ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ガイア・グランプリを終えて

イベント一段落

 

リモートNOVA『ガイア・グランプリ優勝おめでとう』

 

ダイアンナ「ああ。これで花粉症ガール4人の冒険物語が始まるんだな」

 

NOVA『今すぐってわけにはいかない。Wショーカは問題ないんだが、コンパーニュのヒノキ姐さんの方が準備が整わなくてな。向こうで連載中の「魔神ハンター」が終了した暁に、と考えている。おそらくは春ごろの「花粉症ガール5周年イベント」に合わせる形だな』

 

ダイアンナ「『花粉症ガール5周年』かあ。2ヶ月後ぐらい先の話、と」

 

NOVA『ところで、グレンファイヤーさんはそっちにいるのか?』

 

アスト「いや、紅兄貴は緊急事態だ、とか言って、慌てて飛んで行ったんだが?」

 

NOVA『ああ、やっぱりそうか。一言、ガイア・グランプリの同時優勝おめでとう、とかあいさつを……と思ったんだがな』

 

アスト「何があったんだ?」

 

NOVA『こういう話だな』

アスト「こういう話って、出番があるのはギンガ以降のニュージェネレーションのメンバーだけじゃないか。UFZの面々には招集はかかっていないはずだが?」

 

NOVA『そいつは表向きの話だ。物事には何でも裏ってものがある』

 

アスト「裏だと? どういうことだ?」

 

NOVA『光の国で失われたのは、ニュージェネの歴史だけじゃない。とりあえず、ゼロさんがゼットさんたちを通じて、ニュージェネの歴史を修復しているのが番組の表で描かれたわけだが、その裏では他の物語の記憶や記録・歴史も修復しないといけないわけだ』

 

アスト「歴史の修復か。だったら、時空魔術師のお前の仕事でもあるわけだな」

 

NOVA『ああ、ゼロさんから俺のところにも連絡が来てな。こっちにグレンファイヤーさんが来ているらしいって言ったら、「グレンか。あいつにも協力してもらわないとな。よし、すぐに連絡を回す」とか呟いていた』

 

リバT『そういう連絡は、こちらには届いてませんでしたが』

 

NOVA『ゼロさんからグレンさんに直接通信を送ったのかもな。少なくとも、俺に知らせたから、お前たちのところにも話が行っているものと考えたのかもしれん』

 

ダイアンナ「それにしても、あたしたちにあいさつぐらいしてもいいだろうに。何だか水臭い感じだね」

 

NOVA『向こうもバタバタしているんだろうさ。何しろ、光の国のデータバンクに侵入して記録を消去するなんて、大それたことをしでかす奴が相手だからな。そいつの正体も調べないといけないだろうし』

 

アスト「犯人はアブソリューティアンの連中じゃないのか?」

 

NOVA『その可能性も考えられるが、まだ確証は得られていない。それよりも、大事なことがある』

 

アスト「何だ?」

 

NOVA『一度、失われた歴史が修復される際、個人の主観的な記憶による捏造の危険性もあるし、公式記録と歴史の影に埋もれた逸話の取捨選択も行われて、黒歴史などが発生する可能性も十分に考えられる。例えば、ウルトラ公式史でもハヌマーンやらウルトラマン・キッズの話は異端扱いだ』

リバT『それを言うなら、ウルトラニャンなんかも語る者がいなければ、黒歴史化しそうですね』

NOVA『とにかく、公式は公式で、ウルトラ歴史の再構成を行う形なので、俺たち非公式な民間研究者は、公式が取りこぼした裏歴史を語り継ぐという仕事を続けるわけだ。あと、失われたウルトラ史の再収集だったら「デバンが詳しいから、協力を依頼しては?」とゼロさんに伝えておいた』

アスト「デバンも、ティガのゲスト怪獣だったのが、まさかのトリガー総集編で抜擢され、大御所ブースカ様並みの厚遇を与えられるようになったからなあ。歴史の復刻の象徴みたいなキャラになっている、と」

 

GMウォーロックとFFコレクションの話

 

NOVA『ところで、この週末にこういう物をゲットしたんだが』

GMウォーロック VOL.8

NOVA『この雑誌で、今夏発売予定のFFコレクション3集め、リビングストン編の「巨人の影」収録作品のタイトルが発表された』

・運命の森

・トカゲ王の島

・雪の魔女の洞窟

・アランシアの暗殺者

・巨人の影

 

NOVA『結果が出てみれば、大きな番狂せもなく、年末に予想していた通りになったわけだな』

アスト「予想が的中すると、してやったり感ってことだな」

 

