魔術師アルサンダーの話
リモートNOVA『さて、前回、ようやく魔術師アルサンダー救出に成功した大胆戦士のストール君。そして、彼から聞いた話から物語が急展開を迎え、モルドラネスとの最終決戦に突入することになるんだな』
アスト「と言うことは、今回で『魂を盗むもの』もクライマックスということか」
NOVA『おそらく、そうなるはずだ。とりあえず、アルサンダーはこういう情報をくれた』
●狡猾なモルドラネスは、自分がアランシアに向かったように偽装して、魔術師ヴァネスティンを騙した。つまり、モルドラネス討伐のために、アランシアに派遣された冒険者たちは完全に無駄足である。
●モルドラネスは、この〈鉄の地下廟〉の奥からテレポート装置で行ける自分の領域、『幻影帝国』に引きこもって、旧世界のポルア侵攻を企てている。
●モルドラネスの魔力は、生者が死に行く際の恐怖の感情、魂を盗み出すことで強化される。恐怖を生み出す幻影の力で、相手を狂い死にさせることが奴の武器であり、近い将来、ポルアの街に恐怖の幻影悪霊軍団を解き放つ予定。その目論見が成功すれば、ポルアは大惨事となり、奴はますます強大になって、手が付けられなくなるだろう。
●私(アルサンダー)は衰弱して戦えないが、テレポートの魔法でポルアに帰還し、警告することはできる。しかし、モルドラネスの脅威を打ち払うには、大胆不敵な戦士の君に頼るしかない。奴の『幻影帝国』に乗り込んで、倒して欲しい。
●モルドラネスに対して、魔法を使う手段は会得した。わずかではあるが、その力を君に授けよう。戦士の君に3つの呪文を授けることが、今の私にできることである。
NOVA『そう言って、アルサンダーはストールに呪文を教えてくれるんだ』
ダイアンナ「結局、最後は主人公に押しつけて来るんだね」
NOVA『主人公とは、そういうものだな。だからこそ、ヒーローと呼ばれるわけで。本作の場合は、最初から主人公が「喜んでモルドラネス退治に乗り出す」という稀有な勇気を備えた人物って設定だから、決して望まぬ仕事を押しつけられたとは思っていない。むしろ「そう来なくっちゃな。これぞ我が武勲の誉れ、大いに結構。後は任せてもらおう」と笑みを浮かべるほどだ』
アスト「で、どんな魔法を教えてくれるんだ?」
NOVA『では、モルドラネスの幻影帝国に乗り込む準備を整えるとするか』
アイテムと魔法
NOVA『まず、魔法を選ぶ前に、ここまで持ってきた未使用アイテムを確認するとしよう』
●【銀のメダリオン】(エリマキトカゲがくれた。時々、幻影を追い払ってくれる)
●【ネコの像】(アルカンディが売ってくれた)
●【銀の指輪】(【黒檀の鍵】を使って入手)
●【バール】(衛兵から入手)
NOVA「回復アイテムを除けば、これしかない。入手し損ねたアイテムは以下の通りだ」
※【青い絹の手袋】(ネズミ男を倒して入手。蛇を操るのに使える)
※【蜘蛛のヘッドバンド】(カミソリ嘴鳥の巣から入手。引っ掛け鉤がないため手に入らず)
※【銅の指輪】(ダイアドローンの守る宝箱から入手。黒檀の鍵かバールが必要)
※【プラチナのお守り】(ダイアドローンの守る宝箱から入手。黒檀の鍵かバールが必要)
NOVA『次があるなら、ネズミ男とダイアドローンのパラグラフは必ず通ろうと思ったわけだが、これだけ未入手品があっても、何とかクリアできたのが今作の簡単さを示していると言える。まあ、パラグラフ選択を間違えて死にかけたりはしたんだがな』
アスト「つまり、そこはちょっとだけズルをしたんだな」
NOVA『ストールブリンガーが命の危険を知らせてくれたってことで、自分を納得させた』
