魔神ハンターVS魔神スレイヤー?
翔花「今日は屋久島でソード・ワールドをプレイすることになりました」
晶華「妖精郷代表の私たち姉妹と、コンパーニュの魔神ハンターコンビの戦いってことね」
リトル「まさか、翔花さんたちと戦うことになるなんて……」
シロ「アッキーならともかく、翔花と戦うなんて、ボクにはできない」
翔花「あれ? わたしの最初のソード・ワールド体験って、シロちゃんやゲンブさんとのプレイヤーキャラバトルだったよ」
リトル「へえ。シロ姉さんやゲンブ師匠が翔花さんたちと戦ったりしていたんですかぁ」
シロ「負けたけどな。もう、4年も前の話だ」
リトル「だったら、その時の雪辱を今、晴らせば、レッドソウルの覚醒につながるぅ?」
翔花「望むところよ。魔神スレイヤーVS魔神ハンター、不死鳥の剣ファルシオンの餌食になってもらうんだから」
晶華「ええと、相手のレベルは7で、こちらは8と9だから、有利な戦いが展開できそうね」
セイリュウ『ちょっと待った。さっきから黙って聞いていれば、お前たちはどうしてプレイヤー同士の戦いを前提にしているのだ?』
翔花「え? バトルするんじゃないの?」
ガイア『共に手を携え、協力すべき仲間同士の戦いを私は望みません。大地の平和を脅かす強大な敵を、皆で心と力を合わせて迎え撃つ姿こそが、私が所望する儀式です』
セイリュウ『お前たちの対戦相手は、わしの用意する魔物データ。これより、ミストグレイヴの魔窟遭遇表レベル8でランダムに敵を選出する。4人相手だからダイスを2つ振って……(コロコロ)1と5。魔神ゴードベルと、その配下のゴブリンハイキング2体といったところか』
翔花「魔神スレイヤーと魔神ハンターが協力して、魔神を倒す。燃える展開ってことね」
シロ「翔花たちと共闘か。俄然、ヤル気が出てきた」
リトル「翔花さん、アッキーさん、力を合わせて戦いましょう」
晶華「フッ、さっきまでぶつかり合おうとしていたのに、共通の敵が出現したら、途端に仲良く連携するだなんて……嫌いじゃないわ、そういうの。いつまでもグダグダ内紛を続けているよりも、スッキリできて遥かにいい」
セイリュウ『では、状況を説明しよう。これは妖精郷の魔女が見せた夢なのか、それとも魔窟から漂い出た瘴気がもたらす幻なのか。お前たちは気付けば、不思議な空間、〈奈落の魔域(シャロウ・アビス)〉とも呼べる場所に来ていた。サイバ☆リオンやキャプテン・マークス、それにマッスルG太郎の姿はどこにもない。
『カシュミーラとエマ・ショーカ、デルニールとホリーは互いの姿を見つけると、最初は敵だと思って戦いそうになった。と言うのも、魔神ハンターの2人は蛮族の姿をしていたからだ』
シロ「確かに、ホリーはバルカンで、デルはドレイクですね」
リトル「本当は人間とレプラカーンなのに、蛮族の地下都市潜入のために〈バルバロスブラッド〉で変身しましたからぁ」
セイリュウ『しかし、程なく誤解は解け、お前たちは協力して、この異空間を脱出しようって話になった。地の大妖精タイタンが妖精使いのカシュミーラに、かすかな念波で伝えたところによると、〈奈落の魔域〉からは奈落核(アビスコア)と呼ばれる結晶を破壊すれば脱出できるらしい。そして奈落核は主たる魔神を倒せば出現するだろう、と』
晶華→ミリィ「その情報をみんなに伝えるわ」
翔花→エマ「だったら話は簡単。そのボス魔神を倒せばいいってことね」
リトル→デル「魔神退治なら専門だぁ。オラたちに任せてくれぇ」
エマ「魔神ハンターと言ったわね。こちらは最近、魔神スレイヤーの称号を獲得して、妖精郷の平和を脅かす悪い魔神を倒そうと頑張っているの」