NOVA『いや、いちいち予想が当たって、今さらやった〜って騒ぐほど、俺はつまらない人間じゃない』

 

ダイアンナ「嬉しくないのか?」

 

NOVA『公言した予想なんてものは当たって当然だからな。いちいち喜んだり、勝ち誇るようなものでもない。むしろ、予想が外れた時の方が、「えっ、どうしてだ?」「はあ、なるほど。そういうことか〜」「よし。この新たな想定外の事実をしっかり受け止めて、今後の計画を練るとするか」などと、あれこれ考えることが楽しかったりする。想定どおりに物事が進行しているときは、特にサプライズもないので淡々と受け止めるのが俺流だ』

 

アスト「予想が当たって当然……なんて、いけ好かないことを言う奴だな」

 

NOVA『もちろん、俺の予想の的中率は半分ほどだ。そして、残念ながらギャンブルや抽選みたいに金銭的利害を伴う方向にはあまり働かないんだよな。ビジネス的な勘どころが働くようだと、もっと裕福な生活もできているんだろうが』

 

ダイアンナ「この予想を当てたら、抽選でFFコレクションの新巻をプレゼント……ってことになったら、喜んでいたんじゃないか?」

 

NOVA『まあ、そうだな。ともあれ、この予想で面白かったのは、ツイッターなんかで自分以外の面々が語ったりする内容だな。例えば、「死の罠の地下迷宮」の次は当然、続編の「迷宮探検競技」でしょうって予想もあって、それはそれで一理あるんだよな。こういう当人なりの根拠を示しての予想は、たとえ外れたとしても、なるほど、とうなずける。大事なのは、予想が当たったかどうかではなく、予想するのにどういう考え方、理屈、そして対象への愛着を示したかの過程だな』

 

ダイアンナ「ああ。そのものを話題にすることで、自分の愛着を表明するのはありだな」

 

NOVA『愛をもって語るなら、同じ程度の熱量があれば受け入れられるかもな。逆に、愛が足りないと受け入れられないわけだし、趣味話ってのは作品愛の表明会みたいなものだ。そして、予想を外したにしても、当人なりの外した理由の分析がきちんと行われていれば、きちんと物事を考えられる人間だって分かる』

 

アスト「当たったかどうかの結果ではなく、そう考えるに至った過程を筋道たてて考え、面白く語れる人間を評価するってことか」

 

NOVA『まあ、俺はストーリー展開や何かを予想するのに、最低3つの可能性を考慮に入れて、それぞれが実現したらどうなるかを想定しているからな。その中で「当たり前の予想」「多少、番狂わせだけど面白い予想」「まさかと思うけど、突拍子もない予想」を話のネタにすることが多い。そして、「当たっても、つまらない予想」と「自分では思いつかない想定外の予想」が出てくると、むむっ? って反応になるわけだ』

 

ダイアンナ「その、むむっ?は『有り得んでしょう』って感じかね」

 

NOVA『想定外ってのは、自分の納得の外を行くものだからな。あるいは、何らかの盲点を突かれたか。とにかく、自分の中にはない独特のセンスだ。問題は、その独特のセンスをこちらが面白いものと受け止められるかどうかで評価が180度変わってくる』

 

アスト「『つまらないバカ』と『面白いバカ』の違いだな」

 

NOVA『何が面白いかは人それぞれの基準があるが、俺個人は「理屈っぽい」のも芸風の一部と考えるし、「他人を嘲弄する」のは下品な芸と考えがちなので、いまいち笑えん。「つまらない物をネタにする」のもつまらないからな。もちろん、世の中には「つまらない物を面白いネタにする」のが得意な人間もいるし、俺も「転禍為福」って言葉は好きだが、それでも「福にできない、どうしようもないゴミクズは、悪縁と思って切り捨てるしかない」というのがドンブラから学んだ』

 

アスト「ドンブラから学んだって、幼稚なことを言ってるなよ」

 

NOVA『いやいや、ドンブラは現段階の井上敏樹大先生の集大成だからな。大先生のセンスから学んだ、と言い換えてもいい』

 

アスト「大先生って敬称か?」

 

NOVA『いや、自称らしい。ダークシュナイダーが自分のことを超絶美形魔法使いと呼ぶのと同じようなものと受け止めているが、東映公式も「大先生」呼びをしているから、ファンとしては自然にその呼び名が憑った感じだな。まあ、井上敏樹さんとか、井上敏樹氏とか、井上敏樹(呼び捨て)といろいろ試す中で、今は大先生呼びがしっくり来るようになったわけで。サプライズだらけの面白い物語で自分を毎週ハッピーにしてもらえれば、大先生呼びも納得できるってものだ。ストーリーテラーとしては昔から作品ファンとして世話になってきた御仁だし、もう、いい加減に作風も見切ったかと思えば、ドンブラでそのぶっとび超絶センスはなおも健在と示されると、敬意を抱かずにはいられまい』