ダイアンナ「では、次に魔法の話を聞こうか」
NOVA『アルサンダーが教えてくれる魔法は、以下の7つの中から3つを選ぶ』
★《恐怖払い》:恐怖の影響を無効化する。
★《幻影看破》:幻影の生み出した怪物を打ち消す。【プラチナのお守り】があれば、2回使える。
★《火球》:戦闘に入った時に使って、相手に6点ダメージを与える。
★《治癒》:原体力点の半分だけ体力を回復する。
★《幸運》:運点を3点回復する。
★《技術回復》:技術点を3点回復する。
★《加速》:高速で動ける。戦闘中なら相手の技術点を2減らせる。
NOVA『この中でストールが選んだのは、《恐怖払い》《幸運》《加速》の3つだ。後から考えると、《幻影看破》を習得する方が良かったと思うが、まあいい。こうしてアイテムと魔法を確認しながら、いよいよ真の危険に立ち向かうことになった』
幻影帝国にて
NOVA『アルサンダーはストールに3つの魔法を伝えた後、南の壁の隠し扉を示して、幻影帝国へのテレポート装置と、それを守る闇エルフの情報を教えてくれた。彼がポルアの街にテレポート呪文で帰還するのを見送って、ストールは闇エルフと戦いに行く。技術点7と8の2人組なので、大して苦労せずに倒して、金貨8枚と乳漿パン6食分を手に入れた。冒険中に使う機会のない金貨はともかく、食料6食はありがたいなあと思いながら、いよいよテレポート装置(光輝く虹色の渦)に足を踏み入れる』
アスト「幻影帝国かあ。どういう場所なんだ?」
NOVA『魔空空間、幻夢界、不思議時空などなどのイメージで考えているが、半分現実で、半分幻っぽく、おぼろに揺らめく壁が不安定な通路を形成している。スタート地点(229)は灰色の円形部屋で、そこから3本の通路が伸びている。方角は認識できないので、通路の色で見分けることになる。最初は赤、黄、黒の三色の選択肢だ。ストールはまず、赤の通路を選んだ』
★赤の通路
NOVA『そこは高温の通路で、激しい熱で体力3点を削られる。ただし、【銅の指輪】があれば、【耐火の指輪】と判明して熱ダメージを防いでくれる』
ダイアンナ「だけど、持っていないよね」
NOVA『残念ながらな。だから我慢して、通路の先にある黄色い通路に急いで向かった』
★黄色の通路
NOVA『黄色い通路を歩いていると、突然、空中に放り出された。不安定な状態で漂っていると、鷲の幻影に襲われてバトルになる。相手の技術点は7だが、こちらが足場のない場所で戦いにくく、技術点を(一時的に)2点減らされる。まあ、それでも技術点11なので余裕だがな。普通に戦える相手なら、何も怖くはない。それが大胆にして不敵な戦士ストールだからな』
アスト「最初の技術点が9以下だと、それなりに危機感ある戦いだろうな」
NOVA『それでも食料を初め回復アイテムは充実しているから、何とかいいバランスで戦えそうだけどな。戦闘後は、嘲るようなモルドラネスの声が聞こえて来る。「我が帝国へようこそ。しかし、長くいられるとは思わんがな。どこまで粘れることやら」という感じで挑発してくる。先の通路は、黒と緑だ。黒はスルーして緑に向かった。スルーした通路は、後で確認する』
★緑の通路
NOVA『緑の通路を進むと、だんだん色が青っぽくなり、ロイヤルブルーという感じに変わっていく。モルドラネス、ええい、長いので略称モルどんの声が「お前は疲れ果てて死ぬだろう。それとも、途中で息絶えるかな?」と聞こえてきて、突然、巨大な波が襲いかかってきた』
ダイアンナ「空の次は海かい?」
