ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「さまよえる宇宙船」攻略感想(2)

アスト船長の帰れない旅

 

アスト「さて、これから我が宇宙船トラベラー号の過酷な旅の話を始めよう。ブラックホールによって発生した次元の裂け目に引き込まれた我々は、並行宇宙にいることが判明した。別宇宙をさまよいながら帰還の術を求めて、高度な文明のある星で情報を集めようという方針が立ち、3つの選択肢が提案された」

 

1.生命のある星系のうち、前方にあるものを目指す。86へ

2.左舷にある、もう一つの星系に向かう。273へ

3.右舷にある、不毛の星系を目指す。142へ

 

ダイアンナ「普通は、不毛の星系なんて目指さないだろう?」

 

アスト「確かにな。別の選択肢は置いておいて、とりあえずは正面の星系を目指すことにしたんだ。そこは自由と平等の理想が実現した場所だった」

 

リバT『自由と平等ですか。素晴らしいですね』

 

アスト「実際には、その理念が妙に歪んでいたんだけどな。その星には名前がないが、仮称として惑星フリーダムとでも呼んでおくか」

 

自由惑星フリーダム(仮)の話

 

アスト「我々が見知らぬ宇宙で最初に降り立った惑星は、鈍い青色の星で、大きな島の中央に大都市があることが分かった。船長のオレと、副長のダイアンナ科学官、カニコング保安官の3人で街の中心にビーム着陸を行う」

 

ダイアンナ「ビーム着陸?」

 

アスト「昔のSF作品でよくある、宇宙船から光線が照射されると乗組員が地上に降下したり、地上の人間が宇宙船に収容されたりするシステムだな。指向性の反重力を利用しているだの、物体転送装置に基づくだの、作品によって各種の理屈が与えられているが、本作では転送装置だな」

 

リバT『光線銃の名前がフェイザーだったり、転送ビームだったり、今作のSFテクノロジー要素はスタートレック由来のものが多いですね』

 

アスト「とにかく、本作は7人パーティーだけど、船長を中心に3人を選んで各星にビーム着陸することが多いな。大体は科学官や技官の知識が情報収集に役立ち、保安官および警備員が戦闘要員になるわけだが」

 

ダイアンナ「つまり、あたしとキャプテン・アストと用心棒のカニコングが惑星に着陸して、探索を行ったってことだな」

 

アスト「この星の住人とトラブルを起こさずに交渉すると、以下の情報が手に入る」

 

・ここは入植惑星で、いろいろと異なる種族から成り立っている。

・はじめは母星の生活に耐えられなかったり、特別に冒険好きだった者たちが中心だったが、やがて自由と平等の〈約束の地〉の噂が広まって、さらに多くの入植者を引き寄せるに至った。

・問題点は「自由と平等を守るために、誰も責任ある地位につけず、何かを決定するには議会による時間をかけた話し合いを経て、全員が納得しないといけない」こと。そのせいで入植後何年を経ても、星の名前すら決められないでいるらしい。

天文学や星間旅行に詳しいのは、進歩した文明を持つ惑星キュールマターなので、そこに行けば問題が解決すると思う。

 

ダイアンナ「なるほど。キュールマターか。いい情報が手に入ったじゃないか」

 

アスト「なお、住人に好戦的に振る舞ってしまうと、情報が手に入らずに星を出て行くしかない。いつものノリでバトルをしてると、欲しいものが手に入らないんだ」

 

ダイアンナ「基本は交渉中心で、銃を撃つのは最後の手段ということか」

 

アスト「とにかく、キュールマターという名前だけを知っても、どんな星か分からないので、資料のありそうな大きな建物に行く。そこでは大集会場へ直接向かうのが正解だが、その前に建物全体をざっと見回る選択肢を選ぶと、3人の護衛とのバトルが発生する」

 

ダイアンナ「護衛って誰かや何かを守るんだろう? こっちから好戦的な態度をとったりしたのか?」

 

アスト「いや、この星は自由なので、血の気の多い連中が誰かを攻撃するのも自由なんだ。しかし、いきなり攻撃されるのも理不尽なので、『誰かを攻撃したい者は、警告のために制服を着ることが慣習化されている。護衛の制服を着た者を見かけたら、自分の身を護衛しろ、ということなんだ』と案内役が教えてくれて、技術点7や8の護衛3人といきなり戦闘になったりするわけだな」

 

ダイアンナ「護衛という名のヤクザ者か。自由を守るには、暴力も規制できないということだな」

 

アスト「だから、自由を維持するには自衛の力が必要になるわけだが、そもそもバトルの選択肢を避けることもできる。法律のない無法地帯ではあるが、話し合いの場はある。しかし、この星の話し合いには仕切り役がいなくて、各人が自分の意見を主張するだけで、まとめることができない。誰もが納得する妥結点を見出すまでは時間がかかり過ぎる。そのうち全員が討論に飽きて、だったらこれでいいんじゃないの? って結論に至れば円満に決議できるわけだけど、真の意味での自由と平等の実現には際限ない忍耐力が必要だなあ、という教訓にも思える」

 

ダイアンナ「ある意味、のんびりした世界なんだね」

 