シロ→ホリー「妖精郷から来た妖精使いと妖精神官か。何とも不思議な感じだが、悪い奴じゃないとはイノセントも言っている……って、イノセントも一緒でいいですよね」
セイリュウ『うむ。ライダー技能の持ち主は、いつも乗っている専有騎獣なら連れていて良いものとする』
ホリー「やったね、イノセント♪」
ミリィ「ノマちゃんは?」
セイリュウ『専有騎獣ではないレンタル用だな。ならば、妖精郷の外には持ち出せない』
ミリィ「妖精郷では騎獣の専有化はできないものね」
エマ「当然、マー君が変形する魔動バイクも使えないってことね」
ケイPジロー『プレイヤーはここにもいるッピが、今回はキャラクター不参加ってことで』
ホリー「代わりにイノセントを貸そうか?」
エマ「えっ、いいの?」
ホリー「ボクは後衛で支援に回るからな。イノセントは前衛に出すが、せっかくだから優秀なライダーに乗ってもらえると、ポテンシャルをフルに発揮できそうだ」
エマ「ありがとう。だったら、夏休み特別バージョン、エマ・ショーカはドラゴオックス騎乗モードで戦います」
ミリィ「戦隊VSシリーズで、2つの戦隊チームがスペシャル合体ロボを限定的に操作するようなものね」
セイリュウ→GM『では、バトルを開始するとしよう。なお、剣の恩寵ルールは使えるものとする』
バトル開始
GM『ところで、先ほどスザクからホリーのデータ使用について注意があった。詳しくはこちらを見よ』
ホリー「ああ、キャラ成長でミスっていたので、ウォーリーダー3レベルの陣率が使えないということですね。アリナ様にご迷惑をかけてしまって申し訳ない。かくなる上は……」
エマ「死んでお詫びを……ってのはなしだからね」
ホリー「当たり前だ。こんなことで死んでは命がいくらあっても足りない。生きて罪をあがなうことこそ大切……だが、しっかり反省することも大事。イノセントもそう言っている」
エマ「言ってないと思うけど」
ホリー「ライダー技能があれば聞こえるはず。【以心伝心】って奴だ」
エマ「わたしは【以心伝心】を持ってないのよね。騎乗中でも両手が使える【人馬一体】はあるから、両手武器のファルシオンは普通に使っていいんだけど」
ホリー「くっ、イノセントの心の声が分かるのは、ボクだけなのか」
デル「オラにも時々、分かることもあるぞぉ。付き合いが長いからなぁ」
GM『では、キャラクターデータの確認が済めば、敵データの確認からバトルに移るぞ。魔物知識判定と先制判定を行うといい』
ミリィ「リオン様、お願い……ってリオン様はいないんだった」
ホリー「こっちもセージ持ちのG太郎がいない。ボクのセージ技能は2レベルしかないし」
ミリィ「あたしのセージも大したことはない。ライダー技能で魔物知識判定できるのが幸いね。(コロコロ)魔神はピンゾロ。ゴブリンの方は19」
ホリー「だったら、魔神はボクの方が。(コロコロ)16でどうだ?」
GM『ピッタリ成功だ。相手のレベルは9で、HPは剣のかけら入りで100。ゴブリンハイキングの方はレベル8で、HPは54」
ホリー「(敵のデータを読みながら)魔神ゴードベル。姿なき暗殺者と呼ばれる魔神で、完全透明の特殊能力を持っていて、2回攻撃を仕掛けてくる。危険感知判定16に失敗すると、不意討ちされるのか?」
GM『うむ。では、不意討ちされなかったか、判定するといい』
ミリィ「危険感知はスカウトかレンジャーに知力ボーナスを足すのよね。だったら、あたしが(コロコロ)19。フッ、未来の妖精女王の高貴なる輝きが、下賎な魔神の気配を感じとったわ。さあ、ついでに先制判定も勝ちとってあげる。(コロコロ)21でとったわ」
ホリー「未来の妖精女王か。最近は竜の姫とか、古代の魔法王国の王女とか、ガストクイーンとか高貴な女性に縁があるが、今だけ忠誠を誓うとしよう」
