ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「危難の港」攻略感想(1)

娘2人と遊びに来て

 

翔花「夏だ!」

 

晶華「海だ!」

 

NOVA「さあ、ゲームの話を始める」

 

 

アスト「……と言ってから、すぐに翔花ちゃんとアッキー様は地上に遊びに行った。ほとんど顔見せだけじゃないか」

 

NOVA「そりゃあ、ゲームブックの『危難の港』の話をするのに必要ないからな。聞き役は、お前とダイアンナがいれば問題ない。娘たちには地上のガイア様とのイベントがあるので、宮殿では顔見せだけで十分だろう」

 

アスト「いや、もっとこう情緒感溢れる交流があっても良かったんじゃないか? 『アストさん、うちのNOVAちゃんがお世話になりました。ありがとうございます(ペコリ)』とか、『アストさんの盗賊都市攻略記事を楽しく読ませてもらいました。頑張って下さい(ニコリ)』とか、オレをハートウォーミングにしてくれるような展開がよ」

 

NOVA「アスト、世話になった。ありがとうな。それに、お前の盗賊都市攻略記事、それなりに楽しかったぞ。これからも頑張ってくれ」

 

アスト「お、おお。気持ちは受けとった。……だけどよ、そのセリフを翔花ちゃんやアッキー様が言ってくれたら、いかにもご褒美って感じなのに、お前が言っても何だか心が華やぐってことはないんだわ」

 

ダイアンナ「ダディー、あたしにも言ってくれないか?」

 

NOVA「ああ、ダイアンナ。お前にも世話になったな。感謝してる。それに火吹山に続いてのバルサス記事、楽しく読めた。これからも期待しているぞ」

 

ダイアンナ「そう言ってもらえると励みになるな。これからも頑張りたいって気持ちになる」

 

NOVA「感謝と期待は大切ってことだな。俺も読者の人にコメント欄で言ってもらいたいところだ。まあ、ウルトロピカルは空想タイムやコンパーニュと違って、まだ他所から来るお客さんが多くないって印象なので、コツコツ自分が楽しめるように記事書きを続けるしかないんだが」

 

リバT『何事も、継続は力ですからね』

 

NOVA「とりあえず、新邦訳のFF攻略記事を旬ネタとして書けるだけでラッキーとハッピーを感じる俺がいるってことで、『危難の港』の攻略記事のスタートだ」

 

あらすじと主人公紹介

 

NOVA「今作の主人公は、『宝探しの冒険に失敗して、残飯漁りにまで落ちぶれた冒険者』だけど、そのサバイバル精神には尊敬すべきところがある。一攫千金のチャンスは見逃さないギャンブラー的な気質と不屈の精神を兼ね備え、不運な目に遭いながらもチャレンジ魂で逆境に立ち向かう雄々しさを備えているな。そんな主人公の能力値はこれだ」

 

残飯漁り1号:技術点9、体力点18、運点11

 

アスト「オレの『盗賊都市』攻略キャラの劣化バージョンじゃないか」

 

盗賊都市の主人公:技術点9、体力点21、運点12

 

NOVA「いやあ、このキャラじゃ無理だろうとは思ったんだがな。それでも物は試しと頑張ってみたら、何とかなったんだわ。これもヤズトロモさんのおかげだな」

 

ダイアンナ「ヤズトロモさんが何をしてくれたんだ?」

 

NOVA「魔法で技術点を12にしてくれた。つまり、ヤズトロモさんに会うところまでを生き延びたら、後は能力値が多少低くても何とかなったんだわ。もちろん、そこまで生き延びるのに結構ハラハラしたけどな。パラグラフの選択ミスで死ぬ場所がいっぱいで、その場合は能力値関係なしだけど、最初からやり直したいとは思わない。『右に行くか、左に行くか』の選択が何度もあって、選択を間違えるとゲームオーバー・パラグラフに直行という仕掛けで、いちいちやり直していたらキリがないじゃん、と思いながら、さすがにそういう理不尽な連続ゲームオーバー罠はスルーした。

