ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

D&Dの盗賊と吟遊詩人の話3

盗賊と都市の関係性、そして野外へ

 

アスト「さて、前回はダンジョン探索から外に出て、都市のことをあれこれ考えるようになって、都市といえば、ますます盗賊が主役だって話をした。当時は、こういうゲームブックの印象も強かったしな」

ダイアンナ「つまり、バトルとモンスター退治、剣と魔法の物語からスタートしたD&Dが、ダンジョン探索の際の特殊な技術を一手に引き受ける盗賊にスポットを当て、その後、ダンジョンから外に出て来ると、ますます盗賊にスポットが当たるようになった、と」

 

アスト「そして、スターウォーズの格好いいアウトローキャラ、ハン・ソロに注目が当たり、彼を演じたハリソン・フォードがさらにブレイクした冒険作品で、罠と戦う盗賊というキャラへの魅力も高まって行った」

アスト「インディ・ジョーンズ第1作の『レイダース』は81年の作品で、80年代に3作が作られた人気冒険活劇だ。今度また映画の5作めが予定されていて、作曲家のジョン・ウィリアムズが今度の作品で引退を表明した……と聞いたんだが、スピルバーグ監督との談話で何だかやっぱり引退を撤回したって話もあったりして、事実がどうなのかまだはっきりしないな」

ケイP『優れた映画音楽は、音楽と物語をうまく融合させたってことで、吟遊詩人の歌に通じるものがあるッピ』

 

野外冒険と盗賊

 

アスト「とにかく、80年代の冒険映画で、ダンジョンに眠るお宝を発掘するインディ・ジョーンズの物語が一つのバイブルとなると、鎧兜に身を包んだファイターのイメージが古くなる」

 

ダイアンナ「確かに、ジョーンズ博士は戦士ってイメージではないな」

 

アスト「一方で、80年代の戦士の典型はこれだ」

 

アスト「80年代はアクション映画やファンタジー活劇映画がいろいろと流行していく時代だが、映画の演出でヒーローが動き回るためには重い鎧を身につけるのがリアルではないため、主人公は戦士でも軽装で暴れ回るのが普通。大体、重装甲のアーマーに身を固めるのは、ストームトルーパーなどのザコ敵や、ダース・ヴェーダーなどの悪幹部が威圧感を見せるためにやるわけだ」

 

ケイP『例外的に、重装鎧を着た戦士が活躍する映画もあったッピよ』

アスト「『レディホーク』の主演は、ルトガー・ハウアー演じる黒騎士ナヴァールじゃなくて、盗賊少年のフィリップじゃないのか?」

 

ケイP『確かに劇中でいろいろとアクションしているのはフィリップで、ナヴァールは騎乗中だったり、要所要所の出番だけで動き回ってはいないッピね』

 

カニコング「動かないからこそ保てる威厳と風格でごわすな」

 

アスト「しかし、動かないとアクション映画の主人公とは言えないだろう。とにかく、冒険アクションのヒーローは映画では軽装であることが求められた(80年代当時は。CGが使える現在は重装備アクションも可能)。しかし、ゲームのD&Dの戦士像は重装鎧のファイターだな」

 

ケイP『だから、AD&Dでは軽装戦士を表現したレンジャーやバーバリアンのような職業クラスが用意されたッピ』

 

アスト「レンジャーのモデルは『指輪物語』のアラゴルンで、バーバリアンのモデルは蛮人コナン。どちらも人気キャラだが、クラシックD&Dでは再現されていない」

 

ダイアンナ「彼らは戦士なのに軽装だ。その不利さを現D&Dでは、どうバランスをとっているのだ?」

 

アスト「レンジャーは野外活動の特殊能力と呪文が使える。バーバリアンはファイター以上のHPと、防御を捨てた攻撃力の高さが特徴だ。が、まずはクラシックD&Dに専念しよう。ファイターの長所は重装鎧による防御力にあるが、野外に出ると、その重装鎧が使えない局面がある」

 

ケイP『海上と砂漠だッピね』

 

アスト「だが、水中戦闘とか、猛暑の砂漠の日差しで重装鎧がペナルティーを受けるようなルールは、クラシックD&Dにはないんだな」

 