GM『では、敵は全員、前衛にいるということで』
ミリィ『あたしたちは全員、後衛からスタート。そこからエマさんが前に出るってことで」
エマ「もちろんよ。ファルシオンで3体まとめて、なぎ払ってやるんだから」
ホリー「イノセントは預けた」
デル「オラも前衛に出るが、エマさんをかばう必要はあるかぁ?」
エマ「お願い。いつもはマー君にかばってもらえること前提だから、防護点は6しかないの」
デル「こっちは【ビートルスキン】込みで防護点13だからなぁ。同じ神官戦士でも、ずいぶんと差があるんだな、と思うぞぉ」
エマ「筋力の差が大きいんだと思う。こっちは18でチェーンメールまでしか着れないし、盾も持たずに攻撃重視だから。その代わり、回避は11あるけど」
デル「なるほどなぁ。こっちは筋力26で、プレートアーマー+1とタワーシールドの重装甲だぁ。その分、回避は8しかないけどぉ」
●1ラウンドめ開始時の状況
・魔神ゴードベル(HP100)
・ゴブリンハイキングA(HP54)
・ゴブリンハイキングB(HP54)
デル(HP70 MP40)
エマ(HP62 MP46)
イノセント(HP64 MP20)
ミリィ(HP37 MP49)
ホリー(HP35 MP39)
シーサー(HP41)
エマ「何、シーサーって?」
ホリー「ゴーレムのレザーフィッシュを陸上行動可能に改造したシーサーペントだな。口から吐く水鉄砲で支援射撃をしてくれる。今回が初の実戦運用だ」
エマ「海蛇さんかあ。南の海っぽくていいんじゃないかな」
ホリー「ありがとう。ほめてもらえると、素直に嬉しい♪」
ミリィ「では、初手はあたしから行くわね。ちゃんと先制をとったから《ファストアクション》発動で、妖精魔法【ファイアブラスト】を2連発で。MP12点消費して、まずは1発め。魔法行使は19」
GM『魔神は抵抗した。ゴブリンは抵抗失敗』
ミリィ「だったら、魔神に14点の半分で7点。ゴブリンAは14点で、ゴブリンBは、よし、クリティカルで20点」
ホリー「これが高レベル術師の範囲攻撃魔法の威力か」
ミリィ「まだ、もう1発あるから。魔法行使は、チッ、14しか出ない。抵抗されまくりでダメージは8点、8点、7点のみ」
GM『ならば、敵の残りHPは魔神85、ゴブリンが32と27だな』
ミリィ「今回はこれぐらいで勘弁しておいてあげるわ。いつもなら、これにリオン様の追い討ち【ファイアボール】が来るところだけどね」
ホリー「それなら、次はボクが行かせてもらおう。まずは、鼓咆【怒涛の攻陣】を叫んで、全員の物理ダメージ+1だ。続いて、シーサーの水鉄砲で、ゴブリンBを撃つ。抵抗は抜けなかったので、半減ダメージの7点だな」
GM『残りHPは20点』
ホリー「さて、ボク自身の行動だけど、厄介なのは透明化の能力を持つ魔神ゴードベルなんだ。こいつは姿が見えないので、ボクたちは命中と回避に4点のペナルティーを受ける。つまり、実質、相手の命中が23、回避が22あるようなものだな。前衛で回避22に当てられるか?」
エマ「わたしの命中基本値は13だから、ダイス目10じゃないと当たらないわね」
デル「オラは〈蝙蝠の耳飾り〉を装備しているから、透明化のペナルティーが2点で済むぅ。だけど、練技【キャッツアイ】込みでも、命中基本値が11だから、当てるにはやはりダイス目10が必要だぁ」
ホリー「だったら、回避を捨てて、命中率をアップさせる【ファナティシズム】をデル、エマ、そしてイノセントにかけるのが正解だな。呪文行使は成功して、前衛は命中+2、回避−2になった。その後、イノセントが【マッスルベアー】【ビートルスキン】を使って、ダメージ+2、防護点+2してゴブリンBに突撃。出目3だが、ヒンソン効果で運命変転して出目11で命中」