「それよりは、『攻略アイテムの不備でクリアできない』とか『敵に勝てない』とか『運だめしに失敗して死亡』とか、そういうシステム上の死亡は諦めて受け入れよう、と思っていたら、そういう事態には至らずに無事に攻略できたんだ。少なくとも、『火吹山ふたたび』よりは楽だったと思うな」

 

アスト「ザンバー・ボーンはどうだった?」

 

NOVA「例によって、攻略アイテムを入手していなかったら、まともに戦うこともできずに死亡。逆に攻略アイテムさえ持っていれば、技術点判定であっさり倒せるんだが、ザンバー・ボーンの手下の下位デーモン、クァグ・シュグス(技術12、体力13)が能力的には最強の敵だ。こいつはデーモン殺しの毒剣(ヴェノムソード)を入手していれば、技術点+3して戦えるんだが、入手していなければ攻撃力マイナス4というペナルティーで、要は毒剣がないと勝てそうにないってことだな」

 

ダイアンナ「アンデッド好きを喜ばせるようなネタは?」

 

NOVA「自分がアンデッドになるようなネタは、ザンバー・ボーンとは関係なく、道中でゾンビ毒に感染して自分もゾンビになってしまうバッドエンドが一つかな。後で詳細は確認するが、今回は『毒や病気で死亡エンド』と『閉じ込められて脱出不能エンド』が多かったな、という印象。そして、ザンバー・ボーン率いる不死の軍団に真正面から飛び込んで行って、蹂躙されて討ち死にエンドというのも印象的。FFでは大軍勢との決戦クライマックスって、邦訳分では比較的少なめ(ないわけではないが)なので、派手な展開が待っているな、と」

 

アスト「残飯漁りから始まって、最後は復活した〈闇の王〉の軍勢と一大バトルか」

 

NOVA「自分を魔法で支援してくれるヤズトロモさんとニカデマスさんの魔術師コンビと、自分の旅のパートナーである忍び娘のハカサン・ツァの援護を受ける中、ザンバー・ボーンの護衛のデーモンを始末して、大ボスには接近戦を挑まずに、海賊からギャンブルで入手したフリントロック銃でズドンとドクロの頭部を粉砕して勝利。何というか豪快に派手にいったマーベラスな決着だったと言えよう」

 

ダイアンナ「海賊戦隊って感じの物語なんだな」

 

NOVA「そうそう。序盤は、残飯漁りの主人公が一発逆転のチャンスを狙って、入手した宝の地図を頼りに、チャリスの街から月岩山地に向かう。結局、その地図自体はガセなんだけど、道中でハカサンと出会う。そしてザンバー・ボーンという恐ろしい悪魔が復活して、アランシア支配を狙っているという話を聞いて、ヤズトロモさんの助けを受けて、ポート・ブラックサンドのアズール卿に捕まったニカデマスさんの救出作戦を敢行するんだな。それから、ヤズトロモさんの塔に押し寄せるザンバー・ボーンの軍勢との一大決戦に通じる壮大なストーリー。前半の個人的なお宝探し冒険と、ハカサンとの出会いから切り替わって、後半の世界の危機に立ち向かう展開のダイナミックさが面白いと言ったところか」

 

アスト「お宝探しの冒険者が、世界の危機を知って、仲間と共に立ち向かうって話か。そいつはオレ好みでもあるな」

 

NOVA「正直、ハカサンと出会うまでは割と地味な話なんだが(その割に妙にバッドエンドが多い)、ハカサンと出会ってから、物語が一気に加速する感じ。しかし、ハカサンと出会うシーン(パラグラフ132)で『飯をくれたら話をしてもいい』と訴えて、もらったパンをガツガツ貪り食う(体力1点回復)腹ペコった主人公が笑った。今回はやたらと飯を食べるシーンが多くて、しかもパラグラフ400番は戦勝デリシャス・パーティーでハッピーに締めるということで、食にこだわった物語でもある。キーワードは『食べ物』と『お宝』と『ギャンブル』と言ったところかな」

 

ダイアンナ「ところで、キャラ名の『残飯漁り』は可哀想な気もするので、もっと格好いい名前を付けてやらないか? 仮にもザンバー・ボーン退治の英雄だろう?」

 

