@零斗さんの報告
零斗『……と言うことで、タルタロスの野郎はユリアン王女をさらって、何処かに逃げちまったんだ』
アスト「なるほど。それでタルタロス捜索に忙しい中、わざわざ連絡をよこしてくれたんですね」
零斗『おお、ところで親父はいるか?』
鉄太郎「何だ、ゼロ……いや、零斗?」
零斗『BOARDの理事長の件が解決したのはいいが、久々に80先生の地球でのレポートを再チェックしていたんだよ。そうすると、また親父の影が出てくるそうじゃないか』
鉄太郎「一体全体、何のために、そんな黒歴史を掘り起こすんだ?」
零斗『そりゃ必要だからだろうが。タルタロスの野郎はユリアン王女をさらったんだぜ。何のために? と考えるなら、ユリアン王女の地球での事績もチェックしようとするのは当然だ。すると「妄想親父が暴走族を襲っている」という事例に行き当たって、もしやこれは親父の並行同位体か何かじゃないかって気になってな』
ダイアンナ「妄想親父が暴走族を襲う……って何かのジョークか?」
リバT『80年代の地球では、暴走族というのが社会問題になっていて、仕事人と戦ったり、妄想から生まれた巨大ソフビ人形の化身に襲われたりしていたようですね』
アスト「その後、暴走族は宇宙にまで進出して、90年代にはボーゾックとか暴走皇帝エグゾスなる者も出現したそうだ」
ダイアンナ「なるほど。宇宙まで進出する暴走族の脅威を察知して、妄想親父が密かに仕事人と手を組んで戦っていたとは、さすがはダディーと言ったところか」
アスト「いや、そんな話は誰もしていないから。妄想親父ってのはNOVAのことではなくて……」
鉄太郎「ああ、ゴホン。アスト君、今は妄想親父のことはどうでもいいから、タルタロスの件に話を集中しないといけないのではないかね(これ以上、話をややこしく蒸し返すな、と念波を送る)」
アスト「(念波を受け取り、ジープに自分が追い回されてる幻を見て、顔面蒼白になる)あ……ああ、妄想よりも現実をしっかり見ないといけないか。悪いのは全てタルタロスってことで」
@時間軸の整理
アスト「それにしても、今回のタルタロスの件を見ながら、こっちから観測できる事象と、ウルトラ時空の時差が非常にややこしいことになっていることが分かりました。オレたちの見える範囲では、こんな感じで物事が進んでいたんですよ」
1.ゼロやUFZがビヨンド学園で、ジードとペガを教える。
2. タロウが行方不明になったという情報が入って、鉄太郎が捜索任務も兼ねて、当アステロイド観測所に来訪する。
3.ゼロがウルトラマントをまとった姿を見せ、弟子の登場をほのめかす。
4.タロウの息子タイガと、トレギアやグリムドの物語が、コロナ禍という事象のために春から夏に上映延期となる。
5.ビヨンド学園にジャグラス・ジャグラーが突然、顔を見せる。
6.タロウの息子タイガが地球を離れる前に、別の時空の地球でゼロの弟子Zの物語が始まる。その世界では、ジャグラーが隊長を務める防衛部隊ストレイジが存在していた。
7.ゼロさんが行方不明になったり、ジードが地球に来たり、ベリアロクさんが出現したり、いろいろ大混乱な状態で、別の地球ではタイガとトレギアの決着がついて、トライスクワッドが宇宙に帰還する。
8.Zの物語が展開する中で、ヤプールの怨念が超獣バラバを蘇らせ、ウルトラマンAが出現。
9.ヤプールの怨念が、当ブログ時空にも出現し、ゼロさんの協力と、この時空の新たなウルトラマンアースの誕生で、何とか状況を収める。
10.アブソリュート・タルタロスが大いなる陰謀を起こし、ウルトラ時空を混乱させる。
11.これ以上の援軍が期待できない中、Zはジャグラーと地球人の協力で、セレブロ事件を解決し、変身者のハルキと合体したまま、ベリアロクさんを持って宇宙に帰還。
12.当ブログに一時来訪していたゼロさんが、タルタロスの陰謀やらクロニクルZのナビゲーター仕事などで忙しくなって、出立する。
13.タルタロスの陰謀はなおも続き、ゼロたちはウルトラリーグを結成して立ち向かうも、ユリアン王女をさらわれて逃げられた。
アスト「こんな感じで物事が進展していたように、こっちでは見えたんですが、実はタルタロスの件って4番と6番の間に位置づけられていたんですね。ただでさえコロナ禍で、タイガとZの物語が同時並行で展開してしまったのに、本当はその間にタルタロスの陰謀があったんだって思うと、頭の中の時間軸がめちゃくちゃです」
ダイアンナ「情けない奴だな。それでも、元・時空快盗タイムジャッカーの一員だった男か?」
アスト「その時のオレは、翔花ちゃんしか見ていなかったからな。他の時間軸がどうこうなんて、考えもしなかったんだよ」
リバT『見ているものが一つだと、あまり物事の因果関係を複雑に考えなくていいですからね』