ミリィ「ヒンソン効果って何?」
ホリー「魔神ハンターのリプレイに登場するNPCヒンソンが世話をした騎獣は、気合いが活性化して、人間同様の《運命変転》が使えるようになっているんだ。割と忘れがちな特殊ルールだけど、今回は覚えていたぞ。それでダメージは+3のバフが掛かっているから、18点だ」
GM『防護点8なので、10点くらって残りHPは10点』
エマ「だったら、イノセントちゃんが突撃したので、わたしも一緒に前衛に突入して、ファルシオンをぶん回します。ファルシオンが真っ赤な炎を上げて、練技【マッスルベアー】と騎芸【チャージ】も使って、ダメージ+4を追加。そのまま3体まとめてなぎ払って、命中は19。魔神には外したけれど、ゴブリンには当たって、ダメージはどっちも26点」
GM『その攻撃でBは倒され、Aは18点くらって、残りHP14点だな』
デル「そのゴブリンにとどめを刺したいぃ。オラも前衛に突撃してぇ、エマさんをかばう宣言してからぁ、【マッスルベアー】【ビートルスキン】【キャッツアイ】でいろいろ自己強化してぇ、ゴブリンAにシェルブレイカーを叩き込むぅ。命中22で当ててぇ、ダメージは25点だぁ」
GM『17点くらって、ゴブリンハイキングAも絶命した。残るのはボスの魔神のみ』
エマ「やるわね。デルニール君」
デル「エマさんがなぎ払いでダメージを与えてくれたおかげさぁ。その炎の剣、烈火団の一員としても十分通用するぜぇ」
エマ「烈火団、いい名前だけど、わたしはドンシスターズに身を捧げているので」
ミリィ「ドンシスターズなんかじゃない。あたしたちのパーティーネームは、〈妖精女王の宮廷団〉なんだから〜。英語名はクイーンズ・コートであって、ドンシスターズなんて認めないし」
エマ「わたしたちのパーティーネームについては、こちらの記事を参照」
GM『魔神はおのれ、烈火団、それにドンシスターズ〜と怒りの咆哮を上げて、前衛に見えない鉤爪を振り下ろす。目標はエマ・ショーカ・ローズワース』
デル「それをオラが庇うんだなぁ」
GM『ダメージは21点』
デル「13点止めて、くらったのは8点だけさぁ」
GM『もう一撃は、やはりエマ』
エマ「キャーッて叫んで、回避の出目は3。避けられません」
GM『ダメージは15点』
エマ「6点止めて、9点くらった。残りHPは53点。かすり傷と言ったところかしら」
2ラウンドめ
●2ラウンドめ開始時の状況
・魔神ゴードベル(HP85/100)
・ゴブリンハイキングA(HP54→撃退)
・ゴブリンハイキングB(HP54→撃退)
デル(HP 62/70 MP31/40)
エマ(HP53/62 MP43/46)
イノセント(HP64 MP14/20)
ミリィ(HP37 MP37/49)
ホリー(HP35 MP33/39)
シーサー(HP41)
ミリィ「さて、ここからは透明魔神にどうやってダメージを当てていくかが考えどころね。姿が見えないから、直接攻撃呪文のターゲットにはできないし」
ホリー「さっきみたいに範囲攻撃呪文を使えばいいのでは?」
ミリィ「《魔法制御》を持っていないから、味方を巻き込んじゃうのよ。前衛に出て同じ乱戦エリアに入ればいいんだけど、自分が攻撃を受けるリスクがあるし、敵の2回攻撃に対して、デル君は1回しかかばえないから……」
ホリー「前に出たくないんだな」