NOVA「そうだな。だったら、ザンパンアサリを逆読みして……リサ・アンパンザ。アンパンは面白いが、リサは女の子っぽいのでアレンジして、リーサン・パンザとでも名付けようか。では、残飯漁りから成り上がったリーサン・パンザの冒険行をもっと詳しく見て行こう」

 

バッドエンド・パラグラフの確認

 

NOVA「では、クリア後の楽しみとして、バッドエンドの紹介からだ」

 

ダイアンナ「楽しみなのか……」

 

NOVA「そりゃあ、自分が経験しないのであれば、バッドエンドIFは物語の刺激的なフレーバーとなるからな。面白いバッドエンドの記述には、書き手のアイデアが詰まっていると思うぞ」

 

アスト「いわゆるGM脳って奴だな」

 

・15:牢屋に捕まって脱出できず、一週間後にネズミに噛まれて、伝染病に感染して死亡。

・36:ザンバー・ボーンの軍勢に無謀にも騎馬突撃を敢行し、亡者に囲まれて突破できずに死亡。

・52:河賊に捕まって、船漕ぎ奴隷にされて冒険終了。

・62:真菌寄生虫の胞子を吸い込んで窒息死。

・94:ガラス瓶の中の有毒ガスを吸って死亡。

・96:夜営中に地下から現れた巨大なサソリ虫に刺されて麻痺。巣穴に引きずり込まれて、餌にされて死亡。

・109:人オークの小屋で地下に隠れていたら、地下の落とし戸を封鎖されて脱出できなくなって冒険終了。

・128:グロンクという怪物の毒を無効化できずに死亡。

・138:ザンバー・ボーンに剣で斬りかかるも、護衛のスケルトン軍団に包囲されて討ち死に。

・152:山賊の罠にはまって捕まり、奴隷商人に売られて冒険終了。

・157:洞窟トロールの罠に捕らえられて、1週間後に飢え死にエンド。

・168:アズール卿の宮殿前で、脱出の際にクロスボウの矢が背中に刺さって死亡。

・171:サイクロプスの武器屋を怒らせて、喉を締められて死亡。

・172:蛇の毒で死亡。

・175:ガラス瓶の中の有毒ガスを吸って死亡。

・182:転がってきた巨大な岩に激突して死亡。

・186:箱に仕掛けられたガラス瓶の中の有毒ガスを吸って死亡。

・207:ブラックサンドの衛兵に難癖をつけられて捕まる。処刑を宣告されて冒険終了。

・222:ザンバー・ボーンに投げた短剣が外れて、護衛のスケルトン軍団に包囲されて討ち死に。

・223:河賊に捕まって、船漕ぎ奴隷にされて冒険終了。

・224:火吹山の山頂に巣食う有翼竜テロサウルスにさらわれ、雛のエサにされる。

・285:毒キノコを食べて死亡。

・287:ゾンビに噛まれてゾンビ化感染。

・306:老人の投げたガラス瓶の中の有毒ガスを吸って死亡。

・332:蛇の毒で死亡。

・339:河賊に捕まって、船漕ぎ奴隷にされて冒険終了。

・357:海賊船の強制徴募隊に捕まって冒険終了。

・363:ハカサンを攻撃しようとして、仕掛けられた罠にハマる。捕縛されたまま放置されて、洞窟トロールの獲物にされる可能性を示唆されて、冒険終了。

・386:航海中に嵐に遭遇して、船外に投げ出される。救出する者なく、生存の望みが絶たれたまま冒険終了。

・397:真菌寄生虫の胞子を吸い込んで窒息死。

 

NOVA「バッドエンド・パラグラフは今回、30個か。すなわち7.5%。『火吹山ふたたび』よりも数は多いが、ヴァリエーションが少なめかな。毒や病気が12個で、捕まるエンドが11個、ザンバー・ボーンに敗北するのが2個で、その他が5個ってところだな」

 

ダイアンナ「その他は、大岩やクロスボウサイクロプスの首絞め、嵐と、あとは何だ?」

 