 

ダイアンナ「ダディの井上敏樹愛は分かったから、話を戻そうじゃないか」

 

NOVA『何の話だっけ?』

 

アスト「ボケてるのか? FFコレクションの話だろうが」

 

NOVA『ああ、そこからサプライズの話だったな。収録作品については、特にサプライズもなかったが、「アランシアの暗殺者」については、サプライズがあった』

 

ダイアンナ「何だ?」

 

NOVA『イラストが本国版と違うって話だ。本国版はこれ』

アスト「表紙絵はいまいち地味だな」

 

NOVA『そこでハンガリー版が採用されるらしい』

 

アスト「どういうのだ?」

 

NOVA『こちらのページを参照だ。右下の格好いいイラストな』

NOVA『なお、青いフードの暗殺者風の男は、どうも噂のアズール卿らしいんだな。てっきり、暗殺者その1ぐらいの認識でいたが、実はボスだったという』

 

アスト「マジかよ」

 

NOVA『普及版の表紙では、アズール卿自らが刀を持って襲いかかって来る(ザコにも見える)イメージだが、ハンガリー版だと背後から部下の2名を指揮している絵で、こっちの方が威厳に満ちた支配者って感じだな。とにかく、この格好いい表紙絵だけで、ワクワク感が高まった』

 

D&Dとパグマイアについて雑感

 

NOVA『さて、FFメインに切り替わりつつある当ブログだが、一応、D&Dについても気にはしていた』

 

アスト「去年の年末から、日本語再展開が始まったんだな」

 

NOVA『ああ。それはめでたい話なんだが、昨年末から最近にかけて、OGL騒動というものが持ち上がってな』

 

ダイアンナ「OGL? 何それ?」

 

NOVA『オープン・ゲーム・ライセンスの略だ。簡単に言えば、D&DのゲームシステムをD20という形式で、別のゲーム会社やファンたちがある程度、自由に使える許認可権というべきもので、元祖TRPGのD&Dをゲーマー全ての共有財産として流通させようという目的のもとに制定された』

 

アスト「そんなことをして、商売になるのか?」

 

NOVA『今のD&Dはウィザーズ・オヴ・ザ・コースト(WotC)社なんだが、その前のTSR社が80年代半ばから90年代にかけて著作権に非常に厳しい経営態勢をとったために、熱心なゲーマーから嫌われたらしいんだな。その影響がロードスやらバスタードやらに及んだ経緯があって、そういう裏事情が2010年代に懐古本で語られるようにもなったんだが、それらは過去の話だと思っていた』

アスト「今のWotC社は版権に厳しくない、と?」

 

NOVA『いや、WotC社は21世紀に入る辺りに、斜陽だったTSR社からD&Dの版権を買って、新たな3版を立ち上げて、ゲーマーの側に立った経営を標榜していたんだな。OGLもその一環だと理解している。おかげでD&Dの基本システムはD20システムとして、ゼロ年代TRPG業界を席巻するほどの勢いとなった。トラベラーも、クトゥルフも、ファイティング・ファンタジーもD&D3版に基づくD20システムでプレイできるようになって、D&D一強の時代になっていたんだな。ガラパゴスの日本は例外だけど』

 

アスト「ゼロ年代の日本だと、どういう状況だ?」

 

NOVA『いわゆるRPG冬の時代と呼ばれた不景気が2003年ぐらいまで続き、そこからの立て直し展開が10年ほど続いた感じだな。SNEはソード・ワールド旧版をコツコツ続けながら、活気があったのはFEAR社のアリアンロッドや、アルシャードを柱とするSRS(スタンダードRPGシステム)、それに老舗の冒険企画局が展開したサイコロ・フィクション・シリーズが立ち上がる中、2008年のソード・ワールド2.0辺りから、自分的には新展開といった印象だ。その間に、動画配信からのクトゥルフ勢が新たな若者のムーブメントになる』

 

ダイアンナ「草創期からのオールドゲーマーには、どうしてクトゥルフが覇権をとるようになったのか、理解困難という意見もあるらしいね」

 

NOVA『最近は、D&Dの版上げ話の影響からか、「どうしてD&Dがソード・ワールドにブームが移ったのか」「どうしてクトゥルフが人気を得たのか」という質問がTwitterで見られて、面白いなあ、と思っている。