ミリィ「その代わり、妖精魔法【サモンフェアリーIII】で炎の妖精サラマンダーを召喚し、前衛に出して【フレイムアロー】を使ってもらいます。これなら、あたしが危険を冒さずに、敵に魔法ダメージを与えることができるから。その間、あたしは妖精魔法を使えなくなるけど、そんな時のための森羅魔法ってことで、補助動作で【ウィングフライヤー】を3倍がけ。前衛3人の命中・回避に1点ボーナスってことで。一気にMP18点も使ってしまったわ。残りMP19点」
ホリー「フェアリーテイマーは妖精召喚なんてできたんだな」
ミリィ「5点魔晶石(500ガメル分)を消費するので、めったに使わないんだけど、今回はスペシャルってことね。さあ、サラマンダーが前衛に出現して、魔神に炎の魔法を放つわ。行使判定は14で抵抗されたけど、ダメージは19点の半減で10点ね」
GM『残りHPは75点か』
ホリー「じゃあ、次はボクだ。まず、鼓咆を第2段階の【烈火】に引き上げて、前衛の物理ダメージをさらに1点上昇させる。そして、シーサーの水鉄砲で半減7点ダメージを与えた後、ボク自身は前衛3体に【ファイアウェポン】のバフをかけて、さらにダメージ2点上昇。その勢いで、イノセントが炎をまとったまま突進だ。命中判定は……18。これじゃあ当たらないな」
エマ「イノちゃんはあくまで牽制ってことで、本命はわたしが行きます。いっぱいバフをもらったので、頭がこんがらがっているけど、命中+3(【ファナティシズム】+【ウィングフライヤー】)、追加ダメージは【マッスルベアー】+鼓咆+【ファイアウェポン】で+6でいいのよね。今回は移動していないので、騎芸【チャージ】の分は乗らないけど……あっ、それと、わたしは魔神に対してダメージ+1できるアイテム〈マイナーカースレベリオン〉を装備していたんだった。これで追加ダメージは7点」
デル「へえ。〈マイナーカースレベリオン〉かぁ。オラも欲しくなったなぁ」
GM『では、攻撃を命中させるがいい』
エマ「3点もボーナスがあるんだから、きっと当てられるはず。(コロコロ)24! よし、それでダメージは(コロコロ)やったね、クリティカル。さらにクリティカル。続いてクリティカル。まだまだクリティカル。その上、クリティカル。クリティカル。ええと、6連続クリティカルで87点ダメージ出たよ!」
GM『ちょっと待て。粉杉翔花。お前のダイス目はどうなっているんだ! HP75点がいっぺんに吹っ飛んだぞ!』
デル「オラが何もできなかったぁ(涙目)」
ホリー「これがスペースGを倒した翔花の力か」
ミリィ「さすがはお姉ちゃん。何だか、凄いものを見せてもらったわ」
エマ「フッ。これが屋久島と、グリーンソウルの力でパワーアップした不死鳥の剣の力よ。さあ、後はリウ君、あなたがとどめを刺して」
GM『そ、そうだな。魔神はかろうじて息をしている。このまま放っておくと、すぐに蘇って来るはず』
デル「何だか、いろいろお膳立てを整えてもらって申し訳ないけどぉ、レッドソウル覚醒の儀式のためには、リウがとどめを刺さないといけないんですねぇ。では、神聖魔法【ヒートウェポン】と【バーニングソウル】で武器と全身を炎に包み、命中判定のダイス目は(コロコロ)3」
GM『……さすがに、それでは当たらん』
デル「い、いや。オラには《運命変転》があるぅ。これで命中させて、ダメージダイスは(コロコロ)ふう、10が出て、いろいろ足して合計31点だぁ」
GM『では、エマ・ショーカの放った、大魔王のカイザーフェニックスのような必殺剣撃に続いて、デルニールの炎の一撃で魔神ゴードベルは焼き滅ぼされた。リトルよ、ずいぶんと修行を積んだようだが、まだまだ未熟なのは明らか。精進しろよ』
デル→リトル「ええ、父さん。リウの力はまだまだ翔花さんには及びません。アリナ様や、ゲンブ師匠など、みんなに助けられたからこそ今の自分がいるのですからぁ」