NOVA「ゾンビ化だ。まあ、これはウィルスによるものだから病気と解釈してもいいが、とにかく直接ダメージを喰らって死ぬよりも、間接的にじわじわ命を奪われる系のエンディングが多い感じだ。物理ダメージではなく、バイオ系とか化学兵器系の仕掛けと、捕らえられての冒険終了が目立つ作品ということだな。

「しかも難儀なのはパラグラフ157番だ。これは洞窟探検で間違った通路に入ると、ここに送られる。つまり、バッドエンドのパラグラフとしては1つだけだが、『157へ進め』というパラグラフがいくつもあって、実際には準バッドエンド・パラグラフと言っていい。具体的には、46、169、197、203、316、370の合計6ヶ所が157に進むバッドエンド直行ナンバーなので、注意すべし、と」

 

アスト「それらの数字を選ばなければいいってことだな」

 

NOVA「ともあれ、バッドエンドに直行するパラグラフを含めると36になって、バッドエンド確率9%に達するわけだ」

 

チャリスの街にて

 

NOVA「では、改めてストーリーの最初から見て行こう。今回の冒険のスタート地点、チャリスの街は『盗賊都市』のスタート地点であるシルバートンの東、シルバー川の上流に位置する交易都市だ。オープニングでは、このチャリスの歴史や地理について語られた後、主人公が経験豊富な傭兵剣士でありながら、『蛮人スロムの埋蔵金探し』の冒険に失敗して無一文になり、残飯漁りに落ちぶれた様子が描かれている」

 

アスト「蛮人スロムは『死の罠の地下迷宮』に登場した主人公の相棒NPCだったよな」

 

NOVA「ああ。迷宮探検競技の競争相手でもあるのだが、一時的に協力しながらも最後は悲劇の死を迎える有名キャラだ。今作は『盗賊都市』以外でも懐かしい名前をいろいろ聞けて、FF懐古趣味を堪能させてくれる。先に名前だけ出しておくと、『運命の森』の冒険の依頼人であるストーンブリッジのドワーフ、ビッグ・レッグ(オープニングで死んだ)のまたいとこのビッグ・ノーズと遭遇するイベントや、『トカゲ王の島』の冒険の依頼人にして主人公の冒険仲間、オイスター・ベイのマンゴ(序盤で死んだ)が登場したり、他のゲームブックとリンクしている。マンゴが生きているということは、本作がFF7巻『トカゲ王の島』よりも前の話だということになり、後からそちらをプレイしたくもなる趣向だ」

 

アスト「マニアじゃないと、マンゴなんて分からないだろう?」

 

NOVA「ポート・ブラックサンドの海賊酒場ブラック・ロブスター亭で、マンゴから『故郷のオイスター・ベイに帰るために、船乗りを募集しているんだ。雇われてくれないかい?』と声をかけられるんだ。で、自分の使命(ニカデマス探し)を放置して、マンゴとの航海に出ると嵐に遭遇して酷いことになる(苦笑)。マンゴのことを知らなければ、ただのクソイベントなんだけど、知っていると『生きているマンゴと遭遇しただけで楽しい』と思える。まあ、マンゴの不幸ぶりも変わっていないなあって思うんだが」

 

アスト「マンゴの話は後にして、チャリスの話に戻れよ」

 

NOVA「おお、チャリスの酒場〈太ったカエル〉亭の外で、扉に打ち付けられた食事のメニュー表を羨望の目でうっとり眺める哀れな主人公リーサン。そこに2人の酔っ払いがフラフラと出て来て、『銅貨4枚で買った宝の地図』の話をするんだ。『ニカ何とかという老魔術師のものらしい【炎蛇の指輪】が入った鉄の箱』の話題を何となく聞いていると、『ただの詐欺に騙されたんだろう』『いや、騙されたんじゃなくて、貧しい老人に恵んでやったんだ。もう、こんな物いらねえ』と言って、宝の地図がポイ捨てされる。それを拾い上げる主人公リーサン……というところから運命の物語が動き始めるんだ」

 

ダイアンナ「まるで小説みたいだね」

 