ダイアンナ「ない物だらけだな」

 

アスト「そういうのは海や砂漠を舞台にしたシナリオ集に書いているのかもしれない。とにかく水中戦闘で使える武器(槍系や短剣など突き刺す武器のみ有効)とか、溺れるルールはあるんだが、鎧を着ていると不利というルールはない」

 

ケイP『そんなことはないッピ。「401cn以上の重さを背負っていると、ラウンドに1回、筋力判定を要求される」とあるッピよ』

 

アスト「紛らわしい書き方をしているな。ええと、400cnの重さってどれぐらいだ?」

 

ケイP『コイン400枚。鎧で言うなら、レザーアーマーは200cnでセーフだけど、チェーンメールが400cnで、他に何かを持ってるならアウトだッピね』

 

アスト「やっぱり、プレート着ていて泳ぐのは無理……ではないのか。十分な筋力さえあれば」

 

ケイP『筋力18あれば溺れる確率10%、16なら20%。ただし、息を止めることで耐えられる。耐えられる時間は強靭力と同じラウンド数だけど、戦うなど息を止めることに集中できなくなれば、その半分のラウンド。息が止められなくなれば、毎ラウンド強靭力判定で、失敗すると呼吸困難で意識を失うッピ』

 

アスト「これは一度、どれだけ水中でプレート付けて耐えられるか試してみなければなるまい」

 

ダイアンナ「誰が?」

 

カニコング「吾輩で試すのは無意味でごわすぞ。カニだけに、水中呼吸の特殊能力を持っているでごわすからな」

 

アスト「と言うか、ここにはプレートメールを身につけるようなキャラはいないのか」

 

ケイP『ドゴランアーマーは水中戦にも対応しているッピ。まあ、翔花ママとミストレス・アッキーは専用の水着でガードしないと、体表を構成している花粉が水に溶けてしまう体質だから素で水に弱いって設定だッピが』

 

アスト「他に戦士キャラは……チッ、コンパーニュのゲンブも亀だから、水中戦にも対応してやがる」

 

ケイP『意外と、水に溺れる経験をしたキャラはいないッピね』

 

アスト「TRPGでも、水に落ちた経験はしたことがないな」

 

ダイアンナ「ゲームブックならある。『運命の森』で食料全部をなくした経験が」

 

アスト「とにかく、船に乗る際や、砂漠を越える際に金属鎧は危険という知識はあって、割と着るのを遠慮した覚えはあるが、意外と何とかなるものかもしれん。日差しを遮るマントを装着したり、相応の工夫をすれば何とかなるかな」

 

ダイアンナ「だけど、アストはそういう話をしたかったわけじゃないんだろう?」

 

アスト「ああ。地形によっては金属鎧が不利なので、ファイターも革鎧で頑張らないといけない。そういう局面だと、ファイターのACも盗賊に対するアドバンテージがなくなって、盗賊の時代キター……って話をしようと思ったんだが、改めてクラシックD&Dのルールがそうなっていないことを今さら発見した次第だ」

 

ダイアンナ「アドバンストの方は?」

 

アスト「登攀において金属鎧がペナルティーを受けるというルールはある。ただし、水泳は……(ルールをチェックして)おお、『金属鎧を身につけていると泳げない』と明記してある。しかも、『水泳の技能を身につけていない者は、基本的に泳げない』とある」

 

ダイアンナ「そうなのか?」

 

アスト「意外なことに、『中世の水夫や海賊の中には泳ぎができない者がいて、水に落ちることを極端に恐れた』とルールに書かれてある。ただし、『冒険者は泳ぎができる可能性が高い』とも書いてあって、そのキャラが泳げるかどうかはプレイヤーが自由に決めてもいい、とある」

 

ダイアンナ「技能がないと泳げないって表現と矛盾しないか?」

 

アスト「技能なしだと『静かな水面を犬かきぐらいできる程度』とある。実際、日本では水泳技能の初歩を学校で習うから、泳いだ経験が一切ない人間を探す方が難しいが、そういう常識の通用しない文化だってあるんだろう。どっちにしろ、クラシックD&Dよりもアドバンストの方が水泳に関しては厳しい裁定が為されているようだ。後の版の方がもう少し緩やかなルールだと思うが、また後で調べよう」

