正な取り引きには重きを置いているのだと思う。

『もしも仮に、交渉の際に暗殺者の件を口に出さずに、別の弁明をしていたら、ブタ像の代金(金貨3枚)を払うなり、兄弟を楽しませるための脱出ゲーム(エルフのブーツが役立つ)に挑戦して、上手く行けば逃げられる。だけど、そっちの選択肢だと暗殺者8号と出会い損ねるので、兄弟にダックスを呼びに行かせるよう仕向けることが攻略には必要なんだ』

 

★サソリ会第8の刺客「斧使いダックス」

 斧を武器とするバーバリアン。農場のボッグ兄弟に謝礼を払うことを約束して、指名手配のリーサンの情報提供をしてもらったが、強欲で約束事に無頓着な身勝手さがボッグ兄弟の怒りを招き、裏切られる羽目になった。

 暗殺者の標準(技術点8)より強くてタフ、戦闘面での能力は悪くないけど、ボッグ兄弟の個性に食われて、印象が薄い。イラストも付いて来ないし。強いて言えば、「懸賞金は俺のもの」というセリフにほんのり漂うジャイアニズムの臭いがポイントか。

 気になるのは、トラバサミの罠で動けない主人公を背後から殺害したバッドエンドの刺客は、こいつなのかどうか。近くにいるから、こいつだと安易に考えているが、証拠がないので断定はできない。

★リーサン・パンザ

技術点11、体力点16/18、運点9/11

 

武器と防具:悪魔の短剣(メイン武器)

      守護者の盾(技術点+1)

      アストラルソード(技術点+1)

      力の腕輪(技術点+3)

      チェーンメール(技術点+1)

      マンバの腕輪(技術点+2)

      弓矢+矢6本

      ダックスの斧

消耗品:保存食6食、運ポーション、ウジ虫の練り薬、回復の指輪(体力6点回復)

お金&宝石:金貨24枚、銀貨1枚、ルビー、ダイヤモンド2、オパール6、エメラルドの指輪

サソリマークの首飾り:8

その他所持品:ロープ、「44」の鍵、赤インクのガラス瓶、エルフのブーツ、万能袋、不可視の巻き物、魔法のフルート、バルサザールの箱、骨のサイコロ2個、忍者の銅の輪、時間歪曲の指輪

 

 今回は、カアド到達(307)の手前まで攻略。次回(5)は、カアドの街での暗殺者3人とのバトルまで記す予定。

 その後の(6)で、本作の攻略記事は終了するつもりです。

(当記事 完)