NOVA「そうだな。本作の当たりパラグラフは結構な長文が多く、ゲーム性よりもファンタジー小説っぽさが濃厚に感じられたな。実際、同じ400パラグラフの『死の罠の地下迷宮』が240ページなのに、『危難の港』は300ページで25%増量。それだけ濃密に場面とストーリーが描写されているんだな。おかげでゲームを解くというよりも、文章を味わって読むのに時間がかかってクリアに1週間がかかった。まあ、仕事が忙しい時期に突入したから、疲れて読むスピードが落ちていたのもあるだろうが。2時間ぐらいで解けそうな分量を5時間ぐらい掛かったような感じがする」

 

アスト「で、宝の地図の内容は?」

 

NOVA「チャリス→北のダークウッドの森(ヤズトロモの塔の近く)の南側を通って、東の月岩山地に向かう。その最高峰の一つであるスカルクラッグの洞窟にあるらしい……が、今、その文章を読み直して、『ダンジョン攻略法』が宝の地図にメモ書きされていることに気づいた。『分岐を左、右、右に進め』とヒントが書いているじゃないか。このヒントを失念していて、ただの運任せのルート選択だと思い込んでいたや。ちゃんと運任せにならないよう、ヒントをくれていたんだな。さすがはサー・リビングストン。俺の中での評価が高まったよ。今、気付くまで『ストーリーとしては面白いが、ゲームとしてはランダム要素が強すぎて難がある』と思っていたが、ちゃんと読めば手掛かりはあったんだ〜と感心させられた」

 

ダイアンナ「この攻略記事を書くに当たって、再読したことで新たな気付きが得られたんだね」

 

NOVA「とにかく、『宝の地図を書き記したムルガット・シュールの謎』とか、いろいろな疑問を抱きつつも好奇心を刺激された主人公リーサンは、一攫千金のトレジャーハンターの夢を見つつ、パラグラフの1番に進むわけだ。そして、背負い袋の中の荷物を確認すると、以下の持ち物が入っていた」

 

・より糸の球

・ロウソク

・小さな真鍮の鈴

・オイルランタン

・ナイフ

・チョーク

・真鍮のフクロウ

・ロープ

・一袋の銅釘

・動物の革製水筒

・一角獣の紋章入りゴブレット

 

アスト「金はないけど、アイテムは結構、持っているんだな」

 

NOVA「あと、幸運のポーションと、保存食10食はキャラ作りの際に持っている。安田社長は解説文で『保存食はなしでも十分クリアできるので、慣れたプレイヤーは劇中描写に合わせて食料抜きの冒険をするのもいいかも』と提案していたが、それはおそらく技術点が11とか12とかの高能力の場合だろう。さすがに技術点9じゃ食料抜きでクリアするのは厳しいので、チャリスの街を出立する際に食料を入手したという独自設定を考えた」

 

アスト「独自設定なら、本作の主人公は『食料の代わりに塗ることで体力4点を癒せる膏薬10回分』を持っていることにしたらどうだ? 傷は癒せるけど、腹は膨れないということで」

 

NOVA「よし、そのアイデアを採用しよう。大体、回復手段抜きの冒険は厳しいだろう。『火吹山ふたたび』がきつかったのも、食料やポーションが例外的になかったからだし。やはり、食料10食とポーションは伝統的にあって欲しいんだよな。安心感が全然違う」

 

ダイアンナ「で、早速、宝探しの旅に出発するんだな」

 

NOVA「いや、まずはチャリスの街でのシティーアドベンチャー感覚で、冒険の準備を整えるんだな。とりあえず、生ゴミの山を漁って、トマトサンドイッチを作って体力点を1点回復だ」

 

アスト「回復も何も、ゲームのスタート時に傷ついてはいないだろう?」

 

NOVA「『当面、原体力点を超えてもいい』という親切な訳注が書いてある。とにかく、飢えて体力点18しかない虚弱なリーサンは、残飯サンドイッチパワーで今だけ体力点19点に増えた。きっとサンドイッチのレシピッピの加護だろう。今だと、プリキュアにだってなれる気がする」

 

アスト「なれねえよ」

 