クトゥルフについては、動画配信という手段は分析されていたが、若者サイドの意見として「上から目線の老害が少ないから、若者にとってパイオニアに感じられたから」というのがあって、そりゃあ、俺の世代からは出て来ない意見だなあ、と笑った』

 

アスト「笑うのかよ」

 

NOVA『そりゃあ、D&Dやソード・ワールドは老舗で固定ファンが多いから、どうしても一家言あるベテランが付きまとうもんな。一方、クトゥルフは「老舗だけど、年寄りはみな、マニアックなゲームでメジャーじゃないという目線」で、今さら注目しない目こぼし作品だったんだよ。「知っているけど、盛り上がる作品じゃない。だけど、特徴的なシステムを持っている」という代物で、しかも基本システムは癖がなくて簡単なんだ』

 

アスト「%ダイスの振り方さえ分かれば、いいもんな」

 

NOVA「あと、%ダイス(10面体2つ)なんて80年代とかだと、ゲーマーしか入手しにくい代物だけど、21世紀だと入手難易度はかなり下がる。おまけに、オンライン環境だと、ダイスを買わなくてもプレイできる。さらに戦闘メインではなく、探索ストーリーメインのゲーム制が比較的、草食系の若者層にも受け入れやすかった、という面もあるかもしれない」

アスト「日本のゼロ年代の状況は、アメリカとは違う動きだって分かった。その間に、向こうではD&Dが3版から4版、そして現行の5版に展開したんだな」

 

NOVA『俺は、その間の変遷裏事情はよく分かっていない。3版が盛り上がったけど、バトル重視に大きく改編した4版で失速して、ストーリー性重視のシンプルなシステムと懐古志向の5版で持ち直して、さらに発展したという結果論ぐらいだな。あと、3版推しのユーザーがPaizo社のパスファインダーに流れ込んだという話と。今回のOGL騒動の中心に、WotC社とPaizo社の確執もあったみたいだし』

 

アスト「パスファインダーは、D&D3.75版だったか?」

NOVA『D&Dが3版(2000)から3.5版(2003)を経て、4版(2008)に移る際に、システムや世界観の大改編が行われて、3版ユーザーを切り捨てた。そこで、3版のルールを愛する者がOGLを利用して製作したゲームがパスファインダー(2009)と認識している。このパスファインダーがD&D4版よりも人気を博したがために、D&Dもユーザー離れを意識して、旧作懐古の要素の強い5版(2014)を改めて製作して覇権を取り戻したのが、この10年の大きな流れだ。俺がD&D熱を呼び起こされたのは、この5版が邦訳された2017年末以降の話だから、10年前の海外事情はよく分かっていなかったわけで、最近になって当時のD&D状況を語る人間の話を興味深く読んでいる最中だ』

 

アスト「2015年前後だと、KADOKAWAの再編の影響でソード・ワールド以外の文庫リプレイが出なくなったんだよな」

 

NOVA『それまで盛んに出ていたFEAR系の文庫リプレイの愛読者だった俺にとっては大打撃だったな。その時期辺りでTRPG離れしてしまったわけで、そこから出戻ったのが2017年辺り。とりあえず、ソード・ワールドの未購入だったサプリメントをチェックして改めて購入しているうちに、そっちも2.5版になって、2018年にTRPG熱が再燃したわけだ』

 

ダイアンナ「それから、このブログなどでいろいろ懐古したり、今の流れを追っかけたりして5年ってところか」

 

NOVA『で、D&Dの追っかけと言っても、懐古しながらの私的システム研究をしている間に、SNEが犬猫D&Dのパグマイア&マウを翻訳出版してくれた。パグマウもOGLの産物なので、5版との比較も含めて興味深く追っかけていたら、ふと気づくと、どちらも新作が出なくなっていて、あれ? と思った。その理由をチェックすると、WotC社とホビージャパンの提携が終わって、D&Dの翻訳展開が危ぶまれているのが分かったのが2021年で、昨年はその状況がどうなるかを気にしながら、ブログのお引越しとか、D&D熱が冷めた後のことを考えて、FFゲームブックの復活の機運に乗ることにしたわけだな』

 

ダイアンナ「パグマウの方は、現在どうなってるんだい?」

 

NOVA『2021年末に出た海賊サプリの後が続かないんだな。その後、本国ではネズミサプリが出て、雑誌でも「翻訳予定はないけど少しずつ紹介している」段階。まあ、そのうち翻訳されたらいいなあ、なんて思ってたら、今回のD&DのOGL騒動で、パグマイアも思いきり巻き込まれたわけだ』