アスト「そう。単純明快、スッと割り切れた世界観だったのに、ややこしい話に巻き込まれちまったせいで、時々は立ち止まって状況整理しないと頭の中が追いつかないと来た」
零斗『簡単に言えば、タイガ→タルタロスの陰謀→Zってことだろう? そして悪いのは全てタルタロスのせいにすればいい。単純なものじゃないか』
アスト「すると、オレたちの世界がコロナ禍で苦しんでいるのも?」
零斗『グリムドかセレブロのせいだと思ったりもしたが、まだ収まっていないところを見ると、タルタロスが裏で糸を引いているのかも知れんな。奴はキングダムがどうこう言っていたから、ビョーゲンキングダムと裏でつながっているのかもしれん』
ダイアンナ「プリキュアの裏にもタルタロスが?」
零斗『十分考えられる話だ。坂本浩一監督は脚本家の荒川稔久さんと東映特撮で懇ろな関係だし、現プリキュアの香村さんは荒川さんの後輩で妹分みたいなもんだからな。円谷含む坂本時空とプリキュア時空がどこかでつながっていても不思議じゃない。大体、グリージョはプリキュアみたいなものじゃないか』
アスト「そいつはメタ発言すぎますし、グリージョとプリキュアを同一視するのはどうかと思いますよ」
零斗『細かいことはどうでもいいんだよ。とりあえず、タルタロスがどこに身を潜めているか、そっちでも情報がつかめたら、何か教えてくれ』
アスト「いや、タルタロスのことは直接、対峙した人の方が詳しいはずでは? 事実、オレたちが初めてタルタロスのことを知った昨年秋には、ゼロさんは既にタルタロスと戦った後で、そのことを隠していた形じゃないですか。知っていたなら教えてくれても良かったのに」
零斗『別に隠していたわけじゃねえんだけどな。確かにタルタル野郎とは前に戦ったりもしたんだが、あの時はオレだって奴のことを調べていたわけじゃねえ。Zの宇宙警備隊入隊が決まったり、弟子ができたならオレも師匠として修行しないとなって気持ちからビヨンド学園を創ってみたり、タイガの奴がようやく帰還したってんで一息ついていたら、突然、上から呼び出されて、「アブソリュート・タルタロスっていう時空を超える能力を持った悪党が事件を起こしているから、いろいろ仲間を集めて倒して来い」って言われて、よく分からないまま、飛び出して行ったんだ』
アスト「よく分からないまま、ですか?」
零斗『そう、よく分からないまま。だけど、裏でコソコソ動いている奴だから、直接ぶつかれば大したことはないだろうって、完全にナメてかかってしまったんだな。敵のことがよく分からないままぶつかって、そして見事にしてやられた形に終わった。だから、別時空の観測所でもう一度、奴のこれまでの動きを勉強し直そうって気になったんだ。それに現場で分かることもあるが、遠くから俯瞰して見ないと分からないことだってある。オレが知っていることよりも、そっちで観測した方が分かることだってあるはずだ』
ダイアンナ「確かに、リブットが修行していたエピソードなんかは、零斗さんも知らなかったみたいだね」
鉄太郎「事件や災害が起こった現場では、自分の目前の出来事に対処するだけで必死だからな。岡目八目と言って、遠くから落ち着いた立場で、複数の情報ソースを集めてじっくり分析できる司令塔だからこそ把握できることもあるのは間違いない」
リバT『現場も大切だけど、それをまとめて総合的に判断する本部も重要ってことですね』
アスト「まあ、確かにタルタロスに捕まったユリアン王女が見た『謎のセブンさんあるいはゼロさんに似たシルエット』とか『タルタロスと共にキングダムの重鎮になりそうな3人のアブソリューティアン? 闇堕ちしたウルトラマン? みたいな姿』とかは、現場では知るはずもない情報だもんなあ」
零斗『やっぱり、そっちではオレたちの知らない手がかりをつかんでいるみたいだな。さすがは、時空を超えた観測所だけはある。連絡した甲斐があったってもんだぜ。ところで、そっちに、グレンの奴とジャンボットが行かなかったか? タルタロス打倒のためにUFZも召集しようと思ったんだが、ミラーナイトとジャンナインしか来なくてよ。グレンとジャンボットとはまだ連絡がとれねえ』
ダイアンナ「年末のバタバタしていた時に来たけど、外でケンカして来るって出て行ったきりだね。もしかして行方不明なのかい?」
零斗『グレンっぽい声が聞こえたな、と思ったら、グレートだったり。クロニクルZの後で、違う異世界を覗いてみたら、やっぱり似た声の魔王が暴れていたり。一体どこをほっつき回っているんだって話だな』
アスト「案外、タルタロスにスカウトされて、並行同位体のグレンファイヤーなんてのが出て来たりしてな」
ダイアンナ「それって、別の炎の超人だったりしないか。いや、その御仁も今は、元祖戦隊の赤い人として絶賛配信中なんだが」