アスト「そして、果てしない議論には付き合いきれないから、必要な情報を求めて旅行・地図室に向かう。そこで、次の情報を手に入れた」

 

・この星は恒星マグナスをめぐる星系に位置する。

・同じ星系で生命が存在するのは、マグナスから最も離れた公転軌道上にあるトラックスだが、近年は戦争によって荒廃したため、住人の多くはこちらに移住している。

・キュールマターは、紫の恒星の周りを回っている。

・他には、二重星を太陽に持つマコモンが知られている。

 

ダイアンナ「キュールマターは紫の恒星が目印なんだな。だったら、そこへ向かおう」

 

アスト「次の選択肢は、トラックスかキュールマターだが、オレもアニーと同じ判断でキュールマターへ向かったんだ」

 

機械惑星キュールマターの話

 

アスト「惑星キュールマターのイベントは、パラグラフ44番から始まる。ビーム着陸するのは、士官と警備員1人ずつという指定があるので、ダイアンナとケイPマーク2を同行させた」

 

ダイアンナ「何だか勝手に自分のキャラを使われると、ムカッとするね」

 

アスト「まあまあ、その辺は後付けロールプレイを楽しんでくれ。ともあれ、このキュールマターに着陸すると、いきなりPC(人口抑制係)という連中に襲撃される。情報をくれた虫型異星人によると、『キュールマターは文明が発達し過ぎて、自然死というものがない。だから、増えすぎる人口を減らすための対策が必要になる。そこでPCたちに割り当ての範囲で、自由に人を殺す権利が与えられている』そうだ」

 

ダイアンナ「前の星の『護衛』と言い、文明が発達しても暴力的解決はなくならないんだな」

 

アスト「ともあれ、その情報をくれた異星人は、いきなりPCに射殺されて、我々はピンチだ。PCの要求に応じて車に乗せられるか、フェーザーで攻撃するか、要求に従うフリをして不意打ちするかの選択肢が出る」

 

ダイアンナ「フェーザーは最後の手段だから、ここは不意打ちがいいな」

 

アスト「ああ、フェーザーを選ぶと、強固なボディーアーマーを身に付けているのか相手には通用せずに、反撃でこちらの一人が死ぬ。不意打ちは殴り合いになるが、相手の方が強くて、たちまち取り押さえられる。しかし、相手の動作のおかしな点に気づいて(どうも動きが機械っぽい)、後の技術点判定が2点有利になるので、お勧めだ。まあ、結局は車に乗せられることになるんだけどな」

 

ダイアンナ「何とか脱出のチャンスを見つけないと」

 

アスト「なお、相手が1体になったときに攻撃することができるが、技術点11、体力点14の強敵なので、こちらの技術点が11か12なければ、お勧めできない。お勧めは通信機で宇宙船に連絡をとろうとすることだ。妨害電波か何かで連絡はできないんだが、通信機を作動している間は、PCの動きが妙に鈍ることに気づいた」

 

ダイアンナ「もしかすると、そいつらは生物ではなくて、ロボットじゃないのか? 特定周波数の電波に弱いとか?」

 

アスト「さすがは科学官のアニーだ。科学官が同行していて技術点判定に成功するか、通信機を操作していれば、PCの動きを止めて脱出できる。さもなければ、脱出できずに抹殺室送りになってゲームオーバーだ。結局、ロボット兵士だったPCの弱点を看破した後で、妨害電波の発生源を突き止めて、それを無効化するとトラベラー号と連絡をとることができて、転送ビームで回収してもらえた」

 

ダイアンナ「この星での収穫物はなしか」

 

アスト「いや。ロボット兵士のヘルメットを回収することができて、それを技官が改造して、技術点+1の戦術支援ヘルメットにしてくれる。本作で数少ない入手アイテムだ。こいつはお得だぜ」

 

ダイアンナ「だけど、キュールマターはロボットが支配している星で、いきなりトラブルを起こしてしまったから、求める情報は手に入らなかった、と」

 

アスト「諦めて、次の星に向かうことになったんだな」

 

未開惑星クリバの話

 

アスト「キュールマターの次に、我々が訪れたのは青緑色の惑星だ(パラグラフ34番)。生命反応はあるが、通信装置には何の反応もない。それもそのはず、ここは文明レベルがそれほど高くないからだ」

 

ダイアンナ「だったら、欲しい情報が手に入る見込みはないな。スルーして次へ向かおう」

 

アスト「いやいや、それは後からの結果論であって、ビーム着陸して探索するまでは、星の詳細が分からなかったんだ。調査する必要はある。で、降りてみると、雷雨が猛威を振るっていて、ずっと雨が降り続けていることが分かる」

 

ダイアンナ「雨の星だと?」

 

アスト「原始的な宇宙人と平和的に接触できるといいんだが、ファーストコンタクトに失敗すると、飛び出す槍の先端部に攻撃されて、回避の出目が悪いと貫かれて重傷を負う。医務官を同行させていなければ、治療が間に合わずに死亡するわけだ。本作では、好戦的な振る舞いのリスクがやたらと高いので、平和主義で行動するのがいいだろう」

 