NOVA『溺れ死んだ……と思ったら、気付くと灰色ローブの若者に介抱されていた。若者は「モルドラネスの弟子パラザン」と名乗り、「頭のおかしい師匠から逃げて来たのです。あなたが師匠に打ち勝つことができるよう、この薬をどうぞ」と言って立ち去る。彼の残した〈金色の携帯瓶〉をその場で飲むか、後に残しておくか選択肢が出るが……』
アスト「その場で飲むと?」
NOVA『ただの腐った酢だった。実害はないんだが、嘲るようなモルどんの声が聞こえてくる。「や〜い、マヌケが騙されてやんの。弟子だなんて、真っ赤なウソだピョ〜ン。このわし、大魔法使いに会っても気付かないなんて、その目は節穴だな。もっと、わしを楽しませてみせろ。愚か者がじわじわ死ぬところを見届けてやるわ。ハーハッハッハー!」と嘲ってきて、こっちは怒りに身を震わせるわけだ』
アスト「本当に『真っ赤なウソだピョ〜ン』なんて言ったのか?」
NOVA『いや、多少の脚色はしたがな。正しくは「おお、哀れな愚か者よ! 大魔法使いに会っても気づかぬとはな? 私はお前がじわじわと死んでいく様を見て楽しむつもりだ。そんなに簡単には死なせぬぞ!」というセリフ。まあ、こちらをバカにして、からかい嘲ることには変わりない』
ダイアンナ「つまり、快楽主義のサディスト気質なんだね」
NOVA『劇場型犯罪者の気質もありそうだ。そして、次のイベントはネズミの大群に襲われるんだが、ここで【ネコの像】が役に立った。ネコが巨大な幻像となってネズミに襲いかかり、ネズミが逃げ出して事なきを得る。他には《幻影看破》や《加速》の呪文で切り抜けることも可能だが、仮に走って通り抜けても、ダメージ2点で済む。問題は次だ』
アスト「何だ?」
NOVA『黄緑の通路と、虹色の通路で、黄緑を選んで死んだ』
アスト「何だと!?」
★黄緑の通路
NOVA『そこはヘビの通路なんだな。《幻影看破》の呪文を使うか、【青い絹の手袋】を使うと通過できて、黄土色か空色の通路に行ける。どちらも持っていなければ、無数のヘビに噛まれて毒で死ぬバッドエンド送りだ。きみの冒険は終わった』
★虹色の通路
NOVA『……という夢を見たんだな、これが』
アスト「予知夢を見たので、黄緑の通路には入らないようにしたんだな」
NOVA『まあ、ここまで来て、最初からやり直す手間は掛けたくなかったんだ。3人めのストールンを用意して、今度は入手し損ねたアイテムもきちんとゲットして……とも考えたが、それよりは別通路でリカバリーできないかと試すことにしたわけで。きっと、魔剣が警告してくれたんだろう』
ストールブリンガー『悪いことは言わねえ。こっちの通路へ行くと、お前さん、死ぬぜ〜。死にたくなければ、黄緑はやめるんだ』
ストール『おお、今まで黙っていた剣が警告してくれたのか。よし、分かったぜ、相棒。俺は虹をつかむ。ウィニング・ザ・レインボーに賭けるぜ』
NOVA『こういうドラマ演出で、虹の夢を見たんだ。インドの山奥で修行したような清々しい気分でたどり着いたそこは、これまで感じなかったような善良さが伝わってくる。光輝く像が「勇敢なる友よ。ここの全てが邪悪によって堕落させられたわけではない。我は邪悪に立ち向かう君に、祝福を与えてやろう」と言って、手を伸ばしてくる。一瞬、これもモルどんの幻覚かなって疑惑に駆られたが、大胆不敵に祝福を受けることにした』
ダイアンナ「結果は?」
NOVA『大当たりだ。技術1、運1、体力4を回復してもらえた。そして向かう先は3択。黄緑、空色、黄土色だ。黄緑は絶対に選ばず、空色を選ぶことにした』
★空色の通路