@鉄太郎の説教と、TDG超時空の話
鉄太郎「ところで、ゼロ……いや、零斗よ。お前がタルタロスにやられた原因はしっかり反省したのか?」
零斗『ああ、事前のリサーチ不足ってことだろう? だから、ここに連絡をとって、情報を補おうとしているんじゃないか』
鉄太郎「それだけじゃない。あと2点、お前は過ちを犯した。そのことを胸に手を当てて、よく考えてみろ」
零斗『いちいち親父に言われなくても、オレなりに考えたさ。一番痛感したのは、Zの奴に「一人で何でもできると思うな」と言ったばかりだってのに、オレもタルタロスをナメて一人で倒そうと先走ったことだな。しかし、あの場ではあれがベストだと思ったんだよ。もっとやりようはあったかも知れないが、咄嗟に体が動いちまったものだからな。次はチームとの連携をもっと考えて動くようにする。だが、もう1点の過ちって何だ?』
アスト「事前のリサーチ不足と、一人で先走ったこと。さらに、もう1点の過ちか。何だろうな?」
ダイアンナ「地の利を得なかったことじゃないか? タルタロスの得意なアブソリュート空間にわざわざ乗り込んだのが失敗。同じ引きずり込むなら、シャイニングフィールドみたいな時間制限のない回復ゾーンで戦えばよかったのに」
零斗『こっちではそうするつもりだったんだよ。だけど、タルタロスの奴が先に自分の得意な戦場を構築しやがった。引きずり込んだと思ったら、こっちが思っていたのとは違う空間に出ちまったんだよ。司令だってたまにあるだろう? 書こうと思っていた記事と別の方向に話が展開するってことが?』
リバT『まあ、そこからの方向転換や辻褄合わせを芸の一種だと開き直っていますけどね。とりあえず、シャイニングフィールドではなくて、アブソリュート空間で戦ったのは、ゼロさんの舐めプではなく、相手の方が一枚上手だったということですか』
零斗『ブルトンの一件もあるし、オレだって時空移動できると言っても、完璧ってわけじゃないからな。司令の時空魔術みたいにきちんと理論立てて日頃から研究しているわけでもないから、割とぶっつけ本番の出たとこ勝負で使っているわけで』
アスト「いや、ぶっつけ本番とか、出たとこ勝負で、時空移動とか操作とかされても不安なんですけどね」
零斗『大抵は、イージスが導いてくれるから大丈夫のはずなんだけどな』
鉄太郎「とにかく、タルタロスに対抗するには、奴の時空移動能力を何とかしないといけないようだな。追い詰めたと思っても、すぐに逃げられてしまうようでは、始末に追えん」
零斗『だから、時空移動についても改めて研究中ってわけだ。クロニクルZでおさらいしていれば、時空移動についてもっと理解を深められるはずだって確信している』
リバT『そういえば、この映画や小説の主人公の名前が「新星勉」って名前みたいですね』
ダイアンナ「新星……ってダディーNOVAが関わっているのか?」
リバT『いや、たまたまの偶然ですけど、ネタとして面白いなとグランドマスターは思っていました』
アスト「TVのティガはクロニクルZで紹介が終わったみたいだが、この後は、劇場版とかVシネ版とかにも紹介が移りそうだもんな」
零斗『とにかく、今はティガやダイナ、ガイアについて研究していれば、きっとタルタロスを倒す手掛かりにもなるんじゃないか、とオレは考えている』
アスト「一方で、ダイナのアスカさんはゼンカイジャーの主題歌にも関わるみたいだしな。確かに、あの人は時空を超えている御仁とも言える」
ダイアンナ「一方で、別のダイノアース出身のアスカさんは、現在の配信で行方不明中なんだが」
鉄太郎「ダイナとか、ダイアンナとか、ダイノアースとか、いろいろ紛らわしくないかね」
アスト「それを言うなら、さらわれたユリアン王女も、その後、ダイナピンクになったり、改造実験帝国の女幹部をやったり、いろいろつなげることも可能なんですけど」
リバT『ダイナとアスカと言えば、うちのクイーンとキングに通じるネーミングでもありますね』
零斗『ダイアンナとアストか。確かに、つながっているような名前だな、おい』
アスト「……気づかなかった。もしかすると、これも何かの伏線か?」
ダイアンナ「ダディーの言霊魔術が関わっているのかもしれないな」
リバT『たまたまの偶然でしょうが、こういう言葉の類似に絡めて、魔術を発動することも可能みたいですからね、グランドマスターは』
鉄太郎「時空魔術とか、言霊魔術とか、相当に応用範囲が広そうだな」
零斗『何だか理屈はよく分からんが、タルタロスのような面倒な野郎が相手では、司令のバックアップが得られるのは心強いぜ。これからも観測と応援、そして現場で分からない情報バックアップをよろしくな』
アスト「こちらこそ、現場での戦いと、楽しい映像での活動を期待しています」
(当記事 完)