エマ→翔花「はい、リウ君、これ」
リトル「え? 赤い勾玉?」
翔花「さっき、6連続クリティカルを出したときに、PONって出て来たの」
リトル「それって、リウじゃなくて、翔花さんが生み出したってことじゃないですかぁッ!」
翔花「違うわ。わたしのグリーンソウルは、わたしの力ではなく、妖精郷に封じられたわたしをNOVAちゃんやアキちゃんが助けたときに生まれたの。だから、生み出したのはNOVAちゃんやアキちゃん、それにKPちゃんたち、みんなの力なんだろうけど、それでもグリーンソウルはわたしに同調している。つまり、わたしを助けてくれたみんなの想いの結晶ってことね。だったら、わたしはみんなにもらった力でご恩返しをしないと。そういう絆の象徴なんだと思う」
リトル「すると、今度はリウがレッドソウルを、助けてくれたみんなの想いの結晶として受け取っていいってことですかぁ?」
翔花「うん。たぶん、自分一人の力なんて思い上がったら、ソウルは生まれないんじゃないかなあ。みんながリウ君の成長のために、そして共に楽しむ仲間として精一杯頑張って、ゲームの世界でも本気で戦ったからこそ、レッドソウルは誕生した。ここからが本当のリウ君のスタートラインなんだよ、きっと」
リトル「みんなで協力して楽しむ炎の絆、それこそがレッドソウル」
翔花「たぶん、歌にするならこれね」
儀式の終わり
ガイア『面白い見世物でした。みなで協力して悪い魔物を倒す。そのために知略を尽くし、仲間と連携し、ダイス目に天運を重ね見て、そして互いの成長と健闘を讃え合う知的遊戯。これがそうなんですね』
セイリュウ『ガイア様にもご理解いただけましたか』
ガイア『それで、魔神を倒した後の4人はどうなったのですか?』
セイリュウ『出現した奈落核(アビスコア)を破壊して、異空間から脱出。夢でも見たかのように記憶は薄れども、この時の経験がいつか記憶の底から蘇り、〈魔神ハンター・烈火団〉と〈妖精女王の宮廷団〉がまた共闘する日まで、それぞれの冒険を続けることでしょう』
ミリィ→晶華「だったら経験点と戦利品を下さい」
セイリュウ『それは、それぞれの物語のGMに言え。時空魔術師とスザクにな。まあ、あくまで夢の中の話なので、経験点も報酬もないだろうが、使用した魔晶石も失わなくていいものとする』
晶華「う〜ん、納得できるようなできないような感じだけど、リウ君がレッドソウルを手に入れたのが最大の収穫なのよね」
リトル「手に入れたのはいいのですけど、まだ自分の物だと実感できないんですねぇ」
ガイア『ならば、コンパーニュに持ち帰り、日野木アリナに預けるといいでしょう。ブルーソウルはこの屋久島の地に、グリーンソウルは天空宮殿に、レッドソウルはコンパーニュに、それぞれ大切に保管して、いざという時に備えておく。また、ビャッコのホワイトソウルと、アキハのシルバーソウルの覚醒の兆しが見られたら、この場に集まり、儀式を遂行するということでいかがでしょうか?』
ホリー→シロ「また、このようなバトル遊戯になる、と?」
ガイア『さあて、儀式の形は、その時機に応じたものになるやもしれません。時空魔術師が何やら違う趣向を思いつくやもしれぬし、誰か一人の想いではなく、みんなの想いの結晶になるような儀式でなければ、Gソウルは覚醒しないと未来の神霊娘は予見した。ならば、私もその想いを尊重するとしましょう』
翔花「じゃあ、今回の儀式はこれで終わり。これから海に行って泳いで、それからコンパーニュに行って、ドンブラザーズを楽しむ。これが今のわたしのしたいこと」
シロ「ああ、アリナ様なら、録画しているはずだからな」
(当記事 完)