 

アスト「そう言えば、OGL騒動って何か説明していないよな」

 

NOVA『ああ、歴史話に流れていたか。OGLはぶっちゃけ「D&Dを共有財産として使って、ゲーム業界を発展させよう。パイが大きくなれば、収益も大きくなる」という理念で、ゲーマーとしての自由と民主の象徴みたいな契約事項だったんだ。ところが、昨年末にこのOGLを改訂し、「もっとWotC社が儲かり、業界を支配しようという動き」が出てきた。その背景に、WotC社の親会社のハズブロ社の経営会議で「D&Dは人気がある割に、金儲けの効率が悪い。もっと金を集められるように変えられないものか」という命令があって、今のWotC社の経営陣は創業当時のゲーマー社長ではなく、他所から派遣された雇われ社長だったようで、俺が考えていたよりもユーザー離れしていたみたいなんだな』

 

アスト「要するに、金権体質のトップが、ユーザーや関連会社の意向を無視して、勝手にルールを変えて、自由と民主の象徴を踏みにじろうとしたってことか」

 

NOVA『そう単純なものかは知らんが、これに反発したのがパスファインダーのPaizo社を初めとするゲームクリエイターおよび熱心なファンたち。脱OGL、脱D&Dの動きがWotC社の想定以上に広がった結果、「OGLの改訂はやめます。今までどおりにします」という形に収まったようだ』

 

アスト「Paizo社はそんなに影響力があるのか?」

 

NOVA『D&Dブランドを持ってるWotC社に対して、Paizoは旧WotC社の著名ゲームデザイナーたちが、ハズブロ傘下の金権体質に染まって自由を売った下請け業者と化した企業に見切りをつけて、自由にゲームを作るゲーマー魂の継承者として評価されているらしい。そして、OGLに対抗すべく自分たちでオープンRPGクリエイティブ・ライセンス(ORC)を立ち上げて、そこに参加するゲーム会社が多く集ったらしい』

 

アスト「でも、パスファインダーだってOGLに従わないといけないんだろう?」

 

NOVA『2019年には、「パスファインダー2」が出ていて、そっちはOGLとは関係ないみたいだ。つまり、「パスファインダー2」に基づくORCなら、これまでのOGL同様にゲーマーが自由に使えるシステムとして提供しますよって名乗りを上げた。かつてパスファインダーはD&Dの精神後継者として、4版を倒した実績があるから、アメリカのクリエイター及びゲーマーにとって非常に高いネームバリューを持っているんだな』

 

アスト「つまり、D&DのOGL陣営と、パスファインダーのORC陣営の対決になるのか?」

 

NOVA『さあ、どうだろうな。少なくとも、ORCで牽制したり、その他の要因が功を奏したのか、WotC社は「OGLに手を付けるのをやめました」宣言をしたらしいが、Paizoの方は「今回の件で、OGLはいつ棄却されるか分からない不安を伴うので、うちはORCの契約条項を近日発表する」と抗戦態勢を崩していないわけで。

『あと、パグマイアの方も、OGLに準拠しない第2版の製作を宣言したので、自分としてはそっちの方が気になるかな』

 

アスト「D&Dの方は、2024年に新版が登場予定らしいが(One D&D)、とんだ爆弾を抱え込んじまったみたいだな」

 

NOVA『俺個人は、リアルタイムでアメリカのゲーム業界戦争(?)に接するのは初めてだから、対岸の火事とは思いつつも、割とハラハラドキドキした気分だ。それと、もしもORCが正式に立ち上がったら、パスファインダー2の翻訳とか期待していいのかな、と思ったりする』

 

ダイアンナ「ダディーはどっちの味方なんだい?」

 

NOVA『実プレイよりは、コレクションとシステム研究とかがメインの実情では、どっちも活性化して日本語で訳されたら万々歳ってところだな。それと、今の立場では、アメリカのゲーム業界が内戦状態に陥っても、FF作ってるイギリスの方には飛び火しないだろうから、FFコレクションの続巻を楽しみにしながら、ゲームブックの攻略記事を続けていきたいってところだ』

 

アスト「業界人にとっては、今回の件はドキドキものだろうな。特に、5eクトゥルフを出したホビージャパンと、パグマイアを出したSNEは、OGLの動向次第で作品サポートの継続か否かが決まることだろうし」

 

NOVA『ともあれ、次はガイア・グランプリ後の「サイボーグを倒せ」まとめ感想を書く予定』

(当記事 完)