NOVA『技術点9、体力点10のデス・スカルという黒いドクロ怪物と戦った。まあ、バトルだと負けないってことで、打ち負かして、次の通路は色ではなくて「風通しのよい通路」か、「凍りつくような通路」の2択だ。ここは素直に前者を選ぶってことで』
★風通しのよい通路
NOVA『突風で吹き飛ばされそうになって、体力点を2点失う。さらに運だめしに失敗すれば、武器と身につけた装飾品以外のアイテムを全て失うことになる。幸い、運だめしには成功したが、危険なルートだったな、と今にして思った』
アスト「凍りつくような通路が正解だったということか?」
NOVA『確認してみよう。そっちは死体安置所らしいな。ドクロだらけの不気味な場所だが、死者のために冥福の祈りを捧げてやると、温かい気持ちになって運と技術が1点回復する。どうやら、こっちが正解だったようだ。そこから「風通しのよい通路」に向かうこともできるが、外れルートなのは確定しているので、もう一つの「暗褐色の通路」に向かう。「風通しのよい通路」からも結局、「暗褐色の通路」に合流することになるわけだ』
★暗褐色の通路
NOVA『ここでは骸骨の幻影が襲いかかって来るが、【銀のメダリオン】があれば、幻を打ち消してくれる。さもなければ、技術点7、体力点12の相手を倒さないといけない。多少はタフで面倒な相手だが、技量は大したことないので、倒すことは困難じゃないだろう。続く通路は、青と紫で、青を選んだ』
★青の通路
NOVA『ブルー・ドラゴンが襲って来るんだが、逃げ出そうとすると、背後から稲妻のブレスを浴びて即死する(341)。臆せず戦う選択をとると、モルどんの笑い声が聞こえてきた。「なるほど、お前は勇敢だ。それは認めよう。愚かではあるがな。そろそろ直接会ってみるのも一興。幻影やトリックには飽きて来たからな。お前の魂は、さぞかし素晴らしい魔力の素材になってくれよう。今すぐ通路に沿って来るがよい、とるに足りぬ若造よ」と言って、紫の通路に誘導して来るんだな』
★紫の通路
NOVA『モルドラネス戦の前で最後の刺客が、巨大な蜘蛛の幻影だ。【蜘蛛のヘッドバンド】があれば、あっさり消滅させられるんだが、それがなかったので、技術8、体力12の相手を倒さないといけない。とは言え、この程度のバトルなら負けないのがストールだから余裕勝ちで、ついにモルドラネスとの直接対決の時が来たんだ』
IF幻影とモルドラネス決戦
NOVA『さて、いよいよラスボス戦なんだが、その前に実プレイで通らなかった幻影通路を確認しておこう』
★黒の通路
NOVA『まずは、幻影帝国の最初の選択肢の一つの黒だが、いきなり恐怖の暗闇に飲み込まれる。《恐怖払い》の呪文をかければ、茶色の通路か、灰色の通路に向かえるな。さもなければ、やみくもに灰色の通路に入ることになる』
★茶色の通路
NOVA『途中で色が変わって、前述の黄色の通路になる』
★灰色の通路
NOVA『墳墓で、アンデッドモンスターのスペクター(技術7)に襲われる。強くはないが、ダメージを受けると、技術点を1点失うことになるので嫌らしい相手だ。そして、ここから緑、虹、黄緑の3択に分かれる。いずれも前述だな』
★黄土色の通路
NOVA『虹色の通路の次に選べる選択肢だ。ここに入ると、壁に押しつぶされて死ぬ(396)。助かる方法は【バール】を突っかい棒にして壁を押さえている間に脱出するか、《加速》で脱出するしかない。ここを抜けると、空色の通路のデス・スカル戦に到達する』
アスト「結局、幻影帝国の最短攻略ルートはどうなるんだ?」
NOVA『そうだな。黄色→緑→虹→空→暗褐色→紫か。絶対に戦う相手は、鷲とデス・スカル、蜘蛛だが、蜘蛛はヘッドバンドで対処可能。黄緑と黄土色がバッドエンドの危険があるといったところか』