 

ダイアンナ「とにかく、『金属鎧を身につけていたら泳げない』という証拠をルールから見つけたので、海洋冒険に臨むには革鎧でなければならないって話だな」

 

アスト「冒険の環境によっては、金属鎧に大きなペナルティーがあるから、広く旅する冒険者は革鎧の方がいいって話だ。そうなると防御力の低い盗賊の不利さがずいぶん緩和される」

 

カニコング「そういう時は、戦士はどうすればいいでごわすか?」

 

アスト「水中呼吸の指輪や魔法があればいいッピが、船上では鎧を脱ぐとか、水に落ちても大丈夫なようにロープで体を結ぶとか、水中に落ちないような位置に陣取るとか、いろいろ考える余地はありそうだ」

 

ケイP『クラシックD&Dでは、盗賊と魔法使いと、追加ルールのドルイドやミスティック(いわゆるモンク)を除けば、みんなプレートメールを装備できるから、逆にプレートかレザーかを悩む環境を与えれば、いつもと違うプレイが楽しめるッピよ』

 

アスト「80年代当時に、そういう発想をしたDMが日本でどれほどいたかは謎だがな。とにかく、お金さえ貯まれば、プレートメールは割と標準装備なのが日本のクラシックD&Dユーザーの大多数だが、アクション映画やファンタジー小説では、金属鎧の面倒くささがよく描写されていたな」

 

ケイP『その筆頭がドラゴンランスだッピね』

 

ダイアンナ「どういうことだ?」

 

アスト「ドラゴンランスの最初の主人公は、ハーフエルフの戦士タニスなんだが、彼は戦士なのに革鎧を標準装備して、剣の他に弓を使うレンジャー風味のキャラなんだ。職業がレンジャーなら、技能を使うためにも必要な装備だと思うが、ゲームのデータでは戦士。当時のクラシックD&Dの常識では、わざわざ不利な装備をしていることになるんだが、アドバンストD&D小説だから、そっちでは当たり前なのかな、とか思いながら読んでいたんだ」

 

ダイアンナ「戦士なのに革鎧というのは理解が難しい選択だ、と」

 

アスト「そんな彼の仲間に金属鎧を身につけた戦士は3人いる。一番、付き合いが長いのはドワーフの老戦士フリントで、他に巨漢の戦士キャラモンと、ソラムニアの騎士の子孫のスタームがいて、彼らの描写がいずれも鎧をガシャガシャさせて、やたらとうるさいんだよな。敵の軍隊の目を逃れて、こっそり進まなければいけない場面で、とにかく騒がしく、タニスが心配する場面がしばしば描かれている。とりわけ、巨漢のキャラモンは戦隊ものにおけるキレンジャーに相当する大食漢で、怪力なんだがやたらとドジに描かれていて、弟の魔法使いレイストリンに何かと手厳しいツッコミを受けている。あとはイタズラ好きのケンダー盗賊のタッスルホッフ(本人に盗みをしている自覚なし)の6人パーティーだ」

 

ダイアンナ「僧侶はいないのか?」

 

アスト「最初はいない。と言うのも、この世界は神々が人々を見捨てて、姿を消したという初期設定で、タニスたちの活躍で癒しの女神ミシャカルや善神パラダインなどの神々が帰還するまでのストーリーが小説の第1巻。

「で、彼らがそういう奇跡の探索行を始めるきっかけになったのが、NPCの蛮族姫ゴールドムーンと、寡黙なレンジャーのリヴァーウインド。ゴールドムーンが持つ青水晶の杖が、世界から失われた癒しの力を持つマジックアイテムで、杖に導かれた一行が向かった先に古代都市の遺跡があって、そこで女神ミシャカルの円盤に触れたゴールドムーンが女神の巫女に覚醒するんだけど、その前に遺跡を占領しているブラックドラゴンを倒さないといけない」

カニコング「ドラゴンランスの中では、重装鎧はあまり格好よく描かれていないでごわすか」

 