ダイアンナ「原始的な武器だが、ショットランサーを使ってくるわけか。クロスボーン何ちゃらみたいだな」

 

アスト「F91時点でのな。後の宇宙海賊とはまた違う組織だが、それはさておき、平和的な接触に成功すれば、部族の長老と話ができる。彼から得られる情報は以下のとおりだ」

 

・この惑星クリバの文化程度は、地球の中世並み。

・昔は好天候で農業が盛んだったが、今は雨神さまの罰を受けたのか、悪天続きで困っている。

・作物はとれず、疫病も蔓延して、集落が滅亡の危機だ。天から降りてきた者よ、何とかしてくれないか。

 

ダイアンナ「何とかと言ってもな」

 

アスト「医務官が同行していれば、技術点判定に成功することで薬を提供したりもできるが、治療の際に自分も疫病に感染したりして、下手すれば死ぬ」

 

ダイアンナ「同行していなければ?」

 

アスト「そういうイベントは発生しないが、雨神さまとの接触を試みることができる」

 

ダイアンナ「神さまと会えるのか?」

 

アスト「近所に雨神の住む城があるらしい。で、雨神の城に赴くわけだが、その内部はコンピューターに管理されたテクノロジーの産物なんだな」

 

ダイアンナ「ファンタジー世界と思っていたら、やはりSFだったのか」

 

アスト「雨神と称される男の名はブラン・セル。元・星間貿易商だったが、惑星制御コンピューターを運ぶ際に事故に見舞われて、この星に住まざるを得なくなったそうだ。高度な知識を持っていたので、迷信深い住民から神と崇められて、この星に骨を埋める覚悟をしたんだが、コンピューターの天候制御装置が壊れてしまって、難儀している。住人たちを助けるために何とかしたいのだが、ブランにはコンピューターを使うことはできても、修理することはできない。君たちなら、何とかできるのではないか?……って話だ」

 

ダイアンナ「何とかできるのか?」

 

アスト「科学官が技術点判定に成功すればな」

 

ダイアンナ「科学官(あたし)は大活躍じゃないか」

 

アスト「優秀な科学官がいると助かる。まあ、判定に成功して、コンピューターは無事に修復された。クリバをむしばむ雨は収まり、住人たちは大喜び。そして、ブラン・セルの協力で、我々が元の宇宙に戻るには、『適切なブラックホールを見つけて、ワープ速度3で接近すればいい』ことが分かる」

 

ダイアンナ「適切なブラックホールとは?」

 

アスト「そこまでは、彼のコンピューターでも分からないようだ。まあ、役に立つようで立たない情報を手に入れて、トラベラー号は次の星に向かって旅立つ。赤い惑星を目指すんだが、その途中で小さな灰色惑星に気づいた。灰色惑星(261)か、赤い惑星(329)を選ぶことになったが、この時の選択で我々の運命は決まったんだ」

 

乗組員の死と、希望なき航海

 

アスト「赤い惑星に向かう途中で見つかった灰色惑星。そこには生命反応がなく、ただ救助信号らしきものを発信し続ける偵察機が墜落していた。パイロットの姿は見当たらないが、偵察に出た名もなきモブチームが帰還した後、謎の病原菌に感染したらしく、機関区の技師に死亡者が出始める」

 

リバT『それは大変です。技官の私めにも死亡の危険性が……』

 

アスト「それは上手く免れたんだが、ここで科学官のダイアンナが技術点判定に失敗して、被害が機関区から医療区にまで広がってしまった」

 

ダイアンナ「あたしが悪いのか?」

 

アスト「いや。悪いのは選択肢をミスったうえ、ダイス運も悪かったオレのせいだ。おまけに医務官のハイラスにワクチンを作らせたんだが、またも技術判定に失敗して、ワクチンが効かずにハイラスが死んでしまった」

 

リバT『ハイラス様が死んでしまうなんて……。私めはアストさんを許しません』

 

アスト「いやいや。医務官を失ってガーンと落ち込んだのは、オレも同じだ。これで怪我しても、まともに回復することができなくなった」

 

リバT『回復効果が通常2点のところを1点になるルールでしたね』

 

アスト「一応、後任の医務官を助手の中から昇格させたわけだが、技術点が2少ない6になったからな。医療行為の成功率が思いきり下がってしまったわけだ。結局、汚染された空気を排出することで毒毒感染症イベントは終了したわけだが、被害はあまりにも大きかった。落ち込んだ気持ちのまま、3つの選択肢が出る。赤い惑星を目指すか(329)、新たに見つかった青い惑星に向かうか(2)、移動中の小さな光点と接触するか(92)の3択だ」

 

リバT『正解は青い惑星ですね』

 

アスト「ああ、そうらしいな。灰色の疫病惑星でのトラブルを解決した後、出現する青い惑星ジョルセンで正しい星区情報を入手すること。これが本ゲームブックをクリアできる条件その1だ。オレはそれを取り逃がしたために、バッドエンドを迎えることになった。医務官のハイラスを亡くして失意のまま、我が宇宙船トラベラー号はさまよい続ける。この後の物語は次回に語るとしよう」

(当記事 完)