ダイアンナ「そうして、いよいよモルドラネス戦なんだね」
NOVA『パラグラフ269番からモルドラネスとの決戦が始まる。奴はバルコニーの上から見下ろしていて、近づくには左右の階段を登らないといけない。登る前に《加速》か《火球》の呪文を使うことができる。ストールは《加速》を使って、右側の階段を登り、あっさりモルドラネスと接近戦を挑んで勝った。それこそ、もう呆気ないぐらいの勝利だ』
アスト「何と。ラスボス戦がそんなことでいいのか?」
NOVA『まともにやり合ったら、ストールは最強戦士の部類だからな。なお、魔法を使う際には技術点10のモルドラネスとスピード勝負になり、もしも競り負けたら、先に敵の攻撃魔法が命中してダメージをくらう。そして、こちらの呪文は失敗してしまうので、今回は詠唱スピードで競り勝てたから優位に戦えたわけだ。
『さらに《加速》じゃなければ、モルドラネスがもう一回呪文を仕掛けて来るが、黒い魔力の塊で窒息しそうになる。運だめしに失敗すれば、即死パラグラフ308番に送られる。もっとも【銀の指輪】があれば、即死呪文から身を守ってくれるんだがな』
ダイアンナ「いろいろなバトルの可能性があるわけだね」
NOVA『戦闘の展開を分析すると、以下の通りだな』
●《加速》成功→モルドラネスの稲妻で4点ダメージ→右の階段→急襲に成功して、相手に2点ダメージを与えて接近戦。
●《加速》成功→モルドラネスの稲妻で4点ダメージ→左の階段→《減速》効果で動きが鈍る→モルドラネスの《火球》で6点ダメージ(耐火の指輪があれば1点のみ)→ギリギリの奇襲で相手に2点ダメージを与えて接近戦。
●《加速》失敗→モルドラネスの稲妻で4点ダメージ→右の階段→モルドラネスの《火球》で6点ダメージ(耐火の指輪があれば1点のみ)→接近戦。
●《加速》失敗→モルドラネスの稲妻で4点ダメージ→左の階段→《減速》効果で動きが鈍る→モルドラネスの《火球》で6点ダメージ(耐火の指輪があれば1点のみ)→モルドラネスの即死呪文→抵抗できれば接近戦に。
●《火球》成功→モルドラネスに6点ダメージを与える→モルドラネスの即死呪文→抵抗できれば接近戦に。
●《火球》失敗→モルドラネスの《火球》で6点ダメージ(耐火の指輪があれば1点のみ)→モルドラネスの即死呪文→抵抗できれば接近戦に。
●呪文を使わずに左の階段→《減速》効果で動きが鈍る→モルドラネスの《火球》で6点ダメージ(耐火の指輪があれば1点のみ)→モルドラネスの即死呪文→抵抗できれば接近戦に。
●呪文を使わずに右の階段→モルドラネスの《火球》で6点ダメージ(耐火の指輪があれば1点のみ)→接近戦
NOVA『この流れを見ると、耐火の指輪があれば、下手に呪文を使わずに、右側の階段を登ることでダメージ1点のみで戦えるわけだ。
『ストールの実践した「《加速》成功、右階段」では自分ダメージ4点、相手ダメージ2点で差し引き2点負けてからの接近戦になるな。
『あと【銀の指輪】さえあれば、《火球》成功が自分ノーダメージ、相手ダメージ6点で接近戦に挑めるので、一番お得感がある。
『最悪なのが「《加速》失敗、左階段、銅と銀どちらの指輪も持っていないケース」で、ダメージ10点と死亡リスクが一番大きい結果となる』
ダイアンナ「バルサス戦ほどじゃないけど、ちょっとした呪文合戦が楽しめるわけだね」