アスト「いや、敵のドラゴン軍を率いるドラゴン卿は、ドラゴンを模した鱗鎧を身につけていて、そちらは威厳たっぷりに描かれていた。味方の鎧は格好悪く、敵の鎧は格好いいという印象だな。ただ、終盤において、味方のソラムニア騎士が改めて同盟を結んだ善竜に騎乗して、決戦に赴くシーンなんかでは反撃する重装騎士の様子が格好よく描かれていたが、視点人物が盗賊のタッスルホッフだからなあ」

 

ケイP『味方で重装鎧が最も格好良く描かれていたのって、ヒロインのエルフ王女ローラナだと思うッピ』

アスト「右側のドラゴン卿の正体が、タニスの元カノのキティアラというのは、なかなかサプライズだったよな」

ケイP『キティアラがドラゴン卿になる前の前日譚が最近、読めて、マスターNOVAは喜んでいたッピ』

 

アスト「ドラゴンランス以外でも、80年代はフォーゴトン・レルム小説がいろいろ出ていたんだが、主人公は大体、軽装のレンジャーだったり(ムーンシェイのトリスタンや、アイスウィンドのドリッズト)、盗賊や魔術師だったり、あまり重装備の戦士が主人公って作品が少なかったと思う。重装備なのは、大体、ドワーフだったりして、どうも小説でリアルにアクションさせるとなると重装備戦士は動かしにくいのかな、と思う」

 

ダイアンナ「海外のファンタジー小説では、重装備戦士はサブキャラに回されるということか」

 

アスト「もちろん、ドラゴンランスのキャラモンは後に、双子の弟レイストリンの対になる存在として、主役に昇格するんだけどな」

 

80年代の鎧の話

 

アスト「とにかく、80年代のファンタジー映画や小説は、ゲームと違って重装甲戦士よりも、軽装戦士や身軽な盗賊風キャラが主役を張る作品が多かった、ということだ」

 

カニコング「だけど、日本では違った動きが見られたでごわす。重装甲戦士が80年代の主流といっても過言ではない」

アスト「ドルアーガは84年の作品で、D&Dとウィザードリィの影響を受けた作品と、創り手が公表しているみたいだな。確かに、金色のアーマーをまとった騎士スタイルのギルは重装戦士だが、舞台である古代バビロニア時代にこのような鎧はなかったはず」

 

カニコング「そんなことを言ったら、聖闘士星矢だって古代ギリシャなのに、黄金聖闘士の重甲冑はありえないでごわす」

 

アスト「古代ギリシャ時代の聖衣(クロス)が今と同じ重装備とは限らないだろう? 時代に合わせて、聖衣だって変化するんだよ。こんな風に」

カニコング「確かに、硬質感の全く感じられない文字どおりの布みたいな聖衣でごわすな」

 

アスト「これなど聖闘士プリキュアと呼ばれたほどだからな」

ダイアンナ「Ωはともかく、元の星矢は確かに80年代のファンタジー。アニメでは鎧を装着していても、アクションが可能。それゆえに、アニメでは鎧ものが花開いたわけだな」

 

アスト「しかし、実写で重装鎧は無理だろう」

 

カニコング「果たして、そうでごわすかな?」

アスト「なるほど、日本の80年代はメタルヒーローが激しいアクションを繰り広げていた時代か」

 

カニコング「その通りでごわす。どう見ても重装備のメタルスーツでここまでの動きを見せて、しかも巨大ロボのダイレオンまでCGを使わずに、あそこまで飛び跳ねるとは、よくぞここまでと感服仕る。まさに重装鎧の時代が80年代の日本では花開いていたのでごわす」

ダイアンナ「日本の80年代は鎧の各パーツが飛んで来て装着される時代だったのだな」

 

ケイP『この日本のアーマー飛来感を時代を超えて再現して見せたのがこれだッピ』

アスト「もはや80年代の話ではなくなっているし、盗賊の話がどこへやら、だ」

 

ダイアンナ「ところで、わずか1ミリ秒で装着できるようなSFハイテクスーツの話はともかく、D&Dのルールでは鎧はどれだけの速さで装着できるものかな?」

 

アスト「5版のルールにはあって、革鎧のような軽装鎧で着脱にそれぞれ1分間。青銅聖闘士のような胸甲(ブレストプレート)タイプの中装鎧で着るのに5分、外すのに1分。そして全身を覆うタイプの重装鎧で着るのに10分、外すのに5分となっている。例えば、海に落ちて慌てて鎧を脱がないといけない場合でも、1分あれば溺れる前に鎧を外せるが、5分もかかっていては間に合わないだろうな」