NOVA「うむ。プリキュアになるには、妖精を見つけないといけないな。そう思って、辺りを見ると、掃除人夫らしいおじさんがいたので声をかけた。おじさんに『腹ペコったので、何か食べ物をくれないか?』と尋ねたら、銅釘と交換にパンとハチミツをもらった。よっしゃラッキー、デリシャスマイル〜と笑顔になって、お婆ちゃんに感謝しながら、貪り食う。これで体力点が20点になった。生きてるって感じ〜と喜ぶリーサン」

 

ダイアンナ「本当にそんな話なのか? 『危難の港』って?」

 

NOVA「腹ペコった主人公が、なけなしのアイテムで物々交換しながら、わらしべ長者みたいに成り上がる展開だぞ、序盤は。とにかく、美味しそうにハチミツパンを食べているリーサンを見て、親切なおじさんは『より糸と交換で、ヘビの油をくれる』と言ってくれた。何でもドルイド製のポーションらしい。ドルイ道には世話になったしなあ、というプレイヤー心理もあって、ヘビの油の茶色い瓶をゲットした。この薬の色はメモしておかないといけない。

「続いて、おじさんは『真鍮のフクロウと交換で、スカンクオイルをくれる』と言ってくれた。スカンクオイルは緑の瓶なので、ヘビの油と混同しないようにな。ヘビに噛まれて、間違えて緑の瓶を使うと死んでしまうから」

 

アスト「その物々交換はどうしてもしないといけないのか? 真鍮のフクロウが後から必要だったということにはならないのか?」

 

NOVA「俺もそれを気にしていたんだが、銅釘も、より糸も、フクロウも後で必要になることはないので、安心して交換したらいい。というか、物々交換を続けないと、即座に〈マーケット広場〉を出てパラグラフ58番に向かうことになるんだ。物々交換を続けていると、さらに広場でのイベントが展開されて面白い」

 

ダイアンナ「どんなイベントだ?」

 

NOVA「スリの少女がある老人の背負い袋の底をナイフで切りとって、荷物を盗みとる光景を目撃する」

 

アスト「ここは盗賊都市かよ」

 

NOVA「いや違う。違うんだが、チャリスの街でのイベントは『盗賊都市』のセルフオマージュみたいなところがあるなあ。とにかくスリの現場を目撃してしまった主人公は、スルーしてもいいんだが、親切心を働かせて泥棒少女を捕まえようとする。しかし、少女は『キャー、助けてえ、泥棒よ〜』と悲鳴を上げて、こちらを悪者に仕立て上げようとするんだな。ここで運だめしを要求される。運点11のリーサンは難なく成功したが、失敗すると酷い目にあうところだった」

 

アスト「いたいけな少女に襲いかかる残飯漁りのならず者って構図だもんなあ」

 

NOVA「こっちが盗人扱いされて、街の住人を敵に回して、午前中いっぱいさらし台にかけられる。腐った卵やジャガイモをぶつけられて、体力1点を失った後で解放されて、パラグラフ58番へ向かうことになるんだな。幸い、リーサンはそんな目にあわずに済んだんだが」

 

ダイアンナ「泥棒少女の嘘が暴かれたのか」

 

NOVA「少女に盗まれた老人が駆けつけて、証言してくれたおかげでな。老人と話すと、〈ルビーの目をしたウサギのお守り〉と銅貨4枚をもらえる。その後、さらに広場を散策していると、トランプゲームを誘われるんだが、そいつはイカサマ師なので、どうやっても負けるんだな。負けると、剣を奪われて技術点2と運1を減らされる」

 

アスト「だったら、ゲームには乗らない方がいいな」

 

NOVA「いや、相手のイカサマを見抜く選択肢があって、それを選ぶと詫び料として金貨1枚をゲットできる。それから、パラグラフ58番へ向かうところで今回は終わりだ。チャリスの街の散策は、ポート・ブラックサンドに負けず劣らず、いろいろなイベントがあって楽しめる。次回はチャリス散策から旅立ち、そして宝の地図に示されたスカルクラッグまでを語る予定」

 

アスト「結構、長い物語になりそうだな」

(当記事 完)