NOVA『最終的に、剣で決着をつける形だけどな。それと、ここまで分析してきて思ったのは、モルドラネスって歴代ラスボスの中でもよく喋る部類だな、と。普通はラスボスと遭遇すると、問答無用で戦いに入るので、会話演出は難しいんだが、それでも「火吹山ふたたび」のザゴールや、バルサスは丁々発止の魔法の撃ち合いやリアクションの最中に、会話演出があって、ちょっとした個性が示された。とりわけ、バルサスは「接近戦なら望むところだ」と武闘派魔法使いっぽいところを見せたり、主人公を褒め称えて勧誘してきたり、武門の長らしい貫禄を示していたわけだ。
『そして、今回のモルドラネスは「幻影帝国」という引きこもり空間で、いろいろ演出しながら楽しく舞台監督らしいところを披露してくれる。最終的には倒されるから、慢心ゆえの詰めの甘さを感じるわけだけど、配下の闇司祭とか闇の種族という私兵も多く抱えて、それなりの大物感を出してはいたように思える。
『まあ、初見プレイだと、「旧世界からアランシアへ大陸を股にかけた大悪党」という目で見ていたら、実際は「陰謀家気質で、こそこそ自分のアジトに引きこもって、よく分からん陰キャ妄想に耽っていました」的な残念ボスと思っていたけど、改めて分析すると親近感が出て来たというか、少なくとも俺がモルドラネスをバカにする資格はないな、と。性格はともかく、やってることは似ているような気もするし』
アスト「妄想空間を作って、引きこもっているところがか?」
NOVA『いいよなあ。「幻影帝国」って自称が。正面からの戦闘力では、それほど大したことはなくても、虚偽と恐怖で人を翻弄する面と、弟子に化けたり、やたらとこっちにちょっかいを掛けたりする面が妙に茶目っ気を感じたり、破壊的な性格なのに創作的なクリエイティブさを持ち合わせた御仁なので、もっと建設的な方向にその才能を向けたらなあ、と思わなくもない』
アスト「妙にモルドラネスに肩入れしているじゃないか」
NOVA『たぶん、その向こうに作者のキース・マーティンさんのGMぶりを感じるからだな。ゲーマーとしての演出とか、適度にプレイヤーを楽しませつつ、ノリノリで悪党を演じているような雰囲気が。
『ただし、エンディングがつまらないんだ。モルドラネスを倒すと、何十万もの魂たちが解放されて、邪悪な幻影も消失する。現実世界に帰ってきた主人公は、清浄な外の空気を味わい、その向こうに海の匂いを感じた。自分を沖で待っているガレイス船長のことを思い出しながら、地下廟から上へと歩んでいく主人公の姿……で終わり。せめて、ポルア帰還後のアルサンダーやヴァネスティンらとの対面シーンぐらいは欲しかったな』
ダイアンナ「勇者祝賀の宴エンドか、ラスボス倒してダンジョン脱出エンドのどちらかが多い感じだね、FFシリーズは」
NOVA『あと、ヒロインとか女性キャラが皆無というのも、今どき寂しいなって感じる。まあ、いても老魔女とかだと萌えないんだけど』
アスト「そう考えると、バルサスってリア充なんだよな。文武両道の体育会系陽キャラって感じだし、たぶんFFの歴代ラスボスで最も社交的に思える」
NOVA『ここまでプレイしてきた中だと、ハカサン・ツァが一推しヒロインで、敵だとザンバー・ボーン配下の女吸血鬼が良くて、3位がルクレチアってところか』
アスト「FFに女性キャラを求める方が間違っているのかもしれないが、たまにレアな魅力ある女性NPCが出て来ると、おおって感じるか」
NOVA『その意味で、「魂を盗むもの」はどうしようもないぐらい、女性要素が皆無だもんな。一番、萌えたイラストがパラグラフ93番の幻影ネコという』
ダイアンナ「ともあれ、FF新作攻略おつかれさま」
NOVA『おお、後の旧作攻略記事は、お前たちに任せた』
アスト「島の冒険は終わったから、次は宇宙の冒険だな」
(当記事 完)