 

 

ダイアンナ「とにかく、ここまでの錯綜した話を何とかまとめてみるか。戦闘のことだけを考えると、戦士はガチガチに鎧を着込んだ方が得だが、もっと広い冒険の局面を考えると、重い鎧は不便なことも多い。ゲームのバトルだけを考えたら重装備がいいが、海外のアクション映画や冒険小説では重装備は決して主人公向きではない。だから、重装備のキャラよりも、軽装備のキャラ(クラシックD&Dでは盗賊)の方が80年代の海外では人気が高かったということだな」

 

アスト「そういうことだ」

 

ダイアンナ「一方で、日本では鎧を着た騎士や戦士に新鮮さを感じて、それが海外で流行っている時代の最先端と勘違いして、どんどん鎧のアクションヒーローやアニメが量産されていった。このギャップがどう埋まって行ったかが考察テーマとしても面白いな」

 

ケイP『80年代といえば、アメリカで忍者ブームもあったッピ。東洋風の活劇アクションが新鮮なものとして映り、力よりも技を主体にしたヒーロー像が求められた。一方で、D&Dは70年代のゲームなので、どうしても重装甲のパワーファイターの方が強くなる。アドバンストD&Dでは、世の中の流行を反映した軽装戦士のクラスも組み込まれたが、日本で紹介されたクラシックD&Dはそれにまだ対応しきれておらず、重装甲パワーファイターこそが海外の主流と勘違いした、と考えるッピ』

 

アスト「つまり、アメリカは珍奇な日本文化、東洋文化を取り入れ、一方の日本はファンタジーRPGという新ジャンルを取り込む際に、あるいは東洋風の剣術アクションを取り入れたスターウォーズを参考にする際に、帝国軍のメカメカしいアーマー姿に新しいセンスを感じたってことか」

 

ケイP『ストームトルーパーの白アーマーは、アメリカでは画一化されたダサい戦闘員スタイルなのに、日本ではそこに格好よさを感じた。一方、主人公のルークは日本の武道着を身につけて、日本人からすればイケてないスタイルだけど、ライトソードという光の剣だけは非常に格好良く映り、自分たちの文化にない新規性を模倣していった形になるッピ』

 

カニコング「メタリックな金属鎧文化と、光る剣は宇宙刑事以降のメタルヒーローの源流になる一方で、70年代半ばにピークを迎えたスーパーロボット文化が、一時期、時代遅れになりかかっていたのを、新たにスターウォーズのようなリアルっぽさを吸収して、光る剣を持ったパワードスーツ的なロボ、というスタイルで、兵器としてのロボがリアルとも受け止められたでごわすな」

 

アスト「D&Dの影響は、SFロボとファンタジー世界の融合したダンバインが早いが、ゲーム業界から広がる流れと、冒険アクション映画から広がる流れが連鎖したのがドラクエファイナルファンタジーの誕生する80年代後半。変形するメカロボから次に変形する装着鎧のファンタジー戦士の時代になったりもした、と」

 

ケイP『ところが、90年代に入ると鎧ブームも終わって、時代は徒手空拳の格闘家がもてはやされるようになるッピ』

 

アスト「対戦型ゲームの時代でもあるな。では、寄り道脱線の続いた話はこれぐらいにして、次回はコンパニオン以降の盗賊の話をして、クラシックD&Dの話を締めくくるとしよう」

 

ダイアンナ「その後は?」

 

アスト「バードの話もしたいんだが、実のところ、アドバンストのバードの話は前回で終わっているんだよな。意外とネタが広がらないのは、バードのルールを拡張する2版のサプリが手元にないのと、広げるならバードの扱える魔法の話になるんだが、魔法の話はオレには手が余る。すると、バードの話を続けるには3版とか5版に展開する必要があるわけだ。とりあえず、クラシックD&Dの話で一度まとめて、3版以降はまた別の機会に先送りした方がいいと思う」

 

ダイアンナ「では、今回の盗賊話は次回で一度、締めくくるってことだな」

